イチカがアリサを怒鳴って3日が経った。イチカはあれ以来アリサに謝ろうとするもアリサはイチカを避けてしまい謝れない状況が続いていた。リンドウ、サクヤからも『メールで言えばいいのに』と指摘されるも、イチカは『口で伝えたほうがいい』との事らしい。
そして今回の任務はサクヤ、ソーマ、イチカ、コウタ、任務の討伐対象は獅子たるアラガミ……ヴァジュラだ。彼奴から放たれる雷撃はベテランの神機使いでさえ、気を抜けば一瞬にして命を奪われるほどだ。イチカはここまで大型種と戦ったのはサリエルのみで今回ヴァジュラははじめて相手にする。
「さて、時間ね。皆、準備はいいかしら?」
「こっちは準備OK」
「こっちもOKっす、サクヤさんっ!!」
「……問題ない」
任務先である贖罪の街で全員の準備が整い、作戦開始時間となった。四人は高台から飛び降り、死地へと足を踏み込む。
策敵のために二手に分かれて行動することになった。イチカはソーマと行動し、贖罪の街は地面が乾燥しており、歩くだけでもかなりの砂埃が立ちこめる。イチカとソーマは近くの小型アラガミを、出来るだけ迅速に倒していった。
「フン、やるようになったな…イチカ」
「ソーマや先輩方のおかげさ」
「そうか……ところで、こいつらは取り込まなくていいのか?」
「ああ、既に一度取り込んだ種類のアラガミは二度はしないみたいなんだ。今回の任務、ヴァジュラの欠片を取り込めたらいいなって思ってる」
「そうか……」
『グオオオオォォォ!!』
二人が軽口を叩いているその時だった。全く反対の方向から雄たけびが聞こえてきた。今までの小型アラガミと違い、もっと……凄まじい迫力を伴った声だった。そして、そちらはサクヤとコウタのいる方向だった。
「この咆哮」
「急ぐぞ!」
「ああ!!」
「ぐわぁぁあああ!!!!!」
「コウタくん!!クッ……なんとか二人が来るまでもちこたえなくちゃ……」
二人と対峙しているアラガミ、ヴァジュラはマントをひるがえし、そのマントを輝かせていた。雷撃を放とうとしている。
前足による攻撃でコウタが吹き飛んだというのに、雷撃はその倍の威力はあるものだった。
「なんとしてでもっ!! ハァッ!!」
サクヤは神機の引き金を引いた。発砲音と共に十発の弾丸が発射され、ヴァジュラを襲う。しかし、ヴァジュラはすんでのところで上に飛び上がり、銃弾を避けた。銃弾はヴァジュラが元いた場所に着弾し、凄まじい爆発と砂埃を巻き上げた。
『ゴァァアアアア!!!』
「まずい……避けて……サクヤさん」
後ろからコウタの必死な声が聞こえてくる。その声が届いたのか彼女は既に回避体勢にはいっていた。高く飛び上がったヴァジュラは空中で一回転し、マントを大きく光らせた後、計六本の雷撃を放った。その速度たるや凄まじく、まさに光速そのものだった。
『ガァァアアアアア!!!』
「フッ!!」
彼女は大きく後ろに跳びすさり、ヴァジュラの雷撃を一本二本と回避していくも、跳んだ先にちょうど雷撃が落ちてきてしまった。状況反射で思わず目を瞑ってしまう。その時、彼女の耳にはガァンという轟音が届いた。
目を開ければ、そこには雷撃をバスターブレードで弾き返しているソーマがいた。次いでイチカはヴァジュラの真上から捕食形態で捕食攻撃をしたのち2人の前に降り立った。
「サクヤ姉、コウタ、大丈夫か!!」
「ええ、なんとか無事よ。有難う」
「イチカ、ソーマ……サンキュな……」
「ふんっ…」
コウタと剣呑な眼差しのサクヤを一瞥するとヴァジュラへ向き直ると同時に神機を構えた。
『グルァァァァッ!!』
雄叫びを上げ、イチカ達に迫り巨大な右前脚を振り上げるヴァジュラ。それを彼は素早く右に跳躍、着地と同時に大きく踏み込み斬撃を与える。
剣の一撃はヴァジュラの左前脚に命中、それなりに深く斬ったのだが、ヴァジュラは気にした様子もなく今度は雷球を撃ち出してきた。
「く!」
素早く装甲を展開して防御、なんとか衝撃を殺し踏みとどまるかができたイチカ。
「いけっ!!」
「そこよっ!!」
回復したコウタは左、サクヤは右に回り込み同時に銃撃の雨をヴァジュラに浴びせていく。その隙にソーマは正面からヴァジュラに接近し。
「……ふっ!」
ソーマは跳躍して、ヴァジュラの顔面にイーブルワンを容赦なく叩きつけた。鈍い音と共に、切り裂かれ抉られ鮮血が舞うヴァジュラの頭部。
『グギィィアァァッ!!』
ソーマの一撃が堪えたのか、ヴァジュラの口から聞くに耐えない断末魔が絞り出された。
「はぁぁっ!」
イチカはもう一度ヴァジュラに向かって踏み込む。
