ゴッド・ストラトス   作:狼ルプス

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新型同士の任務

旧市街地エリア。

 

 

今回は、ここでシユウというアラガミ2体の討伐任務だ。シユウというアラガミは珍しい人型であり、背中に巨大な両腕羽を生やした素早いアラガミだ。

 今回装備は近接はロングブレード、銃はスナイパーだ。スナイパーに関してはサクヤからアドバイス、指南をしてもらっているイチカはバッチリ使えるのだ。

 

イチカは初めてシユウと戦う、若干の緊張を持ち、神機のチェックをしながらイチカはアリサと共にリンドウの到着を待った。

 

「……」

 

「……なんだよ?さっきからじっと見て…」

 

先程からじっとイチカを見ているアリサはなにか気になる様子だった。

 

「いえ、話によれば…あなたは扱いの難しいバイティングエッジを扱うと聞いていたのですが…」

 

「…ああ、確かにメインはバイティングエッジだが、時折装備を変えながら戦ってる。まぁ、基本剣系は全て使える…」

 

「そうですか…精々足を引っ張らないでくださいね」

 

「……はぁ」

 

「なんです?その返事は?不愉快ですよ」

 

「いや、別に(結構慢心気味だが…大丈夫かこの子?)」

 

イチカはアリサに不安を持ちながら最終チェックを済ませ、イチカは空を見上げる。リンドウのアドバイスで緊張した時は空を見上げ動物に似た雲を探せと言われ、イチカはリンドウのアドバイス通り探す。

 

「(ニンジン…野菜型の雲か、ニンジン、か……束さん元気かな)」

 

動物ではなくニンジン似の雲を見つけたイチカはこの世界にいない篠ノ之束を思い浮かべる。

 

 

「よぉ、待たせたな」

 

少し遅れて神機を肩に担いだリンドウ現れた。相変わらずの軽い調子に、ほんの少しだけ緊張が解れる。

 

「今日は新型2人との共同任務か……まあ、足を引っ張らないようにするから安心してくれ」

 

「リンドウさん……」

 

自分達より遥かに強く経験も多いリンドウが、足を引っ張るわけがない。

 

これは彼なりの冗談で、まだまだ一人前ではない自分達をリラックスさせる為の言葉だとわかり、つい苦笑する。

だが、彼の冗談を聞いたアリサは暴言に近い言葉を彼に向かって放った。

 

「…旧型は、旧型なりの仕事をしていただければいいと思います」

 

「っ……おま」

 

あまりにも失礼であり、また傲慢さに溢れたものだ。おもわず注意しようと思ったイチカだったが。

 

「ははっ、まあ気楽にやらせてもらうさ」

 

リンドウはまったく気にした様子もなく笑い、何気なくアリサの肩に手を置き。

 

「キャア!!」

 

瞬間、アリサは本気の悲鳴を上げリンドウから飛び退いた。

 

「…?」

 

「………あーあ、随分と嫌われたもんだな」

 

 

「あ…す…すみません、何でもありません、大丈夫です」

 

その反応にさすがに驚くリンドウだが、すぐさまいつもの調子に戻り呟きを漏らす。

 

 

「フッ…冗談だ。んー…そうだなあ…よしアリサ、混乱しちまったときはな、空を見るんだ。そんで動物に似た雲を見つけてみろ。落ち着くぞ。それまでここを動くな。これは命令だ。その後でこっちに合流してくれ。いいな」

 

「な、なんで私がそんなこと…」

 

「いいから探せ。な?」

 

何故か逆らえない空気を出して命令するアリサも渋々命令に従う。

 

「よし、先に行くぞ」

 

「……はい」

 

リンドウはイチカを連れて旧市街地に向けて歩を進める。

 

 

「あいつのことなんだがな…どうも色々訳ありらしい」

 

 

「ワケあり、ですか?」

 

そんな中、リンドウはぽつりと口を開いた。

 

「ああ、さっき言ったように成績は優秀なんだが、姉上によると精神が不安定らしくてな……まあ、こんな時代だからまともな人間の方が少ないもんさ」

 

 

「…………」

 

「お前、さっき俺の為に怒ろうとしただろ? 気持ちは嬉しいが……ちょっとは大目に見てやってくれ。それに同じ新型のよしみだ、あの子の力になってやれ、いいな?」

 

