「(コウタには……俺の過去のこと、話すべきかもな)」
リンドウが行方不明になって数日、未だ発見された報告もな毎日が過ぎていた。イチカはそんな中、自分の過去をコウタに打ち明けようと考えていた。
「コウタ…」
「ん?どうしたんだイチカ?」
「任務に行かないか?その…お前には話しておきたいことがある」
「?ここじゃダメなのか?」
「ああ…ここじゃダメだ」
「……わかった。なんかワケありっぽいな…すぐ準備するから先行ってて」
「わかった」
リンドウの捜索中でも神機使いのやることは変わらない。イチカとコウタはツーマンセルでアラガミの討伐に出てる。
「コウタ、受け取れ!!」
「サンキュー!!」
イチカはリンクバーストを行いコウタの神機のアサルトがグボログボロに火を噴く。その隙に接近しイチカはバイティングエッジで刀身にオラクルエネルギーを纏わせ舞うように斬撃を繰り出す。
斬り刻まれたコンゴウにさらに追撃でコウタが連射。
コンゴウも残る力で衝撃波を放つが放たれるまで時間が掛かるため、容易に回避される。
「はぁっ!!」
イチカはコンゴウにステップで迫り二振りの剣を強く叩きつけ斬撃を繰り出し、この一撃によりコンゴウは絶命した。
『アラガミのオラクル反応消失、ミッション終了、お疲れ様です』
インカム越しにヒバリの声を聞きながらイチカとコウタ討伐を終えた。
「お疲れイチカ」
「コウタもお疲れ。やっぱりコウタの援護は適切だからやりやすいよ」
コウタに労いの言葉をかける。コウタとのツーマンセルの連携は日に日に良くなっていた。
「そうかな?あんまり自分では分かんねーや」
「的確な射撃ができるのはコウタの実力さ。自信は持っていいと思うぞ」
「へへ、ありがとな!お前にそう言われるとなんか嬉しいぜ」
コアを抜き取り、帰投する準備をす中、コウタは声をかける。
「なぁ、イチカ…ずっと前から気になってたんだけど、聞いてもいいか?」
「うん?」
「お前のその左腕ってどうなってるんだ?前にもコンゴウを殴り飛ばしてだよな?」
「……今から話すことにも関係する。コウタ…お前は別世界の存在って信じるか?」
「え?急になんだよ?」
「それが普通の反応だよな、俺は…この世界とは違う別の世界から来た人間なんだよ…アラガミの存在しない世界のな」
「え…ちょ、ちょっとまて…どういうことだよ?」
「全部話す…それと証拠もあるから…最後まで聞いてくれ」
自分がこの世界に来た経緯をイチカは話し始めた。
三年前、織斑一夏として生きていた世界のこと、自分の世界ではある大会の最中誘拐され、姉に見捨てられ、突如何もない所からアラガミが現れ殺されかけたこと、意識がない中この世界に来てリンドウとサクヤにより救助され、橘サクヤの弟として生きていくとを決断し、アナグラに住み始めたこと、そして…
「俺のこの左腕は…アラガミ化してるんだ」
「は⁉︎アラガミ化してるって…」
イチカは左手の手袋を外し、袖をまくる。その腕は人間の腕ではなく…異形と化した腕だった。
「………」
「正直…この腕に関しては謎が多くてな、榊博士曰く未知のアラガミの細胞らしくて……」
コウタは愕然とすることしかできず、ただイチカの話を聞くことしかできなかった。
「……第一部隊のみんなは、知ってるのか?」
「アリサを除いてな…後は一部の人は知ってる。支部長や榊博士、ツバキさん、リッカ、ルミコ先生も」
「……イチカ、どうして話してくれなかったんだよ?」
「ごめん…………」
一言謝り押し黙るイチカに、コウタはキッと顔を上げイチカの両肩を強く掴んだ。
「俺達親友だろ!?困ってたら遠慮なく話せよな!!」
「コウタ……」
「そりゃあ…そんな事、簡単に信じることも、打ち明けていい内容じゃないのはわかるけどさ、例え別世界の人間だろうが一部がアラガミ化してるだろうとイチカはイチカだろ?だったら、そんな事気にしなくて、遠慮なんか考えないで頼れ!!」
「……」
真っ直ぐな…真摯な瞳、嘘などまったくない純粋な言葉。それは当たり前だ、コウタにとってイチカは親友なのだから。コウタにとってはどんな事があっても、イチカと親友であり……仲間なのだから。
「ありがとう……コウタ」
「それでいいんだよ。ならさ…そっちの世界の事もっと教えてくれよ!!悲しい内容だったけど、面白いものもあるんだろ?束さんの事とか!」
「もちろん!ただ話したくないこともあるからそれだけは理解してくれよ」
