秘密基地仲間だとぉぉぉぉぉ!!?
秘密基地ジムだとぉぉぉぉぉ!!?
(ポケモン公式サイトのPVを見て思ったこと)
「オメガルビサファ絶対買う」と決める後押しになりました(ほっこり)
7/23:一部追加
今朝は清清しい青空を拝めることができた。昨日の曇り空が嘘みたいだ。
早起きしてパンを焼き、ナタネちゃんとポケモン達と一緒に朝御飯を食べ終えた後、僕の手持ちポケモン達を一列に並ばせる。
「はい注目ー。今日と明日はお見舞いついでにフエンタウンにお出かけしまーす」
「はーい」と言っているかのように各々が声を上げる。ヤーやんだけは声を出さないけど。
「アーさんとローちゃんは僕と一緒に来てもらうとして、残りの皆にはお留守番をお願いするね」
エアームドことアーさんは移動手段として、ロゼリアことローちゃんは長年の付き合い故に護衛としても信頼できるからね。
水が苦手なサンちゃんと仕事か食事以外に関心を持とうとしないヤーやんは快く返事をしたが、ゴーさんとガーさんは不満げだ。
ゴーさんは遊び盛り、ガーさんは喧嘩好きだから積極的にお出かけしたい性質なので当然といえば当然だろう。しかしココは心を鬼にして……。
「留守番中、戸棚の特注ポケモンフーズを取ってよし」
「「Σく(`◇´)(合点承知!)」」
―それは後世に語り継がれるような、あまりにも立派な敬礼であったとかなんとか。
「心を鬼にできていないね」
そんな僕らを見てナタネちゃんがケラケラ笑った……口元にジャムをつけながら。
そういう君こそ、ハスボーを膝に置いて猫可愛がりすぎだと思うけど……ツッコミを『こらえる』ことにした。だって可愛いじゃん。
「だって留守番してくれないと畑の番ポケが居なくなるじゃない」
「あのザングースじゃダメなの?」
……あの高木で寝ているザンさん?
確かに、ナタネちゃんとその手持ちポケモンが苦戦するほどに強いザンさんなら番ポケとして相応しいだろうが……。
「ザンさんって怖いんだもん」
「確かに怖いよね……」
ナタネちゃんもあのザンさんの怖さは色々と思い知ったからなぁ。強さとか殺気とか……悪タイプじゃないかってぐらい怖いよ。
人の言うことを理解しているほどに人慣れしているとはいえ、寝ているところへ近づくとすぐに威嚇するからなぁ……。
「けど何事も試しだよ。頼んでみるだけ頼んでみれば?」
他人事だと思って暢気な……けどゴーさんもガーさんも「そーだそーだ」とナタネちゃんに同意している。
よほどお出かけしたいんだろうが……仕方ない、ちょっと交渉してみよっかな。意地っ張りなザンさんを木の実、いやお菓子で懐柔できないかなぁ……。
「ねぇねぇ、お菓子と畑の木の実をある程度なら食べていいから、二日ほど畑を守ってくれない?」
(コクン)
おいおい、あっさりOKもらちゃったよ。そこまで気に入ったのかうちのモモンの実。
―――
ザンさんという心強い護衛が畑に居ることで安心した僕は、ガーさんとゴーさんを連れて行くことにした。2匹のハイタッチが印象的だった……。
そんな訳でお留守番組にお願いし、ドクケイルがまだ居ないもあってさっさと店を出てフエンタウンに出発することに。休業の案内を黒板に書いておいたから大丈夫。
僕はアーさん、ナタネちゃんはトロピウスに乗って空を飛び、
―ぽっぺんぺっぽん
「……あのさぁハヤシさん」
―ぺっぽぺっぽぽっぺん
「もしかして飛んでいる間ずーっと
―ぽっぺん
今のは「もちろん」の意味。ナタネちゃんは「あっそう」といって諦めてくれた。ほっ。
僕が吹いているのはハジツゲタウン付近のガラス職人に作ってくれた「青いビードロ」。と呼ばれるガラス製の楽器みたいなもの。
これを吹くとポケモンの眠気が覚めるので、居眠りが多いアーさんに長距離飛行をしてもらう間はずーっと吹かないといけない。
でないとアーさん眠気に負けてフラフラになる(落ちるとは言っていない)から……キンセツシティまでは大丈夫なんだけどな~。
そんなわけで、フエンタウンに着くまではビードロを鳴らすのだ。ぺっぽぺっぽ。
「楽しんでいるでしょ」
―ぺっぽん
今のも「もちろん」の意味。楽しくなかったら事前にカゴの実ジュースを飲ましているからね。
―――
やってきましたフエンタウン!地図で見るとシダケタウンの真上にあるから、飛べば楽に着くんだよね。
そのままアサ婆ちゃんの家に行こうとしたら、度々フエンタウンのお年寄りに声を掛けられた。久々なのに覚えていてくれたんだ。
せっかくなので手持ちポケモンを出してみたら、彼らを覚えているお年寄りが可愛がってくれる。特にローちゃんはお年寄りに大人気。可愛いから仕方ないね。
「ハヤシさんってフエンでの知り合いって多いんだね」
「強面になったねぇ~」と言われてショックを受けたゴーさんを宥めている中、ナタネちゃんがヒョイと割り込んでくる。彼女さんかえ、と言われたけど2人してやんわりと否定。
「これでも元は木の実を求めホウエン中を駆け巡ったトレーナーですから」
「……このへんって火山活動が活発だから木の実って少ないんじゃない?」
「店をやる前は温泉目当てでよく通っていました」
『そらをとぶ』って本当に便利だよね。距離にもよるけど大抵はひとっ飛びで町に着けるもん。
それに木の実とか畑弄りとか旅とかしていると汚れが溜まるものなんで、清潔を保つ為にも必要だったんだよ。本当だよ?