 リンドウはイチカの肩に手を置く。

 

「…………努力します」

 

「えらい間が空いたな?それに、正直今のあいつの事苦手だろ?おそらくお前さんのいた前の世界の事も含めてな…」

 

「ははっ、リンドウさんにはお見通しですね」

 

「まっ、辛い過去はそう簡単に忘れられないもんだ……」

 

「けど、比べてしまうと、俺の世界の方がまだマシな方ですよ」

 

「……かもな」

 

リンドウはイチカの世界の事情、理不尽な扱いをされ、実姉には見捨てられた事も知っている。話に聞いただけで流石に理解は難しかったが、イチカの持っていた所持品を見て信じざる得なかった。この世界のご時世では到底作ることのできない代物だった。

 

 

「うっし、じゃあ行くか!」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

イチカはビルの残骸の間を走り抜け、住宅地跡のような場所に出る。そこには小さな広場のような場所になっており、さらにその先も道が続いているが途中で道が無くなっている。

 

「いた……」 

 

 

曲がった先でシユウが捕食活動をしていた。イチカは神機を銃に変形させ、シユウに気づかれないよう気配を殺し狙いを定める。狙いは頭だ。アラガミも人間と同じで頭を失えば絶命する生き物だ。中にはしばらく体のみを動かせる個体も稀にいると言う。

 

 

「(ここだ!)」

 

パァン!!と細い弾丸がシユウに命中し貫いた。その一発でシユウは頭に当たりダメージは大きそうだが絶命するとまではいかなかった。

 

「くそっ!流石に一発じゃ無理か!」

 

 

一度距離を取ろうと離れるが、シユウは余裕を見せつけるように、挑発的に手招きをしている。挑発している隙に、剣に変形させ一旦下がる。当然シユウがイチカを追走してくる。

 

 

広場に戻り、シユウを迎え撃つ。シユウが建物の影から飛び出してくるタイミングに合わせてイチカも飛び出して足を斬りつける。

 

「(硬い…!)」

 

シユウの下半身は硬い外殻に覆われており、破壊力のある攻撃でないと通りにくいとターミナルで調べたがここまで通りにくいとは思っていなかった。

 

 

シユウは素早く姿勢を落としながら、上段から下段へ半円を描くような手刀を放つ。それをバックステップで回避し、インパルスエッジを放ちシユウの右側の翼手に命中する。その衝撃にシユウは一瞬怯み、間に少し距離が開く。

 

「喰らえ!」

 

イチカはプレデタースタイル、【ゼクスホルン】を使い、シユウを捕食し即座に距離を取りバースト状態となる。

 

体制を立て直したシユウがオラクル弾を両方の翼手から打ち出してくる。それを横に躱す。

 

「(っ、追尾するのか!)」 

  

しかし、オラクル弾は少し軌道を変えて追尾してくる。それを反射的にステップで跳び、さらに距離を取る。シユウはまだ攻撃が当たると考えているのかオラクル弾を射っている。

 

 

「(キリがない、このまま撃ってくるなら…近づくまでだ!)」

 

イチカはこのままでは埒があかないとシユウに接近する。しかしシユウは両翼手を合わせて大きなオラクル弾を放ってきた。大きなオラクル弾は先のものより高い追尾性能を持っており、イチカはそこから飛び上がりイチカは気づく

 

「(成る程…垂直方向の追尾はないのか。これが分かればなんとかなりそうだ!)」

 

シユウのオラクル弾はオラクル弾は水平方向への追尾性能はあるが、垂直方向への追尾能力は無いらしい。その証拠にシユウの放ったオラクル弾はイチカの下を通り過ぎた。

 

しかし、オラクル弾は地面に着弾すると爆発して上にいたイチカは爆風で吹き飛ばした。

 

爆風で飛ばされ、シユウに近づく。イチカは冷静に体勢を直しながら銃に変形させ、頭を下にした状態でシユウに狙いを定め、シユウに弾丸を射つ。シユウに背に着弾しても大したダメージにならず、発射の衝撃で少し上へ跳ぶ。

 

後ろを取る。そのまま着地し、振り向きながらシユウにバースト状態でエネルギー出力を引き上げたインパルスエッジを与え、この攻撃でシユウの足と胴体にヒビが入る。

 

これを好機と捉え、イチカは斬り込みなが近づき、もう一度斬り、その後に斬りながら離脱した。

 

