ウマ娘に転生したけど影も踏めなそうな娘と同世代だった件   作:アザミマーン

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祝、お気に入り1000超え!

本当にありがとうございます。
日に日に増えるお気に入りに若干恐怖しましたが、私は元気です。

毎度のことながら、感想に評価、嬉しいです。誤字報告も助かっております。
いや本当に支えられてますね…重ねてお礼申し上げます。

それでは本編をどうぞ。


トレーナーの力

 

 

 

 中森トレーナーとその日のうちに契約を交わした俺は、次の日から早速トレーニングを見てもらうことになった。

 まず、初日は現状での身体能力を見てもらった。

 学園側から入学時の身体測定データはもらっているらしいが、そこから今日までのおおよそ一ヶ月の間、どの程度変化しているかを知る必要があるらしい。

 

「ふむ。自己申告してもらった通り、メトゥスはパワーが他の娘の平均より伸びやすいみたいだね。スタミナも少し伸びやすい傾向にある。他は平均と同じくらいかな?」

 

「はい、自己流のトレーニングでもそんな感じはしてたので、スピードが伸びやすいと言われるトレーニングを重点的にやってました」

 

 あ、呼び方はメトゥスにしてもらった。

 ウルでも良かったんだけど、両親やトーカちゃん先輩と被るしね。

 トレーナーとウマ娘ってなんか他とは違う関係だと思うし、呼ばれ方も変えてメリハリをつけたかったってのが理由だ。

 決して、いつものあだ名で呼ばれるのが気恥ずかしかったわけではない。いいね? 

 

「なるほど。ただ、これはトレーナーにとっては初めに教わる話なんだが、ウマ娘の身体能力は一つの能力を鍛え続けると、すぐに頭打ちになってしまうんだ。だから、ある程度は満遍なく鍛えなくては効果が薄いんだ」

 

「それは知らなかった…」

 

「まぁ、まだデビュー前だし、キミは一般家庭の出身だ。これから少しずつ、そういったことも学んでいこうか」

 

 中森トレーナーが苦笑して言う。

 なるほどな、アプリ版ウマ娘では特化させた育成でも能力が上限値まで行っていたものだが…言われてみれば確かにそうだ、スピードばかり伸ばそうとして、それを支える筋力や体幹がなかったら伸びるわけないよな。

 ここはゲームではない。

 分かっていたつもりではあったんだが、どうやら本当につもりだったらしい。

 未だにゲーム知識を信用し過ぎてしまっているな。

 

「次はタイムを測って適正距離を知ろうか。既に選抜レースに中距離で出ているから、多分中距離が得意なんだろうと思うけど一応ね」

 

 切り替えていこう、これからは情報を吟味すればいい話だな。

 よっしゃ、そうと決まればとりあえず走るか! 

 

 

 

 

「お疲れ様、もう19時になるし、今日はここまでにしよう。あとはクールダウンをしっかりやろうか」

 

「しょ、承知しました…」

 

 キッツ! 

 いやキッツい!! 

 トレーニングがね? 

 

 契約してから時が流れ、今日で二週間経った。

 そんで中森トレーナーの指導の下、トレーニングを続けているんだが…これがキツいんだわ。

 

 トレーナーに手伝ってもらいながら整理体操をする。

 なんというか、限界量ギリギリを絶妙に攻められているような感じだ。

 

「メトゥスは体がかなり頑丈だというのが、先週のトレーニングで分かったしね。徐々に負荷を増やさせてもらったよ」

 

「そうですか…道理で日々トレーニングがキツくなるはずです」

 

 なるほどね、つまり俺はいじめに遭っていたということだな? 

 いや強くなるために必要だと言うことは分かってる。

 俺も自己トレーニングをしていたときはかなり頑張ったと思っていたのだが、やはり本職の考えるトレーニングは違う。

 

 うまく言葉にするのは難しいが、あえて一言で表すなら、ひたすらに効率が良いのだ。

 

「しかし、キミの体は本当に頑丈だね。今日やったトレーニングなんかは、クラシック戦線を走るウマ娘とほとんど変わらないような質と量をやったんだが…実はまだ余裕があるだろう?」

 

 ぎく。

 …まぁなんだ。実の所、これだけ練習しても俺にはまだ少し余裕がある。

 あの光る女の人は適当に作ったなんて言ってたが、これに関しては感謝してもいいかもしれない。

 そもそもそんなに恨んでないけどね。今の両親に出会えたのはあの人が転生させてくれたおかげだし。

 

「自分で練習してた頃も、出来る限りのトレーニングをしていたはずですが…」

 

「僕もトレーナーの端くれだからね。効率の良いトレーニング方法なんかは一通り学んでいるよ。特に、僕は去年一年間はサブトレーナーとしてベテラントレーナーの下で学んでいたからね」

