「信号は安定!いつでも行けるよ!!」
「よっしゃ来た!!行くぞオラァ!!」
「速戦即決!!」
「見つけたアッ!!」
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「いい連携だったね、ハイタッチしようか!」
「ったりめえよ!お前の通信がなきゃ敵の位置がわからなかったしな!」
パチン、と音が響く、互いに力加減を知っている、とても心地の良い音だ。
「やっぱり、君のそのアグレッシブな戦い方はいつ見ても飽きないね。どうやったらそんなに凄いスピードで飛び回れるんだい?」
そう聞いてくるコイツは『エリジウム』白髪の中にちょっとだけ赤毛が混じっているのがチャームポイントのリーベリだ。放っておくとかなりうるさくなるのが玉にキズ。
「そりゃあ俺だからな!レユニオンの奴、ものすんごい顔してたぜ!」
「そりゃあそうだよランナー!光化学迷彩で隠れていたと思ってたら、急に君が飛んで来るんだからね!」
「「ナイス!!」」
「…ふたりとも、ああやってれば賑やかな人たち何だけどね。」
「全くだ…得にランナー、戦闘中のコイツは本当にコイツなのか?いつもは薬剤を蹴飛ばしたりしてるのが嘘みたいだ。」
「そう!そうよね!前なんてリーフを踏み台にして天井裏に登ってたし!」
「…ソーンズ達にまたイタズラしたのかい?」
「イタズラァ?そんな大したことしてねぇよ。俺が走った後を見ると、何故か頭の硬いヤツがみんなキレて向かってくんだよ、不思議だろ?」
「あっはは!それは災難だ…ね…」
「ん?」
エリジウムの奴、急に声がちっちゃくなって震えだしたぞ、なんだ?敵のアーツか!?あっちょっとまってヤバいなんか後ろからすんごい重圧が
「まだ…わかってないようね…?」
「頭の硬いヤツで悪かったな…悪いが、お前の足を切り落としたくなってきた。」
「アッ…ヤッベ。」
ああ畜生、今日は襲われずに済むと思ったのに…アッヤベ、ものすごい水圧が
「発射ッッ!」
「めぎゃっ!」
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「…あー、大丈夫?」
「流石にやりすぎかしら?」
「このくらいで丁度いいだろう。」
「…さすがにヤバすぎね?飛ばされた先にマッターホルンの奴がいなかったら今頃、俺峡谷に落ちてたんだぞ?」
「まぁ、生きて帰ってきてるから問題なしよ。ねえ?」
「あぁ、マッターホルン様。次に食堂に行くときは『マッターホルンおじさん』じゃなくて『マッターホルンお兄様』と周りに言わせる事を誓います…」
「ウィーディ、お前のせいでランナーのヤツが壊れたぞ。」
「ええ?これ私のせい?このアホ鳥の自業自得じゃなくて?」
「おめえのせいだわボケナス。」
なに自分は被害者ですー、みたいな顔してやがんだ。流石の俺も怒っちまうぞ?
「まぁまぁランナー、君のその顔は怒っている顔だ。見舞いとして何か好きな物を奢ってあげるよ。ねえ、ブラザー?」
「俺もか?……まぁいい、流石に気の毒だ、少しは出してやろう。」
「えっ?マジ!?よっしゃエリジウムとソーンズ最高!!」
(餌付けされてる…)
「君もどうだい?というか、君がぶっ飛ばしたんだし奢るべきじゃない?」
「ええ?私も?」
「「「…」」」
「わかったわ!わかったから!そんな目で見ないで!」
「お前一人だけ1抜けしようとはいかねーよなぁ!?」
つーかお前元凶だろ、なんで逃げようとしてんだ、もし逃げてたらお前のリーフを魔改造(意味深)してたからな?
