「ありがとう。僕にとってその言葉は一生忘れることができません。やっと今、この地球が僕の故郷になったのです。だから、青い空と青い海のある故郷を、この目で見て、この手で確かめてみたいんです」
そう言って指輪・レオリングを指から外すおおとり ゲン。
「必ず帰ってきてね」とトオル。
「気をつけてね」と咲子。
「おおとりさーん」
ゲンを追いかけて走り出すトオル。
海まで走ってきたトオル。
「おおとりさーん」
ゲンの乗るヨットに手を振るトオル。
「おおとりさーん」とトオル。
「さようならー」とゲン。
その時、ヨットに乗っているゲンの前に不思議な空間が現れた。
(何だ?)
ゲンはその空間に手を伸ばした。
すると、ゲンはその空間に吸い込まれた。
「うわああああ!」
ドスッと地面に落ちるゲン。
「どこなんだ、ここは?」
ゲンは辺りを見渡した。見た所、日本のようだが……。
空き地にいるゲンは、取り敢えず放浪した。
「うわ!」
風で飛ばされてきた新聞がゲンの顔に当たった。
ゲンは新聞の日付を見た。
平成26年6月13日と書かれている。
「平成26年? 昭和じゃないのか?」
その時、自転車に乗った女の子がゲンに向かって急接近してきた。
「退いて──っ!」
どうやら自転車のブレーキが利かないようだ。
ゲンは懐に潜り込んだ自転車を足で止め、そこから投げ飛ばされた女の子を空中でキャッチして着地した。
「あ……ありがとう……」
女の子は頬を赤らめた。
ゲンは女の子を下ろした。
「貴方、見たところ地球人ではなさそうね。でも、悪い人でもないわね。私、
「ミラーマン?」
「この地球をインベーダーから守るため、鏡の世界からやってきたの。貴方は?」
「僕はウルトラマンレオ。僕の故郷はあそこさ!」
ゲンは獅子座の方角を指差した。
「獅子座? あんな所に惑星なんて……」
「マグマ星人に破壊されてしまったんだ」
ゲンは悔しそうな表情で拳を握り込んだ。
「そうなんだ」
「それで、インベーダーって?」
「地球外生命体。デビル星の侵略者よ」
「デビル星……」
「あ、いけない! 遅刻しちゃう!」
望美は自転車を起こした。
「ちょっと待って。その自転車、ブレーキが利かないんじゃない?」
「そうだったわ。どうしよう?」
「送ってあげる」
ゲンはレオに姿を変えると、望美を手に乗せて目的地へ送り届けた。
「ありがとう」
レオはゲンの姿に戻った。
その様子を遥か上空の宇宙船の中から見ている雪だるまの形をした怪人ジャッコフロスト。
「何とも忌々しい! 神は異世界からウルトラマンを呼んだか!」