フェイトとティアナのイラストはステルス兄貴さんに許可をもらい使用しております。
彗星帝国残党軍の襲撃を受け、防衛軍に救助されたフェイトたち。
自分たちが知る地球とは異なる地球‥‥
しかもその地球には死んだとされたギンガ、リニス、ドゥーエが居た。
この地球がどんな歴史を辿ったのか、防衛軍側が記録した映像を見せてもらった。
この地球の宇宙進出から火星での独立戦争、そして外宇宙から襲来したガミラスとの戦争‥‥
ガミラスとの戦争は管理局の歴史の中でも存在しない壮絶で残酷な歴史であり、フェイトとティアナが衝撃を受けたのは言うまでもない。
一時休憩を挟み、続きを見る二人。
モニターにはつい最近にあったガミラスに次ぐ地球を狙う彗星帝国との戦いの歴史が映し出される。
土星圏で起きた彗星帝国の太陽系侵攻艦隊と地球連合艦隊との戦い‥‥
太陽系侵攻艦隊の旗艦であるメダルーザの火炎直撃砲に苦しめられる防衛軍。
苦戦を強いられるも土方提督の冷静な戦力分析により防衛軍は彗星帝国の太陽系侵攻艦隊を撃破することに成功した。
しかし、この戦いでさえ彗星帝国戦役の全体を見れば序章に過ぎなかった。
メダルーザを撃破した直後、土星圏の戦場に突如、巨大な白色彗星が出現する。
「えっ?彗星が次元転移?」
「す、彗星がそんな事出来る訳が‥‥」
「そう‥‥この彗星こそがガトランティスの本土‥‥我々が連中の国を白色彗星帝国と呼んだ由縁なんだよ」
「それじゃあ、この彗星は人工物ってことですか?」
「うん。そうなるね」
「どおりで自然界の常識が当てはまらない筈ね」
クロノがあの彗星の事を『異常』と評するのも分かる。
自然界に存在しない動きもこの彗星が人工物であるならば説明がつく。
突然の彗星帝国本土のワープアウトでヤマト以下の機動部隊が彗星帝国の重力圏に捕まり吸い寄せられる。
ヤマトは巡洋艦の衝突により運よく重力圏から離れる事が出来たがその他の機動部隊の艦艇は彗星に吸い込まれその超重力で押しつぶされてしまった。
防衛軍もまさか、彗星帝国がワープして土星圏まで来るとは流石に読めなかった。
しかし、来てしまったものは仕方がない。
防衛軍は太陽系侵攻艦隊を撃破したばかりで彗星帝国本土の戦いへ短時間で二連戦となった。
突如現れた彗星帝国であったが、防衛軍は何とか体制を立て直す事が出来、彗星の進行方向前面に立ち塞がり彗星に対して拡散波動砲を一斉に放つ。
一隻だけでも強力な威力を誇る波動砲。
メダルーザにより何隻か撃沈されるもまだ戦艦は残っている。
多数の戦艦から一斉に放たれる波動砲を喰らってはいくら彗星帝国本土でも無事では済まないだろうとフェイトとティアナも思っていた。
防衛軍の軍人、連邦政府の政治家・官僚もこの時はそう思っていた。
しかし、予想は大きく裏切られた。
あれだけの波動砲を喰らっておきながら、彗星帝国本土は無傷で周囲を覆っていたガスを払うだけの結果となった。
「あ、あれだけの戦略砲なのに‥‥」
「周りのガスを払っただけ‥‥?」
彗星帝国本土のあまりの硬さに驚愕する二人。
土方提督は波動砲の次弾を撃つためのエネルギーもチャージする時間もないと判断し、砲雷撃戦で彗星帝国本土へ攻撃する。
だが、上層部の都市部が中間にある回転リング帯より吹き出るガスバリアで防衛軍の攻撃は無力化され旗艦であるアンドロメダも大破したが、木星圏まで防衛軍の残存艦隊は何とか撤退する事が出来た。
防衛軍の壊滅は連邦政府に大きなショックを与えた。
(管理局じゃあ、信じられない事ね‥‥)
管理局の歴史史上、ここまでの被害を出した戦いはかつて存在しない。
JS事件でもスカリエッティが蘇らせた聖王のゆりかごを撃沈する際も管理局の艦船は一隻の被害を出すことなく、ゆりかごを撃沈している。