『グルル……!』
イチカの接近を見て身体を少し屈めるヴァジュラ。
「(っ!何かして来る)」
嫌な予感がし、足を止め後ろに跳躍するイチカ。瞬間、ヴァジュラの周りに凄まじい電撃が駆け巡った。
「(踏みとどまったまま電撃を放つのか。だが動きながらそれが出来るわけじゃなさそうだな…)」
もし接近したらあの電撃をまともに浴びる羽目になっていた。イチカは神機を補喰形態へ変形している間に、ヴァジュラはコウタとサクヤに標的を変えており、その隙に接近し左後脚を補喰し、バースト状態となりオラクル細胞が活性化しすかさず銃形態へ移行。
「コウタ、サクヤ姉!!受け取れ!!」
ヴァジュラから離れながら、銃を2人に向け放つ。無論通常の銃撃ではない、アラガミバレッドを2人に向けて発射したのだ。
「よっしゃ!!」
「いくわよ………!」
新型にしか出来ないリンクバーストで2人も同じくバースト化、その前にイチカはヴァジュラから距離を取り銃を構え、2人も銃口を標的に向け。
「くらいなさい!!」
「いっけぇぇぇっ!!」
「くらいやがれ!!」
3人まったくの同時に、アラガミバレッド――大雷弾を撃ち放った。
『グギャッ!?』
巨大な雷の塊はヴァジュラの尻尾と前脚を粉砕、巨体が倒れ込み僅かに地面を揺らす。
「合わせろソーマ!!」
「ああ!」
声を掛け、イチカは薙刃に変化させてソーマと同時に力一杯駆け出す。
「はぁぁぁぁっ!!!」
「くたばれ………!」
そのまま、飛び上がったソーマの剣はヴァジュラの胴体を。イチカ正面から、薙刃は白と黒の混じったオラクルエネルギーを纏わせ、強烈な刺突を顔面にくらわせた。
『ガ……グゥ…ッ』
ヴァジュラの頭に深く刺さった刃、ヴァジュラは何度か痙攣を起こし、動かなくなった。
「ふぅ……」
絶命したのを確認すると、イチカはズブリと神機をヴァジュラから抜き取る。
「……討伐、完了」
力を抜くために、大きく息を吐き出した。
「やったぜ!!」
「ふん……」
コウタ達も、いつも通りだったりと……高ぶった緊張を解していく。コアを採取し、イチカ達は警戒心を抱きつつもその場から離れる。
「やったなイチカ、俺たちヴァジュラを倒したよ!!」
「ああ、コウタもお疲れ様」
「おう!」
イチカとコウタは拳をぶつけ合う。コウタははじめて大型アラガミを倒せたことに気分が高揚していた。
「ソーマ」
「……フッ」
ソーマもイチカと手をぶつけ合う。その表情は何処か嬉しそうに見え、その様子にサクヤも驚いた。
「ソーマ、あなた……本当に物腰が柔らかくなったわね」
ソーマの変化に驚きの表情を見せつつ、サクヤは嬉しそうにそう口にした。
「……ウルセェ」
そう言ってそっぽを向くソーマ、だが……褐色の肌が僅かに赤く染まっている事を見逃さなかった
「なんだよソーマ、照れて「ああ゛?」なんでもありません」
ソーマのガチトーンにコウタは萎縮してしまう。これ以上何か言えば命がないと本能で察したのだ。
「さて、俺は…」
イチカはソーマ達のいたヴァジュラの反対側に行き左手の手袋を外し、ヴァジュラのマントの部位を一つ力任せにちぎる。左腕は光だしそれを吸収すると、左腕はしばらく電流が発生していた。
「今までと反応が違うな……今度検証が必要か」
電流が収まり、イチカは手袋をはめ、その後サクヤ、ソーマ、イチカ、コウタの4人は、安全確保の為教会付近を捜索しながら進んでいた。すると、教会の影から二人の人物が現れた
「…なに?」
「お前ら?」
「あれ?リンドウさん、なんでここに⁉︎」
「な、何で二人が?」
「貴方たちこそ、何故ここに…?」
イチカ達も目の前に居る人達を見て驚いた。そこにいたのは別ミッションに行っているはずのリンドウとアリサだったのだ。
先飛ばしてイチカにバースアーツ、デビルトリガー擬を使わせるか…
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バーストアーツ
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デビルトリガー擬
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両方
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必要ない
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作者に任せる