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やあみんな、ランナーだ。今日のオープニングはひじょーーーうに静かそのものですね、はい。
…え?『追いかけられてないのか。』だって?
え、いやいや、流石の俺でもずっと追っかけられてる事はありゃませんよ。今は…
「さあ、淹れ終わりましたわ。どうぞ飲んでくださいまし?」
「お…おう、頂くわ。」
「…」
ゆっっくりと高価なティーカップを口に近づける。そして、
その芳醇な香りを発する中身を一気に流し込む。
「…ん"っ"!?」
渋み、エグみ、苦味がジェットストリームアタックの様に俺の味覚に突っ込んでくる。ハッキリ言って、かーなーり不味い。
「あら、どうしました?まさかお口に合わなかったかしら…」
「う…うめぇ…こんな旨い紅茶は飲んだことねぇぜ…!」
拒否反応を示す脳を無視して残りを無理やり流し込む。ハイビスの料理よりは全然マシ、そう考えよう。
「あら♪それならよかったですわ!」
そう言って笑顔でこくこくと同じ紅茶を飲む上品なリーベリ。あんたの味覚はどこに飛んでいったんだ。
「…あら、なくなってしまいましたの?なら、また注いであげましょう。」
「えっ、」
「遠慮することはありませんのよ?」
そういうなりサッと俺のティーカップを奪い取り、
黒のフェリーン、『シュヴァルツ』は目を細めてランナーを見たあと小さく頷き、視線を主の元へと向けた。
「『セイロン』様、紅茶は私がお淹れ致しますので…今のうちにランナーと談笑でもして頂いて結構ですよ?」
シュッッヴァルツ…!!!なんていいやつなんだ…!!
俺を危機から救うだけじゃなく、主を傷つけないような言葉選びをする。そこにシビれるあこがれるぅ!!
「いいのよシュヴァルツ!今回は私が淹れるって決めてるんだから!」
セイロンは妙に途中を強調してシュヴァルツに実質的『NO』を出した。
シュヴァルツは一瞬だけ驚いた様な顔をしたが、すぐに『かしこまりました』とだけ言うと、微笑んでセイロンを見ていた。
えっ…ちょっ…シュッッヴァルツ!?あの野郎セイロンにだけは甘いやつめェ…!!!
もう一度シュヴァルツの目を睨む。そうすると彼女は目を細めてゆっくりと口を開けた。
た・え・ろ
「あんのヤ『淹れ終わりましたわ!さあさあ、飲んでくださいな。』アッハイ。」
ん、詰んだな…アーッ!!
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「…味覚がおかしくなりそうなんだけどホント。」
「仕方がありません、ランナー。セイロン様の入れた紅茶の腕は…コホン、これ以上は言わないでおきましょう。」
「おうおう、そうしとけ。お前がそれを言ったらあのお嬢様自信なくすぜ?」
「貴方もあまり余計な口を開かないように、セイロン様が汚らしい言葉を覚えてしまいます。」
「んな事言われても多分じきに…」
「おやめください。」
「アッハイ…ラファエラ!もう一杯くれ〜!」
「はーい!」
作戦地には行けません。今、ロドスのバーにいます。
…ったく、いつ飲んでもあの紅茶はヤバい。
「セイロン様は…貴方に恩返しがしたいのですよ。」
「恩…返し?なにそれ?おいしいの?つーか頭を読むな。」
「急に幼児退行しないでください。」
「恩返し…?ランナーさん、なにかその人にしたの?」
「あー…いや、ラファエラ。それが覚えてないんだよな。だってあいつとは結構長いお付き合いと言うか…」
「長い…お付き合い?」
「あっ、ヤベ。」
すぐにその場を離れようとする俺の肩にものすごい力がのし掛かった。瞬間だったぞ今の!?
…シュッッヴァルツさん!?お前も見えてなかったのかよ!?何目ぇかっ開いて驚いてるんですか!?
