アホ鳥オペレーター   作:クロス電源

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足を折ろう!

「はぁ…はぁ…チッ!邪魔くせぇ怪我だなっ…!」

 

やあみんな、ランナーだ。大体11時40分くらいだろうか、艦内に聞こえる音もいつもの賑やかな音ではなく、大型機械の駆動音や爆発音ばかりだ。

…やっぱおかしいなこの舟。

 

 

今俺はオペレーターの隙をついて医療部を抜け出し、ただひたすら訓練室へと進んでいる。縫合された足の繋ぎ目が激しく痛みを増しているが耐えながら歩く。今の時間なら…きっと。

 

キィィ…

 

訓練室のドアをゆっくりと開ける。こんな開け方は性にあわない。ドアが完全に開き切り、部屋の中央には幸運にも俺の探していた人が居た。

 

 

「ほう、珍しいな。お前が今の時間帯にここに来るとは。一体どんな風の吹き回しだ?」

 

「へっ。どんな風って言われたら、きっと腥風だな。」

 

「フッ…お前、足を切断されて医療部にいるはずじゃ無かったのか?まあ、そんな減らず口を叩けるなら、まだ動けると言ったところか。」

 

「あぁ、まだ動け…いや、動かないといけねえんだ。少しばかり付き合ってくれるか?『サリア』。」

 

「お前の持ってきた話によっては付き合おう。お前、一体誰にやられた?」

 

鋭い目付きを向けながら質問するこの女性は『サリア』と言う。元ライン生命警備課主任と言うなかなかの経歴を持つヴィーヴルだ。ちなみに俺はフィリオを通して交流を繋いでいる。

 

「クルビアのギャングの護衛、鉄のアーツを操る男…、ジェッセルトン…ウィリアムズ。」

 

そう言ってもサリアは眉ひとつ動かさない、…あぁ、そうだった。ドクターがもう伝えてるんだっけ?

 

「ドクターの言っていた通り、本当にその男に足を切断されたのか。」

「…あぁ、そんでもってすまねぇ。俺はあのおっさんにお前がここに居る事を教えちまったんだ。本当に申し訳ねぇ!」

 

サリアは何一つ言葉を発し無い、この空気感がかなりの緊張を生み出し、自分の情けなさと彼女への申し訳なさで吐き気を催す。

込み上げる吐き気を必死で押える。まだ話さないといけない事がまだまだあるんだよ、…こんちくしょう。

 

「サリアッ!とりあえずあまり外出しない方がいい!あいつは危険だ!お前だけじゃなくみんなも…!」

 

「…話は分かった。ランナー、訓練をしようか。」

 

「…????」

?????。

「サリアお前分かって…!「訓練を、するぞ。」アッハイ…」

 

_____________________

「よし、ランナー。まずはこの鉄のドアを蹴り破れ。」

 

「そういってもよ…さすがの俺でも凹ませるくらいが限界だぜ?しかも今足繋げたばっかで蹴るとすっ飛んでいきそうで…」

 

「知るか、蹴れ。」

「うっそだろお前ぇ!?」

 

必死でサリアに目で訴えかけるが関係ないと言わんばかりにドアを突き出す。恐る恐るドアを蹴る。

 

ガキィ!

 

俺が放った蹴りは鉄のドアを凹ませすら出来なかった。

 

「な…なぁ、サリア。」

「…舐めているのか?」

「えっ」

 

サリアが俺を見る目はとても冷たく感じた。なんとも言えない不安と恐怖がおしよせる。

 

「お前の全力はこんなものでは無いだろう。私はお前に『全力』で蹴れと言ったはずだ。」

 

「あっ…あぁ…あ"あ"っ"!クソったれ!責任取れよなぁぁぁぁ!!!

 

ガギャンッ! ベギッ!

 

「いっでぇぇぇぇぇ!!!」

 

決死の思いで放った右足での蹴りは、サリアの持つドアをひしゃげさせ、ほんの少しだが穴が空いていた。しかし、その代償に…当然と言うべきか、木の枝を折ったように俺の足が折れる音が響いた。何とかアーツを使って足が吹き飛ぶのだけは防ぐ。

 

「ほう。身体能力的には十分か…やはりアーツだな…」

「あ…アーツ?サリアお前、何をしようとしてんだ…?」

 

そう質問した後、1呼吸の間を開けてサリアが話し始めた。

「奴とお前の身体能力には、正直そこまで力の差はないだろう。」

「…でも、負けてんだよ。」

「それがアーツの実力の差というものだ。」

「…っ。」

 

確かに俺がおっさんを蹴り続けても、何のダメージも無い様な反応をされて焦った。その体はまるで鉄のよう。アーツによるものだった。

 

「私のカルシウム元素を操るアーツ。一見聞くと頼りないように思うかも知れないが、アーツを鍛え続けるとその硬度は鉄をも超える。実際私は奴を一撃で仕留めている。」

「い…一撃…?」

そういえばサリアがアーツを攻撃に使用しているところは見たこと無かったな。…え、サリアこわ。

 

