趣向を変えて遊戯王の読み切り作品。

1 / 1
趣向を変えての遊戯王初投稿作品。
因みに短編ですので次回には続きません。

それと、この作品のデュエルのルールは以下の通り。


・LP4000

・先行ドロー無し

・表側守備表示召喚は不可。

・レギュレーションは2022年4月1日現在の物を使用。

・シンクロエクシーズペンデュラムリンクは無し。


遊☆戯☆王GX (読み切り版)

天井、壁、床――。何もかもが白一色に統一された部屋で、一人の男がタロットカードをめくる。

そのカードには漆黒の体毛を携えたヤギのような禍々しい怪物が描かれた怪物。

 

「……『悪魔』の正位置。その意味は裏切り、激情、そして……破滅。私の運命とは異なる悪魔が、我が光が導き出した運命の流れに対する裏切りと出るのか……。それとも、破滅の光による世界の終焉――」

 

更に男はタロットをめくる。

 

「『悪魔』に付き従うのは、正位置の『星』と『月』、そして逆位置の『戦車』……遊城十代の運命に導かれし者達と似て非なる者達か」

 

そうして男はテーブルの傍に置いてある『Gx』と書かれたメダルへと視線を移す。

 

「……あの男、3年前に偶然会った時、彼には大いなる記憶の断片が見えた――あれはいったい……?」

 

左手で頭を抱えながらも、男は微笑を携えてすっと立ち上がる。

 

「……まあいい。例え悪魔であろうとこの破滅の運命から逃れることはできない。破滅へと辿る運命に抗った者がどうなるか、その身をもって知るといい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュエルモンスターズ――ひいては決闘者(デュエリスト)ならば知らない者はいない、海場瀬人が設立したプロ養成の専門校。

その校長、鮫島校長が全世界のプロデュエリストを招待し、プロアマ混合の一大イベント『GENERATION NEXT』――通称『ジェネックス』の舞台でもある。

その孤島へと向かう潜水艦が浮上し、ハッチが開く。

銀のメッシュが施されている少年は、水平線の向こうに見えて来る本島を見て声を上げた。

 

「久しぶりだなー。本校に来るのも」

 

「ああ。学園対抗デュエルには君は見に来なかったからね。今回の代表決定戦の話をした際に並み居る参加者を徹底的に潰して代表をもぎ取ったのは良い光景だよ」

 

「ああ、あれはある種の犬神家の一族だったな。生徒が地面に突き刺さった光景はある種ホラーだったし」

 

「そうでしたの。見られなかったのは残念です」

 

「笑い事じゃない。今度の戦い、油断できない」

 

そこから3人の男女がデッキに上がる。一人は小学生のようだが、一ノ瀬校長も他の代表生徒も気に留めていない。

 

「まあいい。プロにもこのデッキがどこまで通用するか、試したかったからな」

 

右太腿のデッキケースを軽く叩きながら、静かに闘志を燃やした目で徐々に大きくなる孤島を目にしていた。

 

 

 

 

「……なんか、変だったな」

 

上陸した彼らが見たのは、青制服の代わりに白制服の生徒だった。

彼らは「光の結社」を名乗り、「世界を白く染め上げる」などと訳の分からないことを言っていた。彼らが驚いたのはその主導者がかつて学園対抗戦でノース校代表となった万丈目準だったのだ。今ではオベリスク・ブルーの9割9分、ラー・イエローの7割が結社に所属することとなっているらしい。

 

「嵐山、お前対抗戦の時に来たんだろ?誰か知ってる奴いないのか?」

 

「橘な。そうさな……もう一人の代表の遊城十代、レッド生の丸藤翔、イエロー生の三沢大地、ブルー生の天上院明日香くらいだが……」

 

「サンダー、天上院、三沢はあのザマ……なら、遊城、丸藤、前田を見つけて話を聞くしかない」

 

「なら、その3人に話を聞けばよいと?」

 

「そういう事だ。あと、明らかにヤバそうな奴には近づかないこと。んでもって、そいつらやプロに狙われても断れるように一旦は賭け抜きの身内でデュエル。困難でどうだ?委員長」

 

「……立案、的確。ノース生徒には私が連絡する。初日脱落は私もごめん」

 

「私もやらせていただきます」 

 

「よーっし、大体はこんな感じか。んじゃまたあとで」

 

そう言って少年は3人とは別行動をとり、他の3人もやることを終えてそれぞれ行動に移ることとなった。

 

 

 

 

別行動を開始して10分、少女――レイン恵があるデュエリストと遭遇した。

 

「貴方は……」

 

「初めまして。私の名はプリンセス・ローズ。このジェネックスの参加者にて、光の結社の一人ですわ」

 

「……レイン恵。ノース校代表」

 

レインは必要以上の言葉は不要と言わんばかりにデュエルディスクを起動する。

 

「……言葉は不要、という訳ですか」

 

「「――決闘(デュエル)!!」」

 

この時、このデュエルがとんでもない形で決着しようというのを、2人はおろか、斎王すら予想できなかった。

 

 

 

 

少年が本校へと向かって歩いている中、視線を感じてぴたりと足を止めた。

 

「そこまでだ、漆黒の悪魔!」

 

少年の周囲には白服が25人強。そしてスーツ姿の男も数人その白服の集団に交じっている。

少年が連絡を切るのを待っていたのか、周囲の白服のリーダーらしき少年、取巻太陽が少年に声を掛ける。

 

「なんだ、代表選手のお迎えにしては大歓迎だな」

 

「ふん。この取巻太陽、白き光の洗礼を受けて漆黒の悪魔を打ち倒す!」

 

「悪魔ぁ?何言ってんだよ、人をG扱いか?『増殖するG』舐めんなコノヤロー」

 

「そうじゃない!お前は斎王様の見た予言で、我ら光の結社の崇高なる目的を阻む悪魔だと告げられたのだ!」

 

取巻の曖昧模糊な言い分に少年は疑問符を浮かべるしかできない。

とはいえ相手の白服は全員聞く耳持たない様子である。

 

「つか誰だよ帝王って?帝シリーズか?ウマか?大体宗教家を相手にする暇なんてねぇよ。テロなら他所でやってくれ」

 

「どう間違えたらそうなるんだ!?漆黒の悪魔め、斎王様の名前を間違えるだけでなく、我らを下賤なテロリスト扱いするとは!」

 

「斎王様を侮辱した罪は山より重いぞ!」

 

「光の洗礼を受けた我々が貴様を断罪してくれる!」

 

「こっちは30人!我らの目的に賛同したプロもいる!いくら悪魔とてこれだけの数なら後半には集中力も削がれる筈だ!総員掛かれ!!」

 

一人の白服の合図を皮切りに、次々と白服が襲い掛かってくる。

 

「ったくよぉ……悪魔悪魔って……そうかい。そんなに悪魔呼ばわりしたいのかい」

 

一々悪魔呼ばわりする白服にウンザリしたのか、デュエルディスクを起動した。

 

「……だったら悪魔らしく、全員虐殺コースだな」

 

その表情は、異様なほど冷たく、白服を全員敵とみなしたかのように据わった目で見ていた。

 

 

 

 

「――ん?」

 

その時、本校付近の森にいた黒服のデュエリスト、天上院吹雪は何かを感じたように振り向いた。何もないと再び歩みを進めようとした所、そよぐ風と葉掠れの音に交じって小さな爆発音のような音が聞こえてくる。

何故かは解らない。だが、吹雪自身その足をもう自分の足を止められなかった。

 

