ポケットモンスター・ライフ   作:ヤトラ

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寒くなって来たホウエン地方の海を行くユウキ。その先で出会った者とは。

さっそく活動報告に書かれていたトレーナーが出てきます。もう一人は感想板でフラリと書かれていたもの。


ポケライフ「海のトレーナー達」

 暖かな南国であるホウエン地方にも、本格的な冬がやってきました。

 雪こそ降らないが曇り空が多くなり、冷たい寒気が肌を突き抜けるのでコートが必須になる日が増えてきた。

 水辺が冷たくなる時期でもあるので、寒さに弱い水ポケモンも暖を取ろうと色んな手段を用いて温まるのに必死である。

 

 そんな寒空の下、僕ことユウキはホエルコのホエ2世(1世ことホエルはバトル用)に乗って海を渡っています。

 秋から春にかけてダイバーの仕事が激減するので僕は暇を弄ぶようになり、ここしばらくは気ままな海の旅を楽しんでいる。

 とはいえ、そろそろ家に帰ろうと思い、ムロタウンから出てトウカシティへ向かう。空の旅の方が楽だろうけど、僕は海の旅が好きなんです。

 

「おーい!」

 

 あ、色違いのサメハダー。ということはその背に乗っているのは……やっぱりカグラさん(ポケモンレンジャー♀)だ。

 水上を管轄しているカグラさんとはダイバーの仕事を通じて知り合った仲で、救助活動からスキューバダイビング前の指導まで、色々な面で世話になっている。

 凄いスピードでこちらに平行してきたかと思うと、切羽詰ったような顔で僕に詰め寄ってきました。

 

「ユウキ君、今大丈夫かしら?」

 

「どうかしたんですか?」

 

「実はさっきメノクラゲの群れに襲われているって連絡があって、今向かっている所なの。君が居てくれたら心強いんだけど、頼めるかしら?」

 

「解りました、僕も行きます!」

 

 この時期はメノクラゲが増えやすいから一大事だ!僕はさっそくボールからサメハダーを出し、乗り換えてからホエル2世をボールに戻す。

 それを見ていたカグラさんは僕がサメハダーに乗り換えると同時にラブカ(色違いのサメハダー♂)の速度を上げて先行。僕も後に続く。

 

 

 

―――

 

 流石はサメハダーのジェット噴射。2~3分もしないでメノクラゲの群れを見つけることが出来た。

 波に紛れるようにして広がるメノクラゲの群れに中心には、カグラさんが言っていた目印『一回り大きいラプラス』が。

 

「こ、こっちに来るなぁ!あっちいけよぉ!」

 

 図鑑で記されていた全長よりも大きなラプラスの背で、パーカーを羽織った海パンの男が泣きそうな声で叫んでいる。

 彼の手持ちらしいオクタンがラプラスの首に張りついており、ラプラスに近づこうとするメノクラゲに片っ端から『サイケこうせん』を撃っていた。

 

 けどメノクラゲの数は圧倒的に多く、オクタンとラプラスだけじゃ寄せ付けないようにするだけで精一杯のようだ。既に2匹は疲労している。

 数は軽く50を越え、僕達が加わっても全部倒すのは厳しいだろう……けど!

 

「サメハダー!」

 

「ラブカ!」

 

 

―意外だろうけど、海を漂うメノクラゲならこれが一番有効なんですよ!

 

 

「「『なみのり』!」」

 

―ザッパ~ン

 

 大きな波を作り、メノクラゲの群れはその波に従って流されていく。

 図体の大きいラプラスは重さ故に波に逆らうも、メノクラゲ達を避けるようにして泳ぎ、危機を脱した。

 波を抜けるようにして跳び出たのはラプラスだけで、メノクラゲ達は波に飲み込まれ、あっと言う間に遠くへと流されていくのが解る。

 

「へっきし!」

 

 ただし、波を抜けたということは、ラプラスの背中に乗っていた人はずぶ濡れになるわけですけど。

 

 

 

―――

 

 とりあえずそこらへんの孤島へ移動し、濡れた体を温めることに。

 

「いや~、助かったよ。ありがとう」

 

 ガチガチと青い顔で震えながら言われても。念のためにとコータスを手持ちに持っておいてよかった。

 カグラさんは予備の厚着やホットドリンクを提供。流石は海上を管轄しているポケモンレンジャーですね。

 コータスで暖房と乾燥を兼ね、乾かしている間、服や暖かな飲み物はカグラさんが提供。これで冷えた身体が回復するだろう。

 

「この時期はメノクラゲが増えやすい時期ですからね」

 

「いや~、解っていたつもりでは居たんだけど、初めてのホウエンだからって浮かれちゃって」

 

「あら、あなた別地方から来たの?」

 

「うん。ジョウト地方から来たんだよ」

 

「そんな遠くから?」

 

 いつの間にか話題が弾んでいった。それだけ体が温まってきたという証拠だから良し。

 ちなみに他のポケモンは余所でポケモンフーズを食べています。大きなラプラスは特に食い意地が張っていたようで。

 そんなラプラスの背中をポンポンと叩きながら、アオヤマさんは自慢げに言う。

 

「僕は水ポケモンが大好きでね~。このラプラスと一緒に全国の海を周りながら、色んな水ポケモンに会う旅に出ていたんだ」

 

「へ~、大きな夢ねぇ」

 

 カグラさんが羨ましそうに大きなラプラスの背中を見ている。ラブカが嫉妬していますよ?

 それにしてもラプラスに乗った海の旅かぁ。ドラマとかでありがちだけど、実際は大きな水ポケモンに乗って旅をするっていう人は多いんですよね。

 

「それならもっと気をつけてくださいね。メノクラゲの群れは怖いんですから」

 

 だからこそ、メノクラゲの大群に遭遇して遭難した、という人が続出しているのだ。

 

「今度、私が指導してあげるわ。ポケモンレンジャーとしてね」

 

「あははは、お手柔らかに頼みます」

 

 カグラさんの指導は厳しいから覚悟していてくださいねアオヤマさん。

 

 

 その後はしばらく水ポケモンの魅力について語った後、僕はトウカシティに帰る為に2人と別れた。

 海の魅力を伝えたい僕としては有意義な時間を過ごせたので、帰りは心がホッカホカだ。

 

 

 

―さて、父さん心配しているかなぁ……最近顔出していなかったから怒るかな?

 

 

 

 




ポケモンレンジャー♀のカグラさんでした。短いですが登場させました。
ダイバーのユウキとは仕事の関係上よく会うという個人設定です。
にしても体型について触れたかったなぁ……(ぇ)

ちなみに本来は色違いは珍しいので、キャラとして出すのは遠慮しがちです。
色違いだったら目立つしきっと載る!と誤解されぬようお願いします。

こんな感じに、活動報告に投稿した本編やポケライフでフラっと出てくる可能性があります。
ただし、作者の気まぐれ、登場したけど陰が薄い、理想と違うなど色々と不都合が生じると思います。すみません。

活動報告の読者様のキャラをみて「ああ、こんな生活送っているのかなぁ」と妄想して楽しんで貰うのが一番かと(笑)

ではでは。番外編「ポケライフシリーズ」もよろしくお願いします。

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