A.優駿劇場じゃあ新聞読んでたやつおるしこれぐらい許されるやろ(適当)
前
夏合宿も終わり、いよいよマックイーンが始動する。
まず最初の9月始めの一勝クラス(ダート1700、晴、良、1人気)では惜しくも2着。
しかしその2週間後(ダート1700、晴、重、1人気)には見事勝利。
さらにその次の週の2勝クラス(芝2000、晴、不良、1人気)も勝った。
3週間後の3勝クラス(芝3000、曇、稍重、1人気)では再びの2着。
こんな過密スケジュールでも連対は外していないのだ。調子は向いてきている。
……というか、マックイーンはバ場が重い方が走りやすいのだろうか。案外ダートでも結果を残せたんじゃないか?
そして3週間後の11月4日。
ついに迎えた菊花賞。
芝3000、雨、重、4人気。
ライバルとなるのは同じメジロ家のメジロライアン。
皐月3着、ダービー2着であり、皐月もダービーも勝ちウマが故障で引退していたため1人気。
対するマックイーンは皐月もダービーも出ておらず、注目は集まらなかった。
しかし2枠2番と内枠、しかも走り慣れた重バ場。
しかもマックイーンは根っからのステイヤー。こんな状況で負けるはずもなく──
「マックイーンだ! メジロはメジロでもマックイーンの方だぁ!!」
勝利。
まあここまでの流れは全部前世通りなのだが。まさか天候まで一緒になるとは……
そんな事など他のチームメイトが知るはずもなく、G1を勝ったのでお祭り騒ぎとなるのは当然。
元々マックイーンはメジロ家では分家の出なのだが、本家のトップの人まで祝電を寄越してきた。
ちなみに賞金の一部はトレーナーにも入る。そしてトレーナーは財布の紐が緩い。
はい、焼肉美味しかったです。ありがとうマックイーン、ありがとうトレーナー。
この後は天皇賞春に目標を絞っていく。そのため3月まではレースに出ない。
復帰戦として阪神大賞典を予定している、とのこと。
テイオーは「マックイーンには負けてられないモンニ!」と張り切った様子。
無敗三冠を目指しているため負けられないというのもあるだろう。
ちなみにテイオーのダービー後の骨折をどうするのかについては、テイオー本人とトレーナーにさりげなく助言するに留めておくことにした。
折れて出られないか、折れずに出れるか、はたまた折れても出られるか。
この助言がどう運命を狂わせるのか。
私の例の宝塚も変えられるのかの実験でもある。
テイオーにはデメリットは無いし、別に実験しても構わないだろう。
結果を期待しておこう。
さて、テイオーのデビュー戦に話を移す。
12月初日のデビュー戦(芝1800、晴、不良、1人気)では上がり最速を出して圧勝。
3週間後のオープン戦(芝2000、晴、良、3人気)や、年が明けてから2週間後のオープン戦(芝2000、晴、良、1人気)でも上がり最速で勝利。
帝王の名に違わぬ強さを見せつけていった。
その後は3月の若葉Sまで休養。
こんなに勝ちを繰り返しているとチームスピカへの注目も集まり、メディア対応も増え、トレーニング以外でも忙しくなってきた。
まだデビューしていない私やゴールドシップにすら「こんな強いチームのメンバーだから何かあるのだろう」と取材がきた。
私は程々に答えていたが、ゴールドシップは何の関係もない単語を強引に繋ぎ合わせたような返答を返して取材陣を困惑させていた。
発言をよくよく噛み砕き反芻すれば意味が分かるようになっているのが余計タチ悪い。
ただtwitterに関しては何も言われなかった。
上げてるのがゲームと飯の画像ぐらいしかないから当然ではあるか。
プロフィールに所属を書いていなかったらその辺のアカウントと区別できないんじゃないか?
ただ、ほとんどいなかったフォロワーがいつの間にか急増していたので「これがブランド力……!」と一人感心していた。一連の投稿のどこにフォローする価値を見出したのか、全くもって不思議である。
取材に来るということは取材代が出る。さらにレースの賞金も入る。つまりトレーナーの奢りが増える。
うーむ、私だけ得をしている気分になる。貰えるものはありがたく貰っていくが。
折角なので深夜にラーメンの画像をツイートするよう予約しておいた。私をフォローしたことを後悔するといい。
─────────
──────
───
さて3月。
まずはマックイーンの阪神大賞典。
芝3000、晴、良、1人気。
結果は上がり最速を叩き出して堂々の1位。
天皇賞への準備は万全と言ったところか。
その1週間後の若葉S。
芝2000、晴、稍重、1人気。
こちらも上がり最速で勝利。
クラシック初戦の皐月へと意気揚々と進む。
メディアも「春のG1はスピカのものだ!」とこぞって書き立てる。
はいそうですね、メディア対応が死ぬほど忙しくなります。
レースが国民的娯楽になっているとは知っているが、まさかここまでとは思っていなかった。
テレビカメラが何台来たのかは途中で数えるのをやめた。
トレーニングの邪魔になるかと思ったが、あの二人の集中力は素晴らしく、ほぼ意に介していない様子。
それと他のチームのウマ娘を見かけるようになった。
十中八九偵察だろう。
私の元にも、マックイーンやテイオーの様子を聞き出そうとするウマ娘が来るようになった。
追い返す気は無い。むしろドンドン見て聞いて行くといい。
そして彼我の実力差に絶望するといい。
あの二人は、強いぞ。
そして、4月を迎える。
後