「うわっ!」

 

「――!ってなんだ、翔君か」

 

道中で黄色い制服を着た小柄な少年、丸藤翔と鉢合わせる。

 

「さっき爆発があって、何事かと思って来てみたんスけど……」

 

「君もか。僕もさっきの爆発を――」

 

その時、白い何かが2人の間を突っ切って木に激突した。

 

「「!?」」

 

振り返った2人が見て、更に驚愕した。

本校へと通じる道路の中で、一人の少年を中心に白服の集団が一人残らず倒れていた。まるで隕石が森林のど真ん中に墜落し、その衝撃でなぎ倒された木々のように。

一息吐いた少年はこちらに気付いたのか、ディスクを構えて振り返った。

 

「なんだ、まだ2人も残ってたのか?」

 

「待った!待った、タイム!こっちはもうデュエルしたからパスで!」

 

「僕もさっきウォーミングアップにと挑んだところだ。君が彼らを倒したのか?」

 

「ん?お前らこいつらの仲間じゃないのか?」

 

「強いて言わずともノーと答えられるッス」

 

「なんだそうか」

 

敵ではないとディスクを下ろす少年。

改めて安堵した2人は軽く自己紹介をする。

 

「僕は天上院吹雪だ」

 

「俺は遊日・ブギーヴェイン。ノース校の代表だ」

 

「丸藤翔ッス。なんか外国人みたいな名前ッスね」

 

「ああ。こう見えてブリディッシュと日系のハーフなんだよ。それで――」

 

「――見つけたわよ!」

 

その時、白服の集団がこちらに向かってくる。

困惑する吹雪達を他所に白服集団はあっという間に彼らを取り囲み、白服の包囲網が出来上がる。

 

「光の結社!」

 

「またこいつ等か」

 

翔が反射的にディスクを構えるのに対し、遊日はげんなりした様子だ。

 

「まさかあなた達の所に現れるとはね。漆黒の悪魔!」

 

包囲網をかき分け、白服の明日香が一行の前に現れる。

 

「明日香!」

 

「知ってんのか?」

 

「知ってるも何も、吹雪さんは明日香さんのお兄さんッスよ」

 

「明日香!遊日君が漆黒のってどういうことだ?」

 

「斎王様の見通した予言によれば、『北からの使者に悪魔あり。降雷の月、暴走する戦車、閃きの星を従えて白き光を悪夢と恐怖で塗り潰し、我らを滅ぼさん――』。北からの使者はノース校の代表生徒。従えし者の3人は、神炎の太陽『明松宇里亜』。閃きの星『橘一角』。暴走する戦車『レイン恵』。そして彼らを従える漆黒の悪魔とは、あなたの事よ!」

 

「そんな予言で遊日君を悪魔呼ばわりか?」

 

「この惨劇痕を見ても?」

 

周囲で転がっている白服を見て翔は思わず黙り込む。

 

「彼の存在は我らにとって大いなる脅威!我ら光の結社の三光将が貴様を倒す!」

 

全く聞く耳を持たない明日香はデュエルディスクを起動すると、懐中時計のようなアイテムを取り出す。それの竜頭に当たる部分を押した。

 

AGITΩ

 

不気味な音声と共にそれを胸に押し付けると、明日香の身体が眩い光に包まれる。

光が収まった後の彼女の姿は――異形と化していた。

バッタやイナゴを無理矢理人型にし、4本の角を生やしたそれは、まさに人型の怪物。

 

「今頃は他の2人も包囲網が出来上がっている頃でしょうね」

 

「なんだって……?」

 

 

 

 

同刻。同じく万丈目と三沢と対峙する橘と金髪の少女、エレノア・ヴォルトモルドは、遊日、翔、吹雪と同じく白服集団に囲まれていた。

それだけではない。たまたま通りかかった十代も運悪く2人と共に包囲網に囲まれ、突破すべくデッキを構えている。

 

「貴様が降雷の月と閃きの星か」

 

「随分凝った演出をしているな。万丈目」

 

「ホワイトサンダー。悪魔の仲間たる貴様らを白く染め上げてくれる。この三光将の……一!」

 

「「「「十!!」」」」

 

「「「「百!!!」」」」

 

「「「「千!!!!」」」」

 

「万丈目ホワイトサンダーがな!!」

 

「同じく三光将、三沢大地もいるぞ!」

 

「だったら俺が相手になるぜ。万丈目、三沢。お前らを倒して元に戻す!」

 

「ふっ、斎王様の命令と共に俺の悲願も達成できるとは丁度良い!タッグバトルで貴様らを倒してやろう!」

 

BUILD

 

DECADE

 

それぞれアイテムを胸に押し付け、変身する万丈目と三沢。

三沢は赤と青のツートンカラーに、それぞれ戦車とウサギをモチーフにした意匠と、所々存在する弾痕を施した有機的で不気味な姿に。万丈目はマゼンタと黒を基調とし、顔から仮面から歯が剥き出しになり、腰回りも眼球を着けたようなベルトを装備。顔もまるで仮面を割って醜悪に歪んだ素顔を現したような意匠の姿に変化した。

 

「「!?」」

 

「なんだ、化け物になったぞ!?」

 

「違う!あれはア○ザーラ○ダーだ!」

 

「本来の平成ライダーの歴史を抹消しようとしている組織のアイテムで歪められた、怪人となってしまった仮面ライダー……!」

 

「詳しいな十代にエレノア。この姿こそ、我ら光の結社の象徴!この力で貴様らを粉砕してくれる!」

 

「……どうやら洗脳を解かない限り、話を聞けそうにも無いな。やるぞ!」

 

「おう!」

 

「お待ちください」

 

橘と十代のタッグで始まろうとした時、エレノアが呼び止める。

 

「なんだよ急に?」

 

「この決闘、私が十代さんと共に戦っても?」

 

「え?」

 

「三幻魔を倒したあなたには、デュエリストとして興味があるのです。橘さん、申し訳ありませんが――」

 

「ああ、構わん」

 

橘と入れ替わりに十代がエレノアの隣に立つ。

一方の橘は2人の背後に立ち、ディスクを構える。

 

「……ああ、そうだ」

 

思い出したようにデュエルディスクに差していたデッキを抜き取り、別のデッキを装填。

改めて目の前の三沢と万丈目を相手に構える十代だったが、エレノアを横目に見て不思議に思っていた。

 

(なんだ、あの子から出た威圧感は?それにこの懐かしさ……俺はアイツを知っている?どこで?)

 

 

 

「遊日・ブギーヴェイン!あなたは私が倒す!」

 

「んじゃあご使命とあらば」

 

遊日も30人抜きで漸く相手との交渉は無理と悟ったのか、ディスクを取り付けてすっと懐からスタンプのようなアイテムを取り出してベルトを晒す。

 

REX!

 

スタンプのボタンを押し、そしてスタンプ台らしきものに押印する。

 

Come’ON!RE’RE’RE’REX!

 

Come’ON!RE’RE’RE’REX!

 

軽快な音楽とは裏腹に、遊日の背後に現れた布で覆われた何かがスタンプを手に狂った笑い声を上げながら現れる。よく見れば布の中身は、様々な刃物を着けたような化け物。丸鋸のようにも見える眼帯に頭は靄。胴体は鎖を巻きつけたようにも見え、両腕はそれぞれ鎌と斧。腕はハサミと刃物尽くし。

白服と翔、吹雪がその光景に困惑する間に遊日はスタンプを台の横にセットし、横に倒す。

 

BUDDY UP!

