ヘタレガンナーと戦闘狂ヒロイン達   作:黒霧春也

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4話、B級昇格

 突撃銃の形を変えてからさらに半月後、ついに……。

 

「やっと4000ポイント貯まった」

 

 風矢の手の甲には4015と書かれた数字。最初のオリエンテーションで言われていたB級昇格に必要なポイント。

 

「確か開発室に報告すればいいんだよな」

 

 最初の説明では細かな事は言われておらず、自力で調べた結果。開発室に報告すればいいと出たので、風矢は目的地に向かう。

 

(確か正隊員になれば他のトリガーも使えるんだよな)

 

 支給されたカタログには他のトリガー情報も載っており、面白そうなトリガーも見つけた。

 

「さて、どうしようか」

 

 ブツブツ考えていると目的地である開発室に到着。風矢は開発室のドアを開けて部屋の中に入る。

 

「すみませんー」

「ん? なんだ?」

「え、いや、そのー」

「ハッキリ言葉にせんか!」

 

 開発室に入ると目にクマを作った肥満男性と目があった。風矢は少しビビりながら言葉を口にする。

 

「実は4000ポイント貯まったのでB級昇格したいです」

「おお、そうか!」

 

 B級に昇格すると聞いた肥満男性こと鬼怒田開発室長は、風矢の肩を叩きながら話してきた。

 

「お前さん、B級になるのはいいがトリガー構成はどうするんだ?」

「それは決めてます」

 

 風矢は考えていたトリガー構成を鬼怒田に伝えた。鬼怒田は風矢のトリガー構成を聞いて少し驚いたが、早速B級のトリガーを用意してチップをセットした。

 

〈メイン〉

・アステロイド〈突撃銃〉

・カメレオン〈試作〉

・シールド

・フリー

〈サブ〉

・メテオラ

・サイレンサー

・シールド

・バックワーム

 

 ガンナートリガーはそこまで火力が出せない。風矢はその弱点を考え、隠密向きのトリガー構成を選んだ。

 

「まるで暗殺者みたいだな」

「ええ、そうですね」

 

 技術班の人にトリガー構成をして貰った風矢は、正隊員用のトリガーを受け取り頭を下げてから開発室を出る。

 

 ーー

 

 係の人からボーダー専用のスマホや防衛任務参加などを聞いた後。今までの白いC級の制服ではなく、B級の青いジャージを着た風矢はランク戦会場には向かわずに訓練室に向かった。

 

「すみませんー、訓練したいのですが大丈夫ですか?」

「あ、はい! 大丈夫ですよ!」

 

 係の人に声をかけた風矢は、相手の言葉を聞き訓練室の中に入る。

 

(試し打ちだ)

 

 訓練室に入り相手のトリオン兵。蠍みたいな見た目に鋭いブレードを持つ戦闘型のトリオン兵であるモールモットが現れた。

 

《ギギィ!》

 

 何もない殺風景な部屋の中、高速で近づいてくるモールモット。

 

「悪いが見えているんだよ!」

(メテオラ!)

 

 風矢は目の前に薄緑色のキューブを出し教えて貰った通り分割する。3×3×3の27分割されたメテオラは、高速接近してきたモールモットに直撃。爆発を起こしモールモットのブレードを破壊する。

 

「よし!」

 

 バックステップを踏みながらアステロイドの射撃でモールモットを沈める風矢。

 

(どんどん行きますか)

 

 最初が上手くいった事に調子づいた風矢。しかしこの後、モールモットが2匹出てきたりしてフルボッコにされることになるとは彼も夢にも思ってなかった。

 

 ーー

 

 一通り訓練を終えた昼休憩。

 

「あの人め……」

 

 風矢は機材を操作していた人の恨みつらみを口にしながら、食堂のメニューを見始めた。

 

〈食堂メニュー〉

・Aセット、ラーメン、半チャーハン、餃子

・Bセット、ハンバーグプレート

・Cセット、ナスカレーセット

 

 最後のナスカレーはツッコミどころがあるが、そんな事はつゆしらす。Bセットを選んだ風矢は食券を購入して食堂のおばちゃんに渡す。

 

「はい、どうぞ」

「ありがとうございます」

 

 ハンバーグセットを受け取りカウンター席に座りトリガーを解除する。

 

「さてと、いただきます!」

 

 メインであるハンバーグを箸で切り口に含む。味はかなり良くボーダーの食堂はレベルが高い様だ。

 

