水を飲み、一息つくと
今自分が置かれている状況について考え始めた。
服は死んだであろう時に着ていた甚平で、裸足、手には真剣、携帯もなく、勿論一文無し。
(詰んだ…)
このまま街に降りた所で警察に職務質問され、銃刀法違反で署までご同行願われるのがオチである。
(とりあえず道路に出よう)
川に沿って歩けばいつかは道路に出られる筈である。
そう考え俺は歩き出した。
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しばらく歩いていると、狭い道に出た。
それもコンクリートですらない舗装された土の道だが、それでも有り難かった。山の斜面を歩くのは結構疲れるのである
(休憩休憩っと…)
道に立っているお地蔵さまの隣に腰掛け、
うつらうつらしていると、小さな足音が聞こえてきた。
目を開くと、10歳程の少女がこちらに歩いてきていた。
「お嬢ちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
そう話しかけるとその少女は恐怖に顔を染め、
「食べないで下さい…お願いします、ごめんなさい」と言った。
(は?)
一瞬思考が追いつかず、間抜け面を晒す羽目になってしまった。
(そういやあの女が何か言ってたな)
先程言われたことを思い出す。どうやら妖怪というものを信じる風習がある集落の近くらしい。
「お嬢ちゃん大丈夫、俺は鬼じゃあない。」
「そうなの?でもお角生えてるよ?」
「これは…アレだコスプレってやつだ」
「こすぷれ?よくわかんないけどよかったー!食べられちゃうかと思った!」
「おう良かったな、じゃあ幾つか聞きたいことがあるんだが…時間大丈夫か?お母さんに呼ばれてたりしないか?」
「大丈夫だよ!」
「じゃあ質問だ、ここは何県何市かわかるか?」
「けん?し?よくわからないけどここはつくよみ様の国だよ!」
「月夜見?ってあの神様の?」
「そうだよ!」
俺は、相当やばい宗教団体が牛耳っている集落に来たかもしれない。月夜見ってなんだよ月夜見って。
「あーじゃあもう一つ質問だ。今西暦何年?」
「せいれき?今はげつれき6000年だよ?」
「月歴?」
月夜見だから月歴か、本格的にやばい村かもしれんな。
とりあえずここから離れよう。
「そうかお嬢ちゃん、色々すまんな時間を取らせて。お礼にこれをやろう。」
俺は刀に付けていた2つある鈴のうちの1つをお嬢ちゃんに渡した
その少女は目を輝かせて
「ありがとう!鬼さん!」
そう言って駆け出して行った。気を付けてな。
あ、こけた。
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