ポケットモンスター・ライフ   作:ヤトラ

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とある作者の仰天

「さーて、今日のランキングはどんな感じかな」

12位(ポケットモンスター)
ポケットモンスター・ライフ

「Σ(@■@川)ナ、ナンダッテー!?」

皆様本当にありがとうございます!
そんな訳でさっさとシンオウに行かせたいので、荒削りながら本編更新。

11/16:誤字修正


その24「きのみ屋さん、シンオウへ行く」

 今日は日曜日。窓辺から差し込む朝日が眩しいぜ!

 

 なーんて格好つけているが、昨日はワクワクし過ぎてあまり寝付けなかったんだけどね。朝日がキツい。

 けど朝だと解ったからか脳が活性化したので、窓辺の鉢植えで寝ているローちゃんを小突いて起こし、ベッドから起き上がる。

 ベッドの足元で寝ているリーフィアのイーくんを踏まないよう注意しながら立ち上がり、着替える。ほれイーくん、起きなさい。

 

 2匹の草ポケモンは朝日を受けると元気になり、おはようと鳴いてから1階へ向かう。朝御飯となると元気になるんだから。

 そんな2匹を見送ってから、僕は先にやっておくこと―旅行鞄のチェックをしておくことに。

 

 大きい緑色のキャリーバックを開いて中身をチェック。

 着替えに保存食に水筒に2Lの水入りペットボトル、ポケモンフーズに小型調理器具、予備のモンスターボールと乾燥した木の実が入った容器。

 そしてシンオウガイドブックに地図、キャッシュカードに財布、携帯ガーデニングセットとナタネちゃんへ贈る木の実菓子!

 あ、後ナナカマド研究所に持っていく裏庭の苔石。真空パックに入れて厳重に保管しています。

 少し多いかもしれないが「用意しておく事に越したこと無し」が僕の旅の信条なので。これで良いのだ。

 

 昨日念入りにチェックしたとはいえ確認は大事だよね。

 さて、準備は出来たし、後は朝御飯を食べて旅の支度をするだけだ!

 

 

 

―――

 

 時は遡る事3日前。

 

 ツツジさんのライブキャスターに映る、明るいピンク色の髪をツインテールにした、ツツジさんと同じぐらいに小柄な美少女ことミサト。

 彼女はイッシュ地方に旅立った幼馴染の一人で、バトル三昧のマサとは違い、ポケモンと共に俳優を目指しポケウッドで過ごしている。

 最近の手紙によるとホウエンムービーズ放映に向けた調整などで忙しいと書いていたはずだが……。

 

『お久しぶりだねんハヤシん♪』

 

 ウィンクして画面越しに語りかけるミサト。ちなみに彼女は名前に「●●●ん」とつけて呼びます。

 

「……で、ミサトはツツジさんと何をしようとしていたのかな?」

 

『ありゃりゃ、まずはそこからか』

 

 当たり前ダグトリオ。しばらく会っていないとはいえ、ミサトの性格を知らないでか。

 

『ねぇハヤシさん、この子は誰?ツツジさんとどういった繋がりがあるの?』

 

 ジトっと画面内で目を反らすミサトを睨んでいると、僕のライブキャスターからナタネさんの声が。

 トレーナーズスクールの談話室とはいえ、お互いが利き腕のライブキャスターの画面を向き合うようにして掲げている姿は滑稽だなぁ。

 とりあえずナタネちゃんにも改めてミサトの顔を見てもらおう。……暢気に「ヤッホー」って手を振っているんじゃないよミサトさんよ。

 

「この子は幼少の頃の幼馴染でね。良い子なんだけど気まぐれで悪戯好きで、小さい頃のツツジさんをからかったり、弱味を握って遊んだたりしてたよ」

 

『してたんじゃじゃなくて、現在進行形で遊んでいるよ~』

 

「今でもツツジさんで遊んでいるの!?」

 

 地方の壁ですら越えるとは……恐ろしい()っ!

