麺処・ロアナプラ亭~悪党達に愛されたとある料理人の生き方    作:37級建築士

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オリキャラ登場します


(13) 副業 ※主人公含めてオリキャラの紹介

 

~過去回想~

 

 

 

 

 店を閉めた。理由は単純、材料不足だ

 

 豚骨も無い、鶏がらも昆布も鰹節も煮干しも、さらには醤油やみりん酒、日本から仕入れていた調味料も尽きてしまっている。

 

 代用品は手に入らないことは無い。だけどここはロアナプラ、こんなナリの僕が市場に仕入れに行っても門前払いもあるし、なによりまともな品質のものを求めたらまず見つかりはしない。安くて良いモノなんて贅沢、ここでは干し草の山から針を探すよりも難しいことだ

 

 元々、僕にラーメンを教えた師匠の伝手である仕入れルート、タイ人で日本の流通ルートを持っている人で、そこに頼っていたおかけでぼくは日本の食材を得られていたのに

 不運なことに、師匠の友達のおじさん(タイのバンコクに会社を置いてたからバンコクのおじさんとぼくは呼んでいた)は厄介なマフィアに目をつけられてしまった。

 

 バンコクのおじさんのもとへ、ある日マフィアを名乗る男が二人現れたとか。

 結論だけ言うなら、バンコクのおじさんはマフィアの不興を買い足を撃たれて現役を引退した。理不尽なことではあるがそんな悲運を覆すこともまた干し草と針である。

 

 あのホテルモスクワに並びこの街を納める悪の巨頭、三合会の怒りを買ったおじさんが悪い。だから、この話はここまでだ。おじさんは良い人だったのに、きっと不運だったのだろう

 

 

……法外な合併、ほとんど脅迫まがいの乗っ取り

 

 

 おじさんは齢60ながら運送行をほそぼそと続けていて、言うなら信用と実績で上手くやってこれていた町の中小企業みたいなもの。

 

 そこへがなりこんで、無理難題をふっかけて、首を縦に振らないおじさんにマフィアは銃を撃ち放った。計14発、七発入る拳銃の弾を再装填してまで撃ち込んだとは、正気とは思えない所業だ

 

 幸いにして命は助かったけど、もう仕事はできない。僕の仕事に迷惑をかけたと、謝りの電話を受けたときは思わず吐きそうになった。

 

 自分に対する理不尽はいい、他人の痛み、それも親しいものの痛みはどんなにこらえても拭えるものじゃない。

 

 三合会、ぼくなんかには決してどうにもできない相手、辛いからこれ以上抱くのは止める。止めないといけない

 

 けど、ああ心で思う分にはいいだろう。三合会なる組織、きっとろくでもない

 

 

 糞よりも劣る、汚物の巣窟だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………はぁ」

 

 

 

 溜息が出る。おじさんの件で気が滅入るというのもあるけど、現実にどうしようもできない僕にのし掛かるのは己の店の経営に向けられた危機のみ

 

 仕入れにかかるお金が増えてしまったため、今の店の収入だけではどうにも心もとない。

 

 赤字を回避するため、唯一の休日である週に一回の閉店日、それを別の仕事に費やさないといけなくなった。安い仕入れ先が見つかるまで、このあまりしたくない金策に手を出さなければならないのである。

 

 

……おめーの頼みなら是非もねえ!ポールダンスで踊ってくれりゃあ文句ねぇが、まあ前みたいに働いてくれよ。お、もちろん衣装はあいつらの希望通りによ

 

 

 耳に障るローワンさんの声、嬉々として受け入れられるのはまたそれはそれで不愉快だ

 

 世は思い通りにいかないことばかり。仕入れ先のおじさんの不運も、僕に降りかかるこの不運も、仕方のない事と割り切らねば

 

 割り切らないと、そう割り切って、割り切って

 

 

 

 

「……わり、きって」

 

 

 また、割りきれるならぼくはここで悩んだりはしてないだろう。

 

 そう、例えば今僕の顔に近づく、このファンデブラシとスポンジ

 

 及び、それを持ち嬉々とした表情を浮かべる二人のお姉さんに対して、悩ましく思うことはないのに

 

 

 

 

「は~い、お目目閉じてくださいね~……あ、ファンデーション崩れちゃうから、くすぐったくても我慢我慢」

 

 

 

「そうそう、我慢我慢……我慢が出来るケイティはいい子よ……って、コリンナったらそれ雑よ、この子の肌は繊細なのに」

 

「はいは~い、でも私いつもこんな感じだし」

 

「減らず口……ていうか、いつもあんたのメイクしてんのアタシだからッ、たくいつまでたってもガキなんだから」

 

 

 

 

 

「……」

 

