やぁやぁ諸君、私はISの生みの親で、てぇんさぁい科学者の篠ノ之束さんだよ!世間じゃ天災なんて言われてるけどね。
三年前…いっくんが亡くなった…当時モンドグロッソが行われていた時、いっくんを監視カメラをハッキングして見て見守っていたんだけど
「いっくんが攫われちゃった…助けにいかなきゃ!」
私が行かなくちゃ…ちーちゃんは助けに行かない可能性がある…待っててねいっくん、今行くから!!
そう思いながら、私がプレゼントしたスマホの発信機を頼りに、ニンジン型のロケットに乗り込んだ。しかし現場で見たのは余りに残酷な光景だった。
現場には… 肉塊と化し、噛みちぎられた誘拐犯らしき死体と、いっくんの左腕と大量の血痕が発見された。あれは人間…ましてや普通の動物やISができる芸当じゃなかった。生まれて初めて、吐きそうになった。
「束…お前、何故ここに?」
「ちーちゃん?」
束は既に現場にいた織斑一夏の実姉である千冬を見つけたので、涙を流しながら迫る。
「ちーちゃんのバカ!!なんで…なんで、いっくんのことを助けにいかなかったのさ!!いっくんはただ…ちゃんと自分を見てほしかてだけなのに!」
しかし千冬から帰ってきたのは
「…束、お前の言う通りだった。すまない…」
と言う言葉だった。
「……いっくんは…私が必ず、探しだす。いっくんを見捨てたちーちゃんなんか知らない、絶交だ!!」
そう吐き捨てて、ニンジン型ロケットに乗り今いる拠点に帰った。
事件から一週間が経ちいっくんは死亡扱いとされた。束さんは信じない!だって遺体すら発見されてないのに死亡と断定するなんて…確かにあの出血量じゃ生きてる可能性は限りなく低いかもしれない…私はいっくんの死体、骨を見るまでは信じないから、直接現場を見たが不自然な点がいくつもあった。
いっくんの血痕が途中から途切れていたこと…いっくんにプレゼントしたスマホには発信機があり、その反応が突然として消えたこと、其処が一番気になっていた。仮に動けたとしてもあの出血量じゃ血痕の痕が続いているからだ。プレゼントしたスマホは簡単に壊れる代物じゃない…ましてや兵器レベルな物を使わない限り壊れないほどの頑丈さ。誘拐犯らしき死体は何かに潰され噛みちぎられていたこと…現場周辺には肉食動物は生息はしていない…
「いっくん待っててね。時間はかかるかもしれないけど…絶対に探し出してみせるから」
「束様…私も力になります。ですから一人でなんでも抱え込まないでください…」
「ありがとうクーちゃん…」
「束様、よろしければ…織斑一夏様の事を教えてくれませんか?」
「もちろんだよ!いっくんはね…」
ここから束のマシンガントークが始まり、クーちゃんことクロエは最後まで束の話をしっかり聞いた。
「ハックシュッ!!な、なんだ?」
「汚ねぇな……なんだってんだ?」
「ごめんソーマ…なんか俺のこと噂されてたような…」
「知るか…そんなの」
アナグラの食堂ではイチカとソーマが食事をしていたが突然のくしゃみにイチカは間に合わず口を抑えることがでなかった。
「ソーマは今日一人で任務だったよな?」
「ああ。だが今のお前には関係ない事だ」
「…無茶はしないでくれよ?ソーマって放っておくと一人で死にに行きそうだから」
「チッ…ウルセェ…変なところであいつに影響を受けてやがって…」
「そうか?」
「ああ……後、いくら非番だからって気は抜くんじゃねぇ、神機の一つや二つ強化はしておけ……」
「神機の強化……わかった。ありがとうソーマ」
「ふんっ……」
ソーマは無愛想であるが少しずつ柔らかい印象になった。イチカへの対応にみんな驚いたような表情を見せる。
食事を終えたイチカ、今日はゴッドイーターとなって初めての非番だ。暇なのでエントランスに向かうと、エントランスには共用のテレビを見ているサクヤがいた。
