今回は中身が薄いです、すみません(汗)
ポケモンハン「火炎竜リザードン」大幅に修正しました。
9/3:誤字修正。土砂竜が雷様ポケモンになってました(笑)ご指摘ありがとうございます。
モンスターが蔓延るのは地上だけではない。空、山、そして海と、人間では容易に足を踏み入れない場所を広範囲に行き来することが出来る。
しかしハンターは時には海深くまで潜ることだってある。海の恵みを求め開拓する人々をモンスターから守る為だ。
海という狩猟場で最大の敵となるのは、やはり海竜種だろう。魚竜種の発見が先とはいえ、数や種類は海竜種の方が多い。
中でも水獣ロアルドロスと呼ばれるモンスターは、ハンターにとって海竜種の登竜門とも言えよう。ちなみに個人的に獣竜種の登竜門は土砂竜ボルボロス。
ロアルドロスは淡水から海水まで広く生息し、水辺と一定の温度を保てる環境さえあればあらゆる地域で見かける事の出来るポピュラーな海竜種だからだ。
とはいえ、ロアルアドロスも含めた海竜種は一部を除いて陸上での活動を得意としていない。
水陸両用と聞けば便利だと思うだろうが、どちらを優先して進化したかによって体つきや特徴は変化していくものだ。
ロアルドロスは水中での活動を中心にしたもの。体内の狂走エキスにより陸上でも活動できるものの、負担がある為に動きは鈍いし、適度に水分を補給しなければ弱るという弱点もある。
まぁ、動きで言えばロアルドロスが相手しているモンスターの方がもっと悪いだろうが。
暖かな日差しが降り注ぐ孤島。モガの村に近いこの場所は澄んだ水と広く深い海が広がり、海の幸が豊富に取れる自然の宝庫でもある。
そんな孤島のエリア10では、この辺りを縄張りとしているルドロス達が集い、ある戦いを目撃していた。
一匹はルドロス達のリーダー格であるロアルドロス。ほんの僅かな海水が地に広がる浅瀬に身を投じ、目の前の敵に向けて威嚇している。
対するのは―――見た事も無い、亀のようなモンスターだった。
大きさはロアルドロスの半分もなく、妙に丸い形状をしている。小さく見えるがこれでも立派に育った方らしい。
丸い甲羅からは短い手足が生え、短い尻尾と両足を使って仁王立ちし、やや前方面へ傾けた姿勢でロアルドロスを睨みつけている。
何よりも特徴的なのは背中に背負った一対の筒のようなものだ。甲羅から生やしロアルドロスに向けられたそれは、まるで大砲のよう。
カメックス―――この世界とは異なる世界からやってきた「こうらポケモン」だ。
甲羅や手足には無数の傷があり、特に顔は目から口まで伸びる刀傷が痛々しく残っている。
カメックスは眼前のロアルドロスを睨みつけているものの、その頬には海水とは違う塩水が滴り落ちている。
ロアルドロスは溜め込むようにして重心を後ろに下げ、一気に放出して滑りながらカメックスに突っ込んでいく。
己の身体上、避けきれないと判断したカメックスは甲羅に手足と首を引っ込め防御。直前にロアルドロスはブレーキをかけつつ側面を向けることで顔面直撃を回避し、体全体をつかってカメックスを吹き飛ばす。
巨体をまともに受けて甲羅は大きく吹っ飛ぶが中身は無事だったらしく、海の岸辺で止まった所で手足と頭を出す。しかし痛かったには違い無いだろう。
海辺に近づいたことを切欠にカメックスは足元の水を大量に吸い上げだす。ロアルドロスはそれを見るよりも先に走りだす。
大量の海水を呑み込んだカメックスは2本の砲塔をロアルドロスに向け―――
激流となった2本の水柱をモロに食らったロアルドロスは水圧によりグイグイと押し出させ、ルドロス達が屯っていた場所に激突。ルドロスは逃げ出したものと壁にサンドイッチされたものが半々。
それを逃さぬとカメックスは再び甲羅に篭ってそのまま横に回転し、水が張っていることも助かって滑りながらロアルドロスに突っ込んでいく。
だが重さはロアルドロスが上。ただ硬いだけの甲羅が転がってきただけではロアルドロスに致命傷は与えられない――が、ダメージはある。
ぶつかってきた痛みで怒りを覚えたロアルドロスは、まだ甲羅に篭っているカメックスを頭で押し、ひっくり返しそのままグイグイと海へ向かって押していく。
這い出たカメックスは焦った。ひっくり返った状態では身動きがとれず、砲塔から水を噴射してもロアルドロスの重さと力強さにより押される一方だったからだ。
そのまま2匹は海へ飛び込み―――水中戦へと突入するのだった。
―――
ロアルドロスは元から水中戦に特化している為、直線的な動きが多いにしろ、陸上に比べ縦横無尽に泳ぐことができる。
その辺を泳いでいたルドロス達の助けもあり、包囲網も万全だ。
しかしカメックスは水を得た魚の如き反撃を見せる。
陸上では己の重さ故に使えなかったが、水中に入ることで甲羅の隙間から水を吐き出す「アクアジェット」で推進力を得たのだ。
これによりスピードは向上。まるでロケットのように水飛沫を上げながら海中を泳ぐ姿に、ルドロス達もタジタジだ。
だがロアルドロスはそうではない。仮にも自分達の縄張りを侵してきたカメックスを許せないのだ。
カメックスもそうだ。複数のモンスターに囲まれているとはいえ、ここの魚を食べる為に、己の強さを彼らに証明しなければならない。
今、水獣ロアルドロスと
始まらなかった。
―グオオオォォォォ!
海竜種の代表にして頂点とされるモンスター……海竜ラギアクルスが余所から流れ着いたからである。
ロアルドロスも、そしてカメックスですらラギアクルスの恐ろしさは知っている。
ロアルドロスは遺伝子に刻まれた本能として、カメックスはラギアクルスと戦って惨敗経験があるが故に。
バリバリと海中で発電するラギアクルスが2匹の争いに割り込もうとして、2匹(+その他大勢)は逃げ出した。
海の食物連鎖の頂点に君臨するラギアクルスを前にしては、ロアルドロスもカメックスも劣るというもの。
カメックスに至っては弱点である電気を克服できないが故に恐怖ですら覚え、ジェット噴射を強め水中どころか空をも飛んで逃げ出すほどだ。
かつて「俺こそが最強!」と小さな海辺を我が物顔で支配していた野生のカメックス。
余所から来たトレーナーに敗北して逃げ出して異世界に紛れ込み、ラギアクルスという超強いモンスターに遭遇し惨敗した不運な奴。
いつか最強の座をゲットしてやる!と強気なカメックスは、今日も餌を求めてどこかへ行くのだった。
―後日、孤島で謎の飛行物体の目撃証言が相次いだが、何事も無かったかのように忘れ去れたそうな。
―完―
上には上がいるってことを書きたかったんです。ちなみに甲羅の硬度はバサルかグラビ並(妄想)。
ラギアキルスは電気/水タイプ。けど水/ドラゴンも捨てがたい。ポンデは単水確定ですね。
次は御三家が一体「フシギバナ」の予定です。募集するならその後かな?