 

オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング!

 

KAMEN RIDER!

 

REVI(リバイ)

VICE(バイス)

 

REVICE(リバイス)!!

 

レバーを倒すと同時に何かも手にした巨大スタンプで遊日を潰すかのように押印。その中でクレイマンがクレイラップを装備するかのように液体が膜のように纏い、変身を遂げる。

スタンプのソリッドヴィジョンから現れたのは、顔が耳まで裂けたかのような奇抜な仮面に、水色とピンクのカラーリングのアーマーの戦士、仮面ライダーに。

 

「なんなんスかそのギミック!?黒く無いし!」

 

「その他諸々の事情はアイツを倒してからだ!」

 

「無視!?」

 

ツッコミを入れる翔を無視し、ライダーへと変身した2人はデュエルを開始する――!

 

「「デュエル!」」

 

 

天上院明日香(ア○ザーア○ト2019)

 

    VS

 

遊日・ブギーヴェイン(仮面○イダーリ○イ)

 

 

 

 

「先攻は貰うわ」

 

明日香手札

 

・命の代行者ネプチューン

・強欲で金満な壺

・裁きの代行者サターン

・命の聖水

・力の代行者マーズ

 

 

「『強欲で金満な壺』を発動。融合デッキから6枚除外し、2枚ドロー」

 

 

ドローカード:『攻撃の無力化』『裁きの天秤』

 

 

「『命の代行者ネプチューン』の効果を手札から発動。自身を墓地に送り、手札から『裁きの代行者サターン』を特殊召喚。更に『力の代行者マーズ』を通常召喚。そして『命の聖水』を発動。デッキから『天空の聖域』のテキストが存在する『パーシアスの神域』を手札に加え、更に代行者モンスター1体につき500回復する。私のライフがあなたを上回ったことにより、マーズの攻撃力も上昇する」

 

 

天上院明日香(ア○ザーア○ト2019) 4000>5000

 

力の代行者マーズ 0>1000

 

 

明日香手札5>4>6>5>4>3>2

 

 

「そして『パーシアスの神域』の効果で、光属性天使族モンスターの攻撃力は300ポイント上昇よ」

 

 

『力の代行者マーズ』 1000>1300

 

『裁きの代行者サターン』2400>2700

 

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

 

天上院明日香(ア○ザーア○ト2019)5000:手札0:伏せ2『パーシアスの神域』:『力の代行者マーズ』『裁きの代行者サターン』

 

 

 

「いきなりライフ1000のビハインドかよ。俺のターン」

 

 

遊日手札

 

・ファーニマル・ドルフィン

・ファーニマル・ペンギン

・エッジインプ・ソウ

・トイポッド

・デストーイ・ファクトリ―

 

ドローカード:『魔玩具補綴』

 

 

「おぉっと、これならいけそうだな。『魔玩具補綴(デストーイ・パッチワーク)』を発動!デッキから『融合』と『エッジインプ・チェーン』を手札に加え、『融合』発動!手札の『エッジインプ・チェーン』と『ファーニマル・ペンギン』を墓地に送り、『デストーイ・チェーン・シープ』を融合召喚!」

 

 

遊日手札:6>5>7>4

 

 

渦の中に呑まれるぬいぐるみのペンギンと鎖の塊の悪魔。

そして渦から現れるは、狂気的な笑いを上げる異形の玩具。羊としての原型は保っているものの、作り物の眼球は飛び出し、前脚は鋭利な鎌とマイナスドライバーに置き換えられ、鎖に拘束されたその姿はまるで囚人にも見えなくもない。

禍々しい玩具に遊日以外全員軽く引く。

 

「『ファーニマル・ペンギン』は1ターンに1度、融合素材として墓地に送られた時2枚ドローして手札を1枚破棄する効果を持つ。これを第1チェーン。『エッジインプ・チェーン』はフィールド化手札から墓地に送られた時、デッキから『デストーイ』カードを手札に加える。割り込みはあるか?」

 

訊ねる遊日に明日香は首を振る。

 

「処理開始。チェーンの効果で『デストーイ・カスタム』を手札に加え、ペンギンの効果で2枚ドロー。1枚破棄」

 

 

ドローカード:『デストーイ・リニッチ』『エッジインプ・サイズ』

 

破棄:『トイポッド』

 

 

遊日手札:4>5>7>6

 

 

「墓地に送られた『トイポッド』の効果で、デッキからファーニマルモンスターか『エッジインプ・シザー』を手札に加える。俺は『ファーニマル・ウィング』を手札に加え、『ファーニマル・ドルフィン』を通常召喚し、効果発動!墓地から『トイポッド』を場にセット。デッキからファーニマルモンスターか『エッジインプ・シザー』を墓地に送る。『エッジインプ・シザー』を墓地へ」

 

 

遊日手札:6>7>6

 

 

「バトル!チェーン・シープでサターンを攻撃!」

 

「ええっ!?攻撃力は相手が上ッスよ!」

 

翔の悲鳴染みた声を無視して鎖を放出し、鞭のように振るうチェーン・シープ。サターンはその攻撃を掻い潜り、掌に集中させた光をレーザーのように射出。レーザーに貫かれたチェーン・シープは爆散した。

 

 

遊日(仮面○イダーリ○イ) 4000>3300

 

 

「チェーン・シープの効果!戦闘破壊された時、1ターンに1度だけ自身を復活!攻撃力800ポイント上昇だ!」

 

「強化の為にわざわざ特攻させたのか!」

 

 

デストーイ・チェーン・シープ 2000>2800

 

 

「再びサターンに攻撃だ!」

 

「させる訳無いでしょ!罠カード――」

 

「チェーン・シープの効果!コイツが攻撃している間、相手は魔法、罠、モンスターの効果を発動できない!」

 

「なっ!?」

 

復活早々の突進はサターンに反撃の隙を与えず直撃。まるでダンプトラックにでも激突したかのような衝撃でサターンは大きく吹っ飛ばされた。

 

 

天上院明日香(ア○ザーア○ト2019)5000>4900

 

『力の代行者マーズ』1300>2000>1900

 

 

 

「これ以上の追撃は無理だな。カードを2枚伏せて終りょ――」

 

「待ちなさい!伏せた後のエンドフェイズに私は罠カード『裁きの天秤』を発動!」

 

「『裁きの天秤』?」

 

「このカードは私の手札と場のカードの合計が相手の合計カード数より少ない時、その差分ドローできる」

 

今、明日香の手札は0。そして場には『パーシアスの神域』と伏せカード、発動させた『裁きの天秤』とマーズの4枚。

対する遊日の手札、場の合計は……7枚。

 

「その差は3枚!よって3枚ドロー!」

 

「不足した手札をあっという間に回復した!モンスター全滅も明日香のシナリオ通りなのか!?」

 

「チッ、改めてターンエンドだ」

 

 

遊日(仮面○イダーリ○イ)3300:手札4:伏せ3(うち一枚は『トイポッド』):『デストーイ・チェーン・シープ』『ファーニマル・ドルフィン』

 

 

「私のターン!」

 

 

明日香手札

 

・ホーリー・ジェラル

・奇跡の代行者ジュピター

・マスター・ヒュペリオン

 

 

ドローカード:『強欲で金満な壺』

 

 

「『強欲で金満な壺』発動!残った融合デッキ6枚を除外し、2枚ドロー」

 

 

明日香手札:3>4>3>5

 

ドローカード:『奈落の落とし穴』『マジック・ドレイン』

 

 

