青春ブタ野郎は同輩ジャーナルの苦悩を知らない 作:まっしろ水仙
ハイ。すみません。二週間経ちました(5時間後)。
文章力が亡いので咲太君サイドは、原作と9割方一緒です。
他の作者様方の作品や、先駆者アニキアネキ様方の作品を見てました。
アークナイツ ニアーライト
モンスト 名探偵コナンコラボ 開催中!です。
ハイ。遅れてスンマセン!
青ブタ1と7巻。Fake7巻読了しました。
ので、初投稿です。
謎のバニーガール先輩に会った翌日。
『ウサギになった自分が轢かれる』という夢を見た。
ガバッ、と飛び起きる。
べたっと肌に付いたシャツ。春なのにびっしょりとかいた汗。洗濯物が増えたな、とひとりつぶやく。
ジメジメした空間から逃れるべく、布団から起き上がる。ゴールデンウィークという呪縛は、5月病となって襲ってくるようだ。
自室から出てリビングへと変わる。
カチカチと鳴る時計を見ると、5時半を示していた。
おおよそ中心にある布団なしのこたつを通り過ぎ、風呂場へ向かう。洗濯籠に上下パジャマとシャツをぶち込み、自室へ戻る。
県立峰ヶ原高校指定の制服に袖を通し、忙しないと思いつつカーテンと窓を開け空気に触れる。
差し込んだ光はねぼすけな自分の意識をハッキリさせると─────
「うひゃあ!? 」
なっなっなっなっなっなになになになに!!??
ちょっと予想外す────痛ったい!!? ケツぶっけた!!
うっさ!!!
クッソ! 電子時計か!!
窓から急いで時計へと向かう。
ああああああッッ!!!!!!!!! 足がああッ! 絡まったっ! 痛いっ! デコがっ!
〜☆☆☆〜
ドッタンバッタン大騒ぎ☆
そう評するべき惨状が狭い自室に広がる。
その時間は1分にも満たない。なれど、未里に恐怖を与えるには十分だった。そう「あの〜、下の階のものですが……」と言われることの恐怖が!
そして、平穏なる一日が今日も始まる。
〜☆☆☆〜
ただ今6時40分。朝の食事をてきぱき済まし、弁当のしたくをする。時々、今朝の惨状を思い出したり、部屋に響くテレビの音に心惹かれたりしながらしたくをする。
冷食を詰め終え蓋をする。だいぶ引きずっているらしい。
あのあと、何があったのかというと。
〜★★★〜
腰のあたりをさすりつつ、布団をたたむ。
心と体力に半分の固定ダメージを受けた僕は、悶々と考えていた。今朝、夢を見た原因。
何故、あんな姿をしていたのか。あんな所にいたのか疑問が尽きない。でも、わかった事が1つ有る。とっても────―ということに……
「何考えてたんだよ、僕」
パチンと頬を叩いて振り払う。
ありもしない期待を抱いても意味はない。
アレに気づけたのは咲太一人だけ。あの場に居なければ、いずれ、僕も、忘れていた。
そのことに、恐怖する。
例えば、彼女が『誰も知らない世界に行きたい』や、『誰からも見られない世界に行きたい』とかの願望を持っていたら、コレが現実になるのだ。
一時の願いならば。流れ星のようなものならば、かわいいもので済むだろう。
だが、それが純粋なものならば、病に乗って牙を剥く……だろう。
最も有力なBADENDだと、誰にも見つけられず、自殺が有力候補だ。活動休止中とはいえ、いや、だからこそ話題になりづらく、忘れ去られる。軽く1年は見つからないだろう。
『二番目に死ぬときは忘れたとき』というが、それを経験してから……というのは一番悲しい孤立無援の死だ。
自分を観測出来るのは自分ただひとり。どんなにアピールをしても見向きもされない。演じることを
気の迷いが命を断つ。
そうなったとしても、心が囚われる程の人は片手で事足りる。
どれほど主役を飾っても、それはテレビの向こう側。
一般人にとって、脇役にしか映らない。
女優ではなく、ひとりの女性として接する人は現れるのだろうか。
…………なんて考えてるなんて、ずいぶんナーバスになっている。
布団を畳んでぼーっとしているらしい。
気持ち切り替えてれっつらごー!
