超次元ゲイムネプテューヌThe Pale Rider 作:真明
では
『どうぞ!』
日本、F県某所都会から離れたのどかな街、そんな街に住む1人の青年がいた。名は鬼城葵(キジョウ アオイ)何処にでも…という訳では無いが普通の高校生だ、親は3年前に離婚、その年にF県に引っ越してきたがその翌年に父親が罪を犯し刑務所に入り面談拒絶という名の絶縁を果たしたが故に一人暮らし、アルバイトをしながら安い賃貸アパートで生活を送っている。
そんな彼の印象だが、賛否両論だった、犯罪者の息子、そう言って嫌悪するものもいれば、手先の器用な子だと賞賛し小遣い稼ぎに機械弄りをさせる者もいた。当の本人はそのどちらも気にせずその日を生きる事に全力を出していた。
この日もよく機械弄りをさせてくれる初老の男性から面白いものを見つけたと連絡を受けその男性の工場へと足を運んでいた
「玄さーん、言ってた面白いものって何ー?」
「おぉ葵か!こっちだ!なんかお前好きそうなの拾ったからよ!」
「好きそうなのぉ?」
葵がそう言いながら玄さんと呼ばれた男性、多々良玄凱(たたらげんがい)はニッコニコで葵に手招きをして普段から自身がもの作りをしている部屋に招き入れる、この玄凱という男、小さな町工場の社長ではあるがどこからそんな金が出るのか何時も妙なものの開発をしている、普段はなんの役に立つんだと言うような物しか作らないが時折飛んでも発明をしてみせるのだ、その発明の中には半径25m圏内なら脳波コントロール出来るドローンだったり、某カードゲームに影響され、カードのキャラクターを投影するディスクを開発したりする変人かつ天才なのだ。
「おう!お前ロボットとか好きだったろ?それでよ、朝の散歩してた時こんなん拾ってよ!調べたらおったまびっくりよ!」
「なにこれ、ブローチ?なんか顔みてぇだけど」
「まぁまぁ、これ見ろって」
玄凱が見せたかったものは小型のブローチのような機械だった、それを見ていると、玄凱がモニターを葵に見せる、それには何やらロボットのようなものが映っており、その周囲には幾つものデータが詰まったフォルダや数値が映し出されていた
「それ、こいつの中に入ってたデータなわけ?」
「あぁ!この新開発の置くだけで機械だろうと荷物だろうとスキャンできちまうスキャナーのテストも兼ねてやったら出てきたんだよ!」
「またとんでもないの作ったなあんた、学会に発表してこい」
「嫌だね!あんな石頭共に見せたら俺が作ったって騒ぎ出すに決まってら!」
「それもそうだ、んで、なんだこれ、ペイルライダー?こいつの名前か?黙示録とは洒落てんねぇ」
話を聞きながらモニターを操作してるとその中に名前と思しきものを見つけた葵は、その資料に目を通していた、しかし、その殆どが現代科学では説明のつかないものばかりだった、玄凱も横からそれを見てたが頭を捻りながら唸っていた
「こいつぁ…量子力学とかってレベルじゃねぇな、なんだこれ、確かに理論上出来なくはないが、物質の粒子化に再構築とか、アニメの中の話だぜ?けどそれ以外のものは全部立証できちまうんだよなぁ、イタズラって訳じゃねぇし、なんなんだこれ」
「なんか、開けちゃならねぇパンドラの箱を開けた気分だな、それにこの文字化けしてる部分、多分これ著者の名前だよな…?」
2人がモニターを眺めながら考えているとふと、部屋の電気が落ちる、2人は非常電に切り替わるのを待っていたが、違和感に襲われる、そう、今日はこの工場の定休日で機械と言えば目の前のモニターとスキャナーくらいなのだ、工場を動かすブレーカーがこの程度で落ちるわけが無い、2人に緊張が走ると同時に目の前が明るくなる、そこに目を向けると先程までスキャナーの上にあった機械が浮いているのだ、明らかな以上に困惑する2人を他所に光は薄れ、次第に周りが明るくなり、元の明るさに戻ると、機械は机の上に落ちる
「な、なんなんだ今の?玄さん、何かした?」
「なわけあるか、しかし、次から次へとなんなんだこれは…妙なこと起こりすぎだろ」