「『奇跡の代行者ジュピター』を通常召喚。そして墓地のネプチューンを除外し、『マスター・ヒュペリオン』を特殊召喚!ネプチューンが除外されたので、デッキから『天空の聖域』を手札に加え発動!ヒュペリオンの効果発動!墓地のサターンを除外し、チェーン・シープを破壊!」

 

「ならその効果に割り込みだ!『エッジインプ・サイズ』の効果!コイツを公開して手札か場のモンスターと共に自身を素材にして融合召喚を行う!場のドルフィンと共に融合、現れろ!『デストーイ・クルーエル・ホエール』!」

 

「『融合』カード無しに融合召喚!?」

 

驚愕する明日香を他所に突如現れた渦から、巨大なシャチのような玩具が現れる。

所々縫合痕を残し、アイパッチらしき部分は布が引き裂かれて中身の綿が露出している。尾びれと背びれ、牙と胴体は鋭利な鎌がギラリとその身を輝かせている。裂かれた首元からは紫の眼光をのぞかせ、狂気的な笑いを上げている。

 

 

明日香手札:5>4>3>4

 

遊日手札:4>3

 

 

「……逆順処理よ。サイズの効果は終了し、ヒュペリオンの効果でチェーン・シープを破壊」

 

「チェーンシープは1ターンに1度、相手の効果か戦闘で破壊されても蘇える。そしてクルーエルの効果。互いの場のカード1枚ずつを破壊!お前の『パーシアスの神域』と俺の『トイポッド』を破壊だ!」

 

雄叫びを上げて尻尾を振るい、お互いの魔法カードを切り裂く。

 

「破壊された『トイポッド』の効果で『ファーニマル・オウル』を手札に加え、『パーシアスの神域』で上昇した攻撃力も元に戻る。アテが外れたな?」

 

「くっ……!」

 

 

『奇跡の代行者ジュピター』2100>1800

 

『力の代行者マーズ』1900>1600

 

『マスター・ヒュペリオン』3000>2700

 

 

「アテ?」

 

顔を歪める明日香の意味が分からず、翔は首を傾げる。助け船を出したのは吹雪だ。

 

「『パーシアスの神域』は攻撃力の上昇で『マスター・ヒュペリオン』の攻撃力はチェーン・シープの攻撃力を上回った。ヒュペリオンは場に『天空の聖域』があるならモンスター破壊効果を2回使えるけど、サイズは墓地にいるならデストーイモンスターの破壊を1体につき1回だけ回避できるんだ」

 

「そうか。『パーシアスの神域』があったなら1回破壊したチェーン・シープを戦闘で破壊。そうなる前に遊日君はサイズを除外するしかない。それでもう一回の効果でチェーンシープを破壊。次のターン、墓地に送ったサターンを蘇生して大ダメージを与える予定だった、って事ッスか?」

 

「そういうこと。前のターン、ダメージ覚悟でチェーン・シープの効果を使ったのも、ジュピターの効果を使わせず、マーズの攻撃力を上げないためだ」

 

「けど、まだ手はあるわ!手札の『ホーリー・ジェラル』を墓地に送り、ジュピターの効果!除外されているサターンを特殊召喚!更にジェラルの効果で私のライフを1000回復。ヒュペリオンの効果!『ホーリー・ジェラル』を除外してチェーン・シープを破壊!」

 

「2度目の破壊で、蘇生することはない」

 

 

天上院明日香(ア○ザーア○ト2019)4900>5900

 

明日香手札:4>3

 

『力の代行者マーズ』1600>2600

 

 

2度のヒュペリオンの効果を使った所で明日香は一度場と手札を見る。

本来なら『パーシアスの神域』で強化されたモンスターでチェーン・シープを破壊し、次のターン罠カードで妨害。何もできなくなったところで総攻撃を仕掛けて撃破するはずだった。『パーシアスの神域』は破壊されたが、それでも厄介なチェーン・シープは打ち倒せた。ならば自分がとる次の手は……。

それなら次の一手は――。

 

「サターンをリリースし、効果発動!私のライフは5900。あなたは3300。その差2600のダメージを相手に与える!」

 

 

「クルーエルの効果だ。デッキの『魔玩具融合(デストーイ・フュージョン)』を墓地に送って、対象の元々の攻撃力の半分の数値を加算する。クルーエルの攻撃力は2600。その半分1300を追加!うごぉ!!」

 

 

遊日(仮面○イダーリ○イ)3300>700

 

『力の代行者マーズ』2600>5200

 

 

「今更パワーアップしたところで。サターンの効果を使ったターンバトルを行えない。カードを2枚伏せて終了よ」

 

 

天上院明日香(ア○ザーア○ト2019)5900:手札0:伏せ2『天空の聖域』:『マスター・ヒュペリオン』『奇跡の代行者ジュピター』『力の代行者マーズ』

 

 

「一気にライフが吹っ飛ばされちまったな。俺のターン」

 

 

・ファーニマル・オウル

・エッジインプ・ソウ

・ファーニマル・ウィング

・デストーイ・リニッチ

 

ドローカード:『融合回収(フュージョン・リカバリー)

 

「『融合回収』を発動。『融合』と『エッジインプ・チェーン』を手札に戻す。更に『デストーイ・カスタム』を発動。墓地から『ファーニマル・ペンギン』をデストーイの名称を与えて蘇生。そして場に伏せていた『デストーイ・ファクトリー』を表に。確かお前、未来予知がどうとか言ってたな?」

 

 

遊日手札:5>4>6

 

 

「それが何?」

 

「俺も一つ予言をしておくよ。この融合デッキん中には、お前を倒すモンスターが2枚ある」

 

「ちょっ、ちょっと待て!何を言い出すんだ!?」

 

「まず『デストーイ・ホイールソウ・ライオ』。こいつは効果で直接攻撃を捨てる代わりに相手モンスターを破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを与える効果だ。いくら『天空の聖域』でも、効果ダメージは免れないよな?」

 

「……確かに。『天空の聖域』はあくまで戦闘ダメージのみ。効果ダメージまでは対応しきれないわ。で、次は?」

 

「次は『デストーイ・ハーケン・クラーケン』2回攻撃の他に、直接攻撃権を棄てる事で相手モンスターを1体墓地に送る。一番強いマーズを墓地に送ってしまえば、クルーエルとのコンボで潰すことも容易い」

 

「なるほど。仮に破壊耐性モンスターがいても、関係ないって事」

 

「ああ。最後は目玉中の目玉。『デストーイ・デンジャラス・ナイトメアリー』。自分のターン限定で墓地の天使族や悪魔族の数だけ攻撃力を増加する大型融合モンスターだ。ジュピターを倒した後、クルーエルとのコンボで膨大な攻撃力を叩き出せば、幾ら攻撃力5千近くのマーズでも一瞬で消し飛ぶぜ?これで宣言終了」

 

3枚の切り札を紹介し終えた所で、明日香が呆れたように溜息を吐く。

 

「……あなた、本当に馬鹿でしょ?わざわざ手の内を教えるデュエリストがどこにいるのよ?」

 

「まったくだ!漆黒の悪魔め、デュエリストの風上にも置けないな!」「明日香様、奴は勝負を捨てたも同然です!早くとっちめちゃってください!」「モンスターを宣告するなんて馬鹿な奴だ!」

 

 

 

「今回ばかりは明日香さんの言う通りッス!そんなの教えたら、対策してくれって言ってるような物ッスよ!!」

 