『次のニュースです。本日未明、外部居住区生活者を中心とした団体による、フェンリルに対する抗議集会が、世界各地の支部前にて行われました。フェンリルに対して、主に食料供給の増加と防衛の強化、雇用枠の増大を訴えたもので、参加者は2時間ほどデモ行進をしたのち大きな混乱もなく解散したも模様です』
イチカ降りてくるとちょうど目についたのでサクヤが声をかける。
「あ!イチカ、どうしたのこんなところで、今日は確か非番だったでしょ?」
「いや、なんか暇だったからここにきたんだ」
「そう?けど休める内にしっかり休んでね」
「わかってる。サクヤ姉はこれから任務?」
「ええ、リンドウと一緒よ。けどまだ来てないし。それより、聞いたわよ?期待以上に活躍してるそうじゃない。でも、あまり頑張り過ぎないでね…神機使いは…すごい人ほど…早死にするから」
「サクヤ姉…」
サクヤはどこか不安そうな表情になる。するとサクヤのすぐ後ろからリンドウの声が聞こえてきた。
「ってことは、俺はまだまだってことか…」
「リンドウさん」
「相変わらず重役出勤ね」
「ま、重役だからな…さーて、今日も楽しいお仕事だ。今回も俺が陽動でサクヤがバックアップだ」
ここでリンドウの端末からコール音がなる。端末の画面を見るとリンドウの表情が一瞬険しくなった。
「…他に何かある?」
その空気を感じ取ったのか不安そうな口調になっていた。
「ん?まあ、死ぬなってことで。」
対するリンドウはいつもの通りのおどけた雰囲気に変わっていた。
「いつも通りの命令承りました。上官殿。」
サクヤもそれにつられたのかおどけた口調になっていた。
「イチカ、ソーマとはどうだ?最近上手くやってるらしいが…」
「はい、ソーマと一緒の任務だといい経験ができました。流石に理想的にはいきませんが」
「ぶっちゃけ、アラガミとの戦闘は習うより慣れろだ。ノルンや座学で学んだ事が無駄とは言わないが、その通りに動く事なんてごく稀だ。参考や判断基準程度にするのがいいだろう。あとは...」
「死なない程度に頑張る…とかかしら?」
「そうそれ!まあ生きてりゃあ倒せないやつも倒せる。今は死なないようにすることだけ考えろ。いいな?」
「分かりました。そうだ、最近はバスターのコツなんかも教えてくれたんですよ」
「へぇー…」
「うそ……あのソーマが?」
「サクヤ姉…もしかして疑ってる?」
「あ、いやそうじゃなくて…ちょっと驚いて」
物珍しげそうにする二人、二人からすれば驚くのも仕方がない事だ。ソーマは人と関わりを持つことはなく、ましてや相手に物を教えるなどあり得なかったからだ。
その後二人は出撃ゲートに向かっていった。
「そう言えば神機ってどう強化するんだろう…リッカさんに聞いてみるか…」
そう言ってイチカは整備室にいるリッカのもとに向かった。
「リッカさん」
「あ、イチカ、どうしたの?」
「神機の強化をしたいんですけど…どうしたらいいんですか?神機を持ってからした事がなくて…」
「それなら強化も製作もターミナルで申請しておいてくれれば調整込みでやっておくよ」
そこまで言うとリッカは作業を中断して整備室内のターミナルを起動する。ターミナル内の装備関係の申請のやり方を説明する。
「今回はそのまま強化するよ。どれにする?」
そういうとイチカはカタログを一通り見た。
「じゃあ…今使っている装備全てお願いします。」
「オッケー。後はやっておくから明日には使えるようになっているはずだよ。あと、もう別に敬語じゃなくてもいいよ。付き合いも長いし、仕事も手伝ってもらってたから」
「わかったよリッカ…」
「あはは…切り替え早いね。そういう所はリンドウさん譲りだね。それじゃあ作業に入ろうかな」
そう言うとリッカは気合いをいれて作業に取りかかった。イチカは作業の邪魔になりそうなので静かに整備室を出た。
翌日…今日の任務はサクヤ、ソーマ、コウタと一緒にコンゴウ討伐に向かう。
待機ポイントで任務の確認や神機の状態等の任務開始直前の最終チェックが行なっており、そこに神機を携えたリンドウが現れる。
