ウマ娘に転生したけど影も踏めなそうな娘と同世代だった件 作:アザミマーン
荒いわ短いわであれですが…よければどうぞ。
そのうち修正するかも
え、いやぁ、ほん、ええ? (困惑)
え、本当にナリタブライアン? あの?
待て待て、落ち着け。be cool、そう、クールになれ俺。冷静になった後、もう一度見直すんだ。見間違いだった可能性が微レ存(死語)。
俺は改めて、既に1枠2番に収まっているウマ娘を見た。
そのウマ娘は、美しい黒鹿毛の長髪を後ろでひとつ結びにしている。
背はそこまで高くないが、威圧感からか、周囲のウマ娘よりひと回り大きく見えた。
鼻につけた絆創膏。元はシャドーロールから来ているんだっけか。
そして何より、ギラギラとターフを凝視する、猛禽類のような黄金の瞳。
いやあんなウマ娘が他にいてたまるかァ!! 絶対ナリタブライアンだよ! むしろもう違う可能性の方が微粒子レベルだよ!
『1枠2番、ナリタブライアン』
あ、今この瞬間確定したわ。
はい。
間違いなくあれはナリタブライアンです…
ナリタブライアンの名前が呼ばれた瞬間、集まったトレーナーたちがザワザワと騒ぎ始めた。
「あれがナリタブライアンか」
「今クラシック戦線を沸かせているBNWの一角、ビワハヤヒデの妹だな」
「ビワハヤヒデは素晴らしいウマ娘だからな…彼女にも期待が持てる」
「噂じゃ、ビワハヤヒデ本人が、才能の塊だと称したらしい」
どうやら今のクラシックではBNWでお馴染みの三人、ビワハヤヒデ、ウイニングチケット、ナリタタイシンが既に暴れているらしい。そうなのか。
自分の体を鍛えることに手一杯で、ここ最近活躍してるウマ娘の情報を全然仕入れられてなかったな。反省しなければ。
過去のレースとか名門の家とかは調べたんだけどな…
さて、ナリタブライアン、長いからブライアンでいいか。
ブライアンはビワハヤヒデの妹である。で、ビワハヤヒデが優秀なのでブライアンにも注目が集まっているってわけだな。
まぁ注目だけならいいんだけどね…実際とんでもなく強いからなぁブライアンは(白目)。
皐月賞、日本ダービー、菊花賞。
これら三つのレースは、それぞれがクラシック級のG1レースだ。前世では三歳馬のみが出走できるレースであり、今世のウマ娘世界においてはデビュー2年目のウマ娘のみが出ることのできるレースだ。
シニア級とは違い一度しか挑戦できないため、このレースで勝つことは、それだけで今後の歴史に名が残るレベルの偉業である。賞金もすごい(小並感)。
これらのレースを目標としてクラシック級を戦うローテーションを「クラシック路線」なんて言ったりする。中長距離を得意とするウマ娘は、だいたいこの路線を目指す。一応俺もその予定だ。だった。
うん。どうしようかな。
そして何が問題かというと、ブライアンの元になった馬は、皐月賞、日本ダービー、菊花賞を全て勝利した『クラシック三冠馬』なのである。そして、前世ではアプリゲーム版ウマ娘のストーリーにおいても、ブライアンはクラシック三冠を達成している。
クラシック三冠というのは、それはもう凄いことなのである。どのくらい凄いかというと、八十年以上続いている前世の日本クラシック競馬界でたったの八頭しかいないくらいには凄い。
ちなみにゲーム版ウマ娘で登場しているキャラの中にクラシック三冠は三人しかいない。ミスターシービー、シンボリルドルフ、そしてナリタブライアンだ。
しかも前世では、ブライアンは元となった馬もウマ娘も、クラシック三冠のうち、皐月賞と菊花賞を、レースレコードを出して勝っている。皐月賞に至っては当時の中山レース場2000mのコースレコードでもあった。レコードではない日本ダービーも、ブライアンは大外枠スタートで勝っており、この時点でもう強いとしか言えない。
別に他の馬たちが弱かったわけではない。ブライアンが強すぎただけだ。実際皐月賞で二着でブライアンに敗れた馬も、当時のレースレコードまであと0.1秒というタイムまで迫ったのだ。まぁ、ブライアンはその馬に三馬身半差をつけて圧勝したわけだが。
うーん、ブライアンと同じ距離適性で同世代とか、もう今の時点で吐きそうだよ…
さて、そんなことを考えていたら第一レースが始まるようである。先ほどアナウンスで流れていたようにブライアンは1枠2番、内枠だ。
まだ荒れていない状態のしっかり整備されたターフ、今日は晴れていてバ場も良好だし、内枠有利だろう。
『選抜レース中距離2000m、第一レースが今スタートしました!』
お、始まった。
一人出遅れたな。でも初回の選抜レースで緊張もあるだろうし、一人出遅れなら良いほうなのか?
