【イナイレ二次創作】超次元転生~必殺シュートで成り上がリーヨ!~   作:雨内 真尋

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投稿するの忘れてた~!!


7.決着!レッドイーガル戦

 顔面にボールが直撃した怪鳥は不機嫌そうな目線を向けてくる。

 

 よし、これで奴の注意が引けた。このまま自由にさせていたらマリーナに危険が及んでいただろうが、これ以上好きにさせるものか。

 

 

「おいおいこのガキ、やってくれたな……」

 

「すみません。僕があいつを引きつけるんで、冒険者さんはリタ達を頼みます!」

 

 

 しかしこちらに注意を引きつけたということは、今度は僕らの班に危険が迫るということだ。リタ達を巻き込まないためにも、後のことを冒険者に任せると一人飛び出し真っ直ぐ怪鳥へと駆ける。

 

 

「ミル!行っちゃダメ!」

 

「おいバカ!お前まで行こうとするな!ったく、好き勝手なさるなあの小僧は……」

 

 

 リタは僕の後を追いかけてこようとしたらしいが、それは冒険者が止めたようだ。振り返れないが会話の内容で何となく察した。

 

 

「ピギャアアアアァァァァァッ!」

 

 

 っと、そんなことを気にしている余裕はない。怪鳥も鋭い眼光で僕を射抜きながら、飛行して迫ってきた。僕も走る速度を落とすことはないので、このままいけば正面衝突は避けられないだろうし、何もしなければあっさりと喰われる未来が容易に想像出来る。

 

 もちろんタダで喰われるつもりはない。怪鳥と衝突する数メートル手前で立ち止まり、右手を天に突き上げあらん限りの力で叫び声を上げた。

 

 

「必ず止めてみせる……うおぉぉぉっ!ゴッドハンド!」

 

「ピギュウッ!?」

 

 

 怪鳥に向けて突き出した右手のひらから、黄金に光り輝く巨大な手が出現し突撃を阻んだ。不意に出現した巨大な手のひらに怪鳥は困惑の唸り声を上げたが、残念ながら急には止まることが出来ず勢いよく衝突する。

 

 ゴッドハンド、それはイナズマイレブンにおいて主人公である円堂 守が最初に完成させたキーパー技だ。丸太をタイヤの代わりに使って毎日欠かさず特訓を積み重ねた僕は、肉体強化補正もあって見事体得していた。

 

 

「ピギャゥゥ、ガアァ!」

 

「無駄だ、お前の爪と嘴じゃゴッドハンドは破れない!」

 

 

 ゴッドハンドを前にして、怪鳥は怒りに身を任せて破壊しようとあがいている。だがその程度の攻撃ではびくともしないが。

 

 ただしこの状態では僕も攻撃に転じることが出来ないので、戦況は拮抗している。打破するためにはどこかのタイミングでボール生成をしなければならないのだが、ゴッドハンド使用中に生成は不可能だ。

 

 となれば取れる手段は一つのみ。

 

 

「マリーナ、パスだ!ボールを高く蹴り上げて!」

 

「え?あ、うん!分かった!」

 

 

 たとえボール生成が出来ずとも、すでに生成済みのボールなら使用可能だ。そしてその球はつい先ほど怪鳥の顔面を撃ち抜いた後、マリーナの近くに転がってる。

 

 勝ち筋は全て繋がった。パスを受けてそこから必殺シュートで試合終了だ。

 

 マリーナも僕の意図が分かったのか、ボールを拾いに走り始める。

 

 

「よし、ボールが来るまでの間とっておきの必殺技で相手してあげるよ。疾風ダッシュ!」

 

「ピギィ、ギ、ギィッ……!」

 

 

 ゴッドハンドを解除しすぐさま別の必殺技に切り替える。

 

 疾風ダッシュは風丸 一朗太の使うドリブル技で、素早さを強化し相手を翻弄する敏捷性が強い。怪鳥は僕を捕えようと足の爪を何度も振るってくるが、疾風ダッシュによる回避で掠ることも無く虚しく空を切っていた。

 

 

「カーミル!上!」

 

「来たか、ナイスマリーナ……!」

 

 

 疾風ダッシュにより危なげなく時間稼ぎをこなし、マリーナの呼び声と共に空にサッカーボールが打ち上がった。敢えて空高くに促したのは、完成させた必殺シュートが上からたたき込む技だからだ。

