カタカタカタと無機質な音が部屋に響く。エアシャカールはいつものように動画の編集をしていた。アグネスデジタルは用事を済ませてきてからくるとのことだったので、今は1人だ。いつも騒がしい相方がいないことにちょっとだけ違和感を感じながら作業を進める。
「いやー遅れましたすみません!デジたん只今戻りました!」
「おぉ。こっちはもう始めてるからそっちも適当にやッておけ」
「遅れた分はパパっと済ませちゃうんで任せてください!それにしても店頭に並んだ甲斐があったよ~。手に入って幸せぇ~・・・あっ、これお土産です」
どうやらお目当てのグッズ購入のためにお店に並んでいたらしいアグネスデジタル。飄々とした態度で椅子に座ると何かを口にくわえながらパソコンをカタカタと触り始めた。
(なんだこりャ?)
袋に手をつっこみがさがさと中身をあさくる。ほんのり温かいので食べ物のようだ。袋から取り出したそれはさらに紙袋に包まれていた。熱気で少しだけへなっている紙袋からとりだしたそれは美味しそうな匂いを放っていた。
「今川焼きじゃねェか。これ美味いよな」
「え?回転焼きだよね?これ」
「は?」
口にほお張ろうとした瞬間、アグネスデジタルから予想せぬ答えが返ってきたことに驚いたエアシャカールは思わず手を止めた。アグネスデジタルも思わず振り返り、互いに目があう。
「これは 今川焼き な」
「いや、どうみても回転焼きですよこれ」
「・・・」
「・・・」
「なぁ、次って確かドトウを含めて4人コラボの撮影あるよな?」
「うん。めっちゃ楽しみにしてます。この世で4人のコラボを一番楽しみにしてるという自負が私にはあるぐらい楽しみにしてます」
「これ、使えると思わねェか?」
椅子を引きながら今川焼き?を食べながら問いかけるエアシャカール。その問いの意味を一瞬で理解したアグネスデジタルはムフフといつも通りの顔を浮かべながら妄想に入り始めた。
「はーっはっはっは!今日というこの日に僕たち4人が集えたことをまずは祝おうじゃないか!」
「4人で集まるのも本当に久しぶりですね!私楽しみにしてました!」
「相変わらずうるさいわね・・」
「みんなで集まれて嬉しいですぅ~」
とある日。今日はメイショウドトウの家にテイエムオペラオー、ナリタトップロード、アドマイヤベガと4人が集まっていた。現役時代以来の4人同時の再会。4人に加え、エアシャカールとアグネスデジタルも撮影のため計6人と人数に対して部屋の広さが追いついてないが、狭さよりも懐かしい友人達とこうして再会できた喜びのほうがメイショウドトウにとっては大きかった。
「ところで・・・この前の動画をみたけど随分と楽しそうだったじゃないドトウ」
「えっ?牧場に行った時のことですか?とても楽しかったですぅ~」
「そう・・・」
少し残念そうな顔をしているアドマイヤベガ。自分も何故牧場に連れて行ってくれなかったのか。まるでそういわんばかりの顔をしているが、メイショウドトウはニコニコと話ながら当時のことを話している。
(これ微妙にすねてませんか・・?)
