疾走の馬、青嶺の魂となり   作:乾いた重水

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ライスは同室の掲示板は見てないです
ただ画面チラ見して「まーたやってるよこいつ」っていう認識ですね
これに関しては私の描写力不足ですねぇ申し訳ない
多分そのうちバレます


24.同室ちゃん

 

 

 

 

 私の同室は変人だ。

 

 

 

 

 とにかく自由。ひたすら自由。

 思いついたことを大抵すぐに実行する。

 

 

 

 

 twitterの固ツイもアイコンも未だにポニョのやつで。

 暇さえあればすぐにPCいじったりゲーセンに行ったり。

 かと思えばトレーニングは尋常じゃないほどキツいのをこなす。

 

 

 

 

 そして私にもそれをやらせてくる。

 マジでキッツイ本当しんどい。

 道端でぶっ倒れてたらトニービン先輩が介抱してくれた。感謝。

 あと私の中での呼称が「黒鬼」から「黒い悪魔」に変わった。

 

 

 

 

 その悪魔が、柵を挟んで目の前にいる。

 

 

 

 

「━━レースの後、色々声かけられると思うけど真っ直ぐ私の所へ来て」

「あっハイ。ちなみに理由は?」

「その時に言う」

「今教えてくださいよ〜……」

 

 

 

 

 今から校内レース。

 外部にライブ配信されているからスレ民も見ているはず。

 あー緊張する。

 私だけを見ている人間が何人かいるということを考えるだけで鼓動が早まる。

 

 

 

 

 ゲートの前まで行く。

 大きな鉄の門が歓声の中でも静かに鎮座している。

 一人、また一人とゲートに入っていき、私の番が来る。

 

 

 

 

 ゲート直前で尻尾を大きく3回転。

 スレで決めた合図。

 

 

 

 

 ━━案外アリだなこれ。

 心が切り替わる感じがする。

 今後のルーティーンにしよう。

 

 

 

 

 鉄門に一歩を踏み出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「━━さあ大きく尻尾を回した3枠4番オフサイドトラップ、今ゲートインです」

 

 

 

 

 

 

 

 

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「━━今ゴール! オフサイドトラップ、全く他者を寄せ付けなかった!」

 

 

 

 

 

 

 …………あれー? 

 なんか…………勝った。

 勝った実感が湧かない。

 パパーっと走って最後に抜いて終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは……アレじゃな? 

 強くなりすぎたってやつじゃな? (傲慢)

 

 

 

 

 いや〜やっぱあの外道トレーニングすごい力付いてるじゃん! 

 黒い悪魔とか呼んですいませんでしためっちゃ効果ありましたねぇ! (テノヒラクルー)

 これは今後も安泰だなやったぜ。(慢心)

 

 

 

 

 凱旋気分でライスさんの所に向かう。

 スカウト目当てのトレーナーが沢山寄ってきたけど、まずはこっちだ。じゃないと後が怖い。

 

 

 

 

 ライスさんは彼女のトレーナーと何やら話しているらしい。

 

 

 

 

「…………ビの兆候があるから坂路とプールだけに絞ってて……」

「ライスさぁーん! 勝ちましたよー!」

「……はいおつかれ。調子乗ってるとこ悪いけどこれ名前書いて」

「はい? なんですかこれ」

 

 

 

 

 ライスさんから一枚の紙を渡される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 トレーナー契約書。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え?」

「今日からスピカ所属ね」

「…………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 逃れられぬ悪魔。

 

 

 

 

 

 

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 日経杯が終わった頃。

 

 

 

 

 逃亡者を見つけた。

 

 

 

 

「…………ゴールドシップ?」

「おっライスじゃーん! 聞いてくれよぉ道々のドアを蹴りながら空を裂く悲鳴をマントルから饒舌に編んでたんだけどさぁ」

 

 

 

 

「ねえ」

「……はい」

 

 

 

 

「あと一ヶ月で春天だよね」

「…………はい」

 

 

 

 

「どこ行ってた」

「………………ナーシサス次元のホログラムを登りに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 バギッ、メギメギメギメギ……

 すぐ近くの木を思いっきり蹴り倒す。

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう一回どうぞ」

「すいませんでしたアタシが悪かったですお願いだから殺さないで下さい」

 

 

 

 

 

 

 

 

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