途端に周囲の白服が嘲笑を飛ばすが、翔の言う事は最もだ。幾ら一騎当千の切り札と言えど、教えられたら相手は可能な限り対策を施して来るだろう。それはつまり、ご丁寧にセットしたカードの名前を宣言するのと同じである。

 

「宣言はここまで。手札から『融合』を手札に加えて発動!手札の『エッジインプ・ソウ』と『ファーニマル・ウィング』を素材とし、『デストーイ・ホイールソウ・ライオ』を召喚!」

 

「トラップ発動、『奈落の落とし穴』!攻撃力1500以上のホイールソウ・ライオを破壊し、除外!」

 

融合の渦から飛び出した丸鋸のライオンのようなモンスターが飛び降りるように現れるが、着地先の地面が突然ぽっかりと大穴を開ける。

仰天して身体をばたつかせるが、着地地点が逸れることも無く、そのまま悲鳴と共に穴の中へと消えていった。

 

 

遊日手札:6>3

 

 

「今度は『デストーイ・ファクトリー』の効果!墓地の『魔玩具融合(デストーイ・フュージョン)』を除外して融合を行う!『デストーイ・デアデビル』召喚の為の素材は――」

 

「!?チェーンして『マジック・ドレイン』発動!」

 

「魔法カードは俺の手札には無い。『マジック・ドレイン』の効果で『デストーイ・ファクトリー』は効果を無効にされ破壊される」

 

トラップのラッシュと魔法のラッシュがぶつかり合いが連続する。

 

「連続無効決まったー!」「悪魔の手札は残り3枚、勝った!」「これであのモンスター達を潰せば明日香様の勝ちだ!」

 

外野の白服も、融合阻止の連続で明日香の勝利を確信し舞い上がる。

一人静かに立っていた遊日だったが、ローラー型アイテムを取り出した。

 

「何?」

 

「……さぁて。いよいよメインイベントだ!」

 

『俺っち!スイッチ!ワンパンチ!』

 

そのアイテムのスイッチを押したその時、彼の背後に巨大なパネルが現れた。

 


 

はさみ

「来た来た来たー!融合召喚!」

 

のこぎり

「もう始まってんの草」

くさり

「\(^o^)/」

ふくろう

「白でも黒でもない!ここから先、世界は赤く染まるのだ!」

 

ぺんぎん

「染める赤が相手の返り血で赤紫蘇生える」

 

おかま

「最近ハイになりすぎなんだよねー。っつーことでローテンションプリーズ」

 

はさみ

「(´Д`)」

 

くさり

「(´Д`)」

 

のこぎり

「(´Д`)」

 

ふくろう

「(´Д`)」

 

ぺんぎん

「(´Д`)」

 

おかま

「ほんとに乗るなよwww」

 


 

チャットのようなやり取りが繰り返されるが、次の瞬間ローラー型のアイテムを明日香から見て左側腹部から右上に、そして右腿にローラーを転がす。それと同時に後ろのパネルも黒く染まっていく。ローラーが回転の渦に黒い瘴気の様なものを取り込み、それをスタンプ台に押印する。

 

 

『Come’ON!V!V!V!VICE!』

 

『ROWLING!VI!VI!VI!VICE!』

 

 

その瞬間、遊日を中心に足元から黒い液体が地面を蝕むように広がっていく。

その水面から鎌、丸鋸、鎖付きの刃、ハサミ、斧と鋭利な刃物が次々とその刃を突き出してくる。

 

「こ、これは……?」

 

遊日以外の全員が困惑する中、レバーを横に倒して起動する。

 

『VICE UP!』

 

『ガッツリ!乗っ取り!黒塗り!』

 

『KAMENRIDER REVICE!!』

 

『VICE!VICE!VICE!』

 

 

噴き出す黒い液体に呑まれ、振り払った遊日は先程とは全く違う姿をしていた。

全体は黒く染まり、左半身は刺々しいものへと変貌。まるで元々のヒーローに悪魔が寄生して侵食しているような姿である。

 

「明日香様!」

 

その時、包囲網の外の白服がこちらに駆け付けた。

 

「まさか、乱入するつもり!?」

 

「いや、それにしてはどうも様子が変だ」

 

乱入を警戒してディスクを構える翔だったが、割り込んできた白服の様子がおかしい。

明日香のピンチに駆けつけた、と言うより、必死に逃げだしたといった様子だ。

 

「どうした?」

 

「そ、それが……!」

 

肩を上下させた白服は一呼吸おいて落ち着いたのか、明日香に報告する。

 

「ぷ、プリンセスローズが突如光の結社に反旗を翻し、ノース校の一人と共に光の結社狩りを開始。更に三沢様と万丈目様がノース校の代表選手とデュエルして……敗北しました」

 

「なんですって!?」

 

 

 

 

遡ること10分。

デスガエル3匹の死の合唱に、カエル・サンデスの巨体からのボディプレス。

そこはまさにカエルが織りなす地獄とも呼ぶべき阿鼻叫喚の場であった。

 

「ぐあああッ!!」

 

また一人、LPが0になり白服が吹っ飛ばされる。

 

「くっ……!ローズ、貴女自分が何をやってるのか分かってるの!?」

 

光の結社の一人、胡蝶蘭がローズに怒声を上げる。

 

「ええ、分かっていますとも。だからこそ貴女方を倒すのです!私の王子様を理解してくれた彼女と共に!」

 

「はぁ?あんな気味の悪いカエルを理解してくれる奴なんてどこにいるのよ?」

 

『気味の悪いカエル』――カエルを王子と呼ぶ彼女にとってカエルを侮辱することは彼女の逆鱗に触れることになる。だが、今の彼女の表情は怒りに歪むどころかむしろそれがどうしたと言わんばかりにどこ吹く風だ。

 

「あら。あなたには見えていないのですか?私の王子様と、彼女が愛する日出国のエージェント、NINJAの異色のコラボレーションを!!」

 

「!?」

 

ローズが指した場所を目で追うと、そこには光の結社の一人とレイン恵とのデュエルしているのが見えた。

 

「『女忍者ヤエ』の効果。手札の『護神鳥シムルグ』を捨て、相手の場の魔法・罠カードを全て手札に戻す」LP2200

 

「なっ、全部だと!?」LP500

 

「更に『ガルドスの羽ペン』を発動。墓地の『黄色い忍者』と『バードマン』をデッキに戻し、『召喚獣コキュートス』を手札に戻す。更に『魔力の枷』発動。500ライフを払ってカードをセット。終了」LP2200>1700

 

「お、俺のターン。ドロー!」

 

「ドロー後、『大暴落』発動。あなたの手札は8枚。すべてデッキに戻し、2枚引かせる」

 

「ぎゃああああああ!もうなんにもできねええええええ!!!」

 

そのまま滅多打ちにより倒される結社の尖兵。決着後、ヤエが印を結び掌を地面に叩きつける。そこから爆発でも起こしたように煙が巻き起こり、ヤエらしき影の足元が膨れ上がる。

 

「見ろ……これが……奇跡……!」

 

土煙が晴れ、そこには大見得を切る『カエル・サンデス』とその頭上で同じく大見得を切るヤエの姿が。『カエル・サンデス』の前には3匹の『デスガエル』も同じように大見得を切っている。

その後ろ姿にレインは頷きながらどや顔を浮かべる。

 

「……最高」

 

「ふざけた真似を……!ならその妄言ごと叩き潰してあげるわ!」

 

「でしたらあなたを蝕む光という呪いを、私と王子様達で消してあげましょう!」

 

