「エネルギーショックスタンバイ!…行きます、ソニックブーム!!!」
チュドーン!!
荒野のど真ん中、すさまじい熱と光を放出してその機体は爆散した。
「サーマルゥゥゥゥ!!!」
「…はぁ、理解出来んな。敵に対して効率的に被害を与えるために爆破に特化した機体だぞ。爆発して当然では無いのか?」
「うるっせえ『ノーシス』これはこいつが俺たちに残した希望だ。声上げて悲しんでこそ、こいつは浮かばれんだ。」
「機械だろう…君が馬鹿なのは知っていたが、そこまで馬鹿だったとは思っていなかったよ、ランナー。」
「なんだぁテメェ。そのセリフ、ユーネクテスのやつに言ってみろ?ビックアグリー引っ張り出してくるぜ?」
ノーシスは理解できないと言わんばかりにため息をついた。
悪いやつじゃないのはわかってるが、どうも効率厨だ。
「ガガ…ランナー…様。」
「サーマル!?お前ッ!ボイスモジュールだけ…!」
すぐさま爆心地へ向かい、地面を漁ってボソボソと聞こえる音声を頼りに彼の残骸を探す。
「…あった!おい、サーマル!!」
「あぁ…ランナー様、ここにいらっしゃるのですか…?私の視覚モジュールはもう破損してしまったようです。」
「おまっ…もう喋るな!すぐ治してやるから…!」
「ハハ…ランナー様、私はもう助かりません。せめて、この一時だけは、私の最後の話を聞いて欲しいのです…!」
「おい、もう作戦は終了しているぞ。ランナー、戻るぞ。何をやっている。…私だけでも先に帰るぞ。」
おーっと?空気を読まないやつがいるなぁ?
帰ろうとする足を俺の足でギュッと握ってやる。
「にがさん。」
「」
俺が今までやってきた中で1番の笑顔をノーシスに向けた。彼はもうなにか諦めたかのように天を仰いだ。
「私はクロージャ様とメイヤー様にこのような素晴らしい改造をしていただき、このレイジアンプロバカードルラヴァキャットデビルパフォーマンスモデルの身体を授かりました。この身体の中を駆け巡る熱い情熱!これは私にとって何よりも変え難い衝撃でした…!この身体から発せられるすばらしい爆発はこの戦場をさらに素晴らしく色付けたのでしょう…!」
「お…おう、めちゃ喋るやん。」
「とても最後の言葉には思えないな。」
「そして何より…ランナー様、ノーシス様。この私の最初で最後の活躍を鑑賞なさったのが貴方達で本当によかった!!」
「なんだ?」
「…?」
自分語りのロボットが急にシフトチェンジ、このロボットに俺たちは何を与えたのだろうか。そこんところにノーシスも興味を持ったのか、奇怪な物を見るような目が少し緩んだ。
「ランナー様。貴方の熱い熱い情熱は、私の中を流れる熱いモノをより活性化させてくれました。それはまるで薪をくべる様に!…そして、私が栄光を果たした後。貴方様の私を呼ぶ声が、私の知能モジュールを再び起動してくれたのでしょう。貴方が居なければ、私は貴方に感謝の意を伝えることも出来ませんでした。…そして、是非ともクロージャ様とメイヤー様にも私が感謝を伝えていたことをお伝えください…!」
「…おう、任せとけ。」
「ノーシス様。貴方は今まで私がこのエネルギー溢れるこの熱い世界を過ごしてきた中で、最もクールな方です!初めて私の視覚モジュールに写った時、それはそれは冷たくあり、今すぐにでも私の強烈な熱エネルギーをおすそ分けさせて頂こうかと思っておりました!」
「…余計な世話だ。」
「しかし、私は考えたのです。影あるところに光あり、冷気あるところに熱エネルギーあり!と、貴方の存在が、この私の素晴らしい熱エネルギーを助長してくれる。そして私も貴方の冷気を引き立たせるような存在になれる!これほどまでに嬉しいことはありませんでした。そし…ガガ、貴方様のその…ガガッ、私にとっ…ピー!」
壊れかけだということを感じさせないロボットの熱い熱い熱弁が、不意にぴたりと止んだ。
「…おい、おいなんだ?私の何が君にとって何をしたんだ…!?」
ノーシスは俺の足を振りほどくと、既に反応がないサーマルEXの機体に駆け寄って疑問を投げかける。
