なら何故書いたかって?たまには浮いた話とか書きたかったからです(笑)
フエンタウンの一角に建つ温泉宿に設けられた居酒屋「
温泉の熱を利用した料理を扱う飲食店が多い中、この店は温泉で温めた熱燗が人気だ。
ライバルが多い温泉宿の中で唯一居酒屋を持つからか、温泉帰りに飲酒してくる客も多い。
―――
「あ~、良い湯だったわねぇ」
「本当ですねぇ」
「湯上りのモーモーミルクも最高だったわ~」
「コーヒー味が無かったのが残念だったけど……」
「まぁまぁ、元気出してくださいミヅキさん。今はお酒を楽しみましょう」
上から順に、元ロケット団のナツカ、元マグマ団のミナ、元アクア団のコトワ、元ギンガ団のミヅキ、元プラズマ団のリリス。
全員が「元したっぱどもの集い」の女性会員だ。歳はバラバラであるが、同じホウエン地方で働く者同士として女子会を開く事が多い。
本日は温泉に通うついでに、ここフエンタウンの居酒屋「フエンの湯」で酒を飲もうという魂胆だ。
「はぁ……」
「ちょっとちょっとリリスちゃん、飲もうって言ったのに何溜息を吐いているのよ」
「す、すみませんミヅキさん。ちょっとホームシックみたいで」
「とか言っておいて何を見ているのかなぁ?」
「きゃー!み、見ないでくださ、あ、あ、返してくださいよ、ナツカさん!」
「良いではないか良いではないか♪……なにこれ、男の子の写真?」
「見せて見せて!……うわ美形!誰これ!?」
「あらあらぁ、リリスちゃんも若いのにスミに置けないわねぇ」
「ミナさんもコトワさんも見ていないで、N様の写真を返してください!」
「えぬ、ていうの?この写真の子。はい、ごめんね」
「まったくもう……ええ、私達元プラズマ団の女性の中では憧れの的だったんですよ」
「あ、思い出したわぁ。エヌっていう子、確かイッシュ地方で有名になった子ねぇ」
「へぇ~、流石ブルジュワコトワさん。情報通ね」
「ブルジュワ関係ないじゃなぁい?(苦笑)」
「どれどれ……あ、この子、カメラマンの仕事で会ったことあるわ」
「マジで!!?ドコ、ドコで会いました!?」
「コ、怖い顔で素早さをガクッと下げないでリリスちゃん……カイナシティの港でバッタリと」
「カイナシティですね……じゃ!」
「ちょっちょっと勝手に帰ろうとすんな!それに一ヶ月も前だし船に乗る前だったからもう居ないわよ!」
「なんだ、ガッカリ……」
「大人しい印象があったけど、リリスちゃんって意外にアクティブなのね。ミヅキびっくり」
「けど良い男よねぇ……私もあと4年若かったらな~」
「ナツカさんはまだまだ若いからいいじゃないですか」
「それ、私達の中で二番目に若いミナちゃんが言える義理かしらぁ?」
「けど男欲しいわよ~。あ~あ、ダイゴさんみたいなお金持ちのイケメンが出てこないかな~」
「あらぁ?ジムリーダーのミクリさんの方がイケメンじゃないかしらぁ?」
「ミクリさんはイケメンっていうより美形って感じよね。カメラ目線がウザいけど」
「N様の方がカッコイイに決まっています!」
「いやエヌ?っていう子はイケメンっていうより美少年よね。若いし」
「じゃあさ、各地方でカッコいいと思えるジムリーダーの話とかしてみません?」
「え?四天王とチャンピオンは入れないの?」
「当たりマンタインでしょ?知名度高すぎるし、グリーンさんとかレッドさんに至っては高嶺の花っていうより大宇宙に浮かぶ一番星って感じじゃん。ムリムリ」
「じゃあ一番ミヅキいきま~す。ジョウト地方のマツバさんとかどう?」
「有名処来たね~。ミステリアスな感じがいいわよね。元ロケット団の私には苦い思い出があるけど……」
「なんか超能力持っているんだっけ?背も高いし、良い男よね」
「じゃあ次は私ねぇ。ミクリさん以外ならシンオウ地方のデンジさんとかどうかしらぁ?」
「私あの人パス!ナギサシティの停電事件は絶対に許サーナイト!」
「ミヅキさん何かあったんですか……に、睨みつけるで防御下げないでください」
「けどあのダル~って感じがギャップ燃えって奴よね。いざとなったらカッコいい所見せてくれそうで」
「電気タイプで思い出したんだけど、私カントー地方のマチスさんも良いなって思うわ」
