愛讐越界特異点カムラン   作:Pon_De_hutago

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3章 衝撃に備えろ

 フェルグスとシグルドの宝具(ほうぐ)がぶつかり合った後、

藤丸立香(ふじまる りつか)はジャンヌの宝具(ほうぐ)がクッションになり、

後ろに吹き飛ばされるだけで済(す)んでいた。

気付(きづ)けば霧(きり)が晴(は)れて、

辺(あた)りの景色(けしき)が森の間(あいだ)から見えるようになった。

「キャメロット城(じょう)・・・?」

森の上から、なじみのある白亜(はくあ)の城(しろ)が見えている。

木が邪魔(じゃま)で上部(じょうぶ)しか見えないが、

城門(じょうもん)などはなく、

テーマパークのランドマークの様(よう)に

城(しろ)の部分(ぶぶん)だけそこにある。

辺(あた)りを見回(みまわ)しても他(ほか)には森しかなく、

おそらくあそこが特異点(とくいてん)の元凶(げんきょう)だ。

 目の前には大きなクレーターが

渓谷(けいこく)を思(おも)わせるが、

シグルドの姿(すがた)もフェルグスの姿(すがた)も見えない。

「これは探(さが)しにはいけないな・・・。

ごめん、シグルド」

またカルデアとの連絡(れんらく)も取(と)れなくなってしまった。

単独(たんどく)で乗(の)り込(こ)むのは危険(きけん)だ。

サークルに戻(もど)って

誰(だれ)か召喚(しょうかん)出来(でき)るか試(ため)してみよう。

 「カルデアのマスター!」

後ろから大声(おおごえ)がして警戒(けいかい)する。

「我(わ)が真名(しんめい)はヘクトール!!

トロイの王パリスの兄で

君達(たち)の時代では九偉人(きゅういじん)とか

祭(まつ)り上(あげ)げられちゃってるらしい。

此度(こたび)はランサーとして召喚(しょうかん)された!

敵意(てきい)はない、

君に協力(きょうりょく)してもらいたい事(こと)がある!!」

真名(しんめい)もクラスも告(つ)げる

彼の言葉(ことば)を聞き入れる。

「カルデアを知っているんですか?」

「あぁ、君らとは別(べつ)のカルデアで戦(たたか)っていた。

この特異点(とくいてん)の元凶(げんきょう)はその時のマスターだ。

その時のよしみで召喚(しょうかん)されたが、

彼を止めるために離反(りはん)した。

さっきまで結界で閉(し)め出(だ)されていたが、

君たちのおかげでこうして出てこられた」

「別のカルデア?

この特異点(とくいてん)の世界(せかい)のカルデアの人たちってことですか?」

「いや、この特異点(とくいてん)はマスターが

世界(せかい)を渡(わた)った後に造(つく)ったものだ。

ややこしい話になるが、

君らとは別に

人理(じんり)を修復(しゅうふく)した世界(せかい)があって、

そこから来た。」

「世界(せかい)を渡(わた)った・・・。

あなた方のマスターは

漂流者(ドリフター)なのか。

そういう人達(たち)と会(あ)ったことがあります。」

女宮本武蔵(みやもと むさし)や下総(しもうさ)の天草四郎(あまくさ しろう)の顔が浮かぶ。

「話が早くて助かる。

とにかく、うちのマスターは

自分の世界(せかい)から離(はな)れて

自分の計画(けいかく)に都合(つごう)がいい世界(せかい)を探(さが)して、

その都度(つど)、合わない世界(せかい)を潰(つぶ)していってる。

今回の標的(ひょうてき)が君の世界(せかい)ってわけだ。

含(ふく)みなく我(わ)がマスターの

暴挙(ぼうきょ)を止めたい。

君たちの世界(せかい)を救(すく)うのを手伝(てつだ)わせてくれ!」

目の前のヘクトールは

自分が知っている彼よりも

鋭(するど)く真剣(しんけん)な眼差(まなざ)しで

まっすぐこちらを見ている。

「もちろん。

助(たす)かります。

こちらこそ、よろしくお願(ねが)いします。」

「あぁ、仮初(かりそめ)のマスター。

我(わ)が祖国(そこく)トロイヤに誓(ちか)う。

必(かなら)ず、君の世界(せかい)と

大切(たいせつ)な人を守(まも)り抜(ぬ)く。」

 

