ちなみにここのゆかりさんは白の長袖シャツに黒のスラックスと言うシンプルな服装です。
脱出の手掛かりが見つかってから数分、マークさんとケビンさんがスタッフルームへと上がって来た。
「良かった…2人とも無事で…」
「怪我はしていないかい?」
「うむ、何とかな」
「ただ…最悪な事実が発覚しちまったけどな…」
「……?」
「……喰い殺されたウィルが生き返った」
「えっ!?」
「…でも、ウィルさんは一緒に来てませんよね?」
「……そうだ、生き返ったウィルは…奴らになってたんだ」
その事実に私達は言葉を失った。
優しく気の良いウェイターのウィルさんが…喰い殺されたと思えば奴らになって生き返ったなんて…
「生き返ったウィルは、ゆっくりと立ち上がると…のろのろとした動きで俺に向かってきた…その目に理性なんて物は無かったぜ…」
「完全に…奴らへと変貌していた…つまり、わしらも喰われてしまえば奴らへと変貌するのだろうな…」
「そんな……」
その散々たる事実を前に私達の心には絶望感が広がっていた。
「……とにかく、ここからなんとか出るとしよう、何か使えそうな物は見つかったか?」
「……えぇ、さっき従業員の日記を見つけたの。その日記によると、屋上に行けば隣のマンションに飛び移って行けるわ。」
「本当か!?ならなんとか屋上へ向かう事が優先だな」
「あ、その前にスタッフルームの入口を板で塞いでおかない?長くは持たないけど、少しは時間稼ぎになるわ」
「なるほど、それは良いな…釘とかはあるのか?」
「釘打ち機があるわ、さっきテーブルの上に置いてあったの。釘もしっかり入ってるから問題無いわ!」
「それなら私が板を抑えておきますね」
「ありがとうね、ゆかりちゃん」
そうして私が板を抑えてシンディさんが釘を打ってスタッフルームの入口を塞いだ。
シンディさんが3階の酒倉庫への鍵を見つけていたので、扉の前に集まる。
その時、ボブさんが辛そうに軽く呻いて表情が曇っていた。
ジョージさんがボブさんの肩を抱き、私達は階段を駆け上がって酒倉庫へと急いで入った。
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壁一面に並べられた山の様な数の酒類を見て、思わず声が漏れる。
「わっ…すご…多過ぎる…」
「オーナーがお酒好きでコレクターでもあるの」
「なるほど…」
「この先に屋上へ向かう為のシャッターがあるわ!でも、鍵が無いから壊して通らないと…」
「2人くらいでタックルしまくりゃ壊せるか…?」
「それなら私がタックルしますよ、マークさんとケビンさんは銃持ってますから、奴らが追い付いて来た時の為に動ける様にしないといけませんし」
「ならもう1人は私がやろう、私も男だからね…それなりに力はある方だよ」
「良し、ならゆかりとジョージがシャッターの破壊、シンディは使えそうな物を探索、わしとケビンが酒倉庫入口で警戒だな」
「シャッターは任せるぜ?」
「もちろんです、任せてください」
「そっちも頼んだよ」
そうして一旦別れて行動する。
私とジョージさんでひたすらシャッターに向かって体当たりを繰り返す。
正直かなり肩が痛いけど、生きてここから逃げる為に我慢しないと。
シンディさんが使えそうな物を何度かシャッター前に持って来てくれた所でシャッターが壊れてゆっくりと開いた。
「良し、シャッターが開いた!」
「私が2人を呼んでくるわ!」
シンディさんはそう言うと、すぐにマークさん達を呼びに行ってくれた。
数十秒ほどでシンディさんが2人を連れて戻って来てくれた。
ひとまずシンディさんが集めてくれた使えそうな物をそれぞれ分けて持つ事に。
マークさんが
・ハンドガンの弾×25
・鉄パイプ
・救急スプレー
・マークさん愛用のハンドガン
ケビンさんが
・包丁
・殺虫スプレーとライターの組み合わせで作ったお手製火炎放射器
・ケビンさん愛用の45オートハンドガン
・45オートハンドガンの弾×14
ジョージさんが
・メディカルキット
・各種ハーブを用いたカプセル薬
・ハンドガン
・ハンドガンの弾×15
シンディさんが
・シンディさん愛用ハーブケース
・デッキブラシ
・救急スプレー
私が
・先の折れたデッキブラシ(木の棒)
・新聞紙+アルコールボトル×5(火を付ければ火炎瓶)
・愛用してるハンカチ(止血帯)
これらを持った状態で屋上へと向かう事になった。
希望ある
きっと、あるに決まってる。