結月ゆかりのアウトブレイク   作:宇迦之たま猫

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少し短いですが、個人的アウトブレイクで最も悲しいシーンだと思う発生の屋上です。




【発生】屋上へ、そして…

 

 

酒倉庫のシャッターを潜り、短い階段を駆け上がり屋上の扉を開く。

 

暗い夜の帳、チカチカと点灯するネオンの看板、下から聞こえてくる逃げ惑う人々の悲鳴と対応しているのであろう警察官達の銃声、バサバサと羽音を立てて飛ぶカラス。

 

あまり広くは無い屋上で、私達は1度一息つく事にしたのだが、空を飛ぶカラスがやけに襲いかかって来る。

まるで血肉に飢えた奴らの様に……まさか、カラスまでも奴らに…?

 

 

「ぐっ……鬱陶しい!」

 

「ちくしょう!飛び回ってやがるから狙いが付けにくいぜ!」

 

 

銃の扱いに長けた2人がそう呟く。

私も木の棒を強く握り締めて、ゆっくりとカラスに狙いを定める。

カラスが1度滞空し、こちらへと勢い良く降下して来た所を…

 

「──やっ!」

 

勢い良く地面に叩き付ける様に振り下ろす、ぐちゃっと肉が潰れる様な感触と共にカラスがコンクリートの床に叩き付けられる。

私が握り締めていた木の棒には、べっとりと血が付着していた。

 

───初めて、身を守る為とは言え…カラスを…生き物を殺した。

きっと私は、これからも身を守る為に殺すのだろう…この吐き気を、今すぐに泣き喚きたくなる罪悪感を…きっと私は忘れては行けない…

それを忘れて気楽に殺せる様になったら…それこそ人では無いナニカだ…。

 

私がカラスを殺して必死に吐き気を堪えて体の震えを誤魔化していると、それに気付いたシンディさんが優しく抱き締めて頭を撫でてくれた。

 

──不思議と恐怖や吐き気は和らいで行った。

 

それから少し進んだ所で、ボブさんの容態が急激に悪化した。

壁にもたれかかり座っている。

その横で、マークさんが心配そうに座っている。

 

 

「もう、動けない…自分の事は1番よくわかる、足でまといにはなりたくない…」

 

 

そう言うとボブさんは腰のホルスターから銃を取り出し……

 

 

「やめろ、ボブ!」

 

 

マークさんが、慌ててその手を押さえた。

ボブさんは俯きながら、今にも死んでしまいそうな弱々しい声でマークさんへと語りかける。

 

 

「違うんだマーク…やつらと一緒なんだ…おまえの…肉を…」

 

 

その言葉にマークさんがハッとして顔をあげる。

ボブさんの謎の体調不良、突然倒れたり…足元が覚束無いほどふらふらとするなど、きっとボブさんは…なんらかの理由でBARに飲みに来る前から奴らになり掛けていた…感染していたのだろう…

 

 

「た…頼む…お願いだから…」

 

 

ボブさんが…マークさんの手を振り払い…

 

 

「まだ意識のあるうちに…」

 

 

その手に持った銃を、自身のコメカミに押し付けて…!?

 

 

暗い夜の空に、1発の銃声が鳴り響き…赤い血が灰色のコンクリートの床に広がる…

 

倒れ込むボブさんの体を抱き留めて、マークさんが確かめる様にその体を揺する。

 

 

「…ボブ」

 

 

───ボォォォォォォォォブ!!!!!

 

 

マークさんの悲痛な叫びが、夜空に響く。

親しい者の自殺、愛する友を襲いたくないと言う想いから行った物だとしても、目の前で行われたその行為に…私達の心は激しく抉られた…

マークさんにとっては、無二の親友だった…その心の痛みは私達よりも計り知れないだろう…

 

一緒に生きて逃げようと誓った仲間を…友を…私達は1人、失った…

 

 

 

 

 

 

本当に…この世界に希望はあるの…?

 

 






もしゆかりさんがアウトブレイクのプレイアブルキャラクターだったら

ユカリ・ユヅキ
女性 20歳
日本出身の大学生
冷静で大人びた性格をしており、歌やゲームが好きで子供っぽい所もあるため様々な人に密かな人気がある。
ラクーン大学へ留学する為に、両親の友人であるマークの家へホームステイに来た所で事件に巻き込まれた。

パーソナルアイテム
・大切なハンカチ
留学する前に親友達にプレゼントされた特別な刺繍の入ったシルクのハンカチ。
それは親友達との友情の証でもある。
止血帯として使用可能

スペシャルアクション
・突き飛ばし
ゾンビなら必ずダウンさせる低威力の攻撃
・フルスイング
棒状の武器を装備している時、全力でフルスイングして殴る強力な攻撃。代わりに棒状武器の耐久減少も早く壊れやすい。
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