 ツツジさんもツツジさんだ。剣呑とした仲というわけでもなく仲良しには違いないけど、なんで未だに遊ばれているのやら。

 そう思ったのは僕だけでなくナタネちゃんもそうらしく、ジーっとツツジさんを見る……あ、照れくさそうに俯いた。

 

「実は私……ハチクマンの大ファンでして」

 

「あー」『あー』

 

 そういえばツツジさんって昔っから映画「ハチクマン」が大好きだったよね。

 ポケウッドに入り浸りしているミサトなら会う機会も多いから、サインや握手会のチケットなんかを餌に遊ばれているんだろうか。

 ……あれ?けどハチクマンことハチクさんって、確かイッシュ地方とはいえ、ジムリーダーだったような。ジムリーダー同士で交流とか無いの?

 

『そういえばツツジさんって、ジムリーダーとしての仕事やワールドトーナメントとかで会っても、あまり話しかけたりしなかったよね』

 

 ナタネちゃんナイス質問。

 

「い、いざジムリーダーとして対面すると緊張して話しかけられなくて」

 

 ウブい。なんてウブいんだツツジちゃん。こんな時に女の子魂全開だ。

 

『ツツジんから「ハヤシはいい加減にライブキャスターを使うべきだ」って愚痴を聞いて、せっかくだから私が一番乗りに電話できるよう、サイン色紙を条件に手配しといたんだん』

 

 ピースを作って笑顔を浮かべるミサト。

 なるほど、妙に切羽詰ってライブキャスターを買えと言って来たのはその為か。お使い感覚で手配しおって。

 

『けどザンネーン。まさか先客が居ただなんてさー。それも女の子とか珍しいね~』

 

「連絡先を貰ったのがつい先日だったもんで」

 

『おかげさまで一番乗り貰っちゃいました!』

 

 ポリピリ頭を掻いて言う僕に対し、画面内のナタネちゃんは嬉しそうにピースサイン。

 しかしミサトもあまり執着していないようで、ツインテールを片手で掻き分け「まぁいいけど」と一蹴。

 

「それよりミサトさん、約束のハチクマンとメイファンさんのサイン、もらえるんですよね?」

 

『だ~いじょ~ぶ、だ~いじょ~ぶ!ハチクさんとメイちゃんからバッチリサインもらっているから、今度送っておくね!』

 

「やった!」

 

 嬉しさの余り軽く跳ねるツツジさん。今の彼女は理系ではなく可愛い系で通ると思うよ。

 

『それよりさハヤシん聞いたよ~?今度シンオウに行くんだって?』

 

『え、本当ですかハヤシさん!?』

 

 おや、ツツジさんから聞いたのかな?ナタネちゃんも食いついたし、「そうだよ」と軽く返事しておく。

 

『ちょ~どよかった!マッサんからも頼まれていたんだけど、お使いお願いしていいかなん?』

 

『ハヤシさん!実は折り入ってお願いがあるんです!』

 

「……?」

 

 女の子2人からお願い、しかもマサからも頼まれるなんて、一体何があるんだろうか?

 特にナタネちゃん。僕のようなガーデニングマニアになんのお願いがあるんだろ?

 

 

 

―――

 

 さて、出発前に再確認をしておこう。

 

 自慢の店「大きな庭のきのみ屋さん」の玄関は閉まっており、「しばらくお休みします」と書かれた看板が掛かっている。

 

 いつもなら特売品などを記す玄関前の黒板には、畑で獲れる木の実の種類と金額、そして「無人販売しています」と書かれている。

 

 裏庭へ歩いて見れば、そこはいつもと変らない光景にポツンと置かれた料金箱と注意書き。

 

 そして僕のポケモン達だけでなく、裏庭の半野良ポケモン達がお見送りに来てくれた。

 

 お留守番をお願いしたゴーさん、ガーさん、ヤーやん、サンちゃん、珍しくアーさんも起きて僕に手(または羽)を振っている。

 

 そのお見送りに応じるのは僕と、僕が旅行に連れて行くポケモンのローちゃん、そしてイーくんとロトやんだ。

 前者は手持ち一号ならではの豊富な経験による信頼、後者は広い世界を見せるために連れて行くのだ。モンスターボール登録は済んでいるので問題なし。

 

「じゃあ行ってくるね」

 

 3匹をモンスターボールに入れてからキャリーバックの取っ手を握り、手を振って裏庭を出る。

 後ろ越しに聞こえる色々なポケモン達の鳴き声が「いってらっしゃーい」と言っているようで、見送られる側としては嬉しくなる。

 

 

 しかし何よりも嬉しいのは、久々の長期旅行と、これから行くシンオウ地方での楽しみだ!