 また喧嘩してる。僕を間にはさんで喧嘩をしないで欲しい。

 

 ただでさえ姦しい楽屋裏、ローワンさんの店で働くお姉さんたちのにぎやかな歓声入り混じる空間、そこに異物として混ざり込む男の僕

 

 女の人の色気が色として目に映りこむ。着色した照明なんてなくても、ここの空気は化粧品とフェロモンで飽和したまっピンクに染まっているのだ。その上漂うそれを吸うことは一種の飲酒行為も同然、一呼吸だけで脳がシェイクされて酔いつぶれかねない。それほどに、人を酔わせる極上の酒気がただよっている。

 

 

……はやく、おわらないかな

 

 

 化粧台がずらりと並ぶ鏡代の前、僕は二人のお姉さんに挟まれて事実上の拘束状態。ローワンさんの店の嬢たちは皆僕を本当の弟と親しんでくれる良い人ばかりである。そこは良い。特にこの二人は昔から親切にしてくれていた。でも、それは少々度が過ぎるほどに、だが

 

 抱きかかえられて添い寝、お風呂だって連れ込まれたことも何度かある。恥ずかしい話、男としての初めてを奪われかけたこと、はさすがにないけど、本当にないんだけどッ…………まあ、それにしてもスキンシップやら距離感が普通じゃないのである。

 

 

 

「ガキって言う方がガキですぅ……コリンナよりおっぱい小さいのに」ボソ

 

「あんたのはデカすぎ、乳牛みたいに太って……少しはくびれってものを身に着けてから言いなさいな」

 

「ふっふっふ、むちむちは正義なのです……ねえ、おっぱい大きい方がケイティも好きだよねぇ」

 

 

「……こっちに、振らないでくださぃ」

 

 言葉が小さくなる。化粧の為に正面を向いているから、自然と二人の体も鏡の反射で見えてしまう。局部がギリギリ隠れるだけのドレス、悩ましいことこの上ない二人は特に距離感が近く、スキンシップが激しい。

 

 

「ケイティ、もっとこっち……あ、お膝載っちゃおっか……よっと」

 

「……拒否権は」

 

「むずかしいことはわからな~い」

 

 

 小脇から持ち上げられて膝の上、身長差は15㎝ぐらい、けど165㎝の体躯にはあまりあるほどに背中の質量はダイナマイト、ローワンさんの欲望が具現化して爆発したかのような人だ

 

 コリンナ・ウェスト(23)。ゆるふわな印象を醸すスパニッシュ系のお姉さんだ。妹気質というか、だからか年下の僕を相手に猫かわいがりな傾向が強い

 

 

 

「……ふふ、人形みたい」

 

 

「あの、見てないで助けてもらえればと」

 

 

 背中を圧迫する素敵すぎる感触の抱擁、けど目の前でこの人、コリンナお姉さんの実の姉である人、アーシェ・ウェストもまた僕を見てからかう側の人だ

 

 

 

「仕上げするから、そのまま抑えといてね……はい、動かない動かない、いい子ねケイティ」

 

 

 

「……うぅ」

 

 

 正面から覗く姿、黒のガーターベルトとレースのブラ、空けた衣装は扇情的なアンダーウェアを丸写しにする。身長がバラライカさんとも並ぶぐらいあるから、余計に綺麗さでドキドキしてしまう

 

 

 アーシェ・ウェスト、目元がきりっとして長身のモデル体型、肩までのセミロングは流麗にカールしていて手入れの行き届いてることがわかる。

 

「……見てていいのに」

 

「ご勘弁を」

 

 アイメイク中でもないのに眼をつぶる。そうでもしないと色々辛抱たまらないからだ。

 

 まあ、それはそれで、我慢して悶える僕を見てこの人は楽しんでいる。あからさまに言葉にせずとも自然に子ども扱いをして、抵抗しようにも色香だったり、大人の風格で意欲が抜かれる。悔しくてきっと睨もうものなら、それはそれでアーシェ姉さんの思うつぼだ

 

 

「か~わい~」

 

「よしなさい、照れてもっとかわいくなっちゃうじゃない……ケイティ、動いちゃだめよ」

 

 

「…………うぅ」

 

 

 無抵抗で弄ばれている。けど僕にはどうしようもない

 

 つくづく、僕は女の人には弱いと思う。まあそれを言うなら男だろうが何だろうが、きっと僕が勝てるのは子供相手、いやスラムの柄悪い子供相手なら普通に負ける気がする。あぁ、死にたくなってきた

 

 無抵抗、変に憤っても暖簾に腕押し、だから諦めて受け入れる。メイクのくすぐったい感覚に耐えながら、次第に完成していく僕の姿を鏡越しに鑑賞するのだ。

 