「…リーフは絶対守るからね!」
「いや、なんでわかるの?」
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「うまい!うまい!うまい!」
「食べ方が汚い…」
「もうちょっと静かに食べたらどうだ?周りの奴らがこっちを向いてかなわん。」
「マッターホルンのお兄様ァァァ!うめえよぉぉぉ!!」
「お気の毒に、マッターホルン。」
だってめちゃくちゃ旨えもん、あっ、マッターホルンが睨んでる。
「あはは……しっかし、美味しそうに食べるよね。」
「うめぇから。」
「君には食レポの才能は無いね。」
「何だとコラァ!」
「…足をあげるな、料理にホコリが入るぞ?」
「ん…あぁ、そうだった。」
エリジウムの野郎、急に俺を貶しては笑ってやがる。あれはあれでよく頭回るな。
そろそろ俺も周りの目線が気になってきたので急いで料理を口の中にかき込む。
「…くはっ、ごちさん!」
「…三人で割り勘よね?」
「普通はそうだろう。」
「ランナー、合計何円?」
「え?4863龍門弊だけど?」
「…あら、意外と良心的ね。」
「お前の事だから2万とかが必要になると思っていたが…そこまでではなかったようだな。」
「いやなんでだよ、流石の俺にも良心って奴はあるんだけど!?」
つーか、食事で2万使うって俺は無理だ。どんだけ食うんだよ、ケーちゃんか。
「ソーンズもウィーディも、これから予定はある?」
「悪い、俺は今から薬剤の実験の予定がある。」
「ごめんなさい、私はクロージャさんに呼ばれてて…」
「えー?なんだよ、休暇じゃねぇのかよ?」
「まぁまぁランナー、誰もが暇じゃないからね。」
「そういうことだ。」
「ごめんね?」
「まーいいけどな!頑張ってこいよー!」
ウィーディは手を振って去っていった。ソーンズは何もしてない、素直じゃねぇなぁ。
「…ランナー。ちょっといいかな?」
「ん?なんだエリジウム。」
「君とは…決着を付けないといけないと思ってたんだ。」
「…なるほど。今日こそ…か。」
「…どうだい?」
「…あぁ、やってやろうじゃねえかこの野郎。」
「そうこなくっちゃ。」
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誰も居ない廊下にコツコツと一人の足音が響く。いつもより軽やかに歩く黒いリーベリがそこには居た。
「ランナーさんいるかなぁ…?」
そのリーベリの彼女の名は『ラ・プルマ』またの名をラファエラ。ランナーとの約束を果たすために両手に酒を一本抱えて歩いている。
そして彼の部屋の前まで来ると深呼吸をして止まった。
そしてノックをしようとドアに手をかけた…その時だった。
「ぐっ!?嘘…だろ…!?そのナイフを離せっ…!やめてくれよッ!!」
「…悪いね、ランナー。君はここで終わりだよ。」
「そ…そんな…バカなっ!」
「バカは君だよん?」
…ガダンッ!
ラ・プルマは思わず酒を落としてしまった。同時に、その後起こるであろう最悪の出来事が頭に浮かぶ。
「ランナーさんっ…!?」
バダンッ!!
すぐさまドアを蹴飛ばして部屋に押し入る。幸い部屋の鍵は掛かっておらず、すぐに部屋の中を見ることが出来た。そこには…
「やったー!僕の勝ちだね!」
「よくそこでナイフで攻めるっていう判断ができるなぁ………ん?ラファエラ?どした?」
目の前で白髪のリーベリの男とランナーが肩を寄せ合ってゲームをしていた。コントローラーをランナーが投げ捨てている当たり、ランナーは敗北したのだろう。
ラ・プルマは安堵から膝から崩れ落ちた。
「ん?ラファエラ、どした?」
「ランナーさんてば…心配させないでよ〜!」
「え"ちょっと待て腕ミシミシ言ってますけど!?助けてエリジウム!」
「呼びましたか?ランナー。」
「お前じゃねぇフィリオーッ!!?」
どこからか現れたフィリオに驚き後ずさっていたが、その隙を見てラファエラの奴が俺の後ろに回り込んだ。そしてフィリオが俺の手を掴む。
「…ゴメンね、ランナー。僕には何も出来ないみたいだ。それじゃ、バイバイ!」
「待てっ!俺を一人にしないでくれぇ!!」
「…ラ・プルマさん、私はこれよりランナーの治療を実行しますので、出ていく事をオススメします。」
「フィリオプシスさん?大丈夫だよ、ランナーさんは私が責任をもって連れて行くからねー?ねぇ、ランナーさん?」
「ランナー、いつも貴方のケアをしている私の方が適任だと思います。」
「エリジウムあのヤロォ!!!」
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あの後結局、俺に仕事の電話を掛けたケルシーせんせが、俺が電話に出ないことにキレて部屋に突撃してくるまで俺は二人に振り回されていた。
そして今はケルシーせんせに振り回されている。なんだよ、龍門の近衛局に手紙出しに行った後にシラクーザのトランスポーターから荷物貰えだぁ?遠すぎるわ。
…ま、終わらせましたけどねぇ!!