「わかってるよ!」
コウタには一応持ってきていたスマホ貸し、イチカの世界にあったものやアニメの事を話すとコウタはすぐに興味を持った。
会話を弾ませながら車でアナグラに帰投し、改めてリンドウの捜索に気を引き締める2人だった。
帰投後、ヒバリに任務終了の報告し、問題ない事を確認するとコウタは自室に戻っていった。
「ヒバリさん、アリサに面会はまだできないんですか?」
「えっと…先生がいる時なら面会可能になったみたいですね…まだ回復の兆しが見えないらしいですが…」
「わかりました。ありがとうございます、ヒバリさん」
そう言ってイチカは病室に向かった。
病室に行くと大車がいたので今回は入室でき、アリサが病衣に身を包み、ベッドで眠っていた。
「すぅ…すぅ…」
「(顔色も…あまり良くなさそうだな)」
お世辞とも顔色がいいとは言えなかった。
「効果の高い鎮静薬が届いたのでね、当分意識は戻らないはずだ」
「そうですか(俺…お前にまだ謝ってないんだ。だから…元気になってくれよな)」
イチカは思わずアリサの手を握る。
「⁉︎」
突如として、頭の中に見たことがない映像がノイズ混じりで浮かび上がってきた。その映像は浮かんでは消えていく。
「………」
映像が消え、気が付くと医務室に戻っていた。
「(なんだ…今の…)」
あまりにもリアル過ぎる映像だった、するとアリサの瞼がピクリと動いた。
「あれ…ここは…私…どうして…」
アリサがボンヤリしながらも目を覚ましてイチカを見る。
「え…」
「い、意識が回復しただと⁉︎…まさか…し、失礼する!」
「え、あの…」
大車はあからさまに動揺して病室を出ていく。普通なら意識が回復したら状態を確認するのが優先のはずなのに何故退室するのか疑問を抱くと、ボンヤリとした口調でアリサが話しかけてきた。
「今…あな…た…の…あなたは……いっ…た」
そこまで言うとアリサは再び眠ってしまった。
「(今のは…一体)」
知らないイメージを脳内に直接刷り込まれた様な感覚になり、まるで実際に体験したようだった。先の感覚に疑問を持ちながら無意識にアリサに触れた自分の手を見つめていた。
「はい。ええまさか意識を取り戻すとは…」
大車は廊下に出て、誰かに電話を入れる。余程予想外だったのだろう。動揺して早口になる。
「詳しくは分かりませんが…ええ例の…新型同士の感応現象が起きたのではないかと…はい、どうしましょう…隔離しますか?」
大車と連絡先の相手には余程都合が悪いらしい。
「そうですか…では暫くはこのまま…はい、では私はこれで」
その言葉を最後に大車は通話を切った。
「(聞こえてるんだよ…アイツ、一体何を企んでいる。連絡相手は誰だ?)」
イチカは耳を澄ませ、大車の会話をバッチリ聞き取れていた。イチカの聴覚は並のゴッドイーターを凌駕する聴力だ。壁越しなら意識を集中すればある程度の距離も聞き取れるが、連絡相手の声の主までは聞き取ることができなかった。
「(感応現象…か)」
新型同士の感応現象の言葉が気になり考察するも、聞いたこともなかった。大車は戻ってくる様子はなく、気配が遠ざかっていく、医務室に戻ってくる気はない様子だった。
「(あいつは……一体アリサに何をしているんだ……)」
あの会話でイチカはこのアナグラ内で不穏な動きがあると感じ取れた。今の状況では証拠もない為迂闊に動くわけにもいかなかった。
「(目を離さないようにしないとな……)また来るよ」
先程よりも幾分か顔色が良くなったアリサの頭を無意識に優しく撫で、一言言うと、イチカは医務室を後にする。
先飛ばしてイチカにバースアーツ、デビルトリガー擬を使わせるか…
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バーストアーツ
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デビルトリガー擬
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両方
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必要ない
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作者に任せる