内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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お待たせしました!今回と次回もステルス兄貴さんとの合作(というより共同作に近いですが)です。


第七十一話 太陽系赤道祭準備

 

土星圏で彗星帝国の残党に襲われている中、地球防衛軍の手によって救助された時空管理局員のフェイトとティアナへの説明の後、ガミラスからの技術供与で完成した超ワープ機関のテストもかねて土星圏から第十一番惑星の沖合まで一気に大ワープを行ったヤマト、アマテラス、雪風・改は針路をヘリオポーズへと向けた。

 

「ワープ終了!誤差0.025。十分に許容範囲内です」

 

「機関も異常なしでぃ!」

 

『船体への損傷も確認できず。束、各所ともに問題なしだ』

 

「よし!じゃ、ディアーチェ。せっかくヘリオポーズについたしあれやろうか!」

 

「うむ!では、ヤマトの古代たちにも話をするか」

 

「そうだね。通信長、ヤマトに回線を開いて」

 

「了解」

 

束はギンガにヤマトへの通信回路を開かせる。

 

「月村艦長、どうしたんですか?」

 

「土星圏でこちらが救助した時空管理局乗員については知っていると思うが、何とかその時空管理局とコンタクトを取りたいのだが‥‥」

 

「何とかなりそうなんですか?」

 

「ウチの通信長と技術班が専用の通信ポッドを製作したから大丈夫だ」

 

「分かりました。では、適当な小惑星に設置しましょう」

 

束と古代がヘリオポーズにて管理局とのコンタクト用の通信ポッドを設置するためにどこか適当な小惑星に立ち寄る事になった時、

 

「ねぇ、古代君。折角だし、また例の行事をやらない?」

 

雪が古代に何かのイベントを提案する。

 

「そうだな、新人も訓練と突然の実戦で疲れただろうし、ここらで息抜きはどうだ?」

 

すると、島も雪の提案に賛成の様子。

 

「いや‥しかし‥‥イスカンダルの危機だと言うのに‥‥」

 

古代はイスカンダルが危機の中、時間を一分一秒も無駄に出来ないので、イベントにはやや否定的だ。

 

「古代、イスカンダルへ行けばガミラス星に居た謎の敵との戦闘も考えられる。今の内に英気を養うのも必要だぞ」

 

真田も島や雪と同じくイベントに賛成の様子。

 

「‥‥分かりました」

 

三人に言われ、古代は渋々賛成した。

 

「ん?何かやるの?」

 

一方、束は三人の話についていけていない。

 

「ああ、月村は知らないか‥実は最初のイスカンダルの航海で、ヤマトは此処で赤道祭をやったんだよ」

 

「赤道祭?」

 

真田は束にイベントの内容を話した。

 

「へぇ~そんな祭りを‥‥」

 

「まぁ、真田や島の言う通り、新人の乗員たちのメンタルを鑑みるとここらで一度ガス抜きも必要ではないか?束」

 

ディアーチェも真田たち同様、イベントの話を聞き賛成の様子。

 

「分かった。折角だしやろう」

 

こうしてヘリオポーズにて赤道祭が行われる事になった。

 

「こちら艦長の月村だ!これより本艦とヤマト共同の赤道祭の実施を行う!各員、これまでの厳しい訓練と実戦で疲れただろうから、今後の予想される戦闘に備え、この祭りで英気を養ってもらいたい!!」

 

『おおお!』

 

その艦内放送を聞いた新人の乗員たちは歓声を上げた。

 

なにせ出航してからすぐさま実戦に即した艦隊戦訓練を行い、休む間もなく木星圏に向かい、戦艦部隊と合流して少し休めると思いきやガトランティス艦隊の奇襲ですぐに戦闘。

 

そして土星圏に向かう間は臨戦態勢を維持して航行。

 

そして土星圏では艦隊戦の他に管理局艦艇の救出作戦を行うというゴタゴタな日程であったからなおさらだ。

 

太陽系赤道祭の開催が決まり、その準備が進められる中、アマテラスの女性士官予備室では‥‥

 

「うぅ~‥‥」

 

「だ、大丈夫ですか?フェイトさん」

 

「うぅ~‥‥ダメ~‥‥ぎぼぢわるい‥‥」

 