 

 いやー、その知識は確実に活かされてるよ。主に俺にな。

 

 しかし、まだ二週間だけど、着々と自分の実力が伸びてる感じがするね。

 確かにスパルタではあるんだが、俺に合わせたトレーニングを研究しているのか、どんなに厳しいトレーニングをしたときも、トレーナーのマッサージを受けてから寝れば次の日に疲れが残らないのだ。

 

「キミはなんというか、羞恥心が薄いよね。年頃のウマ娘なんだし、僕が言うのもなんだがもう少し気にしたらどうなんだ?」

 

「年頃といっても中学生ですよ。しかも三月までは小学校に通っていましたし、年頃というほど情緒が発達していないのです」

 

「キミの言葉遣いなんかはかなり大人っぽいけどね」

 

「言葉がどうであれ、体はこんなちんちくりんです。トレーナーはロリコンさんなんですか?」

 

「そういうわけではないが…」

 

 なら問題ナッシングじゃん? 

 まぁ羞恥心的なものは、前世が男の時点でそんなにないのよね。

 別にマッサージって言っても裸になるわけでもなし、ただ足とか腕とか背中を揉まれるだけだ。

 こちとら元三十路男性やぞ。なんとも思わんわ。

 

 というか、トレーナーって色々複合的な資格必要だよな。

 按摩の技術はもちろん、毎日昼飯は栄養バランスが偏らないように作ってくれるし、多分管理栄養士かなんかの資格もあると思う。

 ウマ娘が暴れたときに取り押さえるために、合気道なんかも専門学校では任意で習うらしい。

 やっぱ中央のトレーナーになるだけあって、新人って言っても優秀だなぁ。

 テレビで合格率10%未満とか最初見たときマジかって思ったね。

 こんだけ必要項目があるなら納得かもしれない。

 

「これだけの疲労を抜く技術とトレーニング調整能力があるなら、練習がスパルタになってもおかしくないというわけですか」

 

「僕の施すトレーニングがスパルタなのは指導をしてもらった人譲りかな。…まぁ確かにスパルタかもしれないけど、これでも元いた所のベテラントレーナーの人に比べたらマシにはしてるけどね。キミもまだジュニア級なわけだし」

 

 マジっすか。

 どうやら俺のトレーニングにはまだまだ先があるらしい。

 まぁ、伸びるために必要ならやるさ。

 仮想敵は覚醒したブライアンなわけだからね。どれだけ強くなるか想像もできん。

 

「…覚悟だけはしておきますよ」

 

「無理をさせるつもりはないから、そんなに身構えなくて大丈夫だよ」

 

 トレーナー、多分俺がやってる練習量は他の同期ウマ娘から見たら虐待レベルだと思うぞ。

 

 

 

 

 

 それから更にひと月ほど経ち、今日はメイクデビューである。

 

 いやー酷かったね。

 担当になって三週目くらいからは、俺の体力を完全に把握されたのか、完璧な調整だった。

 

 俺が倒れるか否か、の調整だ。

 

 練習後、整理運動をしてからトレーナーにマッサージしてもらうのだが、毎回そこで寝てたね。

 で、三十分くらいしてマッサージが終わったら起こしてもらってた。

 同室のトーカちゃん先輩にそのことを話したら、警戒心がなさすぎると怒られたが…こんなぺったんこのガキに何をするというのか。

 

 今日俺が出バするのはメイクデビュー、中距離2000m・芝・右回りの第二レース。良バ場発表だ。

 例の如く出バ表はもう手元にあり、有名どころはいない。

 

 なんというか、俺の出場レースには有名どころがいないっていう決まりでもあるんかね? 

 ちなみに第一レースにはまたブライアンが出ており…あ、今勝った。

 うん、普通の勝ち方だった。まだ覚醒はしていないようだ。

 

 このまま覚醒しなければ多少は楽になるんだろうかねぇ…

 

「メトゥス、次が出番だぞ」

 

「あ、トレーナー。分かってますよ」

 

 さっきまで敵情視察のためにコースの真前に陣取っていたトレーナーが帰ってきた。

 俺? 俺はウマ娘だからここからでも見えるんよ。

 わざわざ人混みに突っ込む必要もない。

 じゃあそろそろ行きますか。トレーナーにもせっつかれちゃったしね。

 

「では行って参ります」

 

「あ、メトゥス。今日のレースについて、一つ作戦というか、相談がある」

 

「なんですか?」

 

「このレース、『領域』は使わずに走ってきなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 なんで???? 

 

 

 




中森トレーナーの所属していたチームは、黒沼トレーナーのチームです。

あ、今回のチャンミに向けてブライアンを作り始めました。

中距離Sつかない…
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