ディスクを構えた胡蝶を前に、ローズもディスクを構える。

そして尻目にレインを見ると、言葉を交わす。

 

「――後ろは任せましたわ。ナイト――じゃなかった、東国の忍者様」

 

「――愚問」

 

 

 

 

「――なんだ、この状況は……?」

 

そう呟いたのはエレノアだった。

しかし、デュエル開始時の優雅さを携えたデュエリストだったが、今はその雰囲気は欠片も無い。異常なまでの汗を流し、震えながら周囲を見渡し、その表所は怯え切っている。まるで、見えない幻覚に襲われ怯えている精神異常者だろうか。

 

「何故デュエルしている?何故ノース校の付近じゃない?この白服共は何なんだ?」

 

「お、おい……?大丈夫か?」

 

頭を抱え、周囲をしきりに見回すエレノア。十代が彼女を気遣って声を掛けたが、エレノアはその手を振り払う。

 

「誰だ貴様は!?私はなぜここに居る!?」

 

「落ち着けって!?」

 

「排除せねばならない!排除せねばならない!排除せねばならないィィィィィィィィィ!!!!」

 

頻りに叫びながらジャッキの付いたガジェットを腰の部分に押し付けると、そこからベルトが現れてエレノアの腰に固定するかのように一周する。

 

DODO

 

取り出した小さな長方形のアイテムのスイッチを起動し、それをバックルに装填。アラートが鳴り響く中、トリガーを引く。

 

『Force Rise!』

 

音声と共に赤い雷がエレノアを直撃し、朱いアーマーが装着される。

その姿は、後頭部が逆立ったような朱いドードー鳥をモチーフとし、そこから銃火器を搭載したような、人型の機械兵器といっても差し支えない姿に変身する。

 

『Break Down……』

 

「○面ラ○ダー雷?……いや、その姿はドー○ーマ○ア改……!?」

 

「排除しなければならない!不安は、恐怖は、徹底的に排除しなければならない!『二重召喚』発動!このターン通常召喚を2回可能とする!『混沌の召喚神』を召喚して、リリース!」

 

「「「何ッ!?」」」

 

現れて早々消え去る召喚神に十代はおろか、三沢と万丈目も声を上げた。

その意味を3人は良く知っている。約1年前、七星門の鍵の争奪戦に身を投じるきっかけになった、この学園に封印されている3枚の化身――。

 

「来たれェ、『降雷皇ハモン』ッ!!!」

 

腕の発電器官から灰色にも見える電撃が曇天の空へと昇る。

曇天に雷が走り、その中央から雷を纏う金色の悪魔に、エレノアを除いた全員が言葉を失ったまま空を見上げている。

 

『な、なんでハモンがこんな所に!?三幻魔は封印されてるんじゃないのォ!?』

 

「俺に聞くなよ……」

 

一度生命力を奪われ骨と化した『おジャマ・イエロー』が精霊体の状態でガタガタ震える。十代もかつて影丸と戦った時のプレッシャーが蘇ったのか、僅かに手が震えているのを感じた。

 

「「続けて『一時休戦』を発動!全員1ドロー後、全てのダメージは0になる!ハモンを対象に『魔霧雨』発動!」

 

「『魔霧雨』だと!?それは――」

 

「発動ターンのバトルフェイズをスキップする代わりに、選択した雷族モンスターの攻撃力以下の守備力のモンスターを殲滅する!」

 

ふわりと濃霧が場を覆い尽くす。ハモンが咆哮を上げると雷が降り、霧に触れた途端、霧を通電して濃霧の中にいた三沢の『リトマスの死の剣士』、万丈目の白の騎士団(ホワイト・ナイツ)を破壊する。ロードが破壊され相手に1000ダメージを与える所だが、『一時休戦』の効果でダメージは無い。

 

「凄ェ!一瞬で全滅だ!」

 

「モンスターをセットしてターンエンドだ!」

 

三沢と万丈目のターンではお互いドローした後カードを1枚伏せて終了。十代は『O-オーバーソウル-』でネオスを復活させる。

続くエレノアのターン、反転召喚したモンスターを見て3人は再び言葉を失った。

 

「『電池メン―ボタン型―』のリバース効果!『電池メン―単三型―』をデッキから特殊召喚!その召喚に対して『地獄の暴走召喚』発動!同名カードを特殊召喚!単三型が全員攻撃表示なので、攻撃力3000アップ!更に『漏電(ショートサーキット)』発動!『電池メン―単三型―』が3体存在するので、相手の場のカードを殲滅!」

 

バトルフェイズに入る前に完全にがら空きになり、最早万丈目と三沢に成す術は無い。

3体の『電池メン―単三型―』とハモンの全身に電気があふれ出す。

 

「くたばれえええええぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

「「ぐぅおああああああああああああああッッッ!!!!!」」

 

4体のモンスターが両手を天に掲げると、雷撃が雨の如く降り注ぐ。ソリッドヴィジョンだというのに本物にも匹敵する雷撃が地面を穿ち、万丈目に、三沢に、白服の集団に雷を落す。

その攻撃を食らった三沢と万丈目はその姿がア○ザーラ○ダーから元の姿に戻り、傍に落ちたアイテムがスパークを上げて粉々に砕け散った。

決着を見て十代がディスクを下げようとした時、ハモンだけがまだ腕に雷撃を纏って狙いを倒れている2人に定めていることに気付く。

 

「おい待て!もうデュエルは終わってるぞ!?」

 

「ふざけるな!奴らを葬らなければ!塵一つ残さず消さなければ安心することなどできない!」

 

『だからって、これ以上攻撃したらアニキもみんなも死んじゃうよぉ~!』

 

「黙れェ!貴様も敵か!敵なら排除しなければならない!排除排除排除ォ!!」

 

狂乱するエレノアに呼応するようにハモンもぐるりと標的を光の結社から十代と『おジャマ・イエロー』へと標的を変える。数秒後にはハモンからの雷が十代を貫くだろう。

 

『――フッ!』

 

「ぅごあッ!?」

 

「ネオスッ!?」

 

その時、『E・HEROネオス』が回し蹴りでエレノアを叩き込んだ。まともに食らい、木の幹に叩きつけられたエレノアはそのまま意識を失い、ソリッドヴィジョンも機能を停止してハモンも姿を消した。

 

「お前、何てことを!」

 

『すまない。こうでもしなければ、奴は君や君の友人までも手に掛けようしていた』

 

「そうか……。にしても、なんでハモンが……」

 

詫びを入れたネオスが消えると、十代も礼を言った後、彼女のデッキを見る。電池メンを主体としたその中に1枚だけ、『降雷皇ハモン』のカード。間違いなく、かつて影丸理事長が使っていた三幻魔の1枚だった。

 

「ホワイトサンダー!」

 

「三光将の援軍に急げ!」

 

その時、どたどたと遠くから何人もの白服が大人数でこちらに駆けて来る。

 

「ヤベェな。橘、三沢と万丈目とこいつを連れてレッド寮に逃げるぞ!」

 

「ああ。あれだけの数を真面目に相手にしてられるほど図太い気力は持ち合わせてないからな」

 

橘が万丈目とエレノアを、担ぎ上げ三沢の肩に手を回して担ぎ上げた十代はその場を早々に立ち去って行った。

 

 

 

 

「ローズの反旗はまだしも、三幻魔ですって!?冗談にも限度があるでしょ!?」

 

「で、ですが、実際既に80名以上がノース校代表の手に倒されています!」

 

「なーる。あいつら頑張ってんだな」

 

驚愕する明日香を他所に、まるで他人事のようなリアクションの遊日。

 

(とにかく、一刻も早く奴を倒さなければ!この状況を逆転するカードは使い切らせた。この圧倒的な攻撃力とライフ差なら逆転は不可能。次のターン総攻撃で私の勝ちは確定!)