『申し訳ない、驚かせてしまったな』
「「!!??」」
『ここだ、また驚かせてしまったか』
突如第三者の声が聞こえ辺りを見渡すと機械がカタカタと音を立てまた浮び上がる、今度は明確な意思があるように見える
『やぁ、初めまして、私はハーデ、この世界とは異なる世界で作られた機械だ』
「異なる世界?またとんでも話だな」
「もう何が何だかだよ…玄さん、説明求む」
「俺が聞きてぇよ」
『ふむ、では私が説明しよう、私の作られた意味とここにいる意味を』
そう言ってハーデと名乗った機械は語り出す、この世界とは異なる世界、ゲイムギョウ界の話、その世界で起きている、戦いについて
「ゲイムギョウ界に犯罪組織、それに抗う女神…どらもこれも非科学的だな、映像を見たが鵜呑みには出来んな」
「同感だ、仮に真実としてお前はなんでこの世界に?」
『簡単には信じて貰えないのは百も承知、だが事実なんだ、私はこの世界に適合者を探しに来たんだ』
「適合者?」
『そう、私を、ペイルライダーを使いこなせる人を探してこの世界に来たんだ』
ハーデの話によると、ペイルライダーは誰にでも使えるようにプログラムされて作られた筈なのだが、誰が付けようとしても拒否されてしまうらしい、原因が分からないがゲイムギョウ界の住民では無理、ならば別世界の人に来てもらう、そう判断に至ったとのこと、しかし来たはいいものの次元を移動する時に莫大なエネルギーを使い起動を停止してしまっていたとのこと
「予備バッテリーくらい用意しとけよ…」
『面目ない、まさかあそこまでエネルギーを消費するとは…』
「そこはいいよ、んで?その適合者?は検討ついてるのか?」
『それがまだなのだ…君、着てみる気ないか?』
「唐突すぎんか?まぁいいけど」
話に流され、それと興味本位から、葵はハーデの言うペイルライダーを着ることとなった
「んで?どうやって着るんだ?お前が出してくれんの?」
『いや、私に触れて認証コードを言えば装着されるぞ』
「何?なんか叫ぶの?」
『叫ばなくていい、煩いだろう?ただ、アクセス、そう言えばいい、適合者ならそれで纏える』
「ホーン、んじゃ、アクセス!なんてn…なんか光ってるんですがァァ!?」
冗談感覚でコードを発するとハーデが光だし、葵を包み込む、するとそこには先程モニターに映し出されたペイルライダーと呼ばれたアーマーを着た葵が立っていた
「嘘やん…?」
「おぉ…こいつぁすげぇや、ホントに着ちまった」
『まさか1発とは…君達に拾われた私は幸せ者だな』
「おい、はよ外せ、んで玄さん着てみれ」
試しに玄凱もコードを発するが装着はされなかった、どうやら葵がハーデの言う適合者のようだ
『さて、葵君、君は適合者なわけだが…私の世界、ゲイムギョウ界に来てくれるかい?』
「いや、急に言われてもなぁ、学校もあるしバイトとかもあるし…うーん」
『やはり難しいか…』
「まぁそうだろうよ、葵は高校生だ、今後の人生ってのもあるしよ、お前さんらの世界が大変なのは分かるが、こいつも人生大事な時だからよ」
「うーん、いや、行くよ、面白そうだしよ」
『…その、なんだ、私がお願いする立場がだ、命のやり取りをすることになる、それに帰って来れるかも怪しいんだぞ?』
「どうせこっちで仲良いの玄さんくらいだしなぁ」
「俺としてはもう少し考えろって思うが…まぁ、お前の決めたことだ、悔いのないようにな」
「おう、後悔なら何度もしてきたけどさ、こんな事滅多にどころか普通はねぇんだ、折角だ、楽しんでくるさ」
『そうか…ならば行こう!ゲイムギョウ界へ!!』
そういうとハーデは光だし目の前に光の扉が出現する
『この扉を潜ればゲイムギョウ界にたどり着く、もう後戻りは出来ないぞ?』
「いいさ、んじゃ、玄さん行ってくるよ!」
「おう、楽しんでな!」
そう言って葵とハーデは光の中へと消えていった、残った静けさの中玄凱は1人呟く
「達者でな、葵…」
その先、葵に降りかかる苦難、そして新たな出会いはどこまで続くのか…