「ランナーさん…詳しく…聞かせて?」
「は…はい。いえっさー」
「…まったく…無関心な人ですね。セイロン様を見習ったらいいのですが…」
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たしか奴と始めて会ったのは…俺がドクターに言われてシエスタのオリジムシを捕まえて来ようとしてた時だった。
「うっはwすげぇ!入れ喰い状態じゃねえか!!」
なんかめちゃめちゃオリジムシいるんだけど!これは帰ったらドクターとオリジムシパーティだな!
きっとドクター喜ぶな!うん!
え?ここが何処か…だって?説明しよう!!デデン!
ここはテラ随一の観光都市シエスタ!白い砂浜!青く輝く人口海!そして夜寝れねえほど大音量で鳴り響くミュージックッッ!!そのせいで昨日マジで寝れなかった。
それもそのはず、だって今はこのシエスタが最高にアツくなる一大イベント!
何かドクターとアーミヤがケルシー先生に勧められて来たんだとか。ブレイズの奴が行きたいって騒いでたっけ。
ちなみにドクターを見てみたらここでもあの不審者スタイルでビビった。そういやグムちゃんにそれを言われてしょげてたな…
俺?俺は有給を使いました、シエスタに行かないって人いる!?いねぇよなぁ!?*1
そして今はオリジムシが大量発生しているとの情報を入手したのでこの森までやってきましたー!いやーほんと、いい情報教えてくれたぜ!それじゃあまだまだ取ってくぞー!
「いらっしゃい!たかだか虫程度でしょう!まとめて掃除してさしあげるわ!!」
「ん?誰?」
うっそうとした森の外らへんに一つだけ場違いな優雅な雰囲気。めっっちゃくちゃ目立つ。
「きゃあっ!?」
あ、コケた。しゃーない、行ってやるかぁ。
「おーい、お前どうした?こんなとこお前みたいなのが来るとこじゃないぞー?」
「だっ…!誰か!助けて!!」
「あーあ、こりゃ聞いとらんわ。……あーよいしょっ!」
グチャアッ!!
この一瞬で空高く飛び上がってオリジムシを踏み潰す!ちょっとイヤな感触が体を突き抜けたあと体液がその場に四散した。
「きゃぁっ!?誰ッッ!?」
「よーよーお嬢さん。何やってんだ?」
「…助けてくれましたの?」
「見りゃ分かんだろ?この虫達を………待て、誰か来る。」
「ええっ!?」
「俺の後ろに、お嬢さん。」
「はっ、はい!」
足音は2つ…さて、何が来る?
「はっ…はっ…こっちよ!しっぽ!」
「おっけーおっけー!」
「んあ?この声は…」
「知ってるんですの?」
「いましたわ!…ってランナー!?」
「お!ランナー、君も来てたの?」
「よ、しっぽと自然発火ヤロー。」
「スカイフレアよ!!」
「私にもプロヴァンス、っていうコードネームがあるんだけどなぁ。」
現れたのは異常なほど大きなしっぽを持ったヴァルポ、『プロヴァンス』と服が所々焼け焦げているフェリーン『スカイフレア』だった。スカイフレア、目のやりどころに困るから服を焦がさないでくれお願いします。
「わりいわりい。んで、どした?こいつか?」
「そうそう!叫び声が聞こえたからすぐに…」
プロヴァンスのやつがそこにへたり込んでいるお嬢さんをじっと見ている。服にオリジムシの体液がべっとりと絡みついており、なんというか……下品なので止めておきますね。
…っと、なんかプロヴァンスのやつ勘違いしそうで怖いんだけど。
「ランナー…見損なったよ。」
「…っ!?ランナー…まさか…!!」
「んなわけあるかい!!オリジムシだよオリジムシ!!」
「まあ、わかってたけどねー!」
「こ…こんのクソ狐ぇ…!」
「大丈夫ですか?お怪我は?」
「ごめんなさい、大丈夫ですわ。そこの…ランナー?というお方が助けてくださったから…」
ちょっと放置されて暇そうなお嬢さんにやっとスカイフレアが声をかけた。
「なーんだ、ホントにランナーは無実かー。」
「お前は俺に一体何を望んでるんだ()」
「仕返し…かな!」
「悪かった!悪かったって!荒野作戦の時に水全部こぼした事は水に流してくれ!水だけに…」
「はっ?」
「サーセン…」
「…しっぽ!そのアホ鳥は置いといて!先にこのお嬢さんを保護しましょう!あの機材を見る限り、この方も私達と同じで調査に来たのでしょう!」
「そうだね!」
今ものすごい目で見られたな。激ウマギャグだと思ってたんだけどな………いや、わかんなかっただけか?