「どうしたの、ランナー。元気ないように見えるけど?」
「まーたお前か…言っとくけど、お前が俺を見捨てて逃げたことはチャラにはなってねぇからな?」
時刻は23:16 p.m。満点の星空の下、俺が甲板でタバコを吸っているときに奴は来た。
「あっはは、あれは流石に誰でも逃げるよ。」
「もうちょっとなんかしてくれたっていいだろぉ?お前のアーツであいつらの足止めとかしてくりゃ良かったのに。」
「僕は戦闘中以外ではアーツを使わない主義でね。」
「あっそ。」
もうなんか疲れたので話をぶった斬る。エリジウムは少しあっけに取られた表情をした後少し考え事をしだした。
およそ一分ほどの沈黙が流れる。二人とも普段からとても騒がしい方なのでこの沈黙が30倍の長さにも感じてくる。…すると、エリジウムが口を開いた。
「ねぇ、ランナー。僕たちが一番初めに会った時の事、覚えてる?」
「ん?なーんだ急に、そりゃあ覚えてるに決まってるだろ。」
「なら良かった。じゃあ今ここで思い返してみるー、なんてのはどうかな?」
「…なんでそんな事しなくちゃいけねーのか分かんねぇな。」
「まぁまぁ、いいから。」
「はぁ…」
コイツと最初に会った時…か。
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「え?何ドクター。編隊する?」
「そうだよ、…君も例外じゃないよ。」
「げっ。」
「安心して、隊長は僕お墨付きの凄い人だから。」
「マジで?ちょっとやる気出てきたわ。」
「なら良かった。じゃあ編隊手続きは勝手に出しておくね。」
「勝手にしやがれー!」
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ドクターに編隊手続きを出された後、早速その日はやってきた。
「第三作戦小隊所属、先鋒通信兵のエリジウム。よろしくね?」
「お前が隊長か!よろしくな!!」
「元気があっていいね。」
なんか第一印象は…「え?こんな奴が隊長で大丈夫か?」だったな。というか、同じ隊にはソーンズやウィーディ、ヘラグのおっちゃんも居たし、そいつらに比べて圧倒的に弱そうに見えた。まあ…先鋒通信兵だし当然かとは思ったけど、若干の不安もあった。
「みんな、ヘッドセットのチェックは済んだ?」
「え?どうやって付けんのコレ?」
「何やってるのさ、ほら、ここをこうして…出来た!」
「お、ナイス。さすが隊長。」
「…お前ら、そろそろ敵の目撃情報のあった場所だ。気をつけろよ。」
「わーかってるよソーンズ。全員ぶち殺せばいいんだ。」
隣の隊長さんは何も返してはくれなかった。目を瞑って集中しているようにも見えた。
「…居るね。伝令兵が3体。西15m,南西23m,北北西に43m,これは近くに大群が居てもおかしくはないね。」
「えぇ…マジで?」
「こいつがそう言ってるから本気だろう。」
「そっかー……下がってろ隊長さん。危険だ。」
「…そう?」
「ソーンズ、準備しとけ。ちょっくら伝令兵潰してくるわ。」
「…わかった。」
そう言った事を確認して足に力を込める、思いっ切りジャンプした後に下を確認すると重そうな機材を背負っている敵の伝令兵が見えた。
「そこかぁッ!!」
まず一人に向けて思いっきり飛び蹴りをする。そしてその反動でまたジャンプして残りの二人も蹴り飛ばす。
そして最後のジャンプで味方の元に戻る。
「全員潰した!一回撤退する!任せたッ!!」
「…わかった。速戦即決にしよう。俺の貴重な時間を無駄にしないためにもな。」
「ふぅ。」
一度本陣へと戻って一息ついた時に、隊長さんが声をかけてきた。
「すごいね!なんてアグレッシブな戦い方だ!」
「おっ?わかるのか!?そうだろ?」
「伝令兵を倒してくれたのは大きすぎるよ!この戦いは安心して進められそうだ!」
「そんな褒めんなよ…!照れるじゃねーか!」
こいつ良いやつだな。会話も弾んで来たその時だった。
「隊長!クラッシャー2体ととボンバークラッシャー!合計3体が接近中です!」
「なんだって!?そんな情報は無いぞっ!?」
「本当に急に出てきました!」
「おいおい、マジかよ…!!?今回術師は!?」
「いませんッッ!!」
「なんでだよっ!?ああもういい俺が出るっ!」