だからそんな「素直じゃないんだから~」って目で見ないでくださいお願いします。
「そういえばハヤシちゃん、ここまでは空を飛んできたのよね?大丈夫だった?」
「大丈夫だった、ていうと?」
「実はねぇ……」
(そういやあの子、ナタネちゃんじゃないかぇ?ほれ、シンオウ地方の)
(ああー、そういや見たことあるのぉ)
(お忍び旅行かねぇ?)
(青春じゃのぉ)
なんか外野がコソコソ何か話しているような……まぁいっか。
―――
お年寄りの皆さんからの話を聞いた後、僕達はアサ婆の家にやってきた。
息子夫婦は仕事で居ないとの事なのでイサミちゃんが出てくれて、今はアサ婆ちゃんの部屋に向かっている。
「婆ちゃーん、ハヤシさんとお友達が来てくれたよー」
「おじゃましま~す」
「お、お邪魔します」
「あらいらっしゃい。来てくれてありがとうねぇ。」
イサミちゃんの案内で部屋に入り、布団で寝転んでいるアサ婆ちゃんに挨拶。開いた襖の先には庭があり、そこではアサ婆ちゃんのバクーダが寛いでいる。
僕は何度か来た事があるので平常運転だけど、ナタネちゃんは恐縮のあまりパートナーのロズレイドを脇に控えさせている……が、ロズレイドも緊張してた。ダメじゃん。
けど仕方ないかな。アサ婆ちゃんの家ってフエンでも1、2を争うほど大きい家な上、内装がジョウト風の格式あるものだからねぇ。最初は僕も相当ビビっていたし。
今朝焼いた木の実パンを受け取って嬉しそうに綻ばせるアサ婆ちゃんだが、聞いておくことがある。胡坐をかいて視線を合わせ、問う。
「ご近所さんから聞いたよ。アサ婆ちゃん、マグマ団の残党にやられたんだって?」
「そうなのよぉ。残党を気取った下っ端どもなんだけど」
アサ婆ちゃんは眉を歪ませて答えてくれた。隣ではイサミちゃんが悔しそうな顔をし、バクーダも苛立ちからか地団駄を踏んでいる。
マグマ団。かつてホウエン地方を騒がせた、アクア団と対を成す悪の組織。
チャンピオンやジムリーダーにケチョンケチョンにされた今では各地で小さな悪さをしているらしく、もはやゴロツキ集団に成り下がっている。
ニュースではドロボウやら強盗やら起こしてもすぐに取り押さえられたり追い出されたりする小さな悪さしかしていないが……まさかアサ婆ちゃんに襲い掛かるとはなぁ。
「いやビックリしたわよ。煙突山を飛んでいたらいきなり打ち落とされてねぇ……チッチの羽毛のおかげで大丈夫だったんだけどギックリ腰になっちゃって、仕方なくバックンに乗って逃げたのよぉ」
バックンことバクーダが「俺はやったぜ!」とばかりに鼻息を鳴らす。このバクーダって足速いんだよね、いやマジで。
それにしても飛んでいる所を打ち落とされるとか……確かにそれならバトルに強いアサ婆ちゃんも不意討ちでビックリするわな。
「酷いことするねマグマ団も。こんなお年寄りを打ち落とすだなんて」
「んー、そうかしらぁ?『お年寄りを打ち落とすんじゃねぇ!』って下っ端に叱っている人が居たのよ」
お婆ちゃんを空から落とした事で怒るナタネちゃんだが、アサ婆ちゃんはそうでないと否定した。
下っ端を叱るってことはそいつがリーダー格なんだろうか?煙突山で残党を名乗るぐらいだ。よほど腕が立つ奴なんだろうか。
「それよりハヤシくん、あなたとうとう彼女を持ったのかしら?」
「あんたもかい」
ニヨニヨしているアサ婆ちゃんは正直言って気持ち悪い。というかイサミちゃんに聞かなかったの?
そういう辺りを見ると、イサミちゃんとアサ婆ちゃんって血の繋がった家族なんだよなぁ。確かアサ婆ちゃんも婚期が遅かったってアツタさん(アサ婆の息子)が
「いっだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「ロ、ロズレイド、今の『つぼをつく』攻撃を見切れた!?」
「(@皿@;)(いや全然)」
―続く―
つぼをつく(対人用):親指で足裏の悪いツボを突く。必ず急所に当る。
アサ婆ちゃんはトレーナーとしても強く、御家も凄い。そんなお婆ちゃんです。
フエンタウンってどんな手持ちポケモンが似合うと思いますか?(カントー~イッシュまで)