〜★★★〜
全くもってらしくない。
そうため息をはいて弁当を包む。今日も忘れないようにしよう。
朝食食べたし、支度完了。
暇だし日課のカメラ拝見〜。
波打つ七里ヶ浜。人が行き交う藤沢。なにも変わらぬ住宅街。双葉に横流ししたバスケ部の試合。汗を流す野球部。やってきた新入部員。4月に来た新しい先生。居なくなった先輩。バレー部の春高。新年の雪景色。クリスマスに家族と共に行った江ノ島水族館。かえでが魅せてくれた笑顔。
────―そして、
ふと、コルクボードを見る。テレビにもたれ掛かるように飾ってある物。
そこには咲太、佑真、双葉の3人分の写真がピンどめされている。学校生活のいち枚を切り取ったもの。
咲太と佑真が写るものを取る。裏返すとそこには言葉が書いてある。
(眠い。春休みがもっと長けりゃ良かったのに)
(新しく入って来る1年、どんな奴らだろ)
という、2人のコメント。
もちろん、誰の手も加えられていない一枚。
これが、僕の病。楽観視出来た理由。
プリントアウトした写真の裏に書かれた字。咲太と佑真、当人の筆跡。紙面の裏に書かれた、当時の心情。
他人のものならば、手にしている間だけ。自分のものならば、永遠に。
そんなちっぽけな影響だから、ネットみたいなことは起きないと思っていたのだ。
自分の浅慮さに辟易する。ネットの情報が盛っていると思い、曲解してしまった。
深く考えれば考えるほど恐ろしく感じてくる。
────と、思考を打ち切り、腕時計を巻く。
壁掛け時計を見上げると、いつもより少し遅れた時間、8時を示している。
カメラ良し。弁当良し。荷物良し。時間良し!
さ、行くか!
メガネを掛け直し家を出る。
視界が鮮明になり、世界が切り替わる。
ちょっとした、不安を覚えながら。
エレベーター。降りてったんだが?
〜☆★☆〜
咲太が佑真と他愛のない日常会話を繰り広げていると、足音が響きわたる。
コンクリを蹴るよりも高い足音が、言葉と共に発せられる。誰かに謝る、もしくは感謝する言葉が耳に入る。
体内時計によれば、そろそろ電車が出発する頃合いだ。それなのに先頭車両へ来る物好きが、ここに居る。
「──っはよう」
息を切らしながら佑真の反対側にやってきたのは、昨日大恥をかいたイケメン以下フツメン以上を自負する未里。女子人気は中の上らしい。コイツを狙う女子は残念だが、明確な
「おっす」
「よう」
そう返すと直ぐに発車ベルがなる。
息を整えている最中だったのか、電車が動いた途端未里がふらっとよろけ、咲太の足を踏む。
「あ……」
即座に足を退かした未里は罪悪感いっぱいの表情になる。
不意だったためか、半分以上体重を載せられた左足がじんじん痛む。マゾではないため、顔が小さな苦痛により歪む。
「いったいなぁ」
「…………ごめん」
語気を強めた言葉に罪悪感が加速したのか、素直に謝る。
そうして生まれたからかいのチャンスを逃さないために、半歩下がる。
今まで蚊帳の外だった佑真が動く。
「おお、珍し。未里が素直に謝るなんて」
「おい待て佑真どーゆーことだ」
できなかったことが始めて出来た子供を褒めるご褒美として、頭を撫でようとする佑真。パシン、と手を払いのけ、下手人と半歩下がった咲太を睨む。
今の流れで罪悪感が吹っ飛んだのか、子供扱いをしたことの恨み節が溢れる。
こうなっても物理的措置を取ろうとないのは、言葉でダメージを入れたほうがいいと、短絡的な頭が理解したからか。
「いまなんか変な事考えなかった?」
「「いやなんにも」」
これ以上の追及は無理だと判断したのか、頭をかいて目配せする。先程までぎゃいぎゃいと騒がしかったのだが目で理解してほしいらしい。
「は〜。なんか話題ない?」
佑真のほうに目を向けるとぱちりと目が合う。
雑すぎる話題変更。コミュニケーション能力が不足しているため、不器用すぎる対応しかできない。
2人そろって苦笑いをする。1年弱の付き合いが有っても対応は変わらないなと咲太は思う。
佑真がうーむと唸る。あるけど言っていいものかという雰囲気だ。咲太も昨日出遭った人と出来事をネタにすることができるが同様だ。
