【イナイレ二次創作】超次元転生~必殺シュートで成り上がリーヨ!~   作:雨内 真尋

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プロローグ 蝉の木霊する病室

 灼熱の太陽がコンクリートを熱し、蒸し暑い空気の中セミの鳴き声が耳に木霊する。

 

 都立病院のとある一室ではサッカーアニメの映像が騒がしく響いている。そんなほのぼのとした日常の中で僕の人生は今、佳境を迎えようとしている。

 

 

「脈拍低下――してます!このままでは――」

 

「急いで手術室に移動しろ!それと――」

 

「シュウゼン――だから!まだ――頑張っ――」

 

 

 忙しなく動き回る音が聞こえる。あと、お母さんの悲しげな声もだ。でも言葉が途切れ途切れで上手く聞き取れない。今にも眠ってしまいそうなこの気分のせいだ。

 

 

『さぁ怪鳥……。サッカー、やろうぜ』

 

『ピギャアアアアァァァァァッ! 』

 

 

 ?何だこれは、頭に変な映像が浮かんできた。何の記憶だろう。

 

 草原で知らない子どもがでっかい鳥に向かって走っている。あんな鳥を相手にサッカーをやろうとか正気なのだろうか?

 

 

「必ず止めてみせる……、うおぉぉぉっ!ゴッドハンド!」

 

「ピギュウッ!?」

 

 

 うわ凄い、ゴッドハンドででっかい鳥を受け止めてるよあの子ども。体格差が段違いなのに、よく止めれるなぁ。

 

 

「マリーナ、パスだ!ボールを高く蹴り上げて!」

 

「え?あ、うん!分かった!」

 

 

 また知らない人が出てきた。今度は女の子で、空高くにサッカーボールを蹴り上げたみたいだ。

 

 あんな高いパスだと頭上を通り過ぎちゃうだろうに。と言うか本気でこんな状況でサッカーするんだね……

 

 

「ここだ!」

 

 

 あ、あの子パスされたボール目掛けて高く飛び上がって、同時に回転してる。炎が体に纏わりついて、これはまさか……!

 

 

「ピギャァ、ギャオオオオオォッ!」

 

「しまっ、火炎弾……!?」

 

 

 ああっ!でっかい鳥が火の玉を吐いて、それが飛び上がってる子に直撃した!もうすぐ技が完成するところだったのに。

 

 

「ぐぅぅ……、ウアアアアアアァァァッ!」

 

 

 す、凄い。火の玉に焼かれて全身焼け焦げてるのにまだ諦めてない……一体何者なんだあの子は。

 

 でもこれならいける!誰だか知らないけど頑張れー!

 

 

「っ!見えた。これで終わりだ、ファイアトルネード!」

 

「ピギ、ギュアアアアァァ……!」

 

 

 わぁ、ホントに必殺シュートであのでっかい鳥を倒しちゃった。

 

 あ、これで終わりか。なんだかよく分からないけど、死ぬ前にとてもいいものが見れたなぁ。でもたぶん、僕の命はもうここまでなんだと思う。

 

 ああ、僕もあの子みたいにサッカーがやりたかった……

 

 

 と、そこで彼の意識は完全に途絶えた。

 

 最後に見た記憶がこれから起こる未来の話だということなど、一切気づく由もないままに。

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