任務を終えたイチカはアナグラに戻ると、榊の研究室に向かった。榊に先程の任務で起きた左腕の現象について話すとすぐに身体検査をされた。
「うむ…結果を言えば異常は見当たらないね」
「異常がない?そんなはず…」
イチカの体は至って正常だった。オウガテイルの欠片を左腕が吸収し、何かしら異常があると覚悟はしていたか…
「……君の左腕はオウガテイルの欠片を取り込んだ。それは間違いないんだね?」
「はい…ソーマも見ているので間違いはありません。ただ…意図していたわけじゃないのでまだよくわかっていないです」
「ふむ、実に興味深いが、これだけではまだ仮説を立てるのも難しそうだね、今後何か起きたらまた知らせてくれたまえ…」
「わかりました。ありがとうございました榊博士」
部屋から退室し自室に戻為に新人区画に向けてエレベータ乗ろうとする。
……を手に入れろ……もっと…
「っ、な…なんだ」
突然頭に声が響き、頭を抑えるイチカ。しかし新人区画につくとすぐに収まり、頭を横に振り自室に向かう。前のベンチにコウタが座っており、イチカに気付くと話しかけてきた。
「お疲れイチカ、今日は二つ任務を受けたんだって?」
「ああ、先輩二人と一緒だったからそんなに手こずらなかったかな…ただ気を抜いていたせいか殺られかけたけど」
「マジか⁉︎大丈夫だったのかよ?」
「なんとか全員生き残れたよ。本当に戦場で気を抜くとあの世に一直線だ。コウタも気をつけろよ?」
「わかった…気をつけるよ、ありがとうなイチカ。あ、そうだ…リンドウさんが探してたみたいだから、顔出しといた方がいいよ!」
「リンドウさんが?わかった、ありがとうコウタ」
コウタは思い出したようにリンドウが探していた事を伝えた。さっそく行ってみるとリンドウが部屋に入れてくれた。
「おう、お疲れさん」
「お疲れ様です。リンドウさん、要件は?」
「ああ、今回の任務についてだ。ソーマとはじめての任務はどうだった?」
「…正直、想像以上でした」
そう言うとソーマについて話してくれた。
「お前さんも知ってるように、ソーマはこの極東支部でも、トップクラスの実力を持つ神機使いだ。厳しい言動でよく誤解されるんだが…まあ、何にしてもやっぱりガキだな。ただ…」
そこで一度区切る頃にはどこか優しい表情になっていた。
「俺はアイツほど優しい奴はそういないと思ってる」
「そうですね。ソーマは…根はすごい優しいやつです。でも…何処か何かに怖がっているように見えました」
「…アイツは目の前で誰かが死ぬことを一番恐れている。だからずっと…他人を遠ざけて、仲間の輪から外れてる。それでも、近寄ってくる奴はいる。今回一緒に同行したエリックがそうだ。もちろんイチカ…お前さんもな」
「……」
イチカはあの時ソーマの言っている事を思い出す。『せいぜい死んでくれるな』彼はイチカにそう言ってくれた。イチカはソーマはただ不器用で本当は優しい人なのははじめて会った時からもわかっていた。
「エリックは純粋に強いソーマに憧れてる。ただ、フェンリルの傘下にある企業の社長息子で、まあ所謂ボンボンだ。甘ったれたところもあったが…妹の為に戦場に出られるすごい奴だ」
「妹の為に…」
「そういうわけで…ゴッドイーターとしてずっと死なないことを命令しとくとするかな!ここだけの話、以前からお前のことは気にかけていたからな…あいつ」
「そうなんですか?全然知らなかった」
「自分と似た何かを感じたんだろうな…それで、今後あいつとは上手くやれそうか?」
「そこは心配ないと思います。さっきの任務、ソーマはあの時、褒めてくれたんです」
「へぇ〜…あのソーマがか?」
「はい、『せいぜい死んでくれるな』って言われたので…ソーマの信頼に応えないと」
「(あのソーマが…こりぁいい意味で変化が起きてるな)」
話が終わったと思いイチカは帰ろうとするとリンドウに止められた。
「ああ待て、最後に…お前の同期、大事にしろよ。アイツは本当にいいヤツだぞ。このご時世にあんなにまっすぐな育ったもんだ。親御さんの教育の賜物なのかね…気の合う仲間は、本当にかけがえのない宝だ。大事にしろよ?」
「言われなくてもです。コウタは…この世界でできた友達ですから…」
この世界は身近にいる人間が簡単に死んでいく、そんな残酷な世界だ。楽しい時間を過ごせる友人、気の許せる仲間が明日にはいなくなるかもしれないのだ。そんな仲間を失わないように、自分も大事な物を守れるよう強くならないといけない。
「コウタもお前も、技術はまだまだ未熟だが…まあ、しばらく生き延びてりゃいい線行きそうだ。期待してるから…とにかく死ぬなよ。いいな?」
「了解です。上官殿」