しかし、防衛軍は彗星帝国本土に拡散波動砲を一斉射するも結果はガスを取り払うだけで、本土へ砲雷撃戦仕掛けるも返り討ちに遭う始末‥‥
もっとも彗星帝国とゆりかごを比べた時点で規模が違いすぎる。
フェイトもティアナもアルカンシェルの一斉射で彗星帝国本土のガスを払うことが出来るのかさえ疑問に感じてしまう。
ましてや防衛軍の艦船でさえ、本土のガスバリアを砲雷撃戦で破れなかったのだから、管理局の艦船では話にならないことはテリオスが彗星帝国の艦船に一方的にボコボコにされた経緯を見ても明らかだ。
ヤマトもアンドロメダも撃沈されてしまったと思った連邦政府は彗星帝国へ無条件降伏をするも防衛軍残存艦隊はそれを拒否し、調印ギリギリのタイミングで彗星帝国本土へ攻撃を仕掛ける。
奇襲攻撃は成功するも彗星帝国は直ぐに体制を立て直す。
戦闘が長引けば防衛軍側が不利になるのは明白だった。
そこで、防衛軍側は苦肉の策で彗星帝国本土へ上陸・突入し、動力炉を破壊した。
作戦には成功したはいいが、突入部隊と支援にあたった艦載機部隊にも多大な犠牲を出した。
彗星帝国本土へ突入する部隊は全滅‥つまり死ぬことを承知でありながら自ら志願して出撃していった。
管理局の任務においても絶対に安全とは言い切れない。
事実、ティアナの兄は犯罪者を追跡中に殉職しているし、管理局のエース・オブ・エースのなのはも11歳の時にガジェットとの戦闘で重傷を負ったことがある。
しかし、これらは任務の危険度が未知数だったが、突入部隊は最初から死ぬ確率が高いことが分かっていた。
死ぬ確率が高い事が分かっておきながらその作戦に参加する‥‥
フェイトとティアナにはその作戦に参加した防衛軍の軍人たちの行動に愕然とする。
飛行場は防衛軍の突入隊員とガトランティス兵の屍で半ば埋まり、双方の将兵たちの血で沢の様になったと言う。
古代ベルカ時代の戦場ならばわからなくもないが、現代のミッドでは想像も絶する光景だっただろう。
(エリオやキャロ、それにヴィヴィオが居なくてよかったよ‥‥)
フェイトはこの場にエリオたちが居ない事に安堵する。
流石にこんな光景は子供にはショックが強すぎる。
動力炉を失いガスバリアも消えた彗星帝国本土に対してヤマト以下の防衛軍艦船は砲雷撃で都市部を攻撃すると、誘爆を繰り返し彗星帝国本土は大爆発をする。
これで防衛軍が勝利したかと思いきや、彗星帝国本土の内部から漆黒の巨大戦艦が現れた。
「えっ!?まだ生きていたの!?」
「しぶと過ぎ‥‥」
彗星帝国の底力と言うかしぶとさに驚愕と同時に呆れるフェイトとティアナ。
「ハハハハハハ‥‥どうだ、わかっただろう!?宇宙の絶対者はこの全能なる儂なのだ!生命あるものはその血の一滴までこの儂のものだ!宇宙はすべて我が意志のままにある!儂が宇宙の法だ!宇宙の秩序なのだ!よって当然地球も儂のものだ!ハハハハハハ‥‥」
彗星帝国ガトランティス元首ズォーダーの言葉を聞き、フェイトとティアナは明らかに不機嫌な顔となった。
管理局の上層部でも似たような思想、同じような言葉を吐いている局員が居る。
二人にとってはその思想は同じ局員でも賛同できないが、同族嫌悪に感じる。
最も管理局と彗星帝国ではレベルが違いすぎる。
そして、巨大戦艦は下部に搭載されていた巨大な砲台で地球を砲撃し始めた。
「ひどい!」
巨大戦艦の無慈悲な攻撃に、フェイトは思わず声をあげ、ティアナも顔をしかめる。
だが、そんな巨大戦艦も最期はテレサと刺し違える形で呆気なく消滅してしまった。
「この映像もかなりの部分をショートカットしたものだけど、端的にまとめるとこれがもう一つの地球が辿った歴史だ」
テレサと共に巨大戦艦が消滅したところで映像が終わる。
二人の周りには重い空気が漂っているのは言うまでもなかった。
束たち防衛軍がわざわざあの映像を創作したとは思えない。
