センジュとの初遭遇から数日後、目に見えて特異なアラガミが増えた。
オウガテイルと連携しながら戦うヴァジュラ、ザイゴートを囮役として狩りを行うサリエル、群れとなって移動するクアドリガ、
アラガミの高い身体能力や五感で偵察や尾行も直ぐに振り切られ、まともに特異なアラガミ達の情報が集まらないのも不安要素として神機使い達に危機感を充満させていた。
ペイラー・榊のラボにて、2人のルーキーゴッドイーター、神崎 優奈と藤木 コウタがペイラー・榊の臨時講習を受けていた。
「さて、今日のお題は『人を襲わないアラガミ』だ。この前のお話で今までのアラガミは、『人類の敵』 『絶対の捕食者』 『世界を破壊するもの』……こう評されるものと話したし、実際そういうアラガミが全体を占めていた。だけど最近になってイレギュラーが発生してね……その中でも極めて異常と言えるのがセンジュだ。その特異性は実際に遭遇した神崎君がよく分かるんじゃないかな?」
「はい!まるで私達を助けるかのように戦っていて、ダークヒーローにも見えました!それにですね! 私達が戦闘態勢をとったときも「「ストップ! それ以上は脱線する」」……あの、まだまだ話したい事がいっぱいあるんですけど……」
ペイラー・榊の問いかけに神崎はちょっとヤバめな感じで答える。
流石に話が脱線しすぎると判断した2人が止めたが、神崎はやや不満そうだ。
「ごめんね? 君の話も興味深いけど、「え?」今は人を襲わないアラガミの講義なんだ。空いてる時間になら幾らでも話していいから後で……ね?」
そう言ってペイラー・榊は人差し指を口元に当てて静かにするようにと神崎に求める。
神崎は頭を搔きながらごめんなさいと言い、ペイラー・榊はよろしい、と言いながらモニターを指し示す。
「人を襲わないアラガミと通常のアラガミ、これを見分けるのは実に簡単なんだ。それはレーダーに反応するかしないか」
「え? そんなアラガミがいるんですか? というかこの前の話でレーダーはアラガミ特有のエネルギーを探知してるって……」
コウタの疑問も尤もである。
何せ彼は神崎と違い、Xが擬態したアラガミとは1度も遭遇していない。
最近増殖スピードが加速したとはいえ、それでも総数は圧倒的に本物のアラガミが占めているのだ。
「うん。君の疑問も尤もだね。でも、あまりにも情報が少なすぎるんだ。だけど、特異なアラガミの中でも共通点は2つある。いかなる時も人間との接触を最優先で回避する、レーダーに探知されない。……ここで何か違和感や疑問が浮かばないかい?」
ペイラー・榊の目が極限まで細まる事で、ただでさえ胡散臭さ抜群の雰囲気がさらに酷くなる。
そこにコウタが思った事を口に出してみる。
「えっと、話を聞いた限りじゃまるで誰かから命令されてるみたいに感じました……アラガミにしては高い知性を感じられるような気がします」
「そう、特異なアラガミの奇妙な部分として、あまりにも綺麗に統率されているんだ。不気味なくらいにね……僕はその統率を行っているアラガミが存在しているんじゃないかと睨んでいる」
「もしかして、その統率を行っているアラガミって……!」
神崎の目がぱあっと見開かれて瞳の輝きが際立つ。
「そう。僕はその統率を行っているアラガミはセンジュなんじゃないか? ……そう思っている。センジュは特異なアラガミの中でも特に知性を高く感じられるからね。リーダー格、或いはブレーンと考えるのが自然だ」
「つまり、センジュさんへの動き次第ではこの特異なアラガミの動きも変わるかもしれない……?」
「そうかもしれないね。だから僕は経過観察にとどめるべきと考えている。 ……さて、今日の講義はこれにておしまいだ」
特異なアラガミの正体にひとつずつパズルのピースを嵌めるように近づいていくが、彼らが答えに辿り着くことはあるのだろうか……
さて、ここからは読者の方々のオリジナル擬態アラガミを募集します。とりあえず現状はバーストまでに登場したアラガミだけ使うならOKです。それさえ満たせば堕天だろうが接触禁忌種だろうが素材に使って大丈夫!