「あー本日も仕事日和だ。全員無事生きて帰ってくるように、以上!」
「え?それだけ?」
「いちいちツッコんでると、持たないわよ?」
「くだらん…」
「(いつも通り…だな)」
「1人を除いて、心が1つになってるようで何よりだ」
「え……え?」
全員がイチカを見る。居たたまれなくなりイチカは落ち込んだような表情になった。
「あ…あの、えっと…その」
「ハハッ…冗談だ。そんなに真に受けるな」
「冗談だったんですか⁉︎」
こういうところはリンドウの発言を間に受けてしまい内心でホッとするイチカ
「悪い悪い。さて、第一部隊では初の4人での任務だが…まあ、いつも通り、死ぬなってことで」
「4人?リンドウさんは来ないんスか?」
「悪いな、俺はお忍びのデートに誘われてるんでな。今から働くのはお前らだけ……っと、早く来ないとすねて帰っちまうとさ…ったくせっかちなやつだ」
そう言ってリンドウは端末をしまい、命令の再確認をする。
「俺はそろそろ行く。命令はいつも通り、死ぬな、必ず生きて戻れ、だ」
「自分で出した命令だ…精々アンタも守るんだな…」
「リンドウもあんまり遅くならないよいに…ね」
「リンドウさん…お気をつけて」
「おう…お前さん達もな」
サクヤとイチカの心配そうな声と、ソーマの遠回しな死ぬなという言葉を聞いて、リンドウは背を向けて歩き始めた。
「ささぁ、行きましょ!」
サクヤの号令を合図に4人は待機ポイントから飛び降りた。
《リンドウさん、お忍びデートって、羨ましいなぁ。俺にも紹介してくれって頼んでみようかなぁ》
《ほらコウタ君、任務に集中する!》
待機ポイントから飛び降りたはいいが目標との接触できなかったため、散開して索敵する。
「こちらイチカ、ソーマ…そっちはどう?」
《小型のアラガミを見つけた。対処する》
「了解…散策を続ける」
イチカが西の広場についたところで、ビルに空いた穴からコンゴウが出てきた。
「ターゲットと接触!交戦を開始します」
《了解!こっちは小型種と接触したわ。倒したらすぐに向かうわ》
《こちらも同様だ》
《オッケー!こっちも小型を倒したらすぐ行くよ》
「この場にいるのは現状一人……ちょうどいい」
イチカはバイティングエッジを薙刃状態にし、左手の手袋を外し袖をまくる。
「試させてもらうぞ…」
イチカの左腕のアラガミ化を知っているのはコウタを除いた第一部隊と一部の人、今回の任務はコウタも一緒だが今は散開している状態…絶好の機会なのだ。
コンゴウは既にこちらに向かっている。イチカはすれ違い様に斬り、さらに振り向いてアラガミ化した左腕で張り手を喰らわせると、コンゴウは勢いよく吹っ飛んだ。
「マジか……あんなあっさりと」
あまりの力に左腕を見つめるイチカだがすると吹っ飛んだコンゴウは体勢を立て直し、腹が一瞬膨れて、明後日の方向に向かって構えた。すると足元から風が吹いてきた。
「風…?」
そう考えると一度その場から離れる。イチカのいた場所で、空気が爆発した。
「(なるほど…コウタとの一緒のミッションじゃ見られなかったが、コンゴウは空気の流れを操れるのか…けど避けられない攻撃じゃない)」
コンゴウの空気を使った攻撃には予備動作があることも先の攻撃で把握しているので避けること事態は難しくないと判断した。
コンゴウが殴りかかって来るので、これも軽く回避し、コマの様に回り近づいてきたので、上に跳んで背中を斬る。振り返るとコンゴウの背後におりイチカは左腕でコンゴウの尻尾を掴み
「おりゃあああッッ!!!!」
コンゴウを力任せに持ち上げ、左右に叩きつけながら背中、顔面に傷を作り結合崩壊をさせ、最後は振り回してコンゴウを投げ飛ばすが、その反動でコンゴウの尻尾がちぎれ、投げ飛ばされたコンゴウ建物に激突する。
「尻尾が…」
すると左腕は光だしコンゴウの尻尾を吸収した。しかしまだコンゴウは生きている。
最後の悪あがきなのか顔面に傷を作りながらも腹を膨らませて空気砲を射つ準備をしている。