 

「あなたはもう融合カードを使い切った。もう終わりよ!」

 

「終わり。終わりねぇ……確かに終わりだよ――テメェがな」

 

言葉の最後の方で低くなったトーンに明日香は背筋を凍らせた。

ふと視線を落とすと、自分の手が小刻みに震えているのが分かった。が、その理由がわからない。

 

「な……なんで……?」

 

(なんなの?状況は奴が圧倒的不利。1体のモンスターでこの布陣を突破しライフを削り切ることは不可能。それなのに何故?こんな状況なのに、私の勝利する姿が……全然浮かばない!)

 

「――『デストーイ・ファクトリー』の更なる効果。墓地の『魔玩具融合』を手札に加え、そのまま発動!」

 

 

遊日手札:3>4>3

 

 

突如遊日の前に現れた穴から2枚の布と糸と針と綿、そしてハサミが飛び出す。ハサミが布を切り、縫い針と糸が布を縫合して綿を包んでいく。

 

「このカードは墓地と場のカードを除外して、融合モンスターを召喚する」

 

「でもあのカード、いつの間に墓地に……?」

 

翔は記憶を辿り、『魔玩具融合』が墓地に送られたタイミングを辿る。手札から使った可能性は当然無い。あるとすれば『デストーイ・クルーエル・ホエール』の攻撃力上昇くらい……。

 

「まさか、さっきのターンで!?」

 

「そうか、だからか!」

 

翔が理解すると同時に吹雪も別の事を理解したのか声を上げた。

 

「えっ?」

 

「さっき遊日君が説明したのは、そのモンスターを印象付けて本命から気を逸らす為だったんだ。明日香に妨害カードを使わせて、本命を使う際に邪魔されないように」

 

「本命?」

 

「ああ。あの状況でその2体を召喚させると一気に逆転される可能性があったんだ。何より、仮に攻撃を防ぐカードが明日香の場になかった場合、決着は無理でも全滅させることが可能という事実でもある」

 

「確かに決闘者の王国で闇のプレイヤーキラーと戦った時も、遊戯さんは言葉で翻弄したとか……」

 

事実と言うブラフ。それを武器にした遊日に軽く戦慄する翔。一応最後の伏せカードは『攻撃の無力化』だが、もう本命を成した今で問題では無い。

かつてヘルカイザーとなる前の自分の兄、丸藤亮の対戦相手の一人が同じ戦術を行い、破壊をトリガーに発動する罠を仕掛けて心理的に追い詰めていったこともあるのを思い出した。

 

「さぁ本日のメインキャスト!『デストーイ・シザー・タイガー』の登場だァ!!」

 

出来上がったホワイトタイガーのぬいぐるみの四肢が千切られ、関節部の代わりにハサミが突き刺さる。胴と頭も両断され、胴からはハサミが、頭からはデストーイ特有の紫の目が明日香を嘲笑うように狂った笑い声をあげる。

 

「シザー・タイガーの効果!召喚成功時に素材にしたモンスターの数まで場のカードを破壊する!コイツが素材にしたのは3体。だが2枚で十分!お前の伏せカードとマーズを破壊する!」

 

狂った笑いを上げながら、背中から貫かれているハサミのその持ち手を背中から引き抜き、剣の如く手に持つと明日香の場に乗り込み、片太刀鋏をやたらに振るってマーズと伏せカードを切り刻む。

 

「『攻撃の無力化』が!」

 

「驚くのはまだ早いぜ!『ファーニマル・オウル』を召喚!デッキから『融合』を手札に加える。更に『デストーイ・リニッチ』発動!チェーン・シープを蘇生し、『融合』発動!チェーン・シープと『エッジインプ・チェーン』、場の『ファーニマル・オウル』を融合!『デストーイ・サーベル・タイガー』を召喚!」

 

続けて現れたのは四足歩行の虎のぬいぐるみ。その身体は他のデストーイ同様刃が剥き出しになり、尻尾から胴体に至っては一本の剣で刺し貫かれてバラバラになるのを防いでいるようにも見える。

 

「『エッジインプ・チェーン』を第1、コイツの効果を第2チェーンとして処理。サーベル・タイガーは召喚した時墓地のデストーイを復活させる!チェーン・シープを蘇生!そしてデッキから『縫合補綴』を手札に加える」

 

「折角倒したチェーンシープが……けど、どのモンスターも攻撃力は『マスター・ヒュペリオン』より下。破壊する相手を間違えたんじゃない?」

 

「いいや。折角だから一斉攻撃で閉めにしようかって思ったんだ。シザー・タイガーの効果!デストーイモンスター全ての攻撃力400上昇!シザー・タイガーの効果!デストーイモンスターの攻撃力を場のデストーイ及びファーニマルモンスターの数×400上昇する!」

 

デストーイモンスターは『デストーイ・カスタム』で蘇生された『ファーニマル・ペンギン』も含めて合計で5体で2000。更にその状態から400ポイントの上昇で2400。それがデストーイ全員に影響される。

即ち――

 

 

『デストーイ・シザー・タイガー』1900>4300

 

『ファーニマル・ペンギン』(『デストーイ・カスタム』の効果でデストーイの名称を付与)1600>4000

 

『デストーイ・チェーン・シープ』2000>4400

 

『デストーイ・サーベル・タイガー』2400>4800

 

『デストーイ・クルーエル・ホエール』2600>5000

 

 

目を疑うような光景だった。

全員が文字通り化け物級の攻撃力は、全員が4000オーバーと言うオーバーキルすらまだ慈悲深い修道女の言葉に思える怪物と化した。クルーエル・ホエールに至っては効果を自分に使えば6300という、攻撃力だけなら『青眼の究極龍(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)』や『F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)』、『究極竜騎士(マスター・オブ・ドラゴンナイト)』単体すらどうにもできないという最早頭がおかしいレベルである。

唯一の救い()はシザー・タイガーが自身の効果で場に1体しか存在できないことだろうか。……救いと呼んでいいのか?この状況で。

 

「バトル!シザー・タイガーでヒュペリオンを、『ファーニマル・ペンギン』でジュピターをを攻撃!」

 

つかつかと歩み寄るシザー・タイガーにヒュペリオンが光弾を放つ。だが、それを蚊でも払うかのようにいなし、焦るヒュペリオンにラリアットを叩き込み首を撥ねて破壊。

続く『ファーニマル・ペンギン』はその体系からは考えられない速度で駆ける。やがてその身が音速を、光速を超え光の尾を引きながら飛んでいき、ジュピターの胴体を貫く。

 

「うぐぅ!?」

 

 

天上院明日香(ア○ザーア○ト2019)5900>3600

 

 

「ラストアタックだ!チェーン・シープ!サーベル・タイガー!クルーエル!3体同時ダイレクトアタック!」

 

 

宣言と共に胸びれを地面に叩きつける。するとその地面から黒い液体が鉄砲水の如く噴き出し、3体のデストーイが跳び上がる。

くるりと空中で回転すると同時に2つの丸鋸が互い合わせに現れ、ローラー式ピッチングマシンの要領の如く回転に巻き込まれて射出。明日香に3連続の突進を繰り出した。

激突して吹っ飛ばされてもなお、満身創痍でバチバチと身体からスパークを上げながら立ち上がる明日香が、大爆発と共に黒い液体をまき散らした。ばたりと倒れた明日香の傍に転がった時計型のガジェットは2,3度スパークを上げ、粉々に砕け散った。