念のためバルディッシュ、クロス・ミラージュに確認しても、あの映像はフィクションではないと回答した。
「そして、君たちの乗っていた艦を攻撃したのはこの彗星帝国の残党軍の艦船であり、私たち防衛軍はその残党軍の掃討戦をしていたんだ‥‥」
テリオスにとっては防衛軍と彗星帝国の残党軍との戦闘に巻き込まれた被害者的な立場になった。
管理局の上層部が知れば防衛軍と彗星帝国に損害賠償を求めてきそうだ。
彗星帝国は既に防衛軍とテレサが本土を壊滅させてしまったので、もう一つの地球を管理世界に編入しかねない。
当然、そんな事をすれば防衛軍は管理局を侵略者とみなして管理局の艦船に向けて例の戦略砲が向けられる‥‥
想像するだけでゾッとする。
「…そういえば、君たちの出身を聞いていなかったけど、二人とも『ミッドチルダ』の出身なのかな?」
「はい、共にミッドチルダ出身です」
フェイトは一時、この地球とは違うもう一つの地球‥第97管理外世界で過ごした経験があるが、ここでは割愛した。
「そのミッドチルダが第一管理世界で、次元の海の中心というわけなの?」
「えっ?ええ‥‥」
「そうです」
「へぇ~そうなんだ‥‥」
納得しながらも束は内心で反発と冷笑を覚えていた。
それはフェイトたちにではなく、彼女たちに命令しているであろう管理局の上層部に‥‥
(ミッドチルダが次元世界とやらの「中心世界」とはな。神にでもなったつもりか?)
たとえ住む世界が違い、魔法が使えようが、使えなかろうが、人間とて数多の動物の一つに過ぎず、自然や宇宙の力に比べれば、人間の力など微々たるものでしかない。
目の前のフェイトたちはともかく、彼女たちの属する組織に対して好意的になるのは正直困難だ。
ノアやテリオスの捜索で、管理局の制服を着た未成年者たちの遺体が複数確認され、しかも彼らの身分証に『空(陸)戦魔導師』とあったことも管理局への不信の要因の一つだ。
「一つ確認したいんだけど、管理世界と管理外世界の分け方には、魔法文化の有無が基準なのかな?」
「は、はい」
「そう‥分かった。でも二人が魔導師だとしても、それで私たちの君たちへの態度や待遇が変わることはないから安心して、それで今後の予定なんだけど‥‥」
束はフェイトとティアナに今後の予定を伝える。
「私たちは特別かつ緊急の任務を帯びての作戦行動中なの‥‥だから君たちには申し訳ないけど、管理局の仲間が此処に到着するのをのんびりと待っているわけにはいかない」
(それに土星圏をうろつかれて挙句に地球へ来られても迷惑だからね‥‥)
束は管理局の艦船がこの太陽系をうろつかれて地球本土へ来られたら、これまでの管理局艦から得た情報を判断し、管理局が地球を植民地(管理世界)に指定してきそうなので、できれば太陽系に管理局の艦を入れたくはなかった。
「は、はい‥‥」
「‥‥」
防衛軍側からすればもっともなことで、自分たちが防衛軍と同じ立場ならばそうするだろう。
「でも、君たちが乗っていた艦から通信機器を回収してそれらを通信ポッドとして近くの宙域にその通信ポッドを設置して、何とか管理局とコンタクトをとるつもりだから」
「は、はい‥‥」
「よろしくお願いします」
フェイトとティアナは揃って束に頭を下げた。
「まぁ、この艦を手土産にミッドへ還ると考えてもいいわよ。た・だ・し、その場合は私が貴女たちの顔を切り刻むからね」
更識が殺意を含む妖艶な笑みを浮かべて二人に忠告を入れる。
ナンバーズの中で一番の残忍さを持つとされる彼女が言うのだから、変な事をすれば更識は躊躇なくフェイトたちを手にかけるだろう。
しかし、神堂とシルビアが負傷し動けずに半ば人質状態の状況下でギンガやリニス、更識を含めたアマテラス乗員全員と戦い、操艦スキルがなく、操艦方法も知らないアマテラスでミッドに戻るなんて不可能だ。