 

 

「ここだ!」

 

 

 タイミングを見極め上空のボール目掛け跳び上がる。そして同時に自身の体を回転させることにより、必殺シュートのシークエンスに移った。

 

 回転する勢いに合わせて体から燃え滾る炎が溢れ出し、渦となって軌跡を描く。これが完成させた3つ目の必殺技、ファイアトルネードだ。

 

 

「ピギャァ、ギャオオオオオォッ!」

 

「しまっ、火炎弾……!?」

 

 

 だが、ボールまであと少しというところで、真下から怪鳥の吐き出した火炎弾が直撃する。命中と同時に火炎弾は爆散し黒煙が上空で舞った。

 

 

「か、はっ……!」

 

 

腹部に火炎弾を受けてしまい、着弾個所を中心に地獄の様な痛みが走る。全身から血が流れている様な感覚はあるが、痛み以外何も感じられない。意識が朦朧とし、今にも途切れて堕ちてしまいそうだ。

 

それでも、ここで僕が倒れることは許されない。レオンがやられたのは僕の責任であり、これ以上の被害を出さないことが、今の僕に出来るただ一つの使命なのだから。

 

 

「ぐぅぅ……、ウアアアアアアァァァッ!」

 

 

 痛みなど今は気にするな。そんなものは叫び声と共に吹き飛ばせ。完成しかけている技を途切れさせるな。ボールを探せ。ただシュートを打つことのみに集中しろ!

 

 

「っ!見えた。これで終わりだ、ファイアトルネード!」

 

 

 黒煙の舞う中、視界の端で僅かに捉えた白い球体目掛け、渾身の必殺シュートをぶちかます。

 

回転によって高まった炎は僕の左足を伝って、サッカーボールに叩き込まれる。蹴りの勢いによって黒煙は晴れ、一筋の赤い閃光が煌めいた。点火された火の玉は、流星の如く怪鳥へと降り注ぐ。

 

 

「ピギ、ギュアアアアァァ……!」

 

 

 ファイアトルネードは見事怪鳥に命中し、強烈な一撃により地面へ押しつぶされると同時に紅蓮の業火が奴の身を焼く。

 

 虚しい断末魔が微かに聞こえたが、それもすぐに消え残るのは大きな焼き鳥の死骸のみである。

 

 

「か、勝った……」

 

 

 文字通り全てを出し切った僕は、痛みで体がまともに動かず自由落下していく。受け身を取れるほどの余裕は残っていない。そうなると迎える未来は落下死か、意外と呆気ない人生だったな。

 

 

「おっとー、ギリギリ間に合ったみたいだな。大丈夫か小僧?」

 

「え?あ、ああ。ありがとう、ございます……」

 

「ってこりゃ全く無事じゃないか。内臓まで焼け焦げてやがる」

 

「ミル!死んじゃいやだよー!」

 

 

 地面にぶつかるかと思ったところで、タイミングよく冒険者が駆けつけ受け止めてくれた。どうやら落下死は避けれたらしい。

 

 ただそれでもやけどによるダメージは深刻なため、今すぐ治療しなければ長くはもたなそうだが。

 

 横でリタの悲痛な叫びが聞こえた気がする。ダメだ、もう意識も視界もはっきりしなくなってきた。

 

 

「サテラ先生!――が、――も!」

 

「分かってます!あなた達は――」

 

 

 何だろう、はっきりと聞き取れないけど、マリーナがなにやら深刻そうに叫んでいる気がする。なのに言葉が上手く聞き取れない。

 

 

「レオンが、――も、――してない!」

 

「これは……!すぐにそ――します!離れて!」

 

「お願い先生、二人を――このままじゃ――」

 

 

 レオン?まさか、さっきの怪鳥の火炎弾のせいで危険な状態なのか?もう少し、耳を澄ませ。あと少しで、聞こえそうなんだ。

 

 

「このままじゃ、もう……。二人とも、息をしていないのよ!」

 

「え……」

 

 

 耳を澄ますことで、はっきりとその言葉は耳に届いた。涙を流し助けを乞うマリーナが口にした言葉は、二人が死んでいることをつげるものであった。

 

 最悪の絶望が現実のものとなったその瞬間、体力の限界が訪れ僕の意識はぶっつりと途絶える。

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