7/28:後書きにて解答追加。記入忘れていました(汗
突然だけど、フエンタウンのトレーナーの殆どは炎タイプのポケモンを所持している。
フエンジムリーダーのアスナさんが炎タイプの使い手だというのもあるが、煙突山に近いこの辺りは昔から炎タイプのポケモンが多く生息しているってのも理由の1つ。
そんなわけで炎タイプのポケモンに詳しい老人が多く、炎タイプを極めんとするトレーナーにとってのメッカでもあったりする。
何が言いたいかというと……フエンタウンは草ポケモン使いにはひっじょ――――に辛い場所なのである!
「コータス、戦闘不能!ロズレイドの勝ちじゃ!」
「やった5連勝ー!」
僕の目の前では5人目の挑戦者に勝利したことを喜ぶナタネちゃんとロズレイドの姿が。
ちなみに悔しそうに足をバタつかせるコータスはイサミちゃんのポケモンで、そんなに弱い方ではない。
ちなみに挑戦者の中で一番強いのは3人目のお爺さんとゴウカザル。大技の『フレアドライブ』を覚えている強敵だった。
敢えてもう一度言おう。フエンタウンは草ポケモン使いにはひっじょ――――に辛い場所なのである……はずなんだけどなぁ。
やっぱりナタネちゃんとそのポケモン達は強い。実力もさながら頭脳戦も中々のものだ。
草タイプならではの絡め技やドレイン技、何よりも「くさむすび」による相手への行動制限は中々のもの。この設置技は参考にさせてもらおっと。
こっちなんかお婆さんのマグカルゴを2匹で相手しても勝てないぐらいからなぁ……草タイプのロゼリアと鋼タイプのエアームドだから仕方ないんだろうけどね。
「よっしどんどんこーい!」
「次はワシが相手じゃ!ワシのポチは強いぞぉ!」
調子に乗って張り切るナタネちゃんとロズレイドがそう宣言すると、やる気満々のポチ(ウィンディ♂)を連れたお爺さんが挑んできた。
それにしても、本当に強くて元気な子だなぁナタネちゃんって。調子に乗りすぎて熱い目みないようにね。
(誰も私の事をシンオウ地方のジムリーダーだって気づいてくれない……それはそれで寂しいかな……)
どうしたんだろ。ナタネちゃんの目元にうっすらと涙が。
―――
結局ナタネちゃんとロズレイドはウィンディに敗退。「でんせつポケモン」に見合う激しい戦いぶりを見せてもらいました。
バトルの後で汗を掻いたこともあり、2人でポケモンセンター付属の温泉に入ることに。ちなみに混浴なので水着着用。
「タッダけ~ん、タッダけ~ん♪温泉に~飲み物に~マッサ~ジ~♪」
ナタネちゃんは5連勝したことで色んなタダ券を貰ったので上機嫌。ポケセンの温泉は元々からタダなんだけどね。
ちなみに彼女のポケモンは着衣室に置かれているモンスターボールの中。草ポケモンに温泉は遠慮した方が良いから。
「いいなぁナタネちゃん。後で何か奢ってよ」
「コーヒー牛乳のタダ券なら1枚あげよう」
「フルーツ牛乳のタダ券もあるんでしょ?」
「そっちはダメ」
「そっかー」
まぁコーヒー牛乳も好きだから遠慮なく貰おう。ラッキー。
それにしても良い湯だなー……あ、ゴウカザルとヒコザルが温泉に浸かってる。炎ポケモンなのになんかしっくりくるなぁ……。
そんな風にボーッと温泉の様子を眺めていたらナタネちゃんが聞いてきた。
「ねぇ、この後なんだけどさ、煙突山に行っていいかな?」
「煙突山に?なんで突然」
まぁ理由はなんとなく解るけど。
「アサ婆ちゃんの話を聞いた時から気になるんだよね、マグマ団の残党」
ナタネちゃんは顎に手を添え、真剣な表情で言う。
ナタネちゃんとアサ婆ちゃんは今日のお見舞いで初めて出会ったんだけど、ナタネちゃんにとって「お年寄りに危害を加える輩」が気に入らないのかな?
聞いた話だけどシンオウ地方でも悪の組織が悪さをしていたそうだし、ナタネちゃんもそいつらに迷惑を掛けられたのも理由の1つかもしれない。
とにかくやる気満々そうで悪いけど、一応年上(のはず)として忠告はしておこう。
「敵討ちのつもりなら止めようよ。残党とはいえ群れている相手をするのは厳しいし、そもそもフエンジムの人達が退治しに向かっているでしょ?」
お年寄りの皆さんから聞いたが、煙突山で飛行ポケモン使いを狙うマグマ団を止めんと、ジムリーダー・アスナさんが動き出したとのこと。
とはいえ1人で挑むには無謀と感じたのか、或いはフエンタウンの人々を安心させる為かは解らないが、ジムトレーナーを何名か連れて行くそうだ。それなら安心だね。
若いとはいえジムリーダーでも1人では難しいと判断するほど、集団ってのは面倒なものなんだ。だから僕らが混ざっても……そう思った所でナタネちゃんの人差し指が向けられた。
「それでもさ、やっぱり許せないよ!ハヤシさんは何も思わないの?」
「そりゃあ僕だって許せないよ?けど」
「じゃあ私だけでも行くね」
意気込みを見せ付けるかのように、ザバ、と立ち上がるナタネちゃん。
……はぁ。言うと思ったよ。
「そうなっちゃうと放って置けないから僕もついていく破目になるんだよね」
幼少の頃から勢いばかりの友人を支えてきたから、こういうことは慣れっこなんだけどね。女を放っておくのは男の恥、とユウキ君から学んだし。
ナタネちゃんは追うようにして立ち上がった僕を嬉しそうな顔で見ていた。当てにしてくれるのは嬉しいけど、強くない方だから期待しないでね?
さてさて、きのみ屋さんと(自称)只の草ポケモン好きなトレーナーが残党VSジムリーダーの戦いにドコまでついてこれるのやら……。
「せっかくだからフルーツ牛乳のタダ券ちょーだい」
「こんな時にそれ言う?」
いやぁ、場の空気を和ませようと思いまして(`・ω・´)キリッ
ポケモン達にこれからの活動を報告した時のみんなの反応。
「Σd(・ω<)」
「(―ω―)。○」
「ε‐○(`▲´)○」
「Σ(@■@;)」
さて、僕の手持ちの誰がどの表情をしていたでしょーか?
―続く―
ちなみにナタネちゃんがジムリーダーと気づいている人は多いです。ただ優しさで黙ってあげているだけで(笑)
本来なら趣味で店を開いてガーデニングをしているだけのお兄さんがしゃしゃり出る問題じゃないですよねぇ。
まぁマグマ団とはいえ残党だからおあいこってことで一つ(苦笑)
遅れましたが顔文字問題の答えは上からロゼリア、エアームド、シザリガー、バクオングでした。
次回、VSマグマ団(残党)!