 

 

天上院明日香(ア○ザーア○ト2019)3600>0

 

 

 

 

その後、ホワイト寮(仮)にて。

 

 

「120人だとぉ!?」

 

真っ白に改築されたブルー寮のロビーで、オージーン王子が怒りと驚愕が交じった声を上げた。

オールバックの光の結社の一員が、今も信じられないといった表情でつらつらと報告を述べる。

 

「は、はい……ノース校代表選手の4人更にはプリンセスローズも光の結社に反旗を翻したことによって、構成員112名及び、プロデュエリスト5名、更には三光将の万丈目様、三沢様、天上院様が敗退。うち50名以上をなぎ倒した遊日・ブギーヴェインはなおも散策を続けている模様です……」

 

「馬鹿な!ジェネックス開催の翌日で結社の構成員の4分の1も敗れたというのか!?」

 

デュエルアカデミア本校のブルー生徒の9割が光の結社の一員になったというのに、ジェネックス開始の翌日に4分の1が脱落したとなっては、オージーンからすれば面目丸潰れも良い所だ。

 

「ええい、次は私も出る!」

 

「落ち着くのです」

 

激昂するオージーンに対し、斎王はあくまで冷静だった。

 

「今は動く時ではない。彼らとのデュエルは、今しばらく待つのです」

 

「斎王様。ですが……」

 

「彼らの敗退も、時を待たずして焦った結果。彼らを排除しようと躍起になった彼らを止められなかった私にも責任はあります」

 

「斎王様……」

 

「まだ結社には4分の3の同胞がいます。三日後の正午。それが悪魔を討ち取る時です」

 

「おお!斎王様の予言が齎された!良いか同胞たちよ!三日後の正午!その日に一斉攻撃を仕掛けるのだ!」

 

オージーンの言葉に残る結社の構成員もか応えるかのように勝鬨を上げる。

だが、その勝鬨に一人だけ――斎王は疑念を晴らせずにいるかのように顔を僅かに曇らせていた。

 

(この『悪魔』が示す運命……私自身の破滅ではなく、私の中にある破滅の意志に対しての『破滅』というのか……?)

 

戦いは、まだ始まったばかり……。

 




と言うことでここまでです。
当初は「某竜騎士の決闘者とコラボ企画にしよう!」と思ったんですが、当キャラたちがリバイスが知らないっぽいのでどうしようかと悩んでいた所、「なら自分で造ればいい」と思いました。思いつきじゃねぇか。
これ書いてる途中「なんか某竜騎士の決闘者の話と似てないか?つかパクリじゃね?」と思ったりしていましたが、とうとうここまでやってしまった……。うん、後悔はしていない。
それにしても遊戯王のデュエル描写ってやっててかなり難しかった印象があります。前にヴァイスシュヴァルツやバトスピの二次小説とか書いてたんですが、あれらとは違った難しさがあります。

さっくりキャラ紹介(タッグフォースとオリキャラのみ)。


遊日・ブギーヴェイン

主人公。ノース校代表でイギリスと日系のハーフ。エディンバラ育ち。
デュエルの腕は小学校からシェリダン伯爵の元で鍛えられ、その時から『デストーイ』を愛用し続けている。
デュエルアカデミアに入ったのは色々デッキを組んで研究をしてみたいとのこと。普段は少しダウナーだが、デュエルになるとテンションが上昇する。
因みにノース校のランク戦にはあまり興味はない。
『エッジインプ・サイズ』が彼の精霊なのだが、精霊は彼自身全く見えない。
使用デッキは『ペンデュラム無しデストーイ』。


(・大・)<デストーイにした理由は自分のマスターデュエルでのメインで一番勝ってるからです。


・『エッジインプ・サイズ』について。

遊日の精霊で彼のお気に入り。このストーリーハネクリボーみたいなもん。
ハネクリボー同人語は様喋れない。



レイン恵

ノース校から転校してきた女学生。無口で表情もあまり変わらない。見た目はTG6基準+短めのツインテ。
こう見えて歴女兼特撮好きであり、興奮気味になっても表情が変わる代わりにツインテがピコピコ動く。どういう仕組みなの?
万丈目とは入れ違いに入学したので、サンダーとは面識が無い。
使用デッキは『ヤエ&ライザー』。

(・大・)<5dsのキャラがなんでいるかって?気にしたら負けだ。


エレノア・ヴォルトモルド

イタリアの企業『ヴォルトモルド・エンタープライズ』の令嬢。仮面ライダーの変身ギミック搭載のデュエルディスクのテスター。企業や彼女の名前はイタリア人であるクロノスも知っている。ハリポタのラスボスではありません。
優雅さを兼ね備えた活発なお嬢様。最初から全てを得ていた自分とは裏腹に、ゼロから全てを築き上げた海場瀬人に対し憧れと尊敬を抱いている。
しかし、その魂には三幻魔の1体である『降雷皇ハモン』が宿っており、僅かなショックでハモンに身体の主導権を奪われてしまう。
ヴォルトモルドの一族は代々日本の神職を務める明松(かがり)一族とメソポタミアの先住民と共に幻魔を封印してきた一族であり、彼女の代になって歴代の封じ手と同じ病気を起こし、謂れに従い幻魔の封じ手となった。
以降はなぜかハモンと同じ雷族主体かなぜか機械族主体のデッキでなければ100%デッキ事故を起こす様になってしまった。
彼女もレインと同じく万丈目とは入れ違いに入学したので、サンダーとは面識が無い。
使用デッキは『サンダー・ドラゴン』。ハモンに肉体を乗ったられている場合は『降雷皇ハモン+電池メン』。

(・大・)<一時はウリアがメインになってたけど、他の作品でも爆発的な攻撃力を兼ね備えてるから二番煎じになるかもと思い、あと使用者の年齢も考えてハモンにしました。


・降雷皇ハモン及び三幻魔について。

拙作では三幻魔はアカデミア本校に封印されているものの他に、もう一組がそれぞれメソポタミア、日本、イタリアのそれぞれの一族の手によって封印されている。
アカデミア本校に封印されているのは所謂『三幻魔の力』を封じたカードであり、それぞれの一族は『三幻魔の魂』を封印している。
原作アニメで影丸が三幻魔を使い若さを取り戻そうとしたが、拙作ではそれはまだ中途解読であり、そのまま解放していたら魂の無い力のみで、若返った姿のまま我を忘れてあらゆるものを破壊し尽くし、精霊の力を根こそぎ食らい尽くしていたかもしれない。
魂だけの場合、依り代を介さなければ意識を表に出す事はできないが、精霊の生命エネルギーが吸収されることはない。

ハモンについてだが、かなり臆病で周囲を絶えず気にしており、少しの不安要素でも徹底的に排除しようとする。端的に換言すれば、『超ビビり』+『不安症』+『情緒不安定』を合わせた性格。
ラビエル、ウリアも同じように依り代となる人間が存在する。ハモン曰くウリアの評価は「自分が唯一安心して頼れる相手」。ラビエルの評価は「破壊が退屈しのぎ。近くに居ようが遠くに離れようが潰される時間が違うかどうか程度の危なっかしい奴」。

(・大・)<ハモン自身はハーブティーで何とか気を落ち着かせられるけど……。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。