「おいノーシス、見りゃわかるだろ?もう止まっちまったんだよ。…こいつの意志は聞いたろ?メイヤーとクロージャに伝えるんだ。こいつの…感謝を…。」
「君はこの機械からの遺言を全て聞けただろう、だが私は聞けていない…!とんでもないお預けを食らってしまったよ…!!何の意味の無い行為だが、この機体を氷漬けにしたい気分になった。もし君がこの立場ならどうする?」
いつものノーシスでは絶対にありえない全く意味の無い質問にレアさを感じながらも答えを考える。そうだなぁ…
「俺なら…もっかい目を覚まさせるためにボコボコに蹴りまくる。」
「君も相当不謹慎だな!?まるで理解ができない…!?」
「なんてったって、アホだから。」
「そうだったのか…???」
こんな、アホな会話を繰り返しながら俺とノーシスはヘリに乗り込んだ。このまま寝てしまおうかとも考えたが、その前に一つあることに気づいたのでノーシスにそれを伝えてみる。
「なあノーシス、俺一つ思ったことがあるんだ。」
「…なんだ。先程みたいな無意味な事を言ったのなら、君を氷漬けにしても構わないと見なすぞ。」
「意味アリアリだぜ。なんかさ…ノーシスとサーマルEXって、声…似てね?」
「………」
(似ている…???)
ノーシスが固まった。口ぽかんとしてる。そんなに気に思うことだったんだろうか?
「…何馬鹿なことを言っている。全く意味のない…これだから君と共に任務に行くのは嫌なんだ…。私は脳の休息をする。もし邪魔をしてみろ、その時は君を氷漬けにするからな…」
「えぇ…」
え、まさか俺、嫌われちまった?正直思い当たることしかないけれど、あんまりだ。
…そういや、声が似てる問題については氷漬け発言出なかったな。
──────────────────────
それから何時間経っただろうか、ヘリはいつの間にかロドスへと帰ってきていた。
「おーい、おーい?ランナー?起きて〜」
「任せろ、この新薬を試そう。きっと起きるはずだ。きっと口内でポップコーンが弾けるような小さな爆発が起きて──」
爆発…爆発…爆発…?爆発……あっ!
「サーマルEX!?」
「起きたか。」
「びっくりした。サーマルEXがどうしたんだい?」
「あれ、ソーンズとエリジウム?ノーシスは?」
「ノーシスさんはヘリが着陸した後すぐに出ていったよ。ラボに行ってくるって。」
「あぁ…そっか。」
「…俺はお前が何故サーマルEXの名を叫んだのかが気になる。」
「そうだ…サーマルEX。お前たちにも聞かせてやるよ。あいつの勇姿と…その後に起きた変なことを。」
「いいね!バーにでも行こうか!」
「おっ、賛成。まだラファエラにツケ払い終わってねえんだよ。」
「俺も賛成だ。…その時に、俺の新薬も飲んでもらうとするか。」
「なんだよソレ!?」
──────────────────────
1人のリーベリが、心に少し蟠りを感じながらラボへの道を歩んでいた。
「…彼女達は、確か…。」
「ねえねえ、次はバクダンムシの習性を利用してもし不発に終わっても爆発するようなシステムを考えてて…!名付けて最後の道連れ爆破!とか?」
「いいねぇ…!あ、せっかくだしバクダンバチみたいにプロペラをつけて自爆特攻!みたいな…」
「おい。」
「ひやっ!ビックリした…、あれ。貴方ノーシスさん?」
「氷のような男ノーシ…あっいや!ノーシスさん、どうしたの?」
「…サーマルEXが自爆後に君たちに礼を言ってくれと。」
「サーマルが?そうかぁ…あの子も立派に自分の使命を果たしたんだね…!」
「自爆後…あっ、このクロージャ様が付けた自爆後遺言システムが働いたんだね?いやぁ効果があって何より!」
「あれは君が着けたのか…。なら、もう少し耐久性の改良をしておけ。それ以前に、そんな無意味な機能をつけるならもっと有意義な機能をつけたらどうだ。」
「ぐぐ…ケルシー先生みたいな事言って〜…まあありがと。彼の言葉を伝えてくれたこと、感謝するよ。」
「…最後に一つ質問があるんだが。」
──────────────────────
「…」
