前
宝塚記念。
やはり目玉は春天で尋常じゃない走りを見せたメジロマックイーン。
というか、あのレース前世より差が縮まってるんだよ。
訳わかんねぇよマックの実力……
他には、相変わらず大逃げかますメジロパーマー。
安田→宝塚とかいう意味不明なローテを組んだイクノディクタス。
これで馬では2着だったんだから頑丈にも程がある。
怪我から復帰したキョウエイボーガンとミホノブルボン。
なんやかんやで順調に結果を残し続けているサンエイサンキュー。
私も出たくはあったんだけどな。
トウカイテイオー?
……うん。気を付けたんだよ。滅茶苦茶よく見てたんだよ。
何でいつの間に剥離骨折してたんだよ。
コイツの怪我で防げたのダービーのアレだけじゃねぇか。
しかも緩和に過ぎなかったし。
なんかに取り憑かれてない? 大丈夫? ケツに塩振っとこうか?
ともかく、かなり豪華なメンツが揃っている訳で。
ただ、なんとなく結果が見えている。
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「━━メジロマックイーン堂々の1着! 2着はキョウエイボーガン、3着はミホノブルボン!」
まあ、こうなるな。
いや、惜しいとこまでは行ったんだよ。
ボーガンとブルボンがマックに対処する方向で一致したから、かなり追い詰めてはいたんだよ。
最後に半バ身抜かされた。
なんなんアイツ。
限界まで行けば勝てるけれども、まず限界を出せる状況で、かつ限界を出す意思がないと勝てないってのはもうラスボスなんだよ。
怪我明けじゃなかったらもしかしたら、とは思うけど。
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「イメージソング?」
トレセン某所にて、URA職員と向き合う。
「ええ、菊花賞天皇賞での目覚ましい活躍によりまして、上層部から『作ってはどうか』とのことで」
「あー……なるほど」
ウマ娘それぞれの固有の歌。
要するにファン向けの商売。
まあ、URAから色々と補助を受けているのだし、これぐらいは協力してもいいだろう。
こちらは歌うだけで良いのだし。
「では、その話を受けさせていただきます」
「ありがとうございます。ではこちらのWebフォームから入力していただければ、いくつかサンプルをお作りいたしますので、よろしくお願いします」
「はい、わかりました」
寮に戻ってからパソコンで欄を埋める。
そのうち、大体の方向性を決めるであろう、
「好きなアーティスト、ねぇ……」
この質問まで来た。
いいのか? 私は音ゲーマーだぞ?
アーティストという大まかな括りでいいのか?
では遠慮なく。
Fr○msとSakuzy○とモ○モ○あ○しとSilentr○○mとARF○rest入れて、終わり!
曖昧な質問にしたURAが悪い。
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嘘だろ、ちゃんと作りやがった。
すまんURA、絶対突っ返されると思ってたわ。
カッコいい曲じゃん、歌詞も良いし。
流石プロ……
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ランニング中。
やはりまだ若干の違和感が残る。
これはどうしたものか、と色々と考えてみる。
いっそ春天を再現して走ってみるか。
あの時の姿勢とかフォームとかを出来る限り思い出していく。
こうか?
いや違うな。
もう少し前傾か?
あーダメ。
色々と試行錯誤している内に━━
「お、おお?」
何かそれっぽい感覚が来た。
ガッチリとハマったわけではない。
正解に近づいているような感覚。
ともあれ、ここからは手探りになりそうだ。
そして、感覚的にかなり時間がかかりそうな気がする。
数ヶ月では終わらなさそうだぞ……
━━もしかしてこれ低迷期来てる?
待ってくれ。
そこまで馬時代再現しなくていいから。
……映像を出来る限り撮っておき、後で考えるとしよう。
トレセンに来る前を思い出す。
こんな感じであーだこーだやってたな。
当時思ってたのとはかなーり違うことになってるけど。
どうしてこうなった。
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「えー只今より第n回元馬集会を開催します。まずは各々の次走から」
「オールカマー。身体の調整が目的。ついでにターボ潰す」
「デビュー戦です。7月初週を予定しています」
「で、私が秋天、と。ライス、私と秋天出ようぜ」
「短いから嫌。一応JC出るからそっちで」
「やだよ2400長いじゃん」
「菊花走り切ったくせに何言ってんの?」
「あとレガシーと一緒に走りたくないんだけど。気性難が過ぎる」
「レース前にトレーナーぶん投げるだけじゃん。馬の時よりマシだろ」
「十分おかしいからな?」
「……それはそう。ところでブライアン、ジュニア期の出走予定は?」
「重賞をたくさん」
「「ダメ」」
「なんでですか!?」
「お前が蹂躙したら他の奴が哀れ過ぎる。多くても4つまでな」
「何で情けをかけなくちゃならないんですか」
「一応トゥインクルシリーズは興行としての面もあるから。あんまりやりすぎるとURAに怒られるぞ」
「……は〜い」
後