俺だってまだ強くなれる   作:朝鮮朝顔

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フルボッコ

あれから三日過ぎた。

ついにこの日が来た。

嫌だ行きたくない.....

調子乗っててごめんなさい.....

俺一人で漆黒聖典とか言わないからさ.....

 

あの日、前世の記憶を取り戻した時から人格があやふやだ。気弱だった人格、自分が最強だと信じてる人格、どっちも本来のような気もする。

 

端的に言うとこの三日間精神的におかしかった。

どうせ大した事ないって気持ちとフルボッコされたくない気持ちが拮抗してる。

 

 

 

色々考えてる内に迎えが来た。

 

「入るぞ。」

入って来るのは毎度お馴染みの土の神官長。

 

「前も言ったがノックなしか?ボケたかジジイ?」

駄目だ。罵倒にキレがない。

 

「珍しいな。不安か?」

 

やはり見透かされてる。

 

「黙れ。さっさと連れて行け。」

殺気を飛ばすと神官長は冷や汗を流し始めた。

 

「....落ち着け。とりあえず今回はフル装備でやる予定だ。」

 

フル装備?

 

「神の遺産を使ってもらう。」

 

 

「....はっ?!」

 

俺が今まで横暴すぎたため貸して貰えなかった遺産だ。まぁ本人は気にしなかったが。

 

まじで言ってんのか?という今の人格とそれでもフルボッコにされるんだろうなという前世の人格が交差する。

 

「......分かった。」

 

 

「....どうした?やけに聞き分けがいいな。」

 

 

「うるさい。さっさと連れて行け。」

 

いつもは憎まれ口をたたく人間が大人しいので神官長は不思議に思ったが、怒らせたくはないので黙っておく。

 

 

 

魔法の箱に入れられ、

目隠しをされ耳栓をされ連れていかれる。

 

 

(......ここまでするのか)

 

 

おそらく秘密を守るためにだいぶ遠回りをするのだろう。感覚的には右と左、何故か後ろにも下がったりして進んでいく。

この箱に入る時にわかったが、本当は眠らせて感覚を遮断する魔法がかかっているのだろう。しかし俺は抵抗(レジスト)してしまったようだ。

 

 

1時間程経過してやっと開いた。

本来なら眠らせるので苦痛でないはずだが、俺は眠らなかったので暇だった。いっその事突き破ろうかと思ったよ。

俺を運んでいた箱は自動で帰って行った。

 

 

扉を開け、廊下を進んでいく。

1歩進む度得体の知れない何かがいることが分かる。

だがそれでも進んで行く。

 

 

 

少しして扉に出会った。

意を決して開く。

 

薄暗いな。だが、俺より圧倒的に強い少女がそこにいた。

(少女というよりオバロリ?)

この距離で冷や汗が止まらない。

 

髪は右が白銀、左が漆黒。瞳はその逆になってる。俺に興味がないのか壁に寄りかかってルービックキューブをいじっている。

素手だ。武器を持ってない。

 

伝えられた通りに素通りしてその奥にある扉を開けた。

見たことがない武器、防具、書物などが大量に保存されている。その中で一席次と書かれている所の装備を身につける。

ボロボロの槍もあった。

これロンギヌスの槍か?使っていいの?呪文知らないから壊れない槍としてしか使えないけど。

 

 

 

 

 

 

 

置いてあった武装を身につけ、正面に立つがこちらを見向きもしない。

腹立たしいな。

 

本気でやる。

 

 

 

 

「.......」

 

右足に力をいれ、全力で前に飛ぶ。右手で回転を加えながら槍で心臓部分を突き刺そうとする。

 

当たりそうになる寸前で片手で止められる。

 

分かってたが、腹立たしい。

 

手を離してくれたので元の位置に戻る

 

 

 

武技《能力向上》

 

武技《能力超向上》

 

頭の中のリミッターが外れる。

心臓が高鳴る。血管を流れる血が波打つ。

 

 

先程と同じように構えてもう一度全力で突っ込む。先程とは段違いに速くなる。右足から鈍い痛みが伝わる。

 

 

初めて番外席次がこちらを見た。

少し驚いたような顔をしている。

 

槍を寸で避けて俺の脇腹を右足で蹴る。吹っ飛ぶ俺。初めての痛みに顔をしかめるが受身をとる。

 

やべっ体めちゃくちゃ痛いんだが。

 

この武技、時間の制約がある。酸欠みたいに頭が痛い。普通は両方は使わないからな。このまま戦えるのは五分程度だろう。頭で色々考えつつ槍を構える。

 

珍しそうな顔でこちらを見ている。

自分に傷をつけれそうな生物が珍しいのだろう。

 

初めて喋った。

 

「.....少しは期待出来そうね。」

 

「舐めんな。心臓えぐってやるよ」

 

虚勢を張るが時間がない。どうするか…

 

 

 

 

先程と同じように突っ込む。

同じようにに右脚が迫ってきたので急に後に跳ぶ。蹴りが空振りしたので全力で体に突き刺そうとする。

番外席次はそれに対応し残った左足で上に跳んでさける。

踵落としされるが、寸前で横に跳び、避ける。

超接近戦になったので、片手で槍を短く持ち、胸を狙う。右手でなぎはらわれる。槍が遠くにとんでいった。それと同時に衝撃と武技の反動で右肩が脱臼する。

左足で顔を狙って蹴る。

それより近い間合いに入った番外に腹パンされる。吹っ飛ぶ俺。

 

 

 

ゲボフ…ッ!!

 

この体になってから初めて吐いた。右手は脱臼して内蔵にダメージをくらい、武技の反動で全身が痛い。

 

ここまでのようだ。

 

 

「....たしかに今まで戦った中では段違いに強いわね。けどまだ足りない。素で難度200くらい。その武技使って難度260くらいかしら。」

 

今俺70Lvも無いくらいなのか。原作はどうやって強くなったんだよ。

 

痛みで鈍る頭を使って考える。けど無理だ。痛みで何も考えれない。

 

「少しは楽しかったわ。また強くなったら相手してあげる。」

 

それをぼんやりと聞きながら俺は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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