 時は戻(もど)り、

ランスロットと藤丸立香(ふじまる りつか)がレイシフトをする際(さい)。

カルデアの管制室(かんせいしつ)にて。

「以上(いじょう)でミーティングを終(お)えるが何か質問(しつもん)は?」

「いえ、すぐにでも行けます。」

藤丸立香(ふじまる りつか)が答(こた)える。

「おっけい!ランスロットは問題(もんだい)ないかい?」

「ええ、何(なに)も問題(もんだい)なく。

今回(こんかい)同行(どうこう)出来(でき)るのは私だけですが、

そこはご安心を!

何(なに)せ、円卓(えんたく)最強(さいきょう)ですので

不足(ふそく)は十分(じゅうぶん)補(おぎな)います。」

精一杯(せいいっぱい)騎士(きし)として

安心させたと思ったが、

何故(なぜ)かマシュは怪訝(けげん)な顔だ。

「あぁ、正直期待(きたい)してしまうよ。

よろしく頼(たの)む」

本心(ほんしん)と苦笑(にがわら)いが混同(こんどう)したような笑顔(えがお)で

ダ・ヴィンチが返(かえ)す。

「お任(まか)せを!」

その後すぐにレイシフトが始(はじ)まる。

 

 レイシフト中(ちゅう)の事(こと)だ。

光の中に壁(かべ)があった。

目には見えないが

そこから先に進(すす)めない。

ただ声がした。

「サー・ランスロット・・・・。

聞こえ・・・・・か。

サー・・・・スロ・・・・ト」

耳馴染(みみなじ)みある声だ。

「マシュ?」

「サー・ランスロット・・・・。

お願(ねが)・・・す。

私達(たち)のマスターを・・・・。

どうか・・・・。助(たす)け・・・・。」

「なんだ?通信(つうしん)の不具合(ふぐあい)なのか?

よく聞(き)き取(と)れない。

マスターに何(なに)かあったのか!」

「違(ちが)い・・ま・・。

あなた方(がた)のマスターでは・・なく、

私達(たち)のマス・・・ターを。

私の声が聞こえる・・・・は

サー・ランスロット・・・・。貴方(あなた)だけ・・す・・。」

「何(なに)?なんの話だ?!

カルデアに問題(もんだい)が起(お)きた訳(わけ)では

無(な)いんだな?!」

 レイシフトが完了(かんりょう)していく。

声の方(ほう)に引(ひ)きせられると共(とも)に

光が増(ま)していく。

【挿絵表示】

 

 

 レイシフトが終(お)わると、

見慣(みな)れた部屋(へや)に居(い)た。

かなり薄暗(うすぐら)いがここは間違(まちが)いなく、

キャメロット城(じょう)の円卓(えんたく)の間(ま)だ。

ただ、円卓(えんたく)が本来(ほんらい)の卓(たく)より小さい。

マシュの盾(たて)とそう変わらない。

 そこには王や円卓(えんたく)の騎士(きし)ではなく、

ロビンフッドや

フェルグス・マック・ロイ、

フィン・マックール、

ベオウルフ、ダビデが居た。

その奥(おく)にはマタ・ハリと

黒い鎧(よろい)の男が一人。

 この感(かん)じはベイリン卿(きょう)・・・・?

いやガラハット?

オルタか何(なに)かになったのか?

別人(べつじん)の様(よう)にも感(かん)じる。

誰(だれ)だ・・・?