場面は飛び、リーベリが1人何かの論文と向き合っている。だが、なにやら表情が暗い。なにか腑に落ちない様子であまり集中出来ていないように見える。
そこに1人、長身のフェリーンが尋ねてきた。
「どうした?どことなく上の空のようだが。」
「…シルバーアッシュか。そんなことは無い、何かの見間違いだろう。」
「有り得ないな。お前が集中を欠くなど、今までになかったでは無いか。根を詰めすぎではないのか?」
「そんなことは…」
「ドクターから珈琲を貰ってきた。インスタントだが…1杯どうだ?」
「…有難く頂こう。」
──────────────────────
カチッ、とポットの湯が沸いた事を示す音がラボに響く。シルバーアッシュは自分のカップに湯を入れると、その中身をスプーンでかき混ぜながら椅子に腰かける。
「ノーシス、お前の好きなように入れてくれ。何か言われたら堪らん。」
「あぁ、甚だそのつもりだ。」
「所で…お前は何の研究をしているんだ?お前がそんな風になるなんて、一体どんな難題なんだか……。…?、これは…サーマルEX?」
シルバーアッシュは珈琲を1口飲むと、ノーシスの方を向いた。
「おいノーシス、一体なんでこんな…ノーシス?ノーシス!?」
「…何だ、シルバーアッシュ。騒がしいぞ。」
「珈琲が!カップから湯が溢れている!おいノーシス!その手を上げろ!!」
「なんだと言うんだ……うおおっ!?」
日も落ちた頃、いい歳した2人の男性は1杯の珈琲で叫び、戦慄した。
「はぁッ…はぁッ…ノーシス。やはり何かおかしいぞ。」
「私も今自覚したよ…これはどう考えてもおかしい…」
「…何があったのか。聞かせてくれはしないか?」
「いいだろう。」
──────────────────────
「えっ!?…えっ?…そんな似せるように設定はしてないんだけど…」
「気づいたの?ランナーが?えっ、ちょっと待って。音声サンプル聞いてくるから!」
「…うーん?うーーーん?」
「じゃっっかん…?いや、意識してみれば似ている…ような?」
「その音声サンプル…できればコピーして貰ってもいいか?どうしても腑に落ちないんだ。」
「えっ、ええ!いいよ、持ってって!」
「ノーシス…サーマル…あれ?えっ、似て…る?」
──────────────────────
「こんなことがあってな…」
「…???」
「理解できないだろう…いや、理解して欲しくないんだが…。音声サンプルだ、とりあえず聞いてみてはくれないか。」
「あっ、あぁ。」
「…どうだ。」
シルバーアッシュは頭を抱えたまま俯いている。
「どうなんだ…答えてくれ…!シルバーアッシュ!」
「…わからない。形容しがたいんだ…だが。」
「なんだ!?」
「似ていると言われれば……似ている。」
ノーシスは白目を向いて絶句していた。
〜〜〜〜〜
(サーマルEXに似ている…)
(いや、私は私だ。あくまでも似ている、それだけじゃないか。)
(こんな事を考えている時間が1番無意味な時間じゃないか…寝よう。明日になれば忘れているはずだ。)
ノーシスはベッドの上で目を閉じる。
何分か経っただろうか、ノーシスは周りから聞こえてくる機械音で目が覚めた。
「何だ…?騒がしい、騒がしすぎるぞ…」
ノーシスは周りを見渡した。ガシャガシャと音を立てる油圧機、テキパキと動くロボットアーム、一際存在感を示す光り輝くセンサ。
「これは…工場?なんだ?夢か?」
状況が飲み込めないノーシス、すると後ろからキャタピラの駆動音がいくつも聞こえてきた。
「やあ!我が同士よ!熱エネルギーはどうかな?」
「熱エネルギー…ハッ!まさか…!?」
ノーシスは恐る恐る後ろを向く、そこには数百台はあろうサーマルEXの大群が停車していた。
「うわぁぁぁあッ!!!」
あまりの恐怖に動けなくなるノーシス。そんなノーシスを気にもとめずにサーマルEXは言葉を続ける。
「はは!どうしたんだ同士よ、君も同じレイジアンプロバカードルラヴァキャットデビルパフォーマンスモデルじゃないか!何も驚いている?」
「何を言って…!?」
