魔術師になりました(泣)   作:アーロニーロ

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グラブルの周回やfgoのイベントでゴールデンウィークを使い果たしました。そして、投稿を忘れてました。すみません…。


検証(パート1)

 何度か吐きそうになったが果実を食べることができた。果実に含まれている水分を余すことなく摂取した時、体中に何かが染み渡る感覚を得たと同時に、力が湧いてきた。現に立ち上がることも出来るし。因みに味はゲロまずだった。あの極限状態で不味く感じるってどんだけまずいんだよ、あの果物……。そんなこんなで立ち上がると

 

 目の前には陸地があった。

 

 ようやく、見つかった。その思いが胸の大半を占めると同時に希望やら力やらがさらに湧いてきた。久々の大地、というか陸地に足を踏み入れる。あまりの安定感に涙が出そうになった。しばらく感動に打ち震えてから立ち直り、歩みを進める。

 

 すると、数分もしないうちにだいぶ大きめで綺麗な川が見つかった。あまりの衝撃に一瞬俺は固まった。頭の中で『え?水?ほんもの?』やら『こんな都合のいい話があるわけがないきっと明日は槍が降るな』などと色々なことが頭をよぎったがそんなものは全て吹き飛んだ。

 

 気づいたら俺は走り出していた。川目がけて一直線に。そして、ぶっ倒れる様に頭から池に突っ込むと同時に水を全力で啜った。後になって水質やら何やらと思い付いたのだが、そんなことはこの瞬間ではどうでもよかった。

 

 水だ!若干、五日ぶりの水だ!

 

 そんな考えが頭の大半を占めると同時に俺は口に含んだ水を飲み干した。味はないはずだ。なのに、あまりの美味さに体が震えていた。感動し、涙が溢れない様に上を向いた。そして、俺はこの時の光景を一生忘れないものをみた。

 

 オーロラが広がっていた。普段街明かりに照らされて見えなくなってる星も一緒に散りばめられていてそれはもう美しい光景だった。

 

 ぶっちゃけ、北の海(ノースブルー)でオーロラはさほど珍しい現象ではない。実際、俺も生まれ故郷(フォーチュンテリング島)で何度かオーロラを見かけたことはある。

 

 原理はよくわからない。地球と同じで北極を起点・終点とする磁力線に沿って、一部の太陽風だけが北極に来ているのかもしれない。でも、この世界では判明していないらしい。

 

 見慣れた光景だ。普段ならば気にもとめないはずだった。なのに俺はその光景から目を離せなかった。そしていつのまにか俺は、

 

「く、フフフフフ、ククククククク、アハハハハハハハ!!!

 

 大声で笑いながら大粒の涙を流していた。気づけば俺はその光景を受け止める様に大きく手を広げていた。これが極限状態から解放された安心感からくるものかはわからない。しかし、それでも俺はこの何でもないはずの光景に大いなる何かを感じずにはいられなかった。もしも、神とやらがこの世界にいるのだとしたらこんなものを与えてくれる神の気まぐれさに俺はさらに笑みと涙をこぼすことしか出来なかった。

 

 何も持っていないというのに、どうしてか胸が満たされる。自由ってのはこういうのを言うんだろうなと思いながらさらに笑みを深める。

 

 俺は手を大きく広げたまま後ろに倒れ込んだ。そして、改めて誓えた。胸張って生きてやろうって。そんな思いを胸に俺は久し振りに安心して眠ることができた。

 

○島流し×月I日、晴れ

 

 何日か日記を書けない日があったが、今は問題なく書くことができる。正直、あの時『あの果実がなければ死んでたなぁ、俺』って思う程度にはやばかった。でも、あの果実のなっていた場所は陸地になっていて歩いて数分もしないうちに水場に辿り着いた時は本当に嬉しかった。しばらくはここを拠点にしていきたいと思う。

 

○島流し×月j日、晴れ

 

 久し振りに睡眠できた気がした。体がバキバキになっていたから『せめて敷物は欲しいなぁ』的なことを考えていたら、手から藁が生えてきた。突然の出来事にギョッとした。

 

 何故急にこんなことになったのか色々と原因を考えたが、思い当たるとしたら原因はあのくっそ不味い果物だろう。あれを食って、あまりの不味さに耐えながら寝て起きたらこうなったのだ。

 

