見える子ちゃんと幼馴染君   作:秋涼

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幼馴染くん

俺は昔から人には見えないものが見えた

昔は人がいないのに声が聞こえたり、誰がいるような気配するようなだけだった。

小学生の頃、ある日からはっきり見えるようになり、同じように見える母方の祖父母の神社に預けられた。ちなみに母は昔の俺みたいな感じで才能がなかったらしい。

 

祖母曰く、なにも触媒や霊的な物なしで直接干渉できるのはとても才能があるが、霊に直接干渉できるのは

相手からにも干渉をされるということで、身の安全を守れるように訓練をうけた。

 

よくある祈祷の修行ではなく、ひたすら祖父と一緒に神社の境内を走らされたり、木刀を振ったり

組手をやらされたりした。木刀も人を相手する感じではなく、より大きい獣などを想定する動きだった。

人型だったらどうするのか祖父に聞いたところ

 

「小さいやつは鍛えてなぐったら死ぬ、大きいやつはしぶといからな、武器で刈り取るのよ」

 

この言葉はある程度戦えるようになり、祖父母のお祓いを手伝った際に実感できた。祖父が見せてくれた刃を当てずに遠くのものを斬る剣技や祖母の放った矢が木を貫通するのをみてカッコいいと思ったことと、田舎なので何もすることもなかった為、ひたすら素振りや型の練習、弓で矢を射ったりしていた。

 

中学生に上がって、振っている木刀が真剣に変わり、振ったら刀から刃の斬撃が飛び、矢が木の幹を貫通するようになった頃

神社の裏山にある洞窟の奥にある祠に祖母に連れて行かれた。

祠のあるところは座敷牢みたいになっており、古いがちゃぶ台で箪笥などが置いてあった。

 

この座敷牢で夏休みの1週間過ごせと祖母はいい、祠近くで眠ると神社の御祭神である大百足様が試練を与えてくれるらしい。

この試練で出てくる怪異を倒せば、晴れて一人前ということ

 

「なに、頼光の倒せる相手しか出てこないよ、気張りな」

 

祖母はそう言い残し、俺を置いて座敷牢から出て行った。

 

ちなみに、祖母の時は刀を持った武士

祖父の時は片腕のない鬼だったらしい。

夢の中で怪異にやられても命に別状はないと聞いたが本当に大丈夫か?

と思ったが祖父母がこの試練が大丈夫と判断したから受けさせたのだろう

やるしかない。

 

早ければ1日で終わると聞いて試練に入った。

 

俺の相手は、山ほどの大きさの百足だった。

自分は橋の上、川の向こうにある山に巨大な百足がこちらを見ている

ガシャガシャと遠くにいるのに百足の足音が響いていた。

 

手元にには普段使っている刀とは違い一眼に業物だとわかる刀と弓と淡い光を放っている矢がはいった矢筒が置いてあった。

 

よく見たら刀は祖父が大事にしている髭切といわれる刀

矢は祖母がここぞという時に使う矢だった。

 

刀と弓を身につけながら、こちらを見ている大百足の様子を伺う

大百足はこちらを見つめているだけで動く気配がない

心なしか見つめている気配にも余裕を感じさせる

 

どうやら先手は譲ってくれるらしい

矢筒から矢を取り出し、弓の弦に矢をつがえる。

普段の訓練では連射するために次の矢を持ちながら矢を射るが

見るからに固そうな外皮をしている相手には生半可な矢の攻撃では通らないと判断し

限界まで弦を引き絞る。ギリギリ弦がなる。

なるほど、この弓はとても良い、俺が思いっきり振り絞っても弦が切れることも、弓が壊れることもない

 

自分の限界まで引き絞った弦を解放する。

矢は空気を裂きながら大百足に向かっていく。

淡い光を放っている矢は裂いた空気をそのまま矢に巻き込むように飛んでいく。

飛べば飛ぶほど威力が増しているようでまるで鏑矢を飛ばしたかのような音を立てながら

大百足に的中する。

 

大百足の第4胴節に命中した矢は大百足の固い外皮をものともせず大きな穴を開けて貫通した。

衝撃で大百足が吹き飛び山の向こう側に消える。

 

大百足が視界に消えたとの確認した後、残心を解く

夢の中だというのに全身から汗が噴き出る。

ここまで限界まで力を使って弓を射た

厳しい事を常にいう祖母だが、なにか自分の知らない方法で夢にも

矢と祖父の刀を用意してくれたのだろうか、普通の矢では大百足を吹き飛ばすことも

できなかっただろう。

 

それにしても矢の威力が高すぎないかとは思うが

夢にでてくる怪異を倒したら目が覚めると聞いてるが

一向に覚める気配がない

 

もう一度山を見ると大きなムカデが頭だけをこちらに出してこちらを見ていた。

顎肢を鳴らしながらまるで笑っているかのように音を鳴らしてこちらを見ていた。

 

矢を改めて構えて放つ前に山に大きな体を巻きつけた百足は山をそのまま締め付け粉砕し

破片を体で叩きこちらに飛ばしてくる。

大きな力で叩き出された破片は散弾銃のようにこちらに殺到する。

 

飛んでくる破片の落下予測をし回避していく、破片は自分のいる橋を遠慮なく削っていく

避けれる場所がなくなっていくうちに回避するのはなかなか大変で細かい破片は髭切で切り飛ばす。

 

残っている足場に飛び乗り足場を確保すると、大百足がこちらに迫ってくるのが見えた。

あのスピードならこちらにくるのはあと数秒だろう

弓を射るには距離が近すぎるため、弓と矢を橋の角に捨て、髭切を構える。

 

勢いそのままこちらに突っ込んでくる大百足の頭上にジャンプし、その勢いのまま

頭に刀を全身全霊の力を込めて突き刺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでもいい話
大百足
 「難易度調整ミスった。刀とは弓をいい用意しすぎたかもしれない
 あの子供は生まれる時代を間違えている」

祖母の本気はステゴロ
祖父に素手で戦ってるところを見られたくない為弓を使っている。
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