「じゃあ、土曜日の────」
「ヤだよ。上里のやつにさんっざん惚気られたんだぞ。お前の自慢と共にな!」
「そんなに
そう語る未里の顔は、『リア充憎し』と雄弁に語っていた。あと、ぐったりとしていることからとてつもない量を聞かされたのではないのだろうか。
対して、佑真の表情は、彼女──
「僕はお前らの惚気を聞くために祝った訳じゃないっ!」
悲痛さを強調するために片足でバンバンと床叩く──足を着けていない──未里はとても物悲しい。今までの会話が静かなことも引き立てる。
そういえば、2人のデートに遭遇したことがあると、前に言っていた事を思い出す。その時にさっき言った『祝福』をしたのだろう。
そして、先程から周囲の目が痛いのは、気のせいでは無い。そろそろ止めたほうが良いだろう。何せ、石上駅を出発したことに気づかない
「ストップだ。周り見てみろ」
「いやぁすまんすまん。つい盛り上がっちゃった」
「そ。じゃあ咲太は?」
「げ」
2人のために止めたのが馬鹿らしくなる変化球。ストレートにしたつもりだろうが、咲太にとってはそう感じることはできない。
車内の目があることを気にしない2人は、咲太が何を話すのか気になるらしい。
そして、考え抜いた末にある人物の名前を放った。
「桜島先輩って────」
「残念だったな」
「やめとけ」
なにか言う前に2人に止められた。片方は肩に手を置いて慰めるように言い、もう片方には信じられない者を見たように言われた。
「まだなにも言って無いだろ」
「(ロリコンが急に)年上趣味に目覚めたと思っちゃって」
「俺はふっつーに高嶺すぎて無理だと思っただけだだよ」
未里が辛辣な分、佑真がかなりのイケメンに見えてくる。まぁ、未里からすれば妹? を狙う
「ってか、未里妹以外の女子に興味を持つなんて、どうしたよ急に」
「そのまま興味を移さないでもらって……」
嬉しいけどよ、とぼやく佑真。相変わらず辛辣な未里。
「言っておくが、僕は好きになったとも、告白するとも言ってないぞ」
「んじゃ、なに?」
「まさかこれから好きに──ったい!」
変な事を口走った
この感情は興味と疑問。あとは、小さな期待だ。
「あの人、どういう人なのかなと思って」
「んー、そら、有名人じゃん?」
「それをあんまり知らない僕ら、って、やばい?」
「活動休止してるからそうでもないだろ」
そんなこんなで語られる、桜島麻衣という女優の偏歴。
デビュー作の朝ドラが、歴代トップクラスの人気を得て、『テレビで見ない日はない』を文字通り達成した。
数年経つと実力派として買われ、14歳でネクストブレイク。
当時の佑真の所感は、未里の「気持ち悪い」で一蹴された。
人気絶頂の
「いろんな噂はあったよな。あれだけ売れてるのは、枕営業やってるからだとか、プロデューサーの愛人だとか」
火のない所に煙は立たぬと言うが、火元が本人とは限らないのが、情報化社会の怖いところだ。
「その頃、まだ小学生だろ」
「流石に中学入ってからの話だよ。そん時、やってたのはマネージャーしてる母親の方だって噂が────ってどうした? 未里」
佑真に釣られて未里を見ると呆けた顔が映る。あいも変わらず、噂や芸能人の話題に弱いらしい。
「いや〜、あの先輩がそういう事、しないと思うよ」
「話題になりそうなら、有る事無い事ホラ吹かれる。そういう時代だ」
真偽は関係ない。情報が即座に広まる今、小さな声は黙殺され、大きな声が表に出る。否定をしても、盛り上げるための薪にしかならない。人の声は平等ではないのだ。
小さなコミュニティであれば、知らなかったというだけで──苛烈なものなら──排斥されてしまう。そういう社会に変わったのだ、
「咲太が言うと説得力が違うねぇ」
「説得力が生まれないモノにしてくれ」
そう言って話題を切る。デリケートと言う訳ではないが、周囲の声は意外と気になるものだ。
ゆっくりとしたスピードの列車は、江の島を含む四つの駅を過ぎていた。
住宅地の森をすり抜け、
「そういえば、一学期のころ全く見てない、って部の先輩が言ってた」
「ん?」
「1年時の桜島先輩のことだよ」
