ウマチューバーメイショウドトウ   作:ブリンカー

7 / 32
すごく・・・すごいです!

 「こんにちは!ドトウちゃんお久しぶりですね!」

 

 

 

 「トップロードさん!お久しぶりですぅ~!」

 

 

 

 「こんな尊い2人の姿を無料で見ることが許されるんでしょうか!?時を超えて再び巡り合った戦友同士がこうやって再会を喜ぶ姿にデジたんはもう我慢ができなぃよぉ~!!??レースでは争っていたいた2人もこうし、あっ」

 

 

 

 きゃっきゃとはしゃぐ2人の様子をカメラに収めていたアグネスデジタルは2人が手を合わせていちゃつき始めたその瞬間、俗に言うエモいという感情がアグネスデジタルの体中を駆け巡り、アグネスデジタルの中のキャパシティが耐えきれなかったようで、気を失ってしまったようだ。

 

 

 (コイツ気絶してるのにカメラを支えてる手だけはしッかり動かしてやがる。気絶するか撮影するかどッちかにしろよ・・)

 

 

 エアシャカールは器用に立ち回る?アグネスデジタルを見ながら内心で呟くと今日の撮影の最終確認をする。本当は自分が撮影して動画撮影時の進行はアグネスデジタルに任せたかったのだが、アグネスデジタルいわく、――カメラ越しでも危ないのに直接推しのウマ娘ちゃん達を拝んだら身が持たない――と訳の分からないことを言っていたので仕方なくエアシャカールがやることになったのだ。

 

 

 (まァこういう役割も悪くねェ)

 

 

 メイン2人の話している様子を見ながら頃合いをみて、カンペをだして指示をだす。元々エアシャカールは鋭い洞察力と観察力、それに加えて緻密なデータ収集、管理を得意としているウマ娘だ。会話の流れを読み、いかにスムースに撮影を進行させるか。そして動画として完成し見返した時に自然な面白さ、無駄のないやり取りが合わさって1つの完成品としてその動画が世間に評価されるのは気持ちのいいものだった。

 

 アグネスデジタルが企画立案、撮影や編集、エアシャカールはアグネスデジタルからトレンドを仕入れ、その情報に沿ってマーケティングして情報をとる。そしてそれを活かして人気の出そうな内容を2人で決定していくスタイルとなりつつある。動画再生数の多さはメイショウドトウ本人の人気もあるが、それにあぐらをかくことなく支えている2人の活躍もあって、メイショウドトウの動画は快進撃を続けていた。快進撃を支えるもう1つの柱として、動画の合間合間に入れるBGMもエアシャカール本人が趣味でやっている楽曲作成を活かしているのである。動画の内容もさることながら、自分の作った曲がコメント欄で高評なことに密かに喜んでいた。

 

 固まったように動かない(手首は動いている)アグネスデジタルを横目で確認しつつ、頃合いとみて指示をだす。カンペをチラッと確認したメイショウドトウだが、視線がちらちらと泳いでいるのがバレバレだ。それなりに数をこなしているはずなのだが、一向に手際よく確認できないメイショウドトウにエアシャカールは呆れながらも、企画は進んでいく。

 

 

 (まァそれがドトウの良さなのかもな)

 

 

 

 「えっとぉ~。改めまして、今日はナリタトップロードさんがゲストとしてきてくださいましたぁ~」

 

 

 

 「ナリタトップロードです!本日はよろしくお願いします!」

 

 

 

 パチパチと笑顔で一生懸命拍手するドトウと自己紹介した後にこちらも笑顔となりパチパチと拍手する2人。その様子を撮影しているアグネスデジタルからは言葉には出さず何やら口をパクパクと動かして言葉を紡いでいる。

 

 

 

 「あの・・デジタルさんの具合が悪そうなのですが大丈夫なのでしょうか?」

 

 

 

 「あァ大丈夫。いつものことだから問題ねェ。気にせず続けてくれ」

 

 

 

 「デジタルさんは何故かああなってしまうんですぅ・・いつも心配なんですけど本人が気にしなくていいって・・」

 

 

 

 そういう感じか。とナリタトップロードは1人納得すると、気持ちを切り替え、撮影モードに入る。華のあるルックスと爽やかさ、何事にもストイックに取り組む姿勢、そしてちょっぴり不器用ながらも最後まで諦めずに色々な企画をやり遂げるナリタトップロードは今や人気のウマ娘タレントだ。こういった企画にもなれているだろうが、エアシャカールに事前に受けた説明では――気楽に友達といるような感じで話してほしい――と言われていたが、カメラが回るとどうしても意識してしまう。やるからには全力で。愚直なナリタトップロードならではの取り組み方だった。

 

 

 「え~っと、え~っと。今日は旧友のナリタトップロードさんと私メイショウドトウが用意した様々な食べ物を食べてレビューをしていきたいと思いますぅ」

 

 

 

 「食レポってことですか?先に言っときますけど私こういうの得意ですよ!」

 

 

 (それ本気で言ッてんのか?まァそれが狙いでこっちはこれを企画したんだけどな)

 

 

 ナリタトップロード側との交渉が上手くいった時、アグネスデジタルとエアシャカールは2人で企画を練り上げていたときに、この企画が真っ先にあがったのだ。アグネスデジタルに理由を聞くと、――すごくすごいから――と言う訳のわからない返事をもらって内心切れそうになっていたが、アグネスデジタルが見せてきた動画をみて納得してしまった。一言でいうとロジカルではないのだ。テレビ局で撮影されたであろう番組の一部が切り抜かれて動画化していたようで、そのシーンはナリタトップロードがランチの美味しいお店を回るというごくありふれた番組だった。が、その中身が問題なのだ。語彙力がまるでない。が美味しそうに食べる上に見栄えがいい。グルメ番組としては致命的なのだが何故かこのコーナーは人気だという。全く理解できないエアシャカールだったが、世間がこれを望んでいるならやるべきなのだろう。非ロジカルなことにどことなく納得できなかったが、これを上手く調理するのが自分の仕事だとエアシャカールは気持ちを切り替え撮影に臨んだ。

 

 

 

 「あと、レビューをした後はレースゲームでトップロードさんと私が対戦する企画もありまぁす」

 

 

 

 「わぁ、それは楽しそうですね!美味しい物を食べてレースにも勝つ。今日は気持ちよく帰らせてもらいますよ!」

 

 

 

 「わ、私も負けませぇん!」

 

 

 

 「いいからお前ら早く食えよ」

 

 

 

 こうして地獄?の食レポ回が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 




 私自身がキャラ同士の呼び方が曖昧なキャラがいるのでもし気づいた方がいらっしゃったらご指摘お願いします。

 例 メイショウドトウ 〇トップロードさん ×ナリタトップロードさん
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。