「ようこそ、サー・ランスロット。

突然(とつぜん)の再開(さいかい)で驚(おどろ)くだろうが、

力を貸(か)してほしい。」

再開(さいかい)?一先(ひとま)ず話を合(あ)わせよう。

「具体的(ぐだいてき)に何(なに)をすればいい?」

「あぁ、人理修復(じんりしゅうふく)の最後(さいご)にマシュが死んで、

君たちが退去(たいきょ)した後、

儀式(ぎしき)の構築(こうちく)に成功(せいこう)してね。

彼女を生(・)き(・)返(・)ら(・)せ(・)ら(・)れ(・)る(・)。」

「何?死者(ししゃ)の蘇生(そせい)が可能(かのう)だと?」

「実(じつ)は理論上(りろんじょう)で言えば、

カルデアは常(つね)に死者(ししゃ)の蘇生(そせい)を

データのやり取(と)りで 行(おこな)える施設(しせつ)だ。

特異点(とくいてん)にレイシフトした者(もの)が意味消失(いみしょうしつ)した場合(ばあい)、

特異点(とくいてん)での存在(そんざい)は消滅(しょうめつ)し、

世界(せかい)は存在(そんざい)していたものを補(おぎな)うために

送(おく)り込(こ)まれた者(もの)と同等(どうとう)の存在(そんざい)を

出現(しゅつげん)させる。」

「それはカルデアで聞いている。

私が必要(ひつよう)な理由は?」

「この特異点(とくいてん)は、複数(ふくすう)の世界(せかい)をスライドしてきている。

カルデアが観測可能(かんそくかのう)になる地点(ちてん)に浮上(ふじょう)すると

修正(しゅうせい)のためにレイシフトしてくるが、

ほとんどの世界(せかい)のカルデアには

2017年現在(げんざい)にマシュが存在(そんざい)する。

つまり、レイシフト技術(ぎじゅつ)と

生(い)きているマシュが揃(そろ)う。

特異点(とくいてん)に乗(の)り込(こ)んできたマスターに

接触(せっしょく)し、カルデアに潜入(せんにゅう)。

マシュを意味消失(いみしょうしつ)させ

、接続(せつぞく)されているコフィンと聖杯(せいはい)を繋(つな)ぎ、

孔(あな)から座(ざ)、座(ざ)から根源(こんげん)へ接続(せつぞく)し

情報(じょうほう)を読(よ)み取(と)り、

我々(われわれ)の世界(せかい)のマシュの記録(きろく)を

コフィンに ダウンロードし、

世界(せかい)の修正(しゅうせい)で出現(しゅつげん)するマシュに

インストールして上書(うわがき)きする。

剪定(せんてい)された世界(せかい)も根源(こんげん)には

記録(きろく)されているからね。

貴方(あなた)にはカルデア潜入(せんにゅう)と

平行(へいこう)して行(おこな)うの陽動(ようどう)の戦闘(せんとう)を・・・」

 「ちょっと待(ま)て!!」

食(く)い気味(ぎみ)にランスロットが

怒声(どせい)を上(あ)げて驚(おどろ)く鎧(よろい)の男。

「それでは、貴殿(きでん)は

自身(じしん)の世界(せかい)のマシュを蘇生(そせい)させるために、

私の娘(むすめ)を殺す算段(さんだん)に

加担(かたん)しろというのか!!」

「娘(むすめ)・・・?

あぁ、ガラハットのデミ・サーヴァントだからか。

貴方(あなた)が彼女をそんな風(ふう)に思(おも)っていたとは

知らなかった。すまない。

だが、消(き)えるのはこの世界(せかい)の彼女で

君の娘(むすめ)は蘇生(そせい)させる方(ほう)では?」

「ど(・)ち(・)ら(・)も(・)同(・)じ(・)事(・)だ(・)!!

貴公(きこう)は完全(かんぜん)に狂(くる)っている!!

そこにいる貴様(きさま)らも

一廉(ひとかど)の英霊(えいれい)だろうが!

何故(なにゆえ)外道(げどう)に加担(かたん)している!!」

目線(めせん)を前に並(なら)ぶサーヴァント達(たち)に合わせ、

指(ゆび)をふるう。

「我(われ)らは、マスターの願(ねが)いを叶(かな)えるために召喚(しょうかん)され、

再(ふたた)び集(つど)った。 貴殿(きでん)も同じだと思(おも)っていたが?」

フィン・マックールが言(い)い返(かえ)す。

他(ほか)の者(もの)は様子(ようす)を伺(うかが)っている。

「戯(たわ)けたことを!