 というかあの実、今更だけど悪魔の実じゃね?島にいた知り合いが食べてるの見たことがある。それに、軽く海水にどっぷりと浸かった湿地に手を突っ込んだら力があからさまに抜けていくのを感じ取れた。

 

 そして、この悪魔の実が何なのかはすぐにわかった。

 

 だって当たり前だ。この実は原作でこの肉体が、バジル・ホーキンスが食べる悪魔の実だからだったからだ。ここまで揃っているなら間違えるはずがない。だって俺はこの体の持ち主が何者で、一体どんな能力を持っていたのか、一日に一回はノートに綴る、もしくは暗唱していたのだから。断言できる。調べるまでもなくこの実はワラワラの実だ。

 

○島流し×月k日、曇り

 

 少し一雨降りそうだったが特に降ることなく1日が終わった。とりあえず一通り自身の能力を試してみた。これは以下の通りにまとめる。

 

・強度→通常の藁よりは確実に頑丈。引っ張ったり木に括り付けてぶら下がってみたが千切れることはなく、俺を容易に支えられることが出来た。だが、ティルフィングであっさりと切れてしまった。結論から言って何かを縛ったりするには有用。が、切断などに弱い様に感じられた。

 

・実用性→正直、あまり思いつかない。強いてあげるなら頑強な割に肌触りが良く熱を流しにくいことから布団がわりに使えるなぁ、くらいだった。上記にもある通り縛るのには有用ではあるが、戦闘に使えるか?と聞かれたら微妙と言わざるを得ない。

 

 確認してみたけど、よくこんな悪魔の実で(ホーキンス)が最悪の世代にカウントされたなぁと思わざるを得ないほど酷い悪魔の実だった。しかも、カナヅチになった上に水に触れたら力が抜けるという、この湿地帯で致命的な欠点を抱えてしまった。とりあえず今日は療養ついでにふて寝する。

 

○島流し×月L日、晴れ

 

 思い出した。島流しくらってこっち来て色々あったから忘れてたけど思い出した。そうだ、ホーキンスの能力って藁使った攻撃がほぼなかったわ。

 

 取り敢えずザッと思い出した感じ、能力を発動すると通常よりも巨大化して非常に厳ついデカい藁人形みたいな姿に変貌する。指も藁のようになるからか、細いものならその藁を触手のように巻き付けて持つ事が可能。その特性を利用して五寸釘を指で持ち、武器として振るうみたいな攻撃もしてた。まだ能力が判明してなかった時に友達(前世)が色々と考察していた際にそうまとめていたのを若干だが覚えている。

 

 取り敢えずだが、1番の疑問点は五寸釘である。なんで、藁なのに五寸釘?釘関係なくね?的なことを思ったがすぐに思い当たる節があった。

 

 そう、丑の刻参りだ。

 

 あれは確か藁人形に五寸釘を打ち込んで相手を呪う的な儀式だったはずだ。そこまで考えてあることに気がついた。悪魔の実で一番重要なのは技量や実力ではなく想像力、所謂自由性なのではないかということだ。

 だから、取り敢えず想像、というよりも連想してみた。左手を藁に変えた後に連想開始。藁と言ったら藁人形。藁人形と言ったら五寸釘。そう考えて恐る恐る目を開けると指の先端に五寸釘が括り付けられていた。予想が的中した時、俺はほくそ笑んでいた。今日は気分良く眠れそうだ。

 

○島流し×月M日、晴れ

 

 昨日の感覚を忘れずに実行に移してみたが、問題なく成功した。そして一昨日の様な事態を避けるべく、(バジル・ホーキンス)の持つ悪魔の実の能力を確認してみた。

 

 1.体を藁に変化できる。

 2.藁を生み出し、巨大な藁人形を操る事ができる。

 3.他人の分身である藁人形を体に宿し、ダメージを肩代わりさせる事ができる。

 

 他にも、刀身を藁にして相手を斬りつけるなども可能だった筈だ。それでもこの悪魔の実の最大の特徴は呪術的な能力にある。体内に藁人形(ストローマン)と呼ばれる小型の藁人形を仕込み、これを媒体に自分が受けたダメージを他者に移す事ができることだ。

 

 例えばホーキンスが大爆発に巻き込まれた場合、体内の藁人形がそのダメージを肩代わりするように炎上、同時にダメージを全くの別人に移転させ、対象となった人物は訳も分からないまま爆炎に包まれて大火傷を負う。そしてダメージを受けて使い物にならなくなった藁人形はそのままホーキンスの体内から排出される。