「あなた、名前は?」
「ああ、はい!私『セイロン』と申します。」
「なあプロヴァンス、水だけに水に流すって。良いと思わねえ?」
「とりあえずドクターの所に行こう!シエスタが危ない!!」
「水だけに…」
「そうですわ!この火山の事を早く伝えないと!!」
「貴女方もわかっていますの!?なら心強いですわ!」
「水…」
「「うるさあい!!!」」
「うぐわぁぁぁぁぁ!?」
痛っっっっった…くないわ。まあ痛いけどそこまででは無いな(天下無双)
ったく、なんで俺を殴る蹴るするときはみんな前衛並の筋力を手に入れるんですかねぇ?
それとそんなに否定されたらギャグ言えなくなっちゃうわ…ヒドイわ!!
「あぁ…ギャグセンスをください…」
「ランナー!そんなこと言ってる場合じゃないよ!!速くっっ!!!」
「えっ、何そんなに?説明してくれよぉ!!」
「いいから!!ランナー!セイロンさんを担ぎなさい!!」
「え…マジ?」
「できるだけ速くお願いしますわ!!」
「あーもう知らねぇぞ!?」
これだけ催促されたらやらねえ訳には行かねえよなぁ!?
ということでセイロンをお姫様だっこして走り出す。
「そっ!そんな持ち方しなくても…っ!」
「うるせぇ!!黙ってろ!…プロヴァンス!スカイフレア!先行くぜ!!」
「よろしく頼むよっ!!」
「ドクターは○□ホテルの106号室に居ますわ!」
「あいわかった!…セイロンとか言ったな!気ぃしっかり持てよ!!」
「えっ!?何をする気でっ…」
「跳ぶぞォォッッ!!!」
「えっ…えええええええっ!!??」
足に力を込めて思いっきり跳び上がる。木から木へ飛び移りながらシエスタの街の中心部へと向かっていく。
「Let's Go!!!、怖えなら絶対に下向くんじゃねーぜ!!」
「お…落ちませんよね!?」
「あったりめえよ!絶対離さんからなっっ!!」
「あら♪…なら、安心させてもらいますわ!」
「そうこなくっちゃな。」
おっ、こいつ中々肝の座ったやつじゃねーの。泣き喚いたりしないだけ全っぜんサイコーだなぁ!
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「デトロ!!開けろイト市警だ!!」
「ん…誰?ってランナーか。…誰抱えてるの?」
「話は後だッッ!」
「何かあったの?」
「ちょい待ってくれドクター!もう少ししたらプロヴァンスとスカイフレアの奴が来るから!シエスタの危機だっ!!」
「シエスタの危機だって!?」
「シーッ!あまり大きな声で言わないでくださいな。周りに知られたらパニックになります。お二人さんが帰って来るまで話すのは難しいですわ。」
「…そうか。というかランナー、足ベッタベタなんだけど、どうしたの?」
「オリジムシ。」
「え?」
「こいつを襲ってたオリジムシを全部踏み潰した。それだけだぜ?」
「う…うっわぁ…」
「引くなよっっ!?いつも食ってるクセにっっ!ホラ見ろよ!大量に取ってきてやったんだぜ!?」
そういってオリジムシが入ったデカい袋を開ける。
「おお…!いいねランナー!また報酬を振り込んでおこう…!」
「え…?オリジムシを…食べる?」
袋に身を乗り出して観察するドクター、そしてできるだけ袋から離れようとするセイロン、なんか対比がおもろいなw
「セイロン、こいつ…ドクターはな?こんな不審者スタイルでオリジムシを好んで食す見た感じはヤベーやつだけどな?安心しろ、こいつは凄え奴だ。俺が保証する。」
「それは貶してるのか褒めてるのかどっちなの?」
(だ…大丈夫ですの?この人たち。)