パァン!!細い弾丸がコンゴウに命中し貫いた。その余波でコンゴウは体制を崩した
「おまたせイチカ!」
「サクヤ姉!」
サクヤによる狙撃だった。サクヤはジェスチャーで左腕を指し、左腕を隠すよう伝え、イチカはすぐに袖を直し手袋をはめなおす。
「いけ!」
サクヤの一撃でコンゴウが怒りで活性化する。コウタも合流し、近づきながら射撃、イチカも銃に変形させコウタの援護をする。
「動くなよ!」
コウタがコンゴウの足元にホールドトラップを設置し、コンゴウは動けなくなり、サクヤ、イチカ、コウタも攻撃を緩めない。
「くたばれぇ!」
ソーマが建物の屋上から一気に飛び降り、捕食形態でコンゴウを喰い千切りコアをもぎ取った。
《目標のオラクル反応の消失を確認。ミッション終了です!お疲れ様でした!》
通信でヒバリの喜びの声を聞き、今回の任務も無事に終えた。
エントランスに戻ると既にリンドウが戻っており、共用のソファーで寛いでいた。
「先に帰ってたのね。お疲れ様」
「ああ、どうにか早めに切り上げられた。そっちはどうだった?」
「ご命令に従って、いつも通りだ」
「そうね、命令通り全員無事よ。任務の方も特に問題は無かったわ」
「いやーリンドウさんにも俺達4人の見事な連携を見せたかったよ!」
「…お前そんなに役に立ってたか?」
「な!?」
「ぐふっ…」
「おい⁉︎笑ってんじゃねぇよイチカ!」
ソーマからツッコミが入り、さらにはイチカにも笑われ、コウタはガックリ項垂れる。
「おおそうか。それならこっちももう少しデートの回数を増やしても良さそうだな」
「まず俺に女の子紹介するのが先じゃないッスかね?」
コウタが出会いを求めてリンドウに言い寄る。
「…お前の手には負えないと思うぞ?」
何やら含みのある言い方をしたリンドウ。その後、突然館内放送が入った。
『業務連絡。本日、第七部隊がウロヴォロスのコアの剥離に成功。技術部員は第五開発室に集合してください。繰り返します、ウロヴォロスのコアの剥離に成功。技術部員は第五開発室に集合してください』
この放送を聞いて、リッカを始めとした技術班のスタッフが召集される。
「ウロヴォロス!!どこのチームが仕止めたんだ?」
「しかもコア剥離成功かよ…ボーナスすげえんだろうな」
「おい、おごってもらおうぜ」
「やめなさいよ…みっともない…」
支部内がざわめいている中、リンドウは特に興味が無さそうだった。
「ウロヴォロス…ってなに?強いの?」
コウタの疑問の通り、そもそもウロヴォロスを知らないイチカとコウタ、コウタはソーマに聞いてみた。
「ターミナルを調べりゃ分かる。自分で調べろ」
返ってきた返事は自分で調べろと、ソーマは遠回しに『調べることで身に付く力もある』と促しているようにも感じた。
「そうね…私達4人じゃ、まだ無理じゃないかな…」
「マジで!?このメンツでも?」
「1人2人は死人が出るだろ」
「……」
イチカはこの1人2人に自分が含まれていると感じ取った。実際この4人の実力を考えるとイチカかコウタだろう。イチカは力はあるとはいえまだ経験豊富とは言えない。
「ま、生き延びてればその内倒せるさ…今は死なない事だけを考えろ」
「その台詞、いい加減聞き飽きたぜ」
お決まりの台詞を言うリンドウに対して、ソーマはウンザリしたような口調で答えた。
「…ああ、特にお前には何度でも言っとくわ。ほっとくと1人で死にに行っちまうようなヤツにはな」
「チッ……」
「さて、俺は次のデートに備えて精のつくものでも食ってくるかな」
「リンドウさん、よかったらお酒に合う物作りましょうか?」
「おっ、そりぁいい!楽しみにしてるぜ」
そう言うとリンドウはエントランスから出ていった。しかし何も知らないコウタはメンバーからの重い空気に何も言えなかった。
先飛ばしてイチカにバースアーツ、デビルトリガー擬を使わせるか…
-
バーストアーツ
-
デビルトリガー擬
-
両方
-
必要ない
-
作者に任せる