リン「なんだこれ…」
蓮仁郎「それは思った…」
2人でソロキャンというのに疑問を持ってずっと考えていると、いつのまにか目的地に着いていた。着いていたのだが、そこに待っていたのは綺麗な富士山!ではなく…いや、それも待っていたんですがね。それより前に…
なでしこ「zzzzz」
蓮仁郎「どうすっかね…」
リン「まぁ…暗くなる前に帰るんじゃない?」
蓮仁郎「そうか?まぁ、普通なら気づくか。ここで寝てる時点で普通じゃないけど…」
リン「まぁ、でも、起こすのも悪いから」
蓮仁郎「お前…絶対関わりたくないとか思ってるだろ」
リン「イヤ、ソンナコト」
蓮仁郎「まぁ、起こすの悪いのは事実だからな」
リン「私受付行ってくる」
そうして寝ている女の子は一旦放置して、リンは受付に向かう。
しかし、こんなところで寝てるとか寒くないのか…夏の暑さとかどこも残ってないし、それどころか普通に寒い。そんな中で寝ているのはいささか風邪をひいてしまうのではないだろうか。そんな考えが頭を過ぎる。
やっぱり声をかけるか。そう思って少しだけ声をかけてみることにした。スヤスヤ寝てんなおい。
蓮仁郎「あのー、すいませんー」
なでしこ「zzzzzz」
蓮仁郎「あ、あのー」
なでしこ「zzzずびっ!」
蓮仁郎「あ、起きましたか?」
なでしこ「zzzzzz」
蓮仁郎「これは…起きる気がしないな」
気持ちよく寝ているのを邪魔するのをやっぱり忍びないと考えた俺は、起こすのをやめたのだった。しかし、それが後に悲劇を起こすとは今はまだ誰も知る由もない。
リン「受付行ってきたよ。じゃあ、行こうか」
蓮仁郎「おう。ソロキャンとか初めてだからな。色々とご指導とご鞭撻よろしくお願いします!師匠!」
リン「誰が師匠だ。誰が。まぁ教えるけども」
それからなんやかんや色々教えてもらった。テントの建て方とか、薪集めとか、火の付け方とか色々とそりゃあ、もう懇切丁寧に。めちゃくちゃわかりやすかった。
そんなこんなで今はひと段落して俺の幼馴染は本を読んでいる。こうして見ると実に絵になるではないか。うん。これがソロキャンのいいところか。なるほど。いや、これ、違うわ。1人だったら見れないやつだわ。
蓮仁郎「本当に…これがソロキャンの楽しみ方なのか?」
リン「楽しみ方なんて人それぞれだと思うけどね」
蓮仁郎「というと?」
リン「私は、こうやって、焚き火して、本読んだり、散歩したりするのが、楽しい。レンがどんな楽しみ方を見つけたのか知らないけど、レンはレンが思う楽しみ方を見つけたんなら、それでいいんじゃないか?」
蓮仁郎「ほおーん…そういうもんかね」
リン「今のは寒かった」
蓮仁郎「いや、ギャグじゃないけどね?」
なるほどな。楽しみ方に正解はないってことね。むしろ全て正解まであると。じゃあ、俺が幼馴染を観察してるのも、こういう風に幼馴染と会話をするのもソロキャンの楽しみ方ってことか。なるほどな。
蓮仁郎「いや、結局、1人でできないものばっかでソロキャンできてねえ」
リン「いや、どんな楽しみ方を見出してるんだよ」
蓮仁郎「いや、お前を見て…」
リン「ふぁ!?」
蓮仁郎「いや、あの、今の気持ち悪かった!悪い!違うんだ!あの、暇だから、色々考えてて何かできることないかなーって考えてて!参考にお前を見てただけなんだよ!だから、別にストーカー的な意味合いはない!断じてない!だから引かないでください!お願いします!リンさんに引かれたら生きていけません!」
リン「いや、大袈裟すぎるだろ。そんな引いてないから大丈夫だよ。そんな引いてないから」
蓮仁郎「2回も言うなよ…」
リン「確かに、何かすることないと、暇かもしれないな。なんか持ってきてないのか?」
蓮仁郎「えっと…」
いや、俺、急に連れ出されて、急に用意されてた荷物持たされて、それを持って自転車に乗せられてリンのところに来たから…
蓮仁郎「なんもねえ…」
リン「本貸そうか?」
蓮仁郎「あぁ、すまねえ…持つべきものはクールで優しい幼馴染」
リン「やめろ」
照れながら言うのは反則ですよね?