『綺麗な、いや3番ストレートバレット出遅れた。その横4番リバイバルリリック、ハナを取りました』
「出遅れは一人か。今回は中々集中できてるウマ娘が多いな」
「ああ、ナリタブライアンだけじゃなく、この組は期待できるかもしれん」
トレーナーの間ではそんな感じの評価なのね。俺は今日の中距離からしか見てないけど、選抜レースのスタートってバラバラなんだろうか?
出走者の脚質は、逃げ2、先行3、差し2、追込1、出遅れ1だな。
出遅れた娘は追込の娘と同じくらいのところにいるけど、前目の脚質だったら無理にでももっと前に行くだろうし、元々差し追い狙いだったのかもしれない。
追込でやってる俺としては、それでも出遅れはダメだと思うけどね。
遅れたことで心理的に不利になるし、何よりスタートを速くして前のウマ娘たちに一瞬でも並べばプレッシャーを与えられるしな。そこから自分で下がるのと、最初からアクシデントで遅れるのでは全然違うのだ。
『先頭が1000mを通過しまして、タイムは0:59.9』
「リバイバルリリックが引っ張ってるな。かなり早いペースだぞ」
「ナリタブライアンを意識してるのかもな。掛かっているのかもしれない」
逃げを選んだ一人であるリバイバルリリックちゃんがかなり早いペースでレースを進めている。
だが、表情や走るフォームを見るに焦ってはいない。苦しそうではあるけど、どうやら想定通りの展開に持っていけているように見える。
焦るともっとフォームが乱れるもんだ。前世で焦りすぎて最期は死んだ奴が言うんだから間違いない。
『残り600m、おっと後続のウマ娘たちが上がってこようとしているぞ! その先頭にいるのはやはりこのウマ娘、ナリタブライアンだ!』
「仕掛けどころ、やはり上がってきたな。ハイペースで進んだというのに、ここから伸ばす脚を持っているか!」
「見ろ、息一つ乱れていないし、フォームも綺麗なままだ。走る姿はビワハヤヒデに似ているな…」
ウマ娘たちがスパートを掛け始めた。その先頭にいるのは予想通りブライアンなのだが…なんか違和感があるな。…ん? 走りがビワハヤヒデに似てる?
あ、そうか。この頃のブライアンは、まだあの沈み込むような走りを身につけていないのか。
綺麗なフォームの走りだけど、逆にそれが違和感の正体だった。
ブライアンといえば、極端に低い姿勢からの爆発的な加速。
怪物の走りの象徴。
『ナリタブライアン、逃げる二人のウマ娘を次々とかわしてゴール! タイムは2:01.3、二着に二馬身差をつけて完勝です!』
『二着はストレートバレット、三着リバイバルリリック…』
ただ、それがなくても元々持ち合わせてるスタミナ、抜け出しのセンスといった部分が違いすぎる。トレーナーの付いていない未デビューウマ娘という同じ条件の中じゃ、力の差が有りすぎたな。
お、出遅れたはずのストレートバレットちゃんが二着だ。
出遅れてなかったとしたらブライアンとももう少しいい勝負になったかもな。今後要注意かも。
リバイバルリリックちゃんも、作戦は悪くなかった。最後もう少し粘れる根性があれば、二着になれてたかもな。
あ、ブライアンだけじゃなくて好走したウマ娘たちにもトレーナーたちが群がってる。
やっぱり一着じゃなくても良い走りを見せれば、将来性を見込んだトレーナーが来るって噂は本当なんだ。
第一レースが終わって次はすぐに第二レースだ。それが終われば俺の出番。ブライアンは気になるけど、今は情報収集と自分のレースに集中しなきゃ。
特に次の第二レースには、たった今出された電光掲示板の名前を見ただけでも名門が多いとわかる。
リボン家、リズム家、ジュエル家にステップ家…どの家も重賞ウマ娘を何人も、コンスタントに輩出している。
これから手強い競争相手になるだろう。しっかりと実力を見極めねば。
でもやっぱり気になるなぁ…
ナリタブライアン
同期
う、頭が…
書き溜めはそもそもないため次話は未定です。