話は変わりますが、活動報告でポケライフ・ポケモンハンに関するご意見募集あり。
しかしよく考えたら自分のやりたいようになってもいいんじゃないかと思ってきました。
モンハンの更新もあるんだし、気負いしすぎでしょうか?(汗)
そんな優柔不断な作者の戯言(汗)
「迷子の迷子のイーブイさん♪あなたのお家はどこですか♪」
「○。(‐0‐ )」
欠伸しているし。いや歌のようにキャンキャン泣かれても困るんだけどさ。
ナタネちゃんがシンオウへ帰っていったあの後、僕はナタネちゃんへの手紙に悪戦苦闘する羽目となった。
最近ホミカさんに夢中だったとはいえ、ナタネちゃんのファンなのに忘れちゃっていたなんて情けなさすぎるんだもん……。
そんなこんなで遅くまで起きていたもんだから、今朝は寝坊しちゃった。今日は日曜日だったから良かったんだが。
で、木の実畑の様子を見に行ったらこのイーブイが寝ていたと。
ていうか気づけや見張り役のヤーやん。いや、気づいていても無害だから無視したんだろうけどさぁ……。
それにまだ小さいから生まれて間も無いみたいだし、ザンさんを始めとした他のポケモン達はそっと見守ることにしたんだろう。
どうしてここにいるのか気になるんでイーブイに声を掛けてみたんだけど、寝ぼけ眼でいるからか尽く無視される。
地平線から伸びる朝日に背を向けて気持ち良さそうに寝ている姿は可愛いものだ。
とにかくまだ寝ているっていうんなら仕方ない。疑問に思うだけで困る理由は無いわけだし。
「じゃあ朝御飯にしましょうかね」
まだ用意していないんだよねー、朝御飯。
―ざわざわ、ざわざわ
「朝御飯」のキーワードに反応したのか、ぞろぞろとポケモン達が集まってきた。
僕の手持ちポケモン達はもちろん、スーちゃんを始めとしお零れに預かる半野良ポケモン達も揃っておねだり。ザンさんやクケちゃんも居るし。
食い意地の張った奴らだ(笑)クケちゃんは最近にやってようやく大人しくなったから、朝御飯を一緒に食べる権利が与えられました。
―で、当たり前のようにイーブイも参列している、と。
キチっと背筋を伸ばしているイーブイ君(一応♂だと解った)に一言。
「……朝飯食うかい?」
「?(・ω・ )(え?当たり前じゃん)」
と言っているかのようにキョトンとした顔で首を傾げるイーブイ君。
これが「可愛さあって憎さ百倍」というやつなんだろうか?まぁ素直だから良しとしよう。
―――
スーちゃん達ちっちゃなポケモン用の大皿に盛ったポケモンフーズを無遠慮に食べまくるイーブイ。小さな身体に大きな食欲……やりよるわ、こいつ。
とりあえず朝御飯を食べながらイーブイを観察していると、その首に首輪をしているのが解った。人馴れしていると思ったら飼いポケだったんだ。
「ポケモンはモンスターボールに入れるもの」と考えるのは仕方ないけど今はそーでもなく、タマゴから還ったポケモンは育て方次第でボールなしでも人の言う事を聞く事ができる。
まぁトレーナーのポケモンはモンスターボールに入れる必要があるけど。そのモンスターボールがポケモンの身分証明書の代わりになるからだ。
そうしない場合、例えばまだ生まれて間も無いポケモンやペットとして飼育するポケモンは、飼い主の住所が書かれた首輪をかけておく……らしい。僕トレーナーだからそこんとこ詳しくないのよ。
とにかく、飼い主が居るって事が解った以上、このイーブイを飼い主の下に帰してあげるのが筋ってもんだろう。
食べ終えた頃を見計らい……あら、ゴーさんに遊んでもらってる。強面のゴーさん相手でも平気でいるとは肝っ玉の据わった子だ。
楽しそうに高い高いしているところ悪いが、ゴーさんを呼び止めてよう。
「ゴーさん、そのイーブイは飼い主がいるらしいから送り届けないといけないんだよ」
僕の肩によじ登ったローちゃんも「そうそう」と頷いている。他の4匹は各々の持ち場に戻っていった。
するとゴーさんはイーブイを持ったまま視線をあわせ、じっと見つめあう。
「「( ・・)(・・ )((・・・・・・))」」
「「(・・ )(・・ )(くるり)」」
「「(^▽^ )(^▽^ )((もっと遊びたいからヤダー))」」
イーブイは可愛い笑顔を、ゴーさんは怖い笑顔を浮かべてこう言った……ように思えた。
そしてゴーさんはイーブイを抱えたまま猛ダッシュ。『まきびし』は除去していたから裏庭を走っても問題ないが……。
「捕らえろ!捕らえるんだー!」
せめて首輪の住所を見せてくれなきゃ飼い主に連絡も出来ないっつーの!