 

 うん。少し違う点もあるけど丑の刻参りによく似ている。ダメージの転移の原理は恐らくだが自身の体を藁人形と見立てて、丑の刻参りに似た儀式を行っているのだろう。けど、今はこの能力は今は無視させてもらう。理由は相手がいない以上試しようもない上に、慣れてない悪魔の実の操作故にそこまでは現状出来ないから条件や制約なども不明だからだ。一応、藁人形を作れる様に努力はしてみるつもりだ。

 取り敢えず、今日はここまで。体も癒えてきてそろそろ本格的に再度動き出してもいいかもしれない。

 

○島流し×月N日、晴れ後曇り

 

 そして今日は軽く散策してみた。流石にいつまでもじっとしてたら体が鈍ってしまうからだ。新しい能力、しかも悪魔の実を試すことも兼ねていたためかちょっとだけワクワクした。しばらく歩いていていたら、サーベルタイガーの様な動物と遭遇。手を藁に変えて攻撃しようとしたのだが、遅すぎたためか簡単に先手を取られて体に体当たりをくらい――――ボスッという音ともにサーベルタイガーのアタマが俺の体を貫通した。

 

 俺は思わず「ファッ⁉︎」っという声を出したし、相手も「ガウッ⁉︎」という鳴き声をあげて両者共に驚いた。取り敢えずすぐに立ち直った俺は指の先端に五寸釘を括り付けた腕を鞭のようにしならせて叩き込んだ。威力は思っていた以上に高く、サーベルタイガー(仮)の首をあっさりと吹き飛ばした。想像以上の威力にびびらされたがそれ以上に悪魔の実の能力の慣れてなさにビックリした。取り敢えず、実用的になるまでは剣のみでの戦闘を心がける様にする。

 

○島流し×月O日、晴れ

 

 昨日のことから打撃や貫通技には強いことがわかったが、悪魔の実以上にこの拠点にいた時から悩まされていることにそろそろ向き合おうと思う。

 まあ、その症状というのがだ。何というか、声が聞こえるのだ。この島には人がいないためか声と言っても「ギャーギャー」や「シャーシャー」やら獣の声のみなのだ。ただ聞こえるだけなら近くに何かいるのだな、で片付けられる。が、なんというか聞こえるというよりは頭の中に直接響く様な感じだった。気持ち悪くはないが、落ち着かない。気配があちこちから感じられる。悪魔の実を疑って水に浸かってみたが、やはり治らなかった。集中力が欠けるからやめて欲しい。

 

○島流し×月P日、曇り後雨

 

 【朗報】藁人形の生成に成功【やったぜ】。

 

 こんなスレが立ちそうなくらいには嬉しかった。今日のメインテーマは上記にもある通り小型の藁人形の生成に成功した。雨が原因か、それとも俺の能力の扱いの問題か、それとも両方か。個人的には最後者だと思うが動くことはなかった。それでも形作ることができただけでもとても嬉しかった。今日は短いがこの辺にしておこうと思う。

 

○島流し×月Q日、晴れ

 

 自身の剣術と藁の剣の複合がようやく形作られてきた。一対一から多対一まで幅広く使えると我ながら思っている。技名は『鄒霊剣』と名付けた。あと、小さな藁人形が歩いた。昨日の今日でここまで扱えるなんて流石に天才じゃね?と我ながら自画自賛しそうになった。が、流石にやめた。自画自賛した結果慢心して馬鹿を見たのは経験済みだったからだ。すぐに気を引き締めて能力の開発にひたすら勤しんで1日を終えた。気配がやたらと感じることについてなのだが、深く集中すればするほど、声の聞こえる範囲が広がったからなのか声がさらに喧しくなった。どうにかしたいがなんなのかわからない以上、どうしようもない。

 

○島流し×月R日、晴れ後曇り

 

 うごいた。





 ワンピースに詳しくない主人公がここまではっきりとホーキンスの能力を知っている理由は書いてある通り、赤子の時は一日中、字が書ける様になってからは一日に一回はホーキンスの能力でできることを書いたり、暗唱をしていたからである。正直、何度か狂いそうになったとのこと。
 ホーキンスの能力を暗記したのと引き換えに原作主人公の能力すらも忘れたらしいよ。
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