麺処・ロアナプラ亭~悪党達に愛されたとある料理人の生き方    作:37級建築士

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久しぶりの投稿、書いていくのは予告した通り彼女の出番です。尻とたっぱと、そして胸のでかいお姉さんはお好きですか?


(27) ヤンキー系シスター参上

 

 

 

「……♪~♪♪」

 

 

 午後零時、昼時を告げるラジオのせわしないトーク、タイ語の饒舌なスラングを聞き流しながら朝のルーティンを流していく

 

 起きた時間は8時、いつもなら店の掃除をしてまた仕込みを始める時間。けど、今日のロアナプラ停は休日の看板を掛けていて、そして今ぼくは調理用のエプロンをしてもいない。私服を着て、出掛けの準備をしている。

 

 いくつか荷物を携えて、しっかり施錠をして店の外に出る。

 

 気持ちの良い朝、ぼくの予定はちょっとしたお出掛けだ。

 行き先は景色の良い、このロアナプラの岬にある場所。徒歩でいくには少し遠い。でもバイクは使わない。

 

 ビルの裏の小さなガレージにはバイクがおいてあるけど、今日はお役ご免だ。だって今日は迎えが来る

 

 迎えが来る、ここで使うには正しい表現だけど、でも来る人が来る人だから、なんだか不吉に考えてしまう

 

 

 

『ブォン!ブォオオオン!』

 

 

「……ジャスト」 

 

 そんなこんなで、考え事に更けていたら時間通りにやって来た。文字通り迎えに来た、これが願わくばダブルミーニングでないことを願いたい

 

 

「……お早いですね、エダさん」

 

 

 以外にも時間通り、そんな彼女に挨拶をした。けど、エンジン音で聞こえないのか、エダさんはこちらを見ながらバイクを止めて、そして近寄る

 

 近づくエダさん、僕よりも大きい背丈で、本人も曰く尻とたっぱのデカい良い女とのこと

 修道服を着たバイカーの女性というだけでキャラが濃いのに、その上小脇にはちらほらと見える銃のホルスター。極めつけにサングラスでロックンロールな出で立ちとまできた。

 

 はっきり言って、その服が表す偉大な父様への信仰心、その逆を行くような出で立ちだ。でも、それがかっこいい、ロックンロールは僕の好きなジャンルだったりする

 

 

 

 

「時間通りなんて珍しいですね、アメリカ人は時間にルーズだと聞きましたよ?」

 

「ふかすんじゃないよ、シスターの頼みで仰せ仕ってんだ。たく、ケイティお前さんが妙に好かれてなけりゃこんなガキのお使いの手伝いなんてせずによ」

 

「優雅にポーカーでも出来ていた、ですか?」

 

「はぁ、そうだよ……たく、あとでその尻揉みしだいてひいひい言わせるから覚悟しておきな」

 

「セクハラ発言は訴えますよ……っと、ヘルメット?」

 

 渡されたのはフルフェイスのヘルメット。でも、こんなものこの街ではまずめったに付けることはない、そんな役立たずのアイテムだ。

理由は明解、視界が狭まれば背後からひったくってくださいと言っているようなものだから

 

「早く乗りな」

 

「……」

 

「あんたがそれ被らねえとよぉ、お前さんの怖い飼い主からお咎めが降りるかもしれねえだろ」 

 

 なるほど、その言葉には頷いてしまった。バラライカさん、直接は指示していないけど、いつのまにか僕に対する扱いのルールが徹底されているのか

 

 でも、きっとあれだろう。僕を守るため、というよりは面倒を避けるためか。僕みたいな普通でしかなく悪に溶け込めない住人、篭でもなければすぐに騒動に巻き込まれてひき殺されるかだ

 

 

……可愛がる相手がいないと、バラライカさんも寂しいのかな?なんて

 

 

「……ほら、さっさと乗りな」

 

「ぁ、うん」

 

 

 変な考えは抱くだけ不穏でしかない、頭を振って思考をポイ。僕はエダさんのバイクの後ろに乗った。座る部分は小さいから、かなり密着してないと安定しない

 

「おい、そんなんじゃお前さん振り落ちちまうよ」

 

「……はい」

 

「心配すんな、こっちは自由の国のナイスバディなお姉さんだぜ。パイの一つや二つ、ただで売ってやってもいいぐらいだよ。試しに食ってみっか?」

 

「……お腹に掴まります、ご心配なく」

 

「あらら、良い子ぶっちゃてよぉ」

 

 

 息を吐くようなセクハラ発言、慣れたものだけど未だに顔の色は防御力ゼロだ

 

 

 

 

 

 

「あ、エダがケイティを乗せてる!抱き着かれてる!ケイティ可愛い!!エダはズルい!!」

 