「もう、更識さん。あまりフェイトたちをからかってはいけませんよ」
そこへ、何かを抱えたリニスがやってきた。
「分かっているわよ、冗談よ、冗談」
更識は冗談と言うが、フェイトとティアナには決して冗談には見えなかった。
まぁ、更識にとって相手が管理局員‥しかも元機動六課所属だったと言う事で多少の私怨も含まれていたのだろう。
「今回の任務は、今日以上に激しい戦闘も今後あり得ます。この制服は簡易宇宙服の機能もあって、ヘルメットとこの気密手袋を着用すれば、ある程度宇宙空間でも活動できます。危機管理のためにも着替えておいて下さい」
リニスはフェイトとティアナに防衛軍で採用されている軍支給品の下着等の着替えと女性用の艦内制服、ヘルメット、気密手袋の装備一式を二人に手渡した。
フェイト
ティアナ
その頃、ギンガとアマテラスの技術班の乗員たちはテリオスから通信機器とブラックボックスを回収して管理局とのコンタクト用の通信ポッドを製作した。
アマテラスのテリオス乗員の救助と遺体の収容、通信ポッドの製作。
ヤマトのタイタンからきた友軍の救難要請。
それらを全て解決したヤマト、アマテラス、雪風・改はいよいよイスカンダル救援へと向かう。
その為に現在、彗星帝国残党軍の制宙権となっている天王星、海王星、冥王星、第十一番惑星を通り過ぎるためにヘリオポーズ付近までの大ワープを行う。
これもガミラスからの技術提供のおかげだ。
「これより本艦は十五分後にヘリオポーズへ向け、大ワープに入る。各員、部署にて待機せよ。繰り返す‥‥」
アマテラスでは大ワープ準備を知らせるギンガの声が流れる。
「ワープ‥‥ですか?」
「あの‥‥ワープって何ですか?」
ティアナがリニスにワープについて質問する。
「要約すれば、超光速航行による空間転移と考えて下さい」
(なるほど、次元跳躍みたいなモノか‥‥)
ワープの説明を聞いて管理局の艦にも似たような機能があるのでそれと同じようなモノかと納得する二人。
「はい」
そして、リニスはフェイトとティアナに錠剤入った瓶とミネラルウォーターのペットボトルを二つ渡した。
「えっと‥‥これは?」
「酔い止め薬よ」
「「酔い止め!?」」
渡された錠剤の正体に思わず、声が裏返るフェイトとティアナ。
「最初だと、多分ワープ酔いをするかもしれないから‥‥ワープ前に飲んでくださいね」
「えっ?酔うんですか?‥‥宇宙戦艦の中で‥‥星の海なのに‥‥」
ワープの説明をリニスから聞き、海上と違い波風による不規則な揺れがない星の海で酔うのかと疑問を覚えるティアナ。
光より速く航行する――。
時空管理局艦船の次元跳躍と似て異なる空間転移航行技術。
リニスの説明を聞きティアナは息を飲んだ。
危険はないが、身体には若干の負担がかかると言う。
なので、最初のワープを経験すると失神したり酔う者が居ると言うのだ。
やがて、ワープの準備が整うとヤマト、アマテラス、雪風・改はヘリオポーズを目指して防衛軍として初のガミラスの技術供与を受けた大ワープを行った。
次回 太陽系赤道祭
再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥
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Dr.スカリエッティ
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エルトリア組
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アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様