響達は巨蟹宮が目視できる所まで着いた。
響「あれが巨蟹宮...」
クリス「...何だか気味が悪いぞ...」
翼「臆してはならん。一気に進むぞ!」
一同は突っ込んでいった。
クリス「やっぱ、思った通り気味が悪いぞ...」
建物の前に着くと、その建物の前には、四人の人影があった。
サガ「デスマスク!」
光牙「シラー!?」
天馬「マニゴルドにデストールまで!?」
サガ、光牙、天馬が各々に叫ぶ。
翼「お前達は...、」
翔子「エルダさんが言っていた聖闘士の風上にも置けない、蟹座、キャンサー!」
デスマスク「ああ、そうさ。どんな汚れ仕事も引き受ける、聖闘士の風上にも置けない男、キャンサーのデスマスク様だ」
シラー「同じく、その後釜を継いだ、キャンサーのシラーです。」
マリア「自分達の悪をあっさりと認めるなんてね」
光牙「今までに比べて来るのがはやいな」
シラー「この世界がよく解らず、積戸気にいたら無理矢理テレポートさせたんだよ」
光牙にそう答えたのはシラー。カノン曰く、シャカがすぐに探し当てたらしい。
翔子「で、誰が巨蟹宮にいるの?」
未来「翔子さんの言うとおりです。ここまでいると宮の主が、」
マルゴルド「ああ、俺の師匠だ。小宇宙でわかる」
マニゴルドがあっさりと答えた。
響(彼の、師匠?)
天馬「って、教皇じゃねぇか!」
天馬が吠えるように叫んだ。
響「(あれ?シオンさん、教皇だったよね。ハービンジャーも教皇で)サガさんもすり替わっていたとはいえ、教皇だったんですよね?」
サガ「陳謝(T_T)」(手刀を腹に立てながら)
翔子、光牙「「∑(゚Д゚lll)!?!?」」
マリア(なんか後ろで手刀で切腹しようとするのを光牙と翔子に止められているけど。)
翼「教皇続きか......」
デスマスク「聖闘士内の誰かが教皇、という訳じゃないのか」
翼の呟きに、デスマスクはそう返した。
調(あれ?この人以外と真面目?)
光牙「俺の時代じゃあ、マルスって奴が教皇の上の大教皇を名乗っていたけど違うのか?」
サガを止めながら光牙がそう言うと、シラーがすぐに首を横に振った。
シラー「もし本当にそうだったら、処女宮がシャカの手に渡るかい?」
サガ「シャカなら辺り一帯無に帰してまで寝床を取り返しそうだが」
ようやく正気に戻ったサガがそう言った。
クリス「どんな奴だよ、シャカって。」
マルゴルド「とりあえず、あの神々しいペガサスから全部話は聞いてんだ。行くぞ」
やる気のないような声でマニゴルドはそう言ったけど、目は真剣だった。
デスマスク「サガ。目ェ、背けたら俺はお前を積尸気にブチ込むかんな」
デスマスクはサガを睨んだ。
響(もしかして、ここ。サガさんの罪の一部があるの?)
巨蟹宮内
未来「あ、あああ!」
未来が声をあげる。
響(私だって、悲鳴をあげたい。だって、こんな!)
デストール「悪趣味ね。でも、名前通りじゃない。ねえ、デスマスク」
ようやくデストールがしゃべった。けれど、これは耳を塞ぎたくなるような悲鳴。呻き。子どもまでいる。床にも、天井にも。マニゴルドもデストールもシラーも何も言わない。天馬は拳を握りしめた後、デスマスクを見た。
デスマスク「亡霊共にビビって先へ進めねえと思っていたが、根性はあるみたいだな。」
翼「それよりデスマスク、お前は戦闘での巻き添えも意に介さない男だと聞いた。本当なのか?」
デスマスク「昔はな。だが、やりすぎちまったせいで一度聖衣に見放されて紫龍に負けてから、色々あって、最後は紫龍の気持ちを自覚した。」
マリア「昔の方がもっと酷かったとはね...」
デスマスク「俺はなどんな奴が相手でも殺せる程邪悪なのが強みだ。例え親しい友であっても、お前らにはできんだろうがな」
デスマスクの邪悪さに装者一同は衝撃を受けた。
カノン「デスマスク、そこまでだ。おいでなさったぞ」
カノンがマリアを止めた。前方には蟹座の黄金聖衣を纏った、白い長髪の男性がいた。
マルゴルド「若返ってやがる!」
マニゴルドは冷や汗をかいた。
マリア(聖遺物の力は弱まっている筈!)
調(なのに、なに?)
クリス(プレッシャーが!?)
男性(セージ)「お前がサガか」
サガ「はい。恥ずかしながら、双子座の聖衣を纏っています」
男性(セージ)に答えるようにサガは膝まづいた。
男性(セージ)「この死に顔は、デスマスクとやらが張り付けたという。お前が、殺せと命じた者共のな」
全員【キャンサー達とサガとカノン、天馬以外】『!?』
響「これ全部サガさんがデスマスクさんに命令してやったんですか!?」
翼「だからデスマスクはサガを脅したのか。」
デスマスク「余分な殺しをしたのは俺だぜ、小娘、先々代」
男性(セージ)「例え、恨まれようともか」
デスマスク「恨み、憎む権利が奪われた者にある。俺はそれに応える義務がある。殺す側の義務だ」
響(ああ。彼は、優しい。只々殺されていく者に、何を恨めばいいかわからない者に、与える。その対象を。優しい人だ。)
天馬「死に顔は、泣いていた。喚いていた。デスマスクを憎んでいた。」
マリア「デスマスクだけを憎んでいた」
デスマスク「ま、俺は聖闘士の風上にも置けない男だから、大切な人を殺さざるを得ない場合等の汚れ仕事も引き受けている。色んな悪口も言われ慣れてるのさ..。」
デストール「キャンサーの本懐ね。汚れ役に徹する為にあのバカ、アテナに忠誠を誓わないのよ」
天馬とマリア、デストールの話を聞いて装者達は確信した。彼も、平和を願う聖闘士なんだ。彼は、平和の為の必要悪になったんだ。
翔子「必要悪だなんて、悲しすぎるよ。」
シラー「アテナの聖闘士に殺されたら、アテナを恨むだろう。だから彼はアテナに忠誠を誓わない。より残酷に徹する」
翔子を諭すようにシラーはそう言った。
響(そうだ。私達も、奪った命がある。奪っていった命が。)
調(それは人だったり、そうじゃなかったりだった。)
未来(でも、命を奪った。)
男性(セージ)「シンフォギアとやら。英雄も人殺しだ。人殺しを正当化する理由はない。私も人殺しだ。ただ、殺して得た平和が大きいだけだ」
マニゴルドは黙っていた。
マリア(私達は、忘れそうになっていた。)
クリス(いや、忘れたかったのかもしれない。)
翼(殺しに、正当なんてない。ある訳ない。)
男性→セージ「我が名はセージ。巨蟹宮の主よ。許されぬ罪は、まさに殺し。通れ。シンフォギアの。秩序の為に殺し、平和の為に殺すのだ。それでいい。ただし、恨まれ、憎まれる覚悟を決めよ!」
その一歩は、今まで殺してきた命を背負ったような、とてつもなく重いものだった。