「たかがカルシウム、されどカルシウム。使い方次第で強くも弱くもなる。…そうだな、使い方を変えるとこのような事もできる。」

「えっ?うおっ!」

 

突然折れた足がサリアのアーツに覆われる。サリアのアーツが俺の足から消え去った時、俺の足の痛みが消え去っていた。

 

「えっ!?なんで!どうしてだ!?」

「…フッ、お前のその足が骨と同じ成分では無かったらこんな無茶振りをさせるわけが無いだろう。」

「…っ!そうか!カルシウム!」

 

やっぱこいつは頭が良い、俺に考えつかないことを平然とやってのけるッ!

 

「さて、次はお前の番だ。お前のその『衝撃を操る』アーツをどのように広げていく?」

 

「広げる…かぁ。」

今まで使った事があるアーツの使い方はおおよそ2つ。

1つはいつものように衝撃の向きと状態を変える物。

向きと状態を変えるだけだからダメージは変わらないんだけどな。

2つ目はジャンプする時の衝撃を保持して空中で放出、瞬間的に方向転換が出来る。痛い。

 

「…すっくな。」

「考えるんだ。…と言っても、お前は戦いの中で思考する方が向いているな。それ、打ち込んでこい。」

「…おっけ!恩に着るぜサリア!」

 

_____________________

「おっ…らぁ!!」

「速度はあるがパワーが足りないぞ。お前はどうやってパワーを補うつもりだ?」

「速度を増やす!」

「………アホか。」

 

壁を飛び回るように足を動かし続けて衝撃を貯めていく。サリアの背後をとったその瞬間に衝撃を解放する…!

 

「ここだっ!」

「甘い。」

「うげぇっ!?」

 

俺の放った蹴りはサリアの右肩にクリーンヒット…の、はずだった。

「いくら速度を上げても、こうすれば意味が無い。」

「うっそだろおい…」

 

サリアを蹴った感触を一言で表すなら『羽』。それほどに手応えが無かった。

俺の足が肩に当たった瞬間に体を前に反らせて上手いこと体にかかる衝撃を逃がしたようだ。

 

「お前がいくら衝撃を貯めたとしても、受け流してしまえば意味の無いものとなる。さて、お前はこれをどうやって乗り越える?」

「…衝撃が逃げるんなら…。」

 

衝撃を必ず相手に当てるように…そうしたら防御もできない最強の攻撃に………。あ、そうだ。

 

「やってみるしかねぇな!」

「…ほう、なら試してみろ。」

「わかった!」

 

助走なんかいらねぇ!相手に衝撃をそのまま流し込めばいいんだ…!左足で床にヒビが入るほど思いっきり地面を蹴る!衝撃吸収&保持!左足で保持した衝撃を右足へ移動!後は思いっきり蹴り抜くだけッッ!!!

 

「オラァッ!!」

「直線的だ…変わっていないぞ?」

「こっからだ覚悟しろォォ!!」

 

蹴り抜いた足が保持する衝撃を全てサリアに流し込めばッッ…!!!

 

「ぐっ…!!」

「よっ…し!手応えありだっ!」

 

サリアの顔が苦痛の顔に歪んできた。防御の出来ない打撃…かなり辛いだろ。

 

「内部からの…打撃ッ…!」

「さすがサリア、気づくのが速ぇ。」

「術攻撃に似た…しかし違う…!まさかこれは…!」

「なんかに気づいたのか!?」

「はぁっ!!」

 

「ごっはぁあぁぁぁ!?!?!?」

え?殴られた?殴られた!?なんで!?!?

 

「はぁ…はぁ。ラッ、ランナー!大丈夫か?」

「サリ…ア…お前…」

「わ…悪い、少し危機を感じて手が出てしまった。そのまま話は聞けるか?」

サリアの問いに頷く。

「お前の先程の攻撃…アーミヤCEOやケルシー医師のMon3trと同じような…いや、少し違うかも知れないが………確定ダメージの兆しが見えた。」

「確定ダメージ…」

「体内部からの反復する打撃…対処法を見つけるのにかなり時間がかかるぞ…。いや…そもそもあるのか…?

「とにかく…俺は強くなったって事か?」

「…まだ一概に強くなったかは分からない。奴が来るまでの時間、訓練だ。」

 

「…おう!」

 

グゥ〜…

 

「…ランナー?」

「悪い、腹減っちまった。今から食いに…いや、奢るぜ?サリア。」

「…珍しいな、では。甘んじて受け入れるとしよう。」

「飯が終わったらまた頼むぜ!」

「ああ、他にも協力者を呼んでおこう。これは訓練…いや、修行だな。」

「くっ…へへ!望むところだ!!」




狂人号…私のsan値も狂人に…????

あのクソ鳥頭どうにかしたかったなぁ〜!!(約50敗)
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