(しっかし、俺もボーダーに馴染んだな)

 

 最初は雫に巻き込まれて強引に入らされたボーダーだったが、若村や香取ど出会って楽しんだりしている。

 

「悪くないかもな」

 

 コーンスープを飲みながら今までの事を考えながら残りの料理を食べる。

 

 ーー

 

 昼休憩を終わらせC級ランク戦会場に足を踏み入れる。

 

「おっ、やっときたか」

「またせた」

 

 風矢が来た時には若村がロビーで待っており、その隣には優しそうな雰囲気をしたふさふさ髪の少年がいた。

 

「ろっくんが言っていたガンナーでいいんだよね」

「そうだな」

 

 ふさふさ髪の少年はC級の制服を着ており、若村と仲が良さそうに話していた。

 

「はじめまして、おれの名前は三浦雄太……ろっくんとは友達だよ」

「どうも、俺の名前は月白風矢です」

「あ、同級生だから敬語はいらないよ」

「わかった」

 

 フワフワとしている三浦と苦労人の風矢。2人の相性は悪くなくソファーに座りながら会話を進めた。

 

「へぇ、おれ達と同期なのにB級に昇格したんだ」

「まあな……たた、俺も1ヶ月半で慣れるとは思ったなかったけどね」

「確か風矢は水山に巻き込まれた形でボーダーに入隊したんだよな」

「巻き込まれたと言うよりも強制的にな」

「なんか苦労しているんだね」

 

 三浦の言葉に渋い顔を浮かべて頷く風矢。彼の表情は優れていないが、ふとある事が気になったので若村に質問する。

 

「そういえば、雫と香取は?」

「アイツらは、いつも通りの事をしているぞ」

「またか……」

「おれは元気でいいと思うよ」

 

 若村が指差した場所はランク戦のブース。出会って半月、互いに仲が悪い2人は顔を合わせるたびに喧嘩を起こしている。

 

「他の相手と戦えばB級に上がれそうなのにな」

「少なくとも今の雫にはその言葉は届かない」

「ヨーコちゃんには微妙かな」

 

 既にB級下位の実力を持つ女性陣2人を思い浮かべる男性陣3人。そのうち三浦以外の2人はため息を吐く。

 

((また落ち着かせるのに時間がかかる))

 

 風矢と若村は同じことを考えており、これから起こる癇癪にどう対応するか考え始める。

 

 ーー

 

 雫と香取、互いにライバル同士の2人は今日だけでも50戦以上していた。

 

「このトリオンお化けめ!」

 

 香取が使うのはスピードタイプのアタッカーが使う軽量ブレードであるスコーピオン。耐久力が低いが自由度は高く、体のどこからでも出せる奇襲系タイプ。

 

「何よ、タコさんウインナー!」

「誰がタコさんウインナーよ!」

「アンタに決まっているでしょ!!」

 

 スコーピオンの刃を万能ブレードである孤月で叩き割る雫。2人の戦いは6対4で雫が勝ち越しているが、香取の腕も上がっており互いに高め合っている。

 

 水山、孤月3752

 香取、スコーピオン、3614

 

 ポイントも少しずつだが水山の方が増えているが、今の場合はポイント関係なしに戦っている2人。

 

「アンタね! あの幼馴染に迷惑をかけていると思わないの?」

「はぁ? アンタよりもマシ!」

「アタシは麓郎や雄太には迷惑かけてないわ!」

「じゃあなんで彼らの顔が死んでいるのよ!」

「そんなの知らないわ」

 

 スコーピオンの斬撃でちびちび相手のトリオン体を削るが、相手も負けておらず孤月の一撃で相手のトリガーを破壊する。

 

((もう、ムカつく!))

 

 装備的にどちらが有利とは言えないが、トリオンでは雫の方が上であり香取のスコーピオンが簡単に折られる。

 

(このまま斬り合うのはアタシが不利ね)

(まともに斬り合えば私が勝てる)

 

 孤月は耐久力もあり折れにくいためトリオンパフォーマンスもいい。だが逆にスコーピオンは何回も作り直しているので、孤月よりもトリオンのコストがかかる。

 

「このまま押し切るわ!」

 

 孤月を構えて連続攻撃を仕掛ける雫に対し、持ち前の機動力で攻撃を回避する香取。

 

「そう簡単に押し切らせないわ!」

「そうじゃないと面白くない!」

 

 互いに武器を光らせ、彼女達の戦いは続いていく。

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