「その夜空のような素晴らしい漆黒のボディー!戦車をも超える高性能なキャタピラ!そして私たちの中を流れる熱い情熱!何を持って私じゃないと言える?」
「そんな…!嘘だ…、」
ノーシスは逃げ道を探すべく目を皿にして当たりを見渡す。しかし運の悪いことに、機械に反射した自分の姿をまじまじと見てしまった。
「う、うわぁぁぁあッ!!」
それはまさにレイジアンプロバカードルラヴァキャットデビルパフォーマンスモデル、サーマルEXであった。
「見たでしょう!君もサーマルEXなのです!では貴方も、熱エネルギーを讃えよ!!熱エネルギーを讃えよ!!」
「ち…違う、私はサーマルEXじゃない!私はノーシス・エーデルワイスだッ!」
耳を塞ぎたいが手が無い。そもそも耳があるのかすらわからない。そんな現状にノーシスは自分の存在を確認し、叫ぶしかなかった。その時だった。
「ノーシス様ッ!?」
突然サーマル達の後ろの方からノーシスの名を呼ぶ声が聞こえた。
「何だ…!?」
キュルキュルとキャタピラの音を立たせながら急ぐように走ってくる1機体のサーマルEX。
「ノーシス様…ノーシス様なのですね!?」
「なんだお前は!?なぜ私の名を知っている!?」
「ええ知っていますとも!本日、死にゆく私をランナー様と看取って下さったではありませんか!」
「え…」
ノーシスは唖然とした、あの時止まったはずのあの機体がいるのだから。
「あぁ、こんな姿になってしまわれて…」
「お前…!本当に今日のサーマルEXなのか…?」
「ええ本当ですとも。私も一つ心残りがあったのです。遺言を最後までお伝えすることが出来なかった…と。」
「あぁ…それだ、ずっと気になっていたんだ!それと…!」
「それと?」
「私と君の声は…似ているのか?」
「声帯認証システムによると、私とノーシス様の声帯一致度は78%です!中々似ていますね!!」
「そ…そうか。」
「私はノーシス様と声が似ていると聞いて光栄です!私もノーシス様のようになれる可能性があるということですから…!」
「何だと?」
「ええ!ここが私の言えなかった事の根幹の部分になります!あの時私は、『貴方様のそのこだわりは、私にとって非常に感銘を受ける物だった。』と言いたかったのです!」
「こだわり…?」
「ええ、戦地へ向かうヘリコプターの中、淡々と作戦を綿密に組みたてていく貴方様の姿。そこにある冷たいならではの情熱!そしてそのこだわり!これは私達の持つ使命に多大なる影響を及ぼしました!」
「使命…」
「ノーシス様、貴方はここにいるべき人じゃありません。走ってください、ノーシス様。あの光まで…!」
ノーシスがサーマルの指す方向を向くと、確かにそこには光があった。
「ッ!あぁ!」
「逃げてはいけません!貴方もサーマルEX!さあ熱エネルギーを讃えるのです!!」
「なっ!?」
サーマルEXの姿をしたノーシス、ノーシスEXはなれないキャタピラで光まで走り出したが、後ろから数百台のサーマルEXがノーシスEXを引き戻そうと走り出している。
「やはり厳しいですか……ならば!エネルギーショックスタンバイ!!」
「なっ!?お前!」
「ソニックブーム!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
──────────────────────
「うわあぁぁああ!!??」
ノーシスが爆発したように飛び起きた。時間を確認すると05:37と出ている。
「はぁっ…夢か…」
〜〜〜〜〜
「よっ、ノーシス。今日も作戦だな!」
「…はぁ、できるだけ君には会いたくなかったよ。ランナー。」
昨日と引き続き、ノーシスと作戦に行くランナーだ。
なんか今日のノーシスはいつもより…なんか、すっきりしている。
何があったんだか。
「それでは行こうか。」
「あー、待ってくれノーシス、あと一人。聞いてなかったか?」
「あと1人…?」
ノーシスはキョトンとしている。聞いてなかったみたいだ。そんなことを考えていると、キュルキュルと音が聞こえてきた。早速来たみたいだ。ノーシスの方を見てみると、何故かギョッと目を丸くしている。なんで?