「あれ?ナツカさんはイケメンでお金持ちがいいんじゃないの?」
「マチスさんって元軍人のジムリーダーですよね?面食いなナツカさんにしては珍しい」
「マチスさんは中身よ、中身!ワイルドでバリバリの軍人育ちとか、頼もしいなぁ」
「あ~、確かに中身で考えればカッコいいわねぇ」
「中身でカッコいいといえばイッシュ地方のヤーコンさんも言えるんじゃないかしら?仕事一筋の頑固オヤジって」
「いや~年を考えないとダメでしょミナちゃん。マチスさんもギリギリだけど」
「それをいうならハチクさんもアウトですね。イッシュ地方出身としてはカッコいい候補に上げたかったです」
「あ、そういえばリリスちゃんってイッシュ育ちよね?もしかしてハチクマンのDVD持ってたりしない?」
「持っています持っています!全シリーズ揃っていますよ。なんなら今度貸しましょうか?」
「マジで!?ありがと~心の友よぉ~(嬉し泣き)」
「ミヅキちゃんったら現金ねぇ(笑)」
「ていうかカッコイイ男の話をしろや(苦笑)」
「あ、カッコイイといえば新人ジムリーダーのチェレンとかも良くない?堅物だけど中身はウブっそうで中々……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「な、何よ皆、その無言の圧力は」
「「「「ナツカさんってショタコン?」」」」
「ショ、ショタコンちゃうわい!バリバリの面食いやで!?」
「ナツカさん、ジョウト弁になってますよ(苦笑)」
「じゃあナツカちゃんがショタコンじゃない鑑定でもしましょうかしらぁ」
「何それ?ていうかショタコンちゃうて」
「ヒワダジムのツクシ」
「……良いわね」
「トクサネジムのフウとラン」
「可愛いわよねぇ」
「サンヨウジムのデント・ポッド・コーン」
「いいわぁ」
「ミアレジムのシトロン」
「ストライクだわ」
「……N様に手ぇ出したら」
「いや私より背丈が高い子はちょっと」
「「「「やっぱショタコンじゃん」」」」
「はうあぁーーー!!」
「というか、カッコイイ男の話は?(苦笑)」
「けどヒウンジムのアーティさんは微妙だよね」
「「「「確かに……」」」」
美的センスとは人によって違うが、年齢差だけは気をつけなければならない。
「元したっぱどもの集い」―――それは、足を洗い真っ当な暮らしを始めた、元したっぱ達が集う飲み会サークルである(全国各地受付中)。
―完―
~オマケ・イッシュ地方のイイ女性ジムリーダー~
ヒウンシティのカフェ「憩いの調べ」にて。
「なぁなぁ」
「なんだよ」
「イッシュ地方のジムリーダーでイイ女といえば誰を挙げるよ?」
「俺はホミカ」
「え?ロリコン?(ドン引き)」
「違ぇよ!充分カッコイイだろ?あの年でロックバンドのボーカルを兼任してんだ、小さい体に熱いハートを見せ付けられたぜ」
「あ~……そう考えるとカッコイイな。けど俺はフウロさんがイイと思う」
「所詮はオッパイか(笑)」
「……と思うじゃん?自分の飛行機に乗って空を飛ぶパイロットとか、男の憧れを擽られちまうぜ。鳥ポケモンじゃなくて敢えて飛行機っていうのがまたカッコよくてよ」
「なるほど、一理あるな」
「イッシュの女はカッコイイ奴が多くていいなぁ」
「だよなぁ」
(所詮は顔か胸か、とか思ってマジゴメン。けどカッコイイ……カッコイイのか……)
(私、カッコいいんだぁ……今度カミツレちゃんに自慢しよっかな)
元プラズマ団の2人の会話を、お忍びでミックスオレを飲みに来たホミカとフウロが聞き耳を立てている図。
宅配会社ゴーリキーサービスの従業員・ナツカさん(元ロケット団したっぱ♀)
カイナシティの市場の売り子・ミナさん(元マグマ団したっぱ♀)
ミナモシティの従業員・コトワさん(元アクア団したっぱ♀)
フリーのカメラマン・ミヅキさん(元ギンガ団したっぱ♀)
育て屋のお手伝い・リリスさん(元プラズマ団したっぱ♀)
飲み会の場所:「食事処・フエンの湯」
飲み会の切欠:「女子会」
飲み会の話題:「カッコいい男ジムリーダー」
次は男子会で女ジムリーダーの話でもすべきだろうか?(笑)
ではでは。