ティアナの問いに顔を青くして、手で口を抑えながら答えるフェイト。

 

「どうして酔い止めを飲まなかったんですか?この艦の医務長さんとは知り合いだったのに‥‥」

 

ティアナはリニスから事前に注意を受けたにもかかわらず、何故酔い止めを飲まなかったのかフェイトに尋ねた。

 

「だって‥‥本当に酔うとは思わなくて‥‥」

 

最初にリニスからワープの説明を着た時にティアナは星の海なのに酔うのか懐疑的であったが、それはフェイトも同じだった。

 

ただ、ティアナはワープ経験があり、しかも医務官であるリニスが言うのだからと、ちゃんと酔い止めを飲んだのだが、フェイトの方は信じられなかったか、自身の三半規管の強さに自信があったのか、酔い止めを飲まなかった。

 

その結果、フェイトはワープ酔いをしてしまったのだ。

 

酔ってからでは遅いがティアナはフェイトに酔い止めを飲ませるが、酔ってからでは効かないのかフェイトは青い顔をしたままだ。

 

「とりあえず、リニスさんに診てもらいましょう」

 

ティアナはフェイトに肩をかしてアマテラスの医務室を目指す。

 

「うぅ~フェイトさん‥意外と重いですね‥‥」

 

「うぅ~ティアナ酷いよぉ~‥‥」

 

酔っている為、フェイトは全身に力が入らず上手く歩けない。

 

そんなフェイトを運んでいるティアナの負荷が大きくフラフラと通路を歩いている。

 

そこへ、

 

「あら?二人とも何をしているのかしら?」

 

更識が二人を見つけ声をかける。

 

「あっ‥ドゥ‥‥更識‥さん‥‥」

 

ティアナは顔やや歪める。

 

割り切ってはいるつもりではあるが、チンクたちナカジマ家に引き取られた養子組とセインたち聖王教会に引き取られた教会組のナンバーズたちと違い更識にはどうも苦手意識があるティアナ。

 

恐らくフェイトもティアナ同様、更識には苦手意識がある筈だ。

 

最も今は酔っていてそんな余裕がない。

 

「それで、何をしているのかしら?二人とも」

 

「あ、あの‥フェイトさんが酔ってしまって医務室に連れて行こうと‥‥」

 

「酔う?ああ、ワープ酔いをしたのね」

 

更識はティアナから事情を聞いてフェイトの身に何があったのかすぐに察した。

 

「しょうがないわね」

 

すると、更識はフェイトに肩をかす。

 

戦闘機人であるので、ティアナよりも力が強いらしく更識は重そうな様子もなくフェイトに肩をかして歩いている。

 

「す、すみません」

 

「別に‥艦内の通路で吐かれた方が迷惑だからよ」

 

更識から肩をかしてもらっているフェイトとしては複雑な心境だろう。

 

しかし、そんなフェイトの心境を知る由もなく更識は医務室へと運ぶ。

 

「リニス先生、急患一名とうちゃ~く」

 

「急患?って、フェイト!?どうしたんですか?」

 

更識の肩に貸してもらって医務室に運ばれたフェイトを見て驚きの声を上げるリニス。

 

「ワープ酔いをしたみたいなの」

 

「ワープ酔い?フェイト、酔い止めを飲まなかったのですか?」

 

「フェイトさん、ワープで酔うなんて信じていなかったみたいで‥‥」

 

「呆れた‥‥事前にリニス先生から説明を受けたでしょう?」

 

「とりあえず、横になって休んで。あと、無理をせずに戻したい時は戻して良いですからね」

 

リニスはフェイトをベッドに横たえてベッドわきのサイドテーブルに洗面器を置く。

 

「フェイトさん酔ったんですか?」

 

「大丈夫ですか?」

 

「う、うん‥‥二人は平気なの?」

 

医務室にはフェイト、ティアナと共に救助された神堂とシルビアが居た。

 

二人はティアナ同様、酔った様子はない。

 

「シルビアはついさっき目を覚ましたみたいで‥私は酔い止めを飲んで横になっていたので酔っていません」

 

神堂は自身とシルビアが酔っていない訳をフェイトに話す。

 

「そう言えばさっき、月村艦長が何かやるって艦内放送をしていましたけど、訓練でもやるんですか?」

 