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「はあっ…はあっ…やっと戻ってこれた…」
「ランナーとセイロンさんはもう戻ってますの…?」
「お、戻ったか。走って疲れてるとこ悪いけど説明よろしくー」
「はあっ!?いま戻ってきたばかりですのよ!?少しは気を使ったり…」
「いや…スカイフレア、ランナーに説明を任せたらどんな事になるか…」
「…そうでしたわね。」
「え"?俺そんな説明下手なの?」
「そんなことがあったのか…」
「うん、それで火山の麓の森でセイロンさんにあったんだ。」
「一つ、いいかしら?」
「どうぞ。」
「わたくしを助ける直前の事を、そこまで仔細に語る必要はあるのかしら?」
「ええ、こちらのお嬢様の言うとおりですわ。そこのしっぽ!その語り口、まるでわたくしが面倒な人と言わんばかりの言い草ね。」
「え?そんな、それはスカイフレアの気のせいだよ!」
「面倒って言うかうるさい…」
「ん?」
「イヤ、ナンデモナイデス…」
めっっちゃ怖い、なんだあの目力!?つーか、俺の渾身のギャグがなかった事にされてんだけど。面白すぎて嫉妬しちまったか?
「何はともあれ、みんな無事でよかった。…ランナーも、ありがとね。」
「おう!あたりめえよ!」
「もう…ドクター、ランナーは褒めるとすぐに調子に乗るんですのよ?」
「いいんだ、彼のおかけで実際に人が助かった。それでいいじゃないか。」
「まあ、ドクターに免じて!今回の事は無しにしてあげますわ!!」
「意味不明。」
なーんにもした覚えないんだけど?なんか恨み買ったっけか。*2
「…こほん!では、少し前後しましたが、わたくしの自己紹介をしてもよろしくて?」
とりあえず全員が頷く、別に一々聞かなくていいけど、…これが貴族の嗜み…なのか?よくわからん。あっやべ、オリジムシが逃げ出しそう。とりあえず袋を全力で押さえつける。たしか酸素を無くせば仮死状態になるんだっけか!?
十数分格闘している間、なんかめちゃくちゃ話が進んでいたみたいだ。ドクターが急に大声を上げてる。残業でも増えたかな。
「火山が噴火!?冗談だろう!?」
「 …は?」
ん?今ドクターなんつった?噴火が火山するとか聞こえてきたんだけど。幻聴か?いや…まだ嘘かも知れないな、聞いてみっか…
「え…噴火…って、嘘だよな?」
「…」
その場の誰一人と何も言わない。
「お…おい!プロヴァンス!しっぽ!!なんか言ってくれよ!」
「…特徴のある刺激臭、異常なまでの高温、そして凶暴化したオリジムシ。そもそも、火山の周囲でこんな感染生物に出くわすなんて、火山が普通じゃないってことの証拠だよ。」
「…だからオリジムシがこんなに取れたのか。」
取ってきた証拠をよく見せるために袋の口を大きく開ける。まだ仮死状態になって間もないオリジムシ達がピクピクと動いている。…え?なんで目ぇそらすの?ドクターしか見てくれてないけど?
「…とにかく、この火山の正確な状況を把握している者はは殆どおりません。普段は行政と関連機構が管理しておりますの。」
「え?関連機構いんのかよ、無能か?」
「ランナー、今は口をはさむ所じゃないよ。」
「スンマセン…」
「…そこで市民と都市の安全を確保するために、これらの事象に対して専門的な知見のある方を探しておりましたの。…そこで、と言ってはなんだけど、この私の力になっていただけませんこと?シエスタ市が今回の難関を乗り切るために……」
『読みにくい』や『誤字脱字』などありましたらドンドンご指摘ください。
感想などくれると筆者が喜びます。
では、次回もお楽しみに。