(うーむ・・ドトウはまだ気づいてないみたいだね)
テイエムオペラオーとナリタトップロードはひそひそ声で2人の様子を伺いながら話す。言われてみれば、アドマイヤベガはちょっとむくれたような顔をしながらドトウを見ている。何か約束をしていてそれを破られたようなそんな顔だ。あからさまというわけではないが、メイショウドトウの話を聞いているアドマイヤベガは少しずつしょんぼりし始めている。
(ドトウのやつみんなと再会できた喜びがでかすぎて周りの様子伺ってねェ・・ちょっと早いがもう渡させるか)
エアシャカールはアドマイヤベガの機嫌を上向きにするため段取りを変更して最初に牧場のお土産を渡すようにメイショウドトウにカンペで指示した。メイショウドトウはそれに気づき、アグネスデジタルから手渡されたお土産を3人の元へ持ってきた。
「あのぉ~。これこの前牧場に行った時のお土産ですぅ~。良かったらおうちに飾ってください~」
「ああっ!ただでさえ美しいボクにこんな可愛いぬいぐるみを合わせたら一層輝きがましてしまうじゃないか!美しく、そして可愛い。マ子にも衣装。ボクにリューイチ。最高の組み合わせだね!」
「わぁ~!ありがとうございます!羊ちゃんのぬいぐるみ可愛いですね!お部屋に飾って大事にします!」
「大事にするわ。ありがとう」
それぞれそう言いながらぬいぐるみをうけとる3人。何故かアドマイヤベガのお土産だけやけに多かった気がするが、気にしないテイエムオペラオーとナリタトップロード。何か事前に約束でもしておいたのだろうと、察しのよさを発揮する2人。2人はお土産を脇に置いて再び喋り始めたのだが、アドマイヤベガだけはぬいぐるみを膝の上に置きながら軽く抱きしめるような姿勢で喋り始めた。メイショウドトウは自分が選んだぬいぐるみが気に入ってもらえたようで嬉しい気持ちになった。
(ひょぇぇぇ~~~~~~!ぬいぐるみを抱きかかえながらニコニコしているアヤベさん可愛すぎるぅ~~!!ギャップ!これが萌えギャップ!アヤベさんの普段クールな所がこのもこもこ羊というぬいぐるry)
スタッフが1名早速脱落したところで、エアシャカールは今日の企画を進めるようメイショウドトウに指示をだした。
「今日は皆さんとお話をしたいと思っているのですけど、その前にちょっとしたゲームをしたいと思いまぁす」
そういうと机の上に?の箱をかぶせられた物が出される。この箱の中にある物の正式名称を時間内に答えるというちょっとしたゲームだ。4人は早速問題にチャレンジしていく。
「じゃあまずはボクが開けようじゃないか。いざ!」
そういうとテイエムオペラオーは箱を開ける。中には皿の上に水色の小さな物体がポツンと置いてあるだけだった。
「これは・・?」
「これって・・あれですよね・・あれについてる・・」
「食パンの袋に大体ついてるやつね・・あなたの語彙力って相変わらず・・」
「これの正式名称ってあったんですねぇ~。食パンについてるアレっていつもよんでましたぁ~」
4人はそれぞれ思い思いのままに答えるも、なかなか当てることができない。そして時間が過ぎてタイムアップとなった。普段なかなか気にすることがない物の名前なので当てることができない。地味な企画だが、トークの前座としては十分だろう。次々と新しい問題が出されていく。
「次は私があけますね・・それっ!・・?写真ですねこれ」
「これはあれじゃないのかい?港で足をのせて美しいポーズをとるための物体だろう?」
「絶対違うわ・・」
「御船をロープで固定する時に使うやつっぽいですぅ」
これまた普段かかわらないような物体を出された4人。相変わらずとんちんかんな答えを連発していく。これも結局わからないままタイムアップとなった。
「初回からこんな難問ばっかりとは想定外だわ・・」
「意外と難しいですぅ・・」
なかなか当てられない4人に差し出された次の箱。箱にてをかけたアドマイヤベガはすっと持ち上げて皿に置かれた物をみる。これは当てられそうだと4人が笑顔になった。
「これは私わかりますよ!大判焼きですね!」
「何を言ってるのかしら。これは今川焼きよ」
「やれやれ。2人とも間違っているみたいだね。これは回転焼き。君もそうおもうだろう?ドトウ」
「えっと・・私はおやきかなぁって・・」
綺麗に分かれてしまった4人の意見。それから4人はヒートアップしてこっちが正しいだのそっちが邪道だの盛り上がっていた。
「いい?これは今川焼きなの。これは昔からそう呼ばれているでしょ?」
「落ち着きなよアヤベさん。今川焼きもいい名前だが、これがつくられている様子をみたことがあるかい?回しながら焼き色をつけていくのさ。名は体を現す。これは回転焼きこそ最も相応しい!」
「まぁまぁ2人とも言いたいことはわかりますけどここはやっぱり大判焼きでいいんじゃないでしょうか?」
(あわわわわ。皆の意見がバラバラですぅ)
アドマイヤベガも珍しく声をあげながら意見を述べている。そして意見を譲らないテイエムオペラオー。ちゃっかり大判焼きで統一させようとするナリタトップロード。 おやき をこっそり食べながら3人の様子を見守るメイショウドトウ。控えめにいってカオスな展開になっている。
「はぁ・・このままじゃ埒があかないわ。今川焼きってなんでわからないのかしら。ねぇドトウ、あなたもそう・・ってあなた何食べてるのよ!」
「はわわわわわ、すみませぇん!」
そう言いながらも おやき は手放さないメイショウドトウ。名前当てクイズが思わぬ物体の登場で脱線していくのであった。
腰をやってしまいました。最近治療のために湯治に行っているので更新が遅れます。