仕事終わらせてからでも、休止発表した方が良かったんじゃないのだろうか。それを実行できないほど、重要な事が起こったなら別だが……。
「そういや、まともに来るようになったのは、夏休み明けからって、うちの先輩も言ってたなあ」
「なんで?」
「えっと、確か、休止してもしばらくは、映画出てたらしいよ」
「……ああ、なるほど。しんどいな」
学校の人間関係は、だいたい一学期の始めに決まり、その後、固定され、他グループとの距離感か定まる。
「その先は推して知るべしってわけ」
流れに乗り遅れればソロ一直線のため、乗り遅れた麻衣は、腫れ物のような──例えば空気──扱いを受け、それを受け入れ、適応してしまった。
人間とは皆、変化を恐れる生き物だ。口先では望んでいるのに、いざ訪れれば、波風が立たない方法を取る。そのままであれば、先を見通すのは簡単だが、変化が少しでもあれば、あっと言う間に暗くなる。
麻衣に話しかける。その行為だけで目立ってしまう。それだけで敏感な空気が変わり、変化を生むかもしれない存在を追い出そうとする。もし、そうなれば戻れないと知っているが故に、今の空間──麻衣を無視する空気──へと変わった。
未里が不快感を
発車のベルが鳴り、ドアがブシューと音を立てながら閉まる。
流れる壁と家々。走り出した電車は、見飽きた
淡白な道が過ぎ去り、次の道が現れる。
彼方まで広がる視界。唐突に光が差し込み、目を細める。
水平の向こう側に、続いていた。
人は、輝くものに目がくらむ。朝の太陽を映し出す鏡は、乱反射し、色
果て無く広がるものが、
人は、未知なるものに夢を見る。澄み切った朝の空気が青と白のグラデーションを作り出す。
2つの中心に引かれた水平線。それらは車内の視線を、一手に引き受けるほどの魔力がある。
七里ヶ浜の海岸線を電車が走る。右手には江ノ島が、左手には由比ヶ浜を望むことができる魅力的なポイント。
「でも、なんで急に桜島先輩なんだよ」
「国見はバニーガール好きか?」
窓の外に視線を向けたまま、咲太は尋ねた。
「いや、そうでもない」
「なら、大好きか?」
「ああ、大好きだ」
「だったら、教えない」
「はあ? なんだそりゃ。教えろって」
佑真が
「例えば。図書館で魅力的なバニーガールに出会ったら、国見はどうする?」
「二度見するな」
「だよな」
「そのあと、ガン見する」
「2人共、気持ち悪いよ」
毎度のごとく、景色に見惚れていた未里が、ツッコミを入れる。
少なくとも、公衆の面前で話す内容ではないのは確かだが、そんなものは必要経費だ。
「まあまあ。んで、それが桜島先輩と何が関係あるわけ?」
「あると言えばあるけど、どうだろうな」
「なんだそりゃ」
咲太が濁すと、それ以上の追及をする気はないらしく、佑真は適当に笑うだけだった。
走っていた電車は、途中で1つの駅を挟んで、咲太たちの降車駅の七里ヶ浜駅に到着した。
〜☆★☆〜
学校と駅の狭間で桜島先輩を発見した。だが、違和感が
『誰にも見られない』ことが普通になった世界。朝の妄想は的を射ていた気がする。
出席番号30番の席に僕は座っている。今年の僕を4文字で表すなら2130。今から
余計な思考をしながら1番の席に座る
彼女は今をときめいている係の女子だが、とてつもなく純情であるため、佑真に対して一途なのだ。
コイツらが付き合い始めたとき、2人にデンドロビウム
チャイムが鳴り、思考の海から外れる。
何が約束を取り付けたのか、上里が己の席に戻る。その顔には疲労が伺えた。
純情ガールは咲太に勝てない。ゼッタイ。
あ! 様
おかのおか 様
ノートン王 様
七七志野(ななしの) 様
お気に入り登録ありがとうございます。
おかのおか 様
☆9評価ありがとうございます。
長文の読了ありがとうございます。
ゴールデンウィーク楽しめました?
健康に気を付けて。
《追記》
140UAアリガトナス!って言おうとしたけど180超えてました(5/723:10)。
書き忘れ
おかのおか 様
感想ありがとうございます。
アークナイツやれください(ダイマ)
ストーリーは読み手として楽しめるゾ。
タワーディフェンス?いやぁ…………ね?