「エダ、あんたケイティに変なことすんじゃないでしょうね!!犯したらあんたのケツ穴にポールぶっ刺して一曲躍るからねッ!?」

 

 

 

 

 

「!」

 

「アーシェにコリンネか、朝っぱらから元気の無駄使いだね。ヘイ!ビッチ共は汚れた股の掃除でもしてなってんだ!アタシとこいつはよぉ、ちょ~~っといいことする予定なんだぜ!邪魔しちゃウマに蹴られちまうってもんだ!!」

 

「え、エダさん!?」

 

 

 あばよ、と三下溢れる去り際の言葉と同時にフルスロットル。後ろで二人の抗議を込めた罵声が聞こえるもすぐに遠ざかる

 

 速い、バイクはエンジンを吹かして緩やかな坂道を駆け下りていく。早朝は人通りも車の行き交いもないとはいえだ、首都高を攻めているのじゃないのだから安全運転にして欲しい

 

 

 

 

 

 

 

   ×   ×   ×

 

 

 

 

 

 

 

「……ふん、時間通りだ。久しぶりだね、お嬢ちゃん」

 

「おはようございますシスターヨランダ……あとお嬢ちゃんはよしてください」

 

 開口一番から吹っ掛けてくる。この人はシスターヨランダ、エダさんの上司に当たるような方で、この教会を治めている重鎮

 ちなみに、教会という立場の裏で怪しいシゴトもしているけどそこにはあまり触れない。張さんがケツ持ちをしている黒いおもちゃの販売も、その裏でこっそりしている良くない運び事も含めて

 

 

 

「ヨランダさん、ではさっそく」

 

「おや、朝食を食べていかないのかい?」

 

「はい、ですから手伝うのですよ。料理人なので、それぐらいは」

 

「おやおや、けど残念だね。朝食はもう作ってあるんだ」

 

「……そうですか、お手伝いできればと思っていたのですが」

 

「その気持ちだけで十分だよ。お前さんの料理はまた今度、プライベートで楽しませてもらうさね」

 

「はい、では楽しみにしてください。お好きな味の日はお知らせします」

 

「それは嬉しいね、坊ちゃんは本当にいい子だよ。説法もいらない本当にいい子だ」

 

 

 

 

 

…………ボソボソ(話が長ぇよ)

 

 

 

 

 

 久しくあったヨランダさん、ついつい田舎のおばあちゃんにあった時みたく肩の力が抜けて、それでつい話が長引く。

 

 エダさんは退屈そうに、しかしヨランダさんはそんな僕とのお話を楽しんでくれているのかそのまま世間話に、終わろうとしたはずがつい長引いて、そして

 

 

「それでそれで……ぁ、んぐっ」

 

 

「馬鹿ケイティ、ちょっとは口を閉じろ」

 

 

 いきなり、エダさんの指に鼻をつままれた。強くつまんで、そのまま上に引っ張り上げるように二回三回、痛い

 

 

「エダ、子供を苛めるんじゃないよ」

 

「シスター、気が乗って楽しんでるところ悪いですけど……バルジ作戦じゃないんだ、トイレ休憩は勘弁してください」

 

「……ふん、まあ仕方ないね」

 

 

 

「ぬぐぐ……ぷはッ、あうぅ……鼻、取れるかと思った」

 

「とるつもりでやってんだよ。ほら、やることは山積みなんだから動いた動いた」

 

 パンパンと手を叩く、その音に促されて僕もようやく本当の目的を思い出した

 

「そうだった、えっとじゃ……どこか着替えの部屋を貸してくれませんか」

 

「奥を使いな」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 深く謝辞、そして足早に教会の奥の扉を開けて、そして指示された部屋。まえにも更衣室代わりに使った部屋を僕は開けた

 

 鞄の中には着替え、あとは色々な雑貨。今日僕は店を休んでまで来た理由、それは教会で懺悔をするでもなければ、エダさんの暇つぶしで飲みやポーカーの相手を、そして名残惜しいけどヨランダさんとの世間話だけに来たわけじゃない

 

 今日の予定、言うなればそれはボランティアだ

 

 

 

「よし、着替えよ」

 

 

 

 物置の部屋、そこで衣類を脱ぎ捨てて以前ここで受け取った服に袖を通した。

 

 時刻は九時前、休日の朝から気持ちのいいお掃除の始まりである

 

 

 

 

次回に続く

 

 

 

 

 




短いですが今回はここまで、教会でちょっとしたイベント
 
お着換えするケイティ、教会の服と言えば、そして昨今流行りの男の娘シスターのブリジットきゅん、やりたいことは見えてくるはず。お楽しみに

感想・評価等頂ければ幸いです。モチベ上がって執筆が捗ります
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