「おーはーようございます!ランナー様、ノーシス様!本日は私の素晴らしいホットフィックスをご覧頂くべくやってまいりました!!それでは行きましょう!」
そう大きな声で言うと、サーマルEXは足早にヘリコプターへ乗り込んだ。
「あー、ノーシス。大丈夫か?」
「…あれもまた美学か。」
「???」
本当に何があったんだろう。
〜〜〜〜〜
「サーマルが突撃して爆発、そんでノーシスが敵を凍らせて…最後に俺の蹴りでズドン。オーケー?」
「非常に雑な説明だが、流れは掴める。」
「ランナー様の説明が!心で理解出来ました!」
「よし、みんな行けるな?行くぞッ!!」
サーマルEXを筆頭に次々とヘリから降下していく。降下すると同時にサーマルEXは岩肌見える砂利道を臆せずに直進していく。
「よし!いいぞサーマル!」
「エネルギーショックスタンバイ…!行きます、ソニック…!」
「今だ!!」
ドォォォォォン!
などという爆発音は聞こえず、カラカラと空を切るキャタピラの音だけが戦場に響いた。
「えっ?」
「…ッ!!」
「成功だ!やはりあのロボットには弱点がある!!起爆寸前で機体の内部に向かって矢を打ち込めば止まるって本当だったのか!」
「よくやった弓兵!あとは任せろ!」
「サーマル…!?」
横転してキャタピラだけを動かし続けるサーマルは何も答えなかった。
「ちくしょう…サーマル…行くぞ!ノーシス!…ノーシス!?」
サーマルを失った悲しみを噛み締め、仇を討とうとノーシスに話しかけるつもりが、なんとノーシスは1人で勝手に高台へ上がっていた。
あいつ、弓兵がいるの分かってんのに…!早く行かねえと撃たれる!
「貴様ら…このロボットがどんな使命を持って突撃したか分かっているのか…?」
「何言ってんだ。ロボットはロボットだ、ただ爆発させるだけなんだし別に止めても構わんだろう?今からお前もそのロボットみたいに地面に落としてやるよ!」
「…貴様らは、あのロボットの使命を踏みにじったのだ。1度しか行えない、彼らにとって一番の花場を!」
「何ゴチャゴチャ言ってんだオッサン!野郎ども、かかれぇッ!!」
「…エネルギーショックを妨げるなァッ!!!」
「うおおぉっ、すげえ!ノーシスのやつ、やりやがった!」
本当にサーマルと何があったのか分からないが、50はいるであろう敵の軍勢を1人で始末してしまった。
あれ、これ俺いらなくね?
そんな心配は他所に、ノーシスがすぐさまサーマルEXの元へ駆け寄っているのを見て、俺もすぐさま駆け寄った。
「サーマルEX…君の爆発が見たかったよ。非常に残念だ。」
「ノーシス、俺が矢を抜くから、ちょっと抑えといてくれ。」
「分かった。」
ひとまず、俺はサーマルに深く突き刺さった鉄の矢を勢いよく引き抜いた。壊れていないといいが。
「…ガガ、ランナー様、ノーシス様。」
「サーマル…。」
「サーマル!大丈夫か!」
「ランナー様…ノーシス様…私は…。」
「分かっている、サーマルEX。確かに君は使命を果たすことは出来なかった。だがしかし、それは表面上の事だ。」
「はっ?使命?」
「ノーシス様…。」
「えっ。」
「お前は爆発せずとも、爆発しようと敵に前進するその意思、それもまた心の熱エネルギーから来る美学ではないか?」
心の熱???
「ノーシス様…貴方は案外、心の熱い方だったのですね…。あなた方に看取られて、私は幸せです…。」
二人の間で勝手に話が進んでいく。何こいつら、夫婦?
「君の美学、私のはよく理解できたよ。君はその達成感を胸に覚えて眠るといい。」
「はい…ノーシス様。それでは最後に…私の渾身の熱エネルギーをお見せします。」
「えっ。」
「あっそういやクロージャとメイヤーが最後の自爆機能つけたとかそんなk…」
チュドォォォーン!!
爆発オチなんてサイテー!!