「やめてくれ、お前にそれ言われるとなんかむず痒いんだよな…」
リンドウの死ぬなという発言に頷いて、イチカ部屋から出ていった。
「イチカ!」
「わかってる!」
数日が経ちイチカはソーマと二人で任務に出ており、今回イチカの近接装備はバスターにしており、ソーマに教わりながらアラガミを討伐していた。
今回は今までとは違い、小型アラガミではなく中型アラガミの討伐を行なっている。
ソーマは迫ってきた中型アラガミ、グボログボロに対して神機を持ち替え反転、斬りつけた反動で後ろに飛び上がり、捕食形態に切り替えそのまま
「くたばれ!!」
喰い千切り、コアをもぎ取った。
「イチカ!」
「大丈夫!!」
そう声をかけたソーマの目に入ったのは、動けないグボログボロの真正面にバースト状態のイチカの姿。
自身のオラクル細胞を活性化させ、刀身に禍々しい黒色のオーラを込める。バスタータイプの剣のみ可能な技、チャージクラッシュ。発動までに時間が掛かるが、威力は凄まじい。
しかしイチカのチャージクラッシュのオーラが…黒色のオーラから赤と橙色が混じったオーラへと変化した。
「これで……終わりだぁ!!」
グボログボロに向け、そのまま勢いよく振り下ろす。威力の凄まじい一撃をまともに受け……グボログボロは、一刀両断され、血と肉片を辺りに撒き散らしながら絶命した。
周りをソーマに警戒してもらいながら、イチカはコアを捕食しながらヒバリの声に耳を傾ける。
(アラガミ、全滅しました。お疲れ様です!そのまま帰投して下さい》
「了解です。ソーマ、今回のバスターの扱い…どうだった?」
「まぁ、いいんじゃないか?それより…最後の一撃はなんだ?チャージクラッシュの威力をはるかに超えていただろ?」
「ああ…最近どうもバースト状態で攻撃すると通常攻撃の威力が段違いにアップするんだ。俗に言う必殺技みたいな感じで…、ソーマとエリックさんの任務の後から単独で小型を討伐した時に気付いたんだ」
「……そうか、それで…他の装備は試したのか?」
「近接タイプは殆ど変化あり、多分だけど…左腕がオウガテイルの欠片を吸収した事に原因があるんじゃないのかって推測してる」
イチカはグボログボロの欠片を手袋外した状態で左手で拾う。すると左腕が光出しグボログボロの欠片を取り込んでしまった。
「うおっ⁉︎」
すると光が激しさを増し、光の紐が多数一瞬現れ腕が動いてしまったがすぐに引っ込んだ。
「……な、なんだ…今の」
「おい…平気なのか?」
「ああ、大丈夫……多分」
左腕を動かしながら問題がない事を確認し、改めて周りを警戒し、問題なしと判断しソーマに顔を向け、神機を肩にかつぐ。
「とりあえず、帰ろうか?」
「あぁ」
帰りの車を走らせるイチカの隣で、車外の景色を眺めていた。もう街とは呼べない瓦礫の散乱した場所をただ通り抜ける。ゴッドイーターは基本車の運転は訓練期間に教わりイチカも運転は可能だ。
「……おい」
「ん?どしたの?」
「おまえ、俺と2人で楽しいか?」
「え?全然嫌じゃないけど?それにソーマと一緒の任務だとアラガミの追加で良い経験ができるし、不測の事態ってやつも経験できたからな」
「………」
ソーマが溜息をつくとイチカ笑い出す。
「それにもう俺達マブダチだろ?アナグラにいる時と違って結構喋ってくれるじゃん。リンドウさんから俺がアナグラにいる頃から気にかけてくれたんだって?」
「ちっ、余計な事を……俺にあんまりひっついてると、その内死神の呪いに殺されるぞ」
「死神の呪い?よくわからないけど……ソーマさ、もしかして照れてる?」
「っ、そ、そんなわけねえだろうが!!ぶっ飛ばすぞテメェ!!」
「(照れてる…それに嘘つくの下手だな)ッて!!危ないから今はやめてくれ!!事故るからぁ!!」
ソーマはイチカに殴りかかろうとしており、危うくイチカは事故るところだった。
それっきりソーマは喋ってはくれず…無言の状態がアナグラまで続いた。
先飛ばしてイチカにバースアーツ、デビルトリガー擬を使わせるか…
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バーストアーツ
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デビルトリガー擬
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両方
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必要ない
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作者に任せる