「お久しぶりですねドトウさん!おや・・?その子が例のタヌキですか?」
「お久しぶりですぅフクキタルさん。この子を本当に預かってくれるのですかぁ?」
「勿論です!運気上昇、幸福万来!そして商売繁盛の縁起のいいタヌキですからね!私にお任せを!ただタヌキがここを気に入ってくれるかどうかは別ですが・・」
メイショウドトウはタヌキ騒動の翌日、休みをもらってマチカネフクキタルの実家の神社を訪れていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「はァ?タヌキを拾ッた?」
「そうなんです・・なにかいい方法はないでしょうかぁ?」
「タヌキって言われてもお前・・」
職員にタヌキが連れ去られるのをなんとか防いだメイショウドトウ。マチカネフクキタルにも連絡は取れ預かってくれるという約束も取り付けることができた。しかし職員の言っていた自治体の許可など細かいことはメイショウドトウにはわからない。そこでエアシャカールにどうすればいいか聞くことにしたのだ。
しかし突然タヌキを保護したと言われても困るのはエアシャカールの方である。エアシャカールは鳥獣の専門家ではない。そしてアグネスデジタルも然り。突然の質問に困るエアシャカールとは反対に、タヌキと戯れるメイショウドトウの姿を見ることができるかもしれないとテンション爆上がりのアグネスデジタル。2人の反応は対照的だった。
「とりあえずドトウ。お前は仕事が終わッて家に帰りついたらまた電話しろ。その間こッちで調べておいてやる」
「シャカールさんありがとうございますぅ。タヌキさん、無事に毎日を過ごせるようになりますよね?」
「あァ。大丈夫だろ。だから気にすンな」
そういうと通話を終えて早速ネットで調べ始めたエアシャカール。そしてアグネスデジタルも同じようにネットで調べ始めた。
(ドトウのやつ。気が弱いのにこういう変なとこだけは傲慢というか、意志が固いというか・・変な所は妙に似てて嫌になるぜ・・)
思えばアイツもそうだったと現役時代の友人のことを思い出すエアシャカール。今頃彼女は国に戻り勤めを果たしているのだろうかと思いながら飲み物で喉を潤しつつ休憩する。
「シャカールさん!これ!みてよこれ!」
アグネスデジタルの声で現実に戻ると、エアシャカールはパソコンの画面を指さすアグネスデジタルの方へ近づき、一緒に画面に映る文字を見る。
「まァこれ通りにすればなンとかなるだろ。ドトウにタヌキの写真とるように連絡しとく」
「あっ、あの!できればドトウさんがタヌキちゃんを抱えた状態の自撮り画像も撮っていたry」
「アイツが自撮りとかいう高度な撮影を出来ると思うか?」
「ですよね~・・でも一度はこの目で見届けたい!」
悔し涙を流すアグネスデジタルを放っておいてエアシャカールはドトウにSNSで連絡をとる。すると、素早い返事が返ってきて同時にタヌキの写真も送ってきた。体は比較的小さい。子ダヌキと言っても問題はないサイズだろう。
「おいデジタル・・って」
名前を呼ぼうと振り向いたとほぼ同時に、どこかと電話していたであろうアグネスデジタルが通話を終えた様子でこちらに片手でグッドのジェスチャーをしている。
「ワクチン接種可能な動物病院抑えてるよ。んで移動用の籠はワンチャンと同じキャリーバックでいいよね?」
すでに指示をする前に要所を抑えている相棒?に感嘆するエアシャカール。
(相変わらず無駄に仕事が早くて助かるぜ。たまにキモくなるのがなくなれば完璧なんだがまァ無理だろうな)
アグネスデジタルと萌え、尊みは切っても切り離せない。これが有能さにつながっているのであれば、これはこれでいいのかもしれないとエアシャカールは思うことにした。
「シャカールさん。ところで今回のタヌキの件動画に回す?」
「取れ高はありそうだが、使う分には少し慎重になる必要があるな」
「野生動物を保護するってことだしやり方によっては炎上の原因になったりするからね。注意しなきゃ」
「だな」
その後、ドトウから電話があり、色々と話し込んだ3人。後からマチカネフクキタルも交えて4人で今後どうするかなどの話を詰めていった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「にしてもこのたぬきすごい人馴れしてますね・・本当は中身が犬だったりしません?」
「わんちゃんにはみえないですけど・・タヌキさんだと思いますぅ。じゃあちょっと着替えてきますねぇ」
そういって服を着替えに行ったメイショウドトウ。その間エアシャカールとマチカネフクキタルはタヌキの今後と動画撮影について確認しあった。
タヌキは最近この神社に現れ、住み着き始めた。そのうち自然に帰るだろうと何日か様子を見たが帰る気配がない、子ダヌキというのもあり、放置したらこのままでは死んでしまう可能性もあるので仕方なくこの神社で保護した。という設定で行くことになっている。勿論ここに来る前に動物病院でワクチンを接種済みだ。
「後は私が自治体に許可を取れば問題ないと言うわけですね!」
「そういうことだ。手間がかかるとは思うがよろしく頼む」
「お任せください!ドトウさんと私の仲ですからね!その代わり今日1日ドトウさんには私のお手伝いをしてもらいます!」
マチカネフクキタルはフンスっと鼻息を荒くして返事をした。足元には少し落ち着かないのかタヌキがクルクルとまわりを回っている。どうやらマチカネフクキタルともうまくやっていけそうだ。それともさきほどの餌の懐柔がきいたせいだろうか。
「お待たせしましたぁ~」
そう言いながらゆっくりと歩いてくるメイショウドトウ。服は巫女服を着ており、草履を久々にはいたせいか、足取りがおぼつかない。
「あわわわ・・!」
そういいながら倒れかけるメイショウドトウをマチカネフクキタルが受け止める。そしてその様子を見ていた1人のウマ娘の宇宙が爆発した。
(ひょ・・・・・・・・ヒョェエエエエエエエエエエエ~~~!!何たる至福!何たる絵!これが神社の御利益なんでしょうかぁぁああああ~!巫女服のお2人を見ることができるだけで今年1年分の運を使い切ってもいいというのにさらにさらにお2人が抱き合う姿がみることができるなんてデジたんはなんて幸せ者なんでしょうか~~!!??そしてドドウさんがタヌキを抱え・・あ)
マチカネフクキタルに助けられて態勢を整えたメイショウドトウ。真のご主人?の登場にちょっとだけ喜んでいるように見えるタヌキを抱きかかえてえへへとはにかむメイショウドトウの姿にアグネスデジタルは力尽きた。そして構わず動画撮影の準備をしているエアシャカール。
(念のためカメラ回しておいたが正解だったな。こういうちょっとしたシーンはショート動画で上げてもいいかもしれねェ)
エアシャカールはアグネスデジタルにカメラを渡すと撮影態勢に入る。2人と1匹の開幕挨拶による動画撮影が始まった。
今回はこういう方法でタヌキを保護させていただきました。タヌキの保護に仕方などについてこれは違うのではないかという意見があれば教えていただけたら幸いです。