ウルトラマンレオ〜異世界を救え〜   作:桂ヒナギク

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第02話:レオのピンチにアストラ現る

 望美の家。

 ゲンと望美が食卓でご飯を食べていた。

 鏡家の電話が鳴り響く。

「はい」

 望美が電話に出た。

「ああ、御手洗(みたらい)博士。……はい。……はい、分かりました」

「何だって?」

「御手洗博士は父の知り合いでね、渡したいものがあるから取りに来てって」

 二人はご飯を食べた後、SGMへと向かった。

 SGMで御手洗に会う二人。

「御手洗博士、渡したいものって?」

「これじゃよ」

 御手洗は望美に封筒を渡した。

 封筒には鏡 望美へと書かれていた。

「これは……?」

 望美は封筒から紙を取り出した。

 紙にはこう書かれている。

 望美へ。君には変身能力がある。その力で地球をインベーダーから守ってくれ。鏡のあるところでミラー・スパークと叫ぶんだ。訳あって私は君の側にはいられない。この地球を、全人類の未来を君に託す。

「変身能力……? やっぱり私にも備わってるのね! 私、やるわ! この地球を守る!」

 その時、地響きがゲンたちを襲った。

「何!?」

 ゲンたちは窓から外を見る。

 その向こうには、真っ黒な甲冑(かっちゅう)のような身体と雄牛のような二本の角、背中にはゴマダラカミキリをモチーフにした甲羅(こうら)を持つ怪獣、ゼットンの姿が。

「ゼットーン……ピポポポポポ……」

「ゼ、ゼットンだと!?」

「ゼットンって?」

「かつて地球へ最初に訪れたウルトラマンを倒したと言う最強の怪獣だよ」

「私が行くわ!」

 望美は自分の姿が反射するガラスの前に立って叫んだ。

「ミラー・スパーク!」

 望美は光となり、ゼットンの下に移動し、ミラーマンのような姿のミラーウーマンに姿を変えた。

「ミラーナイフ!」

 ミラーウーマンがミラーナイフをゼットンに投げるが、バリアで弾かれる。

 その様子を遥か上空で見ているジャッコフロスト。

「ゼットン、そんな雑魚は蹴散らしてしまえ!」

「ゼットーン……ピポポポポポ……」

 ゼットンが一兆度の火球を放った。

「うわ!」

 火だるまになり吹っ飛ばされるミラーウーマン。

「熱い……!」

 そこへウルトラマンレオが現れ、ミラーウーマンを包む火を消した。

「ゼットーン……ピポポポポポ……」

 ゼットンがレオに波状光線を放つ。

 レオがそれを側転でかわすと、その先にゼットンが瞬間移動してパンチを繰り出した。

「うわ!」

 レオは不意打ちを食らって怯んだ。

 そこへ追い打ちをかけるように波状光線が迫る。

「ぐっ!」

 レオはその場に倒れる。

「ゼットーン……ピポポポポポ……」

 レオのカラータイマーが点滅を始める。

「くっ……!」

 レオはネックバックで立ち上がり、空高く飛び上がってレオキックをゼットンにお見舞いしようとするが、瞬間移動でかわされてしまう。

 そこへアストラが現れる。

「兄さん、助太刀に来たよ!」

「アストラ!」

「ゼットンの動きは僕が封じる!」

 アストラはそう言うとゼットンの背後に回り込み、その体を羽交い締めにした。

「兄さん、今だ!」

 レオが空高く飛び上がり、レオキックをゼットンに叩き込むと、アストラはゼットンが爆裂霧散する寸前に素早く飛び退いた。

「アストラ、どうやってここへ?」

「兄さん、ウルトラの科学に不可能はないんだよ」

「あの……どなた?」

 ミラーウーマンが訊ねる。

「紹介するよ。弟のアストラだ」

「アストラです。兄がお世話になってます」

「二次元人のミラーウーマン、鏡 望美です」

 活動限界時間が訪れ、レオとミラーウーマンが人間体に戻る。

「それじゃあ」

 アストラは飛び立ち、空の彼方へ消えて行った。

 その様子を見ていたジャッコフロストは叫んだ。

「おのれウルトラ戦士めー!」

 


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