「君じゃあ無理だ!流石の君のその足でも、クラッシャーの装甲を破るのは無理がある。」
「オイオイオイ!じゃあどうすんだよ!?逃げんのか!?」
「…そのための僕だ。…出るよっ!」
「はっ!?オイちょっと待てっ!!」
_____________________
「そんな…!クラッシャーが出るなんて!」
「ぬぅ…私では刃が立たん…」
「…あいつはまだ来ないのか?」
前方にハンマーを持った巨漢が3体も押し寄せてくる、かなり絶望の状況。だが、ここにいる3人はあの人が来るまで耐え続けていた。
「…主の名を掲げ…この旗の元へ集えっ!」
「おっ…おい!危ねぇぞ!?」
「…きたか。」
「見たらわかるよ、早速始めようか。みんな、僕を囲う様に隊列を組んで?射程の長いウィーディは後ろに、ヘラグさんとソーンズは僕の両脇について?ランナーは僕の前だ。」
「おいおいおい、お前大丈夫か!?危険だぞ危険!みんなもわかってんのか!?」
一人喚き散らすランナーの声に他の二人は反応しなかった。目の前の敵への集中。それしか考えてはいなかったのだ。だが、一人だけ、ランナーに言葉を返す者が居た。
「お前、エリジウムがなんで隊長を任されたかわかってないようだな…お前はお前の仕事をしろ。わかったな。」
「…ああもう!わかったよ!」
もう3体のクラッシャーは目と鼻の先、各自の武器を振り上げ、決戦の火蓋が切られようとした。その時だった。
「速戦即決!!」
エリジウムが突然旗を大きく掲げた。すると、クラッシャーの足取りが重くなったのだ。そして、エリジウムはランナーの方を向いてこう言った。
「これで分かったでしょう!?」
「なるほどッッ!?後は任せとけっ!!」
遅くなったクラッシャーに一人ひとり全力で攻撃を叩き込む。心做しかよく攻撃も通る。クラッシャーにも目立つ傷が増えてきたその時、再びエリジウムが叫んだ。
「ウィーディ!お願い!!」
「敵影ロックオン!攻撃!!」
ものすごい勢いで水の塊が飛ばされ、あのクラッシャーを軽々と吹き飛ばし、壁へとぶつけた。そうして、3体のクラッシャーは動かなくなった。
「終わったのか?」
「そうみたいね…みんな!お疲れ様!」
「みんなが無事で良かった。菓子でも配ってやるかな…」
「いい連携だったね!ハイタッチしようか!」
ランナーに向かって笑顔で手を構えるエリジウム。それに対してランナーがとった行動はというと。
「すんませんでしたぁぁぁぁ!!!」
思いっきり謝罪。ただそれだけだった。
「ええ?どうしたの?」
「正直舐め腐ってましたぁぁ!でも!最後のクラッシャーはお前が居ないと突破できなかったぁぁぁ!!すんませんんん!」
少し困惑しながらも、エリジウムは口を開いた。
「そんなことないよ、君が最初に敵の伝令兵を倒してくれなかったら僕が居てもクラッシャーは倒せなかった。まあ…実際僕も、君のことを少しアホだなと思っていたんだ。ヘッドセットは付けれないし…」
「なーんだ!俺ら似た者同士じゃねえか!」
「そうだね!これからもいい関係を築けそうだ!」
そこには二人の心地よいハイタッチの音が響いた。
_____________________
「…まぁ、こんな感じだったか?」
「まあ、そうだね。でも、一つ忘れてるよ?」
「…何を?」
「それはね?君はあの後、ウィーディのLM2でも何でも受けますって言ってたんだ。だから、今日のアレは必然と言っていいものなんだ。」
「そんなん、覚えてねぇよぉ…」
「そう何でも覚えてはいられないものさ、人ってのはね。でも、僕は君の事を見捨てたりはしないよ、本当に危険なときはね。」
「…アレは危険じゃなかったもんな!!」
「あっはは!そういう事だよ!」
「…まぁ、ありがとな。そう言ってくれて嬉しいぜ?俺は。」
「当たり前だよ、君は『ブラザー2』なんだからね!」
「たりめえよ!ソーンズには勝てねぇな!」
いつの間にか日も跨いだ後、深夜の甲板には二人の高らかに笑う声とハイタッチの音が夜空に消えていった。
「待てイーサンンンン!!」
「まあまあ許してくれよぉ!マッターホルンお兄様ぁっ!」
「あのアホ鳥ィィ!!!」
『読みにくい』や『誤字脱字』などありましたらドンドンご指摘ください。
感想などくれると筆者が喜びます。
では、次回もお楽しみに。