 

 

 徒歩でキンセツシティの実家へ向かう中、僕はこの間の会話を思い出す。

 

 

 

―――

 

「マキシマム仮面のサイン?……ああ、マサか」

 

『そうそう!ハヤシんがシンオウに行くーって言ったら食いついてさ~、マキシマム仮面のサイン取って来いって伝えとけって言われたのよん』

 

 ミサトったら伝えるの早いな~。ていうかマサも食いつき早いな~。

 

 バトルマニアなマサは子供の頃からポケモンバトルが好きだったが、同時にプロレスといった格闘技にも強い興味があった。

 故に多くの四天王やジムリーダーが居る中、ノモセジムリーダー・マキシさんことマキシマム仮面は幼少時代からの大ファンだったはずだ。

 そういえばマサはイッシュ地方のワールドトーナメントにもいくつか出場しているが、尽くすれ違ってしまって会えないと嘆いたような。

 

『ちなみに私なんだけど、ヨスガシティの衣服店『DoH』へ代わりに買い物に行ってきて!後でリスト送るからさ!』

 

『あ、「Dress Of Handmaid」の事?私よくそこへ行っているよ!』

 

『ホント!?ならラッキ~、今度ハヤシんをそこに連れていってよ!男はオシャレ感覚がなくて困るんだから!』

 

『ガッテンです!』

 

 なんか女の子2人で盛り上がって……あ、ツツジさんも外野ですか。

 後、話が勝手にそして強引に流れていくんですが、僕に拒否権は無いんですか?ていうかそういうなら自分で買いに行きなよ!

 ……まぁ、買いに行くんだけどさ。稼ぎが良いから余ったお金で食べに行ったりできるし。

 

 にしてもノモセかぁ……ノモセのサファリパークとか寄りに行きたいなぁ。マスキッパとか。

 

『ハヤシさん、次に私の頼み事があるんですけど、聞いてくれます?』

 

「おっと、なんですかい?」

 

『実はこの間のジム戦でハクタイジムの緑が荒れに荒れちゃって……ハヤシさんのガーデニングテクを見込んで庭弄りを』

 

「承ろう!」

 

『早っ!?』

 

 

 庭弄りと聞けば黙っていられぬ!尊敬する草タイプジムリーダーの頼みなら尚更!も~え~て~き~た~!

 

 

『あ~あ、ナタネんったら頼んじゃいけないこと頼んじゃって~』

 

「ハヤシさんのガーデニング好きは昔から変っていませんわねぇ」

 

 

 

―――

 

 そう、僕はシンオウ地方のハクタイジムで、荒れに荒れたというジムの緑をガーデニングしに行くのだ!

 くっはー!ガーデニングマニアとしての血が騒ぐ~!待っていろよハクタイジム!このハヤシが弄りに弄って、素敵な庭園に染め上げてくれるわぁ!

 

 

 

 さて、両親が車を出して待ってくれているはずだから急ごうっと。船の出発時間はまだだけど。

 

 

 

~通りすがりの人々の談話~

 

(ねぇ、あの人ハヤシさんよね?……気づいていないかな?)

 

(シンオウへ旅行しに行くって言っていたから張り切っているのかしら……けど流石に気づくべきでしょ、あれは)

 

(けど距離も大分あるし静かに飛んでいるから気づかないのかも。……シンオウまで付いて行くつもりなのかしらねぇ)

 

(あのドクケイルもご執心よね~)

 

 

―続く―




次回よりハヤシがシンオウに旅立ちます。
色んな人のポケライフを記したり、草ポケモンをゲットしたり、マグマ団残党が織り成す騒動に巻き込まれる予定です。
後、ダイヤモンドパールの主人公+ライバルも登場します。独自設定のポケライフも盛り込むので(適度に)お楽しみに!

今回のハテナワードはこちら。

●ポケウッドのメイファン
ポケウッドで最近人気を集めている映画俳優。メイファンは芸名で、正体はお察しの通り、BW2のポケモントレーナー。
●ヨスガシティの衣服店「Dress Of Handmaid」
ポケモンコンテンストで用いる衣装を全て手作りで提供する隠れた名店。有名度は地方各地に轟くほど。

改めて、ポケットモンスター・ライフ、御愛読ありがとうございます!
モンハン二次小説優先とはいえ、これからもコツコツ頑張ります!番外編はポケライフ中心で(ぇ)

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