結月ゆかりのアウトブレイク   作:宇迦之たま猫

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アウトブレイク最高難易度名物のショットガン約300発撃ち込まないと開かないとかいうクソ硬木製扉さん、もはやバグの領域でしょアレ…



【発生】アパート裏路地へ、そして…

話を終えてそれぞれが行動に移る。

私は小さめの火炎瓶を、シンディさんはジョージさんから受け取ったハンドガンを構えて奴らの周りを走って注意を惹く。

 

バリケードに使うパトカーはケビンさんとジョージさんが奥の1台を、マークさんが1人で後ろの1台を押す事になった。

 

パトカーを押す男性陣を守る為に、奥の道路や建物から湧いて出てくる奴らに向かって火炎瓶を1つ投げつける。

 

 

「──てやっ!」

 

 

自分で言うのもなんだが、随分と可愛らしい掛け声で火炎瓶を投げ付けると、奴らの一体の頭に直撃して、パリンと音を立て割れた。

その一体が瞬く間に燃え上がると、地面に零れたアルコールにも引火して周囲の奴ら数体も燃え上がる。

 

奴らが全身火達磨となってこちらへと歩みを進める。しかし奴らと言えど全身を焼かれるとダメージが大きいのか、少し進んだ所でバタリと地面に倒れ伏す。

燃えなかった奴らをシンディさんがハンドガンで少しづつ確実に減らしていく。

それを繰り返して、手持ちの火炎瓶は使い切ってしまった。

 

 

 

 

奴らが既に人ならざる者になっているのは理解しているが、それでも人の姿形をした者を自分が焼き殺していると言うのは…かなり心に来る物がある…

 

 

 

 

そうこうしている内にケビンさんとジョージさんがパトカーを押し切って1つ目の即席バリケードが完成した、これで奴らが迫ってくる時間をかなり稼げるだろう。

 

2人と合流して、急いでマークさんの押しているパトカーへと向かう。

半分程進んでいたので、ケビンさんとジョージさんが一緒に押して直ぐに2台目の即席バリケードを完成させた。

 

急いでレイモンドさんの元へ向かうと、彼は鎖でぐるぐる巻きにされた扉の南京錠を必死に外していた。

 

 

「レイモンド!こっちは終わったぜ!」

 

「待て、もう少しだ…後はこれを外せば…よし…開いた、急げ!」

 

 

南京錠の付いていた扉の先へ進むと、少し長めの通路へと出ると、レイモンドさんが先陣を切って走って行く。

ガラクタやゴミがそこらに散らばっている所を見るに、ゴミ捨て場だったのかもしれない。

横には建設途中の建物もある。

 

1番奥まで辿り着くと、レイモンドさんが少し大きな木製の扉を開けようと奮闘していた。

 

 

「クソっ、向こう側から南京錠で鍵を掛けられているな…ぶち壊すしかないか…ケビンと民間人の方々、悪いがこの扉をぶち壊すまで奴らの接近を防いで欲しい」

 

「時間は掛かりそうか?」

 

「分からん、だが木製の扉だ…そこまで掛からんだろう」

 

「分かりました…私達が時間を稼げば良いんですね」

 

「守るべき民間人に頼む事になるとは…すまんな…」

 

「気にするな、わしらもお前さんも…生きて脱出する為に協力しておるのだからお互い様だ」

 

 

マークさんはそう言って愛用のハンドガンを構えて奴らに撃ち始めた。

ケビンさんとジョージさんも続いて奴らを撃ち始める、レイモンドさんは木製扉の取っ手の部分をショットガンで撃ち始めた。

 

生憎私はさっきの即席バリケードを作る時に火炎瓶を使い切ったし、シンディさんも武器は持っていない。

ここに来て何も出来ないのが現状だ。

 

悔しいが、ここは待つしかない。

 

 

 

それから数分程たった頃だろうか、奴らの数に対して手持ちの銃弾が少なくなり、焦ったケビンさんが叫ぶ。

 

 

「クソっ、レイモンド!まだ開かねぇのか!」

 

「恐らくもう行ける筈だ!準備しろ!」

 

 

レイモンドさんはそう言うと、大量に撃ち込んだ事で脆くなった扉を思いっきり蹴破った。

 

 

「俺は殿を務める、先に行け!」

 

 

レイモンドさんがそう言いながらショットガンを奴らに向かって撃ち始める。

それを横目に、私達は奥へと走り抜ける。

 

 

次々に集まる奴らを、レイモンドさんがショットガンで片付けて行くが、数が多くなかなか減らない。

 

 

「ちくしょう!」

 

 

レイモンドさんが悪態をつく、それだけ敵の数が多くキリがないのだろう。

 

 

「早く行け……ハッ…!」

 

 

レイモンドさんが私達の更に後ろへと注目する、その視線の先にあるのはタンクローリーだった。

 

そして、奴らの前でそんな隙を晒してしまったレイモンドさんは…

 

 

「うぁっ、あぁ…!」

 

 

当然追い付かれて押し倒されてしまった。

 

 

「レイモンドォ!」

 

「クソっ、数が多過ぎて邪魔だ!レイモンドを襲っている奴を狙えん!」

 

「くっ…私のハンドガンは弾切れだ!」

 

 

「あのタンクローリーの中身をぶちまけろ…そしてこいつらを焼き殺せ!」

 

 

押し倒されてもなんとか喰われまいと抵抗を続けながら、私達に奴らを焼き殺せと胸ポケットからライターを取り出して告げるレイモンドさん。

 

 

「なんとか…なんとかしないと…!」

 

「邪魔だ!どけぇ!」

 

「クソォ!どきやがれぇ!このままじゃレイモンドが…!」

 

 

助けようにも奴らが多過ぎて、レイモンドさんを襲っている奴を狙えない…そして…

 

 

「焼き殺せ…は…早く……がぁっ!あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!!」

 

 

抵抗していた手を組み伏せられて、レイモンドさんは首を喰いちぎられ私達へと伸ばしていた手が力なく倒れて行った。

私達を助けようとしてくれた、心優しき勇敢な警察は…最後まで私達の身を案じたまま…死んでしまった…。

 

また、仲間を失った…今度は私達を守る為に戦って死んだ…

どうしてこうなるのだろうか…まるで世界が拒む様に…人が死んでいく…

何故、どうして、そう考えている間にも奴らはレイモンドさんの亡骸を喰らっている。

私、ジョージさん、シンディさんは俯いて歯を食いしばる。

マークさんとケビンさんは怒りを露わにして奴らへと発砲する。

 

きっと、この街に希望は無いのだろう…助かる術は…己で切り拓くしか無いのだ…

 

 

 




発生限定NPCでもあり、バイオハザードシリーズでも珍しい有能警官のレイモンドさんの死亡でした。
押し倒されても助けを求めず最後までプレイヤー達にタンクローリーの中身をぶちまけて焼き殺せと言う辺り、マジでカッコイイ警官だと思いますね…
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