するとシユウがオラクル弾を放つ構えをとると、両翼を地面に叩きつけた。

 

「がっ!」

 

 突如地面から衝撃が入る。どうやらシユウの翼手はオラクル弾だけでなく、衝撃を放つことができるようだ。その衝撃でイチカはダメージを受けシユウは接近し打撃を与えてくる。

 

「くっ!」

 

イチカはなんとかバックラーで防御を取りそのまま勢いよく建物の壁に叩き付けられた。

 

「ぐぅ…」

 

衝撃で視界がぼやけ上手く立てないイチカ、そこへシユウが飛び上がり翼手を広げて近づいてくる。動けないイチカに左右の掌を合わせて叩きつけようとし、なんとか見える視力でイチカは左腕を行使しようとした時…

 

 

ズガガガ!!

 

と銃声が響きシユウの横から銃弾が飛んできた。シユウは体勢を崩し、弾丸が飛んできた先を見ると、おそらく動物の形をした雲を見つけ終わり、ガトリング砲を構えたアリサがいた。

 

「動けないなら邪魔です!消えてください!」

 

「(辛辣…けど一応助けてもらったから文句は言えない…)」

 

一応は助けてはくれたようだ。アリサはガトリング砲を射ちながら少しずつ近づき、射ち尽くす頃に剣形態に戻して斬り込む。イチカも体勢を立て直し、銃形態で援護する。

 

シユウはステップで一旦後ろに下がりながらアリサが体勢を立て直す前に滑空して突進してくる。それをスライディングの要領で下を潜り、すれ違うタイミングで先とは反対の翼手を斬る。

 

シユウが起き上がる時に一瞬止まり、さらにアリサも離れている。この隙にイチカは胴体に撃ち込む。

 

 

「何やってるんですか⁉︎今のは頭を撃ち抜けたはずです!!」

 

「(マニュアル通りにいくかっての!!)」

 

 

剣形態に変形して横凪ぎに斬りかかる。それとは反対方向からアリサも斬りかかる。それを振り払うようにシユウは回転して攻撃する。二人はそれぞれが離れる方向に飛んで避ける。

 

 アリサが先に斬つけシユウの胴体に傷がつく。

 

「(…強い、けどまだ動きに無駄があるな)」

 

アリサの動きを見て、その動きはアラガミの動きを研究し尽くし、洗練されていた動きだった。演習で抜群の成績を残してきたと言うのも頷けるが、実戦経験は少ないとツバキは言っていた。

 

ただイチカから見てアリサはどこか慢心していると感じ取っている。

 

すると怒りで活性化したシユウが地面を両翼手で叩きつけ、衝撃で周囲の地面が揺れる。アリサは大きめに後ろに下がり、イチカは衝撃のない隙間を利用し接近し、叩きつけてから立ち上がるまでの隙に、捕食形態で捕食する。

 

そしてアリサは回避後に即座に反撃に出る。

 

 

 

シユウはカウンターを狙い、手刀を振り下ろす。アリサは脇の下に潜り込み、上へ斬撃を放つ。シユウの右翼が結合崩壊を起こした。

 

 

「(このまま…)」

 

 

……を手に入れろ……もっと……を

 

 

 

 

 

 

 

「(ッ⁉︎こんな時に!)ガハッ!!」

 

頭に響いた声に気を取られシユウの足の爪で腹から胸にかけて切り傷ができ、そのまま蹴り飛ばされて倒れた。

 

「もう戦えないなら後退してください!邪魔です!!」

 

 アリサの声が聞こえるがそれどころではなかった。自分の胸元から血が出ていた。

 

「(いてぇ…ここまでダメージを受けるのはゴッドイーターになってはじめてだな…)」

 

イチカはここまでダメージを受けたのははじめてで、死にかけた時よりはましだが改めて生きていると実感する。

 

「(言われっぱなしも癪だしな。少し、スイッチ入れるか……)」

 

イチカはシユウを睨み付ける。その表情はいつもと違い殺意に満ちた表情だった。

 

 

「(っ⁉︎な、なに…この心臓が鷲掴みにされた感覚…)」

 

 アリサもイチカの殺気に気がついて思わず動きが止まってしまった。その殺気はシユウでさえ畏縮するほどだった。

 

しかしシユウが見逃すはずもなく。残った翼手で隙のあるアリサを切り裂こうと、翼手を振り下ろす。

 