「いや、どうやら赤道祭をやるみたいだ」

 

ティアナの質問に鏑木が答える。

 

「赤道祭?」

 

「それって何ですか?」

 

「ふむ、他の星ではそういった祭りの文化はないのか?」

 

「お祭り‥‥は、収穫祭ならやりますけど‥‥」

 

「それで、どんなお祭りなんですか?その赤道祭と言うのは?」

 

シルビアがミッドで行われている主な祭りを言い、神堂が赤道祭とはどんな祭りなのかを尋ねる。

 

「赤道祭は、元々は海を行く船に行われていた祭りで、元々は岬を通過する際の儀式に由来する。特にまだエンジンではなく、風の力で走行していた帆船時代、赤道付近では北東貿易風と南東貿易風の間にある熱帯収束帯は風が弱くスコールが発生しやすいなど木造帆船にとっては難所であった。このため船乗り達は赤道を通過する際に安全を祈願する儀式を行うようになったとされる」

 

鏑木がミッド組に赤道祭について説明する。

 

「あのヤマトも最初のイスカンダルへの航海でこのヘリオポーズにて赤道祭をやったみたい」

 

「へぇ~」

 

「管理局の艦には無い文化ですね」

 

星の海で航海の最中に祭りを行うなんて管理局の艦ではなかったので、シルビアも神堂も意外そうだ。

 

「ですが、ヤマトもアマテラスも今は任務中なんですよね?良いんですか?そんな中でイベント何て‥‥?」

 

ティアナは任務中にイベントをやるなんて軍規違反にならないか尋ねる。

 

「ふん、相変わらずお堅いわね。管理局の人たちは」

 

更識がティアナに挑発的な笑みを浮かべながら言うと、ティアナは睨みつける。

 

「更識さん」

 

「はい、はい、分かっているわよ」

 

「特に罰則は設けられていないわ。それにヤマトにもアマテラスにも新人の乗組員が大勢乗っていて、訓練や戦闘で疲れているだろうし、この先まだまだ戦闘がある可能性が高いから、今の内に英気を養う目的でやるみたい」

 

「そうなんですか‥‥」

 

リニスがミッド組に赤道祭をやる理由を話す。

 

そこに、

 

「リニスさん、フェイトさんたちがそちらに居ませんか?」

 

ギンガから通信が入る。

 

「此処に居ますよ。何かフェイトに用ですか?」

 

「はい、このヘリオポーズで管理局との通信用の機器を設置するので、管理局宛てのメッセージを録画・録音しようということになりまして‥‥」

 

「あら?そうなの?でも、フェイトは今、酔っていて‥‥」

 

「えっ?酔っている?お酒でも飲んだんですか?」

 

「いいえ、ワープ酔いよ」

 

「あぁ~‥‥初めてのワープ経験だと酔う人もいますね。でも、酔い止めを飲まなかったんですか?」

 

「どうやらそうみたい」

 

「じゃあ、どうしましょう」

 

「あっ、でしたら私がやります」

 

「私も‥‥」

 

フェイトは今、ワープ酔いでダウン、シルビアも手術が終わったばかりなので、比較的に動けるティアナと神堂が管理局宛てのメッセージをすることになった。

 

「では、今から録画機材を持ってそちらに行きますね」

 

「ええ、分かったわ」

 

ギンガは録画機材を手に医務室へと向かった。

 

管理局宛ての通信ポッドの用意が進む中、ヤマトとアマテラスはそれぞれハッチをドッキングさせ赤道祭に必要な物資や機材をアマテラスへと運ぶ。

 

赤道祭の会場はヤマトよりも大きなアマテラスとなったからだ。

 

ヤマト、アマテラスの厨房では主計科の厨房係の乗員たちが赤道祭の為の料理を用意していた。

 

「そちらの料理にはその調味料ではなく、こっちを使え!!」

 

「は、はい!!」

 

「揚げ物は上げるタイミングに注意しろ!!」

 

「はい!!」

 

アマテラスの厨房ではディアーチェが厨房係の乗員たちに混ざり料理を作っていた。

 

管理局への通信、そして赤道祭の準備はこうして着々と進んで行った。




次回 赤道祭開幕

再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥

  • Dr.スカリエッティ
  • エルトリア組
  • アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様
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