まったく大変だ。
あっちこっち色んな国に行って、有力者とコネを作り、有用なアイテムを手に入れたり、なんでこんな目に…
全部ナザリックのせいだ!
せめてモモンガじゃなくてタッチ・ミーならよかったのに…!
ワンチャンあるか?!俺がこの世界に来ている時点でイレギュラーだ。もしかしたら原作と違う可能性も…!
駄目だ!楽観視できない!
ナザリックと敵対は…しなくても不可侵を結べる程度にならなくては。
そして今原作開始前のどこだ。猶予あるのか?
法国がカルネ村には行かないはずだから出現場所が分からない。水明聖典に見張らせるか…?リスク高いな。ツアーの探知に引っかかるかな。
…もういいや。ジルクニフに考えさせよ。
ラナーの懐柔もなんとかしなきゃ…
何事も対話だな。とりあえず話に行くか。
とりあえず碧の薔薇に会いに行こう。
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「ーということでお久しぶりです。」
お馴染みの碧の薔薇に話しかける隊長
もうすでに仲良しのようだ。
「私は会いたく無かったがな」
やっぱりそんなことは無かった
「ちょっと!」
イビルアイの発言にラキュースは焦る
「いえいえ。その節はどうも。ね?キーノ?」
嫌みを含める
「その名で呼ぶな!」
「…貴方もイビルアイを刺激しないでくれる?」
ラキュースも睨みながら脅す
「用件はなに?」
「さっさと答える」
双子が催促する
「まぁ要件は2つ。1つ目は法国おいでよ?」
「「は?/?」」
「そこの忍者には好きな男女を当てがうし、戦士は童貞?欲しいの?ラキュースには暗黒の魔導具あげるし、イビルアイの身分は保証する。それにそもそも法国は人間の味方だ。君たちと向いてる方向は同じだよ?」
「法国と一緒にすんな!!!」
「…そうよ!」
今まで黙っていたガガーランが怒鳴り、ラキュースがそれに同調する。
忍者2人とイビルアイは反応を示さない。
「おい。ホントにそんな物で私たちを引き込めると思ってないだろ。はやく要件を言え。」
イビルアイが催促をする。
「本気さ、歓迎するよ?」
態度が変わらない碧の薔薇を見て、隊長は肩をすくめる。要件を伝える。
「ラナー王女に取り次いで欲しい。」
隊長の要望にラキュースは目を細める。
「あの子に何の用があるの?…何を吹き込むつもり?」
ラキュースは友人である純粋無垢で善人な第三王女を思い浮かべる。奴隷制度を廃止し、貧困に喘ぐ市民を救う善良で誇れる親友だ。彼女に危害を加えるなら命をかけても止めなければならない。ラキュースは剣を強く握る。
「お前らに話すつもりはない。ただ危害を加えないことだけは約束する」
「…」
10秒ほど隊長とラキュースは見つめあう。
「分かったわ。引き合わせる。」
「…交渉成立だな。」
「ただし私も同伴するわ。」
「…好きにしろ」
もし彼が彼女に危害を加えるならば私は全力で止めなければならない。たとえ数秒しか時間を稼げなくても。
ラキュースは固い決意と共に拳を握りこんだ。
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城ー王女の応接室
「…法国の方?何の御用でしょう?」
ラキュースからラナーに会いたい法国の者がいると伝えられる。無論非公式な接触であることはラナーもラキュースも理解している。
「二人で?…どうしましょ…」
「ラナー様!危険です!」
使者が二人で対談を望んでいることを伝えられると、クライムは口を挟む。自分の主人が知らない男と部屋で二人になる。そんな危険は見過ごせない。
「ごめんなさい。クライム、どうしても断れない事情があるの。」
ラキュースは心苦しそうに伝える。当然ラナーの側にいたい。しかしそれを彼が許さないのだ。一国の王女と密室で二人で対談させろと。自分の非力さにラキュースは顔を僅かにしかめる。
「…わかったわ。クライム、お客様を連れてきてくださる?」
自分の主人が決断をし、その友人であるラキュースも了承したのだ。ただの兵士であるクライムに逆らうことはできない。
談話室に向かい、扉を開けようとする。
ゾクッ
クライムの背筋が凍る
なぜ…中で何が…
恐る恐る扉を開けると、法国の使者と碧の薔薇がテーブルを挟んで向かい合っていた。
談笑してる雰囲気ではない。使者は座ってお茶をちびちび飲んでいる。一方碧の薔薇の面々はイビルアイ以外座らず、視線を外さない。
「おぅ、迎えにきたのか?」
ガガーランがいつも通り、しかし目線をこちらに向けず質問する。
「はい。使者どの、主人のもとへお連れします!」
声が僅かに上ずる
落ち着け。大事なお客様だ。無礼を働いて主人の顔に泥を塗るわけにはいかない。
冷静さを取り戻し、誘導する。
「どうぞこちらへ」
「ありがとう」
にこやかな笑みで返す。法国の使者
中性的だとクライムは思う。
真っ赤な目、男にしては珍しい長髪、白い素肌、柔和な笑み。
事前に男性だと聞いてないと男女判別できないだろう。
クライムは心の中で舌を巻く。
自分も主人に見合う兵士にならなければ。
決意を固める
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「お初にお目にかかります。ラナー王女。本日は急な願いを聞いていただき、ありがとうございます」
隊長は目の前の絶世の美女に挨拶をする。
いや美女というより可憐だ。金髪碧眼、多くの人間が思い浮かべるようなファンタジー世界の王女様
「いえ、大丈夫ですわ。いつも暇ですもの」
少し悲しそうに自嘲気味に
「それで?法国の使者が何用でしょうか?」
「はい、実は王女様に、折り入ってお願いがありまして、」
「私に?私にできることなど、ほとんどありません」
ため息混じりに、悲しそうに、非力そうに両手を握る。
まるで何もできない、何も権力がない、情報さえ入ってこない。箱入り娘のようだ。
そんな自分に、法国の使者は何を求めているのだろうか?
「ぜひ王女様のお知恵をお貸しいただきたい」
この法国の使者は何を言っている。自分は頭の回転が早いわけではない。隣の帝王やレイブン侯のように優秀なわけではない。
表向きは
「…もちろん見返りは何なりと、クライム君を連れて法国に亡命しますか?」
思わず口角が上がる
法国は思っていたより優秀だ
自分がこの国、親兄弟、権力に興味が無いこと、
クライム以外はどうでもいい
見抜かれていた、だが問題はない。帝王に打診するつもりが法国に変わるだけ
「ぜひ詳しく、教えていただきたいわ」
そこに、先ほどまでの王女ラナーはいない。
いるのは自分の願いのために親兄弟、国を売り渡す、
一を聞いて十を知る化け物だった
クライム、法国で一生一緒に暮らしましょ
王女は幸せな未来を想像する