「(っ!しまっ…!!)」

 

 アリサはイチカの殺気に気が逸れてシユウの動きを見逃した。自分の死を悟り、思わず眼を瞑る。しかし一向に痛みは襲ってこない。眼を開けるとイチカが左腕で一本でシユウの頭を掴んでいたからだ。

 

そこからイチカはその場でシユウを地面に何度も何度も叩きつけついには原型すらわからないほど顔面は崩壊し、シユウはイチカに投げ飛ばされて壁に激突した。

 

「なっ⁉︎」

 

 アリサは信じられないものを見たような気分だった。通常兵器の効かないアラガミが人間の手によって投げ飛ばされた。

 

そんな事を考えているとシユウが立ち上がり、滑空して突っ込むが、なんとか滑空している。アリサは回避するがイチカはその場から動かずその様子にアリサは驚愕する。

 

「何をしているんですか⁉︎死にたいんですか!!」

 

 

 

「………」

 

イチカはアリサの言葉を無視し、ゼロスタンスの構えをとり、刀身にエネルギーを纏わせた神機を上段に構え

 

 

「斬」

 

 

 

迫ってきたシユウに縦一閃の斬撃をくらわせる。

 

まともに食らったシユウはこの斬撃で真っ二つ切り裂かれ、左右に分かれてイチカの間を通り過ぎる。もちろんイチカはコアを避けて切り裂いたのだ。倒した直後…イチカのバースト状態は解除された。

 

その光景にアリサはただ驚愕することしかできなかった。通常のゴッドイーター、ましてや新型にはない能力を使いシユウを一刀両断されたことにただ見ることしかできなかった。

 

 

イチカはコアを捕食してこちら側の作戦は終了した。

 

 

「よお、そっちも終わったみたいだな」

 

「お疲れ様です。こっちもコアの回収、終わりました。それとリンドウさん…俺たちの様子を見てましたよね?」

 

「ははっ、まぁな…」

 

二手に分かれたリンドウが合流し、イチカが怪我をしているのに気づき、少し驚きながらも、見せるように言う。この反応だと来たのはイチカが左腕でシユウを叩きつけていたところだと推測する。

 

「いつもは擦り傷が殆どのお前さんがここまで怪我するなんて珍しいな?見た感じそこまで酷くはないが、ルミコ先生に観てもらえ、いいな?」

 

「わかりました」

 

傷を観て貰っている中、アリサが先に待機ポイントに向かって歩き出す。

 

「アリサ!お前助けてもらってるんだ。何か言うことがあるだろ?」

 

「それは彼が勝手にやったことです。それに、私はそんなこと頼んでませんし、私一人でどうにかできました」

 

「流石にそんな言い方は無いんじゃないか?」

 

「リンドウさん…いいです、俺も彼女には一度助けられた身です」

 

しかし、アリサはさらに挑発的な発言をする。

 

「私はあなたを助けたつもりもありませんし、元々他人をアテにはしていませんし、一人でも戦えるように訓練もしているので問題ありません」

 

 何やらアリサはムキになって言い返し、再び待機ポイントに向かって歩き出す。するとアリサは止まりこちらを振り向く。

 

「……一応、お礼は言っておきます。ですが、次は負けませんから」

 

アリサは振り向きイチカに一言言い捨てそれだけを言うと、さっさと先に進むアリサ。

 

 

「素直じゃねぇなあいつも、これなら仲良くなれそうじゃねえの?」

 

「不安しかありませんよ……」

 

イチカはアリサの姿が見えなくなり、それを確認し真っ二つされたシユウの死骸に近づき、手袋を外し、付近に落ちていたシユウの下半身の欠片を手に取ると、光を放ちシユウの欠片は吸収された。

 

「おお…そんな感じで取り込むんだな…」

 

「はい…リンドウさんは、はじめて見るんでしたっけ?」

 

「まぁな」

 

その様子を興味深そうに見たリンドウはタバコを取り出し吸い始め、二人もアリサの後を追うように待機ポイントに向かった。




一応手袋をした状態でも物理では力は発揮できます。

先飛ばしてイチカにバースアーツ、デビルトリガー擬を使わせるか…

  • バーストアーツ
  • デビルトリガー擬
  • 両方
  • 必要ない
  • 作者に任せる
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