 

「ほうほう、今日もいいメイク具合ですなぁ……お姉ちゃん、おっぱいはどうするの?シリコン今から注射する?」

 

「馬鹿、そんなのは無粋よ。ローワンの趣味に引っ張られ過ぎ、アジアンビューティはスレンダーも美点なの……ね、ケイティ」

 

 

 そういい方をポンと叩いて、まるで僕がもとから胸の起伏で悩み苦しんでいるように接してくる。

 

 

「……知りませんよ、やだもう……ぼく、変態じゃん」

 

 

「「「「「「ないない、ただの可愛い女の子」」」」」」byその場にいる一同

 

 

「…………死にたい」

 

 

 こっちの気も知れず、みなみな思うことはを好き勝手言ってくれる。

 

 そんなことない、ぐっとくる、かわいいかわいいと外野が合唱。これが初めてでないとはいえ、未だに猫可愛がりも女装姿も慣れはしない。どうして厨房とホールで少し働くだけで、僕までこんな格好に、世の中にはボーイなる男の職種もあるというのに。

 

 

「ローワン! こっちは準備オッケーよ!」

 

「開店開店!ケイティも厨房にこもってばっかじゃダメだからね、気に入った男がいたらどんどん行くんだよ」

 

 行ってたまるかこんちくしょい、けどそんな僕の声はお姉さんたちの声にかき消されて無と化した

 

 仕事が始まる。ラーメン屋の仕事は一時休止、副業の水商売人、ローワンジャックポッドピジョンの料理人兼臨時の嬢(偽物)、眠らない夜のお仕事は肉体的にも精神的にも堪えるものだ

 

 

「…………」

 

 

 鏡に写る自分の姿。髪は長いからわりとそのまま、けどメイクと服装を整えて小物で飾れば完璧に雌。我ながら納得のいく女装である。フリル生地を使ったオフショルダーのメイド服、股の辺りがスースーして今にも風邪を引きそうだ。

 

 男らしさとはまったく無縁、試しにその場で来るっと回り、スカートの端を摘まんでお辞儀

 

 うん、絵になってしまっている。僕の女装は完璧である

 

 

 

「うん、死にたい」

 

 

 

次回に続く

 





 今回はここまで、序盤のシリアスからの落差がありすぎて、どうしてこうなったのか。でもオリキャラ書くの楽しい、ほとんど官能小説テイストだけど。通報されないか心配だ

【オリキャラ】

コリンナ・ウェスト(23) 声のイメージは佐倉綾音、あざとい感じ

身長165、スパニッシュで黒髪のボブヘアー、肉感的な体と愛嬌のある童顔が魅力。バストはJ、妹気質で甘え上手故に店でもかなり人気、たまに空気が読めないのが欠点。ダンサーとしての腕もかなりあり、SMショーなどの過激な場でも普段の振る舞いから豹変してみせたりと、意外にも仕事にはストイックに向き合うがんばりやさんでもある。


アーシェ・ウェスト(26) 声のイメージは甲斐田裕子、落ち着いたお姉さんボイス

身長172、妹のコリンナと同じくスパニッシュ系ながら顔立ちは切れ長でクールな美人、スレンダーな体つきはモデルさながら、しかし出るところは出ていてバストはFカップ。知的で余裕のある振る舞いは男性だけでなく女性からも目を引きつける。ポールダンスが得意で、時折妹とSMショーも引き受けることもあり、その際は以外にもM役を引き受ける側。曰く、自分のような気の強そうな女がやった方が客も喜ぶと、商売のためなら羞恥や躊躇いは一切抱かない、彼女もまたストイックな人種。ウェストの姉妹見たさ会いたさに店に来る客はかなり多い



【オリジナル主人公】

ケイ・セリザワ(20) 通称はケイティ

声のイメージは早見沙織、普通にかわいい女の子ボイス。丁寧なしゃべり方から幼女戦記のヴィーシャをイメージして欲しい

見た目は完全に黒髪ショートのボーイッシュな女の子。後ろ姿を見ると安産型の臀部で彼を慕う者達(性別問わず)曰くチャームポイントだとか。

突き詰めてもその能力はただの一般人、ただラーメンを含めた料理全般に長けていて、ただ可愛らしい見た目で愛され上手で、ただ悪運が強いがゆえに何故か10年間もロアナプラで行き続けている稀有な存在。



 以上、ざっくりと説明。

 ローワンの店で働く嬢も出したいなぁ、名前有るキャラ数人いた気がしたけど名前思い出せない。ブラックラグーンは漫画喫茶で全巻読破勢、手元にないから調べられんし、しゃあないオリキャラにしよ。そんなオリキャラ誕生秘話でござい


 
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