私はそのような悪行(あくぎょう)に手を貸(か)したりはしない!

どのような状況(じょうきょう)でも親が子を

手にかける事(こと)などあるものか!!」

目(め)つきは鋭(するど)く、

こめかみにははち切(き)れんばかりに

血管(けっかん)が浮き出ている。

暗(くら)い部屋(へや)に怒号(どごう)が響(ひび)き渡(わた)り、

他(ほか)のサーヴァントは唖然(あぜん)としているが、

鎧(よろい)の男はひどく悲(かな)しそうに口を開(ひら)く。

「そうか。残念(ざんねん)だ。

悪(わる)いが作戦(さくせん)終了(しゅうりょう)まで拘束(こうそく)させてもらう。」

黒い鎧(くろい)の男がプレッシャーを放(はな)つが

武器(ぶき)は持(も)っていない。

魔術(まじゅつ)による拘束(こうそく)か?

セイバー相手(あいて)に?

  「魔術(まじゅつ)による拘束(こうそく)ではありません。

  素手(すで)で物理的(ぶつりてき)に身体(からだ)を抑(おさ)えてきます!」

またあの声だ。

  「戦力(せんりょく)はこの場(ば)にいるサーヴァントのみです。

  霊体化(れいたいか)で窓(まど)から逃(にげ)げて下(くだ)さい」

「了解(りょうかい)した。」

驚(おどろ)く一同(いちどう)。

「誰(だれ)に話している?」

その虚(きょ)をついて瞬時(しゅんじ)に霊体化(れんたいか)し

窓(まど)から外に出る。

  「こちらのサーヴァントの中に貴方(あなた)より

   素早(すばや)いサーヴァント居(い)ません。

  このまま逃走(とうそう)して

  追(お)いかけてくる者(もの)から各個撃破(かっこげきは)を。

  この特異点(とくいてん)では魔力切(まりょくぎ)れの心配(しんぱい)はありません。

  常(つね)に全力(ぜんりょく)で戦(たたか)えます!」

なるほど。それなら。

 

「『無毀なる湖光(アロンダイト)』」

  「?!」

無毀なる湖光(アロンダイト)から放(はな)たれる

光の噴射(ふんしゃ)で上空(じょうくう)でぐんと

城(しろ)から距離(きょり)を離(はな)し、

弧(こ)を描(か)いて森に着地(ちゃくち)する。

外は霧(きり)に覆(おお)われていて

着地(ちゃくち)までは見られない。

  「サー・ランスロット・・・。

  説明(せつめい)の途中(とちゅう)です・・が・・、

  霧(きり)の影響(えいきょう)で城(しろ)から離(はな)れろと・・

  話(はな)せなく・・・なりま・・・。

  マスターとの・・・・

  レイシフト・・・・到着(とうちゃく)までに時間差(じかんさ)が・・・。

  まずは・・・・

  貴方(あなた)の生存(せいぞん)だけを・・考(かんが)え・・・・て

  兄さん・・は・・・

  サーヴァントの位置・・・・

  完全(かんぜん)・・把握(はあく)し・・・います・・・!」

「だいたいは伝(つた)わった。

ありがとう。レディ!」

  「・・・・。」

音はほとんど聞こえないが

感謝(かんしゃ)しているか、

嬉(うれ)しそうな反応(はんのう)に感(かん)じだ。

もう彼女には届(とど)かないかもしれないが

宣誓(せんせい)しよう。

「我(わ)が真名(しんめい)は円卓(えんたく)の騎士(きし)ランスロット

我(わが)が真名(しんめい)、我(わ)が王に誓(ちか)って、

我(わ)が娘(むすめ)のため必(かなら)ずや

この特異点(とくいてん)の問題(もんだい)を解決(かいけつ)する!!」

着地(ちゃくち)し、

霧(きり)に隠(かく)れる城(しろ)の方(ほう)へ

振(ふ)り向(む)き剣(けん)を掲(かか)げる。

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  • 9歳の子にも読んで説明出来る
  • 児戯に等しい
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