ウマチューバーメイショウドトウ   作:ブリンカー

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歌劇王

 「はーっはっはっは!よくきてくれたねドトウ!歓迎するよ!君達も遠慮せずにボクの輝きを余すことなく撮影するといい!」

 

 

 

 「お久しぶりですぅ~!オペラオーさん!」

 

 

 

 (相変わらずキャラ濃すぎだろ・・)

 

 

 久々の再会を喜ぶメイショウドトウとテイエムオペラオー。その様子を撮影しながらエアシャカールは現役時代から変わらぬテイエムオペラオーの覇王っぷりにタジタジだった。アグネスデジタルは2人の間から後光がなんだのかんだのと言いながら相変わらず気絶しているように見える。この状態でも仕事はできるので、もはや気にすることすらなくなった。

 

 

 

 

 

 

 テイエムオペラオーは現役を引退後、劇団に所属し本格的にその道を歩み始めた。持ち前のカリスマ性と圧倒的な存在感を存分に発揮し、下積みを終え、ついに念願かなって小さいながらも自分の劇団を旗揚げすることができた。あまりに早い旗揚げにまわりからは無謀だの運にめぐまれてるだけなどのやっかみがあった。

 

 テイエムオペラオーは確かに才能あふれるウマ娘だ。レースでも素晴らしい成績を残し、その自信に満ち溢れた言動は妬みを生むこともある。才能任せに今までやってこれたと思う人も多いが、それは大きな間違いだ。テイエムオペラオーの真の凄さは努力を努力と思うことなく経験を積み重ねることができることである。

 

 勝つために努力する。報われるために努力する。その過程はつらく、苦しいもの。ほとんどの人はこういうイメージしているだろう。しかし、テイエムオペラオーにとって、その過程でさえ1つの物語なのだ。厳しい寒さの続く冬を静かに耐え忍んでいた花芽が温かい春を迎え、可憐に花開く。なんと美しいことか。雌伏の時を待つ自分に酔いしれながら迷うことなく目標に向かって走り続けられるのがテイエムオペラオーの強さなのだ。

 

 

 

 「ハヤヒデさんも公演には見に来るといってました~。私も当日は見に行きますねぇ」

 

 

 

 「ハヤヒデさんが?あぁ!ボクという美しい薔薇が咲き誇る姿をハヤヒデさんも鑑賞してくれるなんて。ますます稽古に張りが生まれるというものさ!」

 

 

 

 「今日は稽古の姿を撮影してもいいんでしょうかぁ~?」

 

 

 

 「勿論さ!細かいことはそこのシャカール君とすでに話を通しているからね。おや?名残惜しいがそろそろ稽古の時間だ。積もる話はその後にするとしよう」

 

 

 

 そういうとテイエムオペラオーは劇団員に声をかけ、稽古を始めた。その様子をエアシャカール、アグネスデジタルが撮影しているため、公開稽古という形で始まった。

 

 

 

 「みなさん凄い声がでるんですねぇ。マイクなしなのに凄い迫力ですぅ!」

 

 

 

 メイショウドトウはオペラと言うものに今までなじみがなかった。現役引退した今、様々なものにふれて色々な経験をしてきたが、オペラは始めてだ。稽古なので当然セットもないし、衣装も本番のものでもない。それでも演者たちの真剣な眼差しと演技に心を奪われていた。普段は気絶してばかりのアグネスデジタルも今ばかりは真剣な表情でその様子をカメラに収めている。迫真の演技を目の当たりにしたメイショウドトウはただただ見入るばかりであった。

 

 

 

 「少しばかり待たせてしまったかな?でもボクという舞台で煌めく星を十分に堪能するには短すぎる気もするが・・まぁ時間は有限だからね。早速始めようじゃないか」

 

 

 

 「忙しいのに時間を作ってくれてありがとうございますぅオペラオーさん。早速お話を聞かせてくださいぃ~」

 

 

 

 「いいだろう。君とボクの仲だドトウ。何でも聞いてくれたまえ!」

 

 

 

 こうしてインタビュー形式で始まった2人の会話。親友という2人の間柄を考えるとややカチッとした内容だったが、テイエムオペラオー側としたら劇団立ち上げの初公演なのだ。少しでも手伝えることがあればとメイショウドトウは自分なりに精一杯のインタビューをするが、意識しすぎてうまくいかない。

 

 

 (はわわわわ。私はなんてダメな子なんでしょうかぁ・・)

 

 

 自己嫌悪に陥りそうになるメイショウドトウ。その様子をみてテイエムオペラオーは声をあげた。

 

 

 

 「ドトウ。何を迷っているんだい?君らしくないじゃないか。ボクはいつでも拒むことはない。海のごとく広い心で、空のごとく澄んだ気持ちで、ありのままの君で君の気もちをボクにつたえてくれたまえ!」

 

 

 

 「オペラオーさぁぁん・・」

 

 

 

 涙目になったメイショウドトウだったが、自分の顔をパンパンと両手で叩いて気合いをいれると、少しずつ話し始めた。かつて1着という栄光の座を駆けて走りあった2人。互いを高めあうライバルは親友でもある。砕けた口調になってきたメイショウドトウにあわせて覇王振りが乗ってきたテイエムオペラオー。先ほどの2人の様子とは違い、生き生きとしていた。

 

 

 (用意したカンペが無駄になッちまッたな)

 

 

 エアシャカールはドトウとあらかじめ相談し決めていた質問のカンペをしまうと、進行だけに集中した。下手に操作するよりもこの組み合わせならばありのままがいい。考えをシフトすると時間配分をみて、仕切っていく。それから小話などを挟み、撮影終了となった。

 

 

 

 「ありがとうドトウ。おかげでいい刺激になったよ。劇団のみんなもカメラが入って気合いが入ったのか、いつもよりいい稽古ができた。初公演までさらに磨きをかけて最高のオペラをみんなにとどけてみせようじゃないか!」

 

 

 

 「私も絶対、絶対見に来ますぅ!頑張ってくださいオペラオーさん!」

 

 

 

 「はーっはっはっはっは!覇王の物語第2章の始まりを是非とも見届けてくれたまえ!」

 

 

 

 ――落ち着いてきたら今度はこちらから出向く。と言ってくれたテイエムオペラオーに感謝の言葉を述べながら劇場を去り、帰宅するメイショウドトウ達。メイショウドトウは特にルンルン気分で歩いていたため、実に3度もこけた。しかし機嫌がいいのか、そこまでネガティブにならないまま家につくことができた。

 

 せっかくだから今度会うときはアドマイヤベガとナリタトップロードも誘ってみんなで会えればいいなと思うメイショウドトウだった。

 

 

 

 




 テイエムオペラオーのセリフ回しが難しくて・・すごく・・・すごいです!
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