僕はイーブイを抱えて走るゴーさんを指差して叫ぶと、まずはローちゃんが『マジカルリーフ』を放つ。
誘導ミサイルのように追いかけてくる葉っぱを見たゴーさんはイーブイを放り投げ、甘んじてその葉を受け止める。
一方イーブイはといえばクルリと回転してから着地。リフレクターが張られている畑に走り、フヨフヨ浮いていたヤーやんの前に立ち止まる。
ピタリと止まったヤーやんの前でイーブイはコロリと転がり、体をヤーやんに擦り付けてきた。あれは『ほしがる』かな?
可愛らしい仕草を目の当たりにしても微動だにしな……ヤーやんが一部のリフレクターを解除し、『ねんりき』で木の実をイーブイにあげよった!
真面目なヤーやんのハートを容易く射止めるとは……あざといなあのイーブイあざとい!
ヤーやんからカゴの実を受け取った直後、畑の地中からサンちゃんが現れる。
僕の指示を聞いていたのかサンちゃんはイーブイに跳びかかるが……。
「ブイー!」
口に銜えていたカゴの実が消えたと思ったら水溜りが浮かび、それがサンちゃんにぶっかけられた。
今の技……まさかこのイーブイ『しぜんのめぐみ』を覚えているの!?
効果抜群の技を受けて気絶したサンちゃんに「アッカンベー」と舌を向けてイーブイは逃げる。
流石に仲間が痛い目に見て放っておけないと思ったヤーやんは「ねんりき」でイーブイを捕らえようと目を光らせる。
しかしイーブイが予想以上にすばしっこいのか中々当たらず、ナゾノクサを引っこ抜いたりスーちゃんを浮かばせたりと外しまくっている。
「ヤーイヤーイ」とヤーやんをからかっているイーブイを見てイライラしていたのか、今度はガーさんが水辺から上がってきた。
ガツンガツンと鋏を打ち付けていると、横からイーブイを庇うようにしてゴーさんが立ちふさがってくる。ゴーさんそんなにイーブイが気に入ったのか、無理も無いが。
しかしガーさんは「新入りに上下関係っつーもんを教えてやる」と言わんばかりに気合が入っており、ゴーさんの脇を通る。
そんなガーさんを掴んで抑えようとし……両者の間に火花が散る。え?ゴーさん珍しくやる気なの?
後は予想通り、ゴーさんとガーさんの喧嘩が勃発。
技のガーさんに力のゴーさん。2匹のバトルは苛烈を極め、野次馬の応援が入ってきた。
―畑ではイーブイ争奪戦が、水辺付近では戦闘要員の頂上決定戦が。
「ローちゃん、どうしてこうなったんだろうか?」
「(―▲― ;)(さぁ……)」
仕方ない、使用料は高いがザンさんとクケちゃんに助けてもらおっか。
ザンさんは良いお菓子じゃないと怒るし、クケちゃんは遊んでやらないと毒を撒くからなぁ
とりあえず木の枝で寝ているアーさんに八つ当たりしてやろ。
―――
流石プロレスラーも眠る猛毒。あの腕白イーブイもイチコロよ。ヤーやんとサンちゃんを含めた畑のポケモン全部寝ちゃったけどな。
ザンさんは寝起きが悪かったこともあってゴーさんとガーさん2匹を相手に1発KO。『つるぎのまい』からの『インファイト』は伊達じゃなかった。
お礼は後でするとして、イーブイを抱えて首輪に書かれた住所を見る……あ、キンセツシティのアキコおばちゃん家だ。
さっそく寝たままのイーブイを持って行こうとしたらゴーさんが涙目で掴んできたので、仕方なくゴーさんに預けておく。
お友達が出来たのが余程嬉しかったのか、ゴーさんはスヤスヤ眠るイーブイを大事に抱えている。微笑ましいんだが、顔が怖い。
ローちゃんに面倒を見てもらうようお願いしてから、僕はキンセツシティに向かう。今日は日曜日だし、畑仕事は後回しにしておこ。
アキコおばちゃんは知人のようなものだし、用件を伝えればすぐに終わるだろう。ついでにザンさん用のお高い木の実菓子を買っておかないと。
「じゃあ行ってくるねー」
バッサバッサと羽根を広げて「待っているからねー」とアピールするクケちゃんに見送られて出発。なんかヤダ。
キンセツシティはすぐそこだし、アキコおばちゃんにイーブイの事を聞けばいいだけの話だ。すぐに終わるだろう。
―まさか帰って来てからあんな騒動が起こるだなんて、この時の僕は考えもしなかったのです。
―続―
きのみ畑における「しぜんのめぐみ」って強いんじゃね?と思って書きました。木の実選び放題タイプ選び放題よ?(笑)