二次キャラ聖杯戦争OZ EFFECTIVE EARTH   作:yu sato

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登場キャラクター
マスター 二階堂ルイ
サーヴァント アーチャー アラン・シルヴァスタ

作者
◆koGa1VV8Rw


【オープニング】【本戦開始前】05 Brand New Idol マスター 二階堂ルイ サーヴァント アーチャー アラン・シルヴァスタ

星空の世界で一人佇んでいる。

虚無感で最初はなにもしたくなかったけど、謎の声の説明を聞かないと何も進まなそうだからそれに従っている。

 

 

自分が自分自身だと、再認識してみる。

私は二階堂ルイ。

アイドルグループ、ミステリーキッスのセンターを務めるアイドル。

……元と付けたほうが多分正確。

逮捕されて、今までの全てを失った。

 

これはただの夢か。いや、私には心当たりがあった。

アンティークショップでお守りとして買っていた綺麗な石。逮捕されたとき、不思議と私は持ち出していた。

留置所に入れられる前に手荷物を引き渡すとき、その石が確かに強く光り、視界を覆いつくした。

その中で見えるのは扉だけ。留置所の扉か……何故かアイドルのオーディション会場の扉に見えたような気もした。

とりあえず私は自力で扉を開けて入った。

そして、私がいたのはこの星空の世界。

 

 

謎の声の説明が終わった。まだ内容をよく理解してはないけど、一応頭に入れている。

私はスマートフォンをネイティブに使っていた世代、いつの間にか持たされていた端末の使い方を覚えるのに支障はない。

 

でも警察に言われた通りただ動いたり、聞かれたことを答えたりするだけとは違う。

繰り広げられる、あまりに謎の言葉。聖杯戦争やサーヴァントとは何か私は解すことができない。

考えて理解するのには思考能力が必要。でも、何も考えたくないのに頭を使わされるのはストレスになる。

 

私はただ、思考を放棄していたい。

 

 

私は最後に言われた通りに移動した。マップの黒い点の位置へ。

そしてそこでの説明の通りに、シャドウという黒い形の人形が形作られた。

鈍い動きで、なにか道具を持った腕を振り回したりしている黒い影。

 

でも、私の興味を惹くような存在ではまったくない。

 

こいつを倒すことで予選突破とか言われても、そんなことする気力が今はない。

 

 

疲れそうなことをしたくないし、とにかく一度休みたい。

どうにもならなければ後で考えればいい、と思った。

背を向けて無気力な足取りで、もと来た道を戻っていこうとする。

 

 

 

――――――――痛い。

背中に何かが強く当たった。

息もできず、どうすることもできない。身体が傾いて床に叩きつけられる。

 

ガシャンと後ろで物が落ちる音を聞きながら、私は倒れ伏した。

後ろを見やる、重い首を動かして。

 

背中に当たったのは、奴の持っていた道具。私が逃げるのを見て、投げつけてきたんだろう。

よく見ると、長い刃が付けられている。

……投げられて、運良く柄の方が当たっただけ。刃の方が当たっていたら、危なかった。

 

腕を動かし、立ち上がる。歯を食いしばりながら。

不安定な足取りながらも、私の方ににじり寄って来ている黒い影。

その動きは、少しずつ正確性や速さを増しているようにも見える。

恐い。追いつかれたら、本当に殺される。

 

――――私はなぜ更に酷い目に合わなきゃならない。

違う。あの子の******のは私達でも、***のは私じゃない。

悪夢なら早く覚めろ。

……私に早く平穏を戻して。

 

 

……そうだった、私は逮捕されたとき抱いていたのは、すべて終わったという虚無感だけじゃない。

浮かび上がっていたのは、これで隠し事から開放されるという安堵感。

私の心の辛さを受け止めてくれた彼、私が支えたいと思った彼。今更に、想い出していく。

彼の今後の活躍を楽しみにして、応援して生きていくのだろうか。それも仕方ないか、なんて。

感じていた。心の奥で。

 

 

嫌だ……

死にたくない。殺されたくない。

まだ、生きてたい。

 

 

――――その時、光が発せられた。

――――いつの間にか、私の手に握られていたカードから。

 

光は変形していき、その中に作り出すのは一人の人間の形。

 

あまりの神秘的な出来事。

すると、私は逃げろという言葉を耳に入れる。

それをやっと頭で理解して、戸惑いながらも走り出した。人間と黒い影に背を向けて。

 

でも、ふらっとして倒れ込んでしまう。ぼやけていく視界。

原因はもう一回、頭への強い衝撃――――…………

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

――――見慣れない天井。

――――私は気絶していたのか?

 

身体に痛みはまだ残っている。

取り敢えず触れて確認しようと、腕を動かしてみる。

 

――――白い毛に覆われた、腕と手。

……自分の意志でちゃんと動かせるし、間違いなくこれは自分のものらしい。

よく見ると爪は丸く伸び尖り、毛は巻毛のようにふわっとしている。

 

そして、なんと毛皮を掴んで引っ張ると痛い。剥げたり浮いたりする感覚はまるでない。

特殊メイクにしては、本気すぎじゃないのか。わけがわからない。

 

まさかさっきの星空も含めて、私をターゲットにしたドッキリ企画か何かなのか。

……いや、そんなことできる者なんて存在しないはずだ、逮捕された私に対して。

私は体を起こし立ち上がった。これが夢なのかとも判らず困惑したまま。

 

「あっと、やっと目が覚めたようだね、マスター」

 

近くに座っていた男が目に入った。声を掛けてきている。

さっき星空の中で私のもとに現れた、あの男だと思う。

 

「貴方は……さっき光の中から現れた……」

 

その姿はスーツを着ていて、よく見ると金髪碧眼で、おそらく日本人ではない。

 

「その通り。僕は君に召喚されたサーヴァント。アーチャーだ。

 さっきの空間で行われていた予選が終わって、僕らはここ、教会へ転送されてきたんだよ」

 

頭の中で繋がっていく単語。

最初の説明で言われていた、私のサーヴァントが彼。そして私は彼を召喚したマスター。

 

「……私を助けてくれたんだね……ありがとう」

「サーヴァントとしてマスターを護るのは当然のことさ。

 これから一緒に聖杯戦争を戦っていく、パートナーなんだから」

 

良かった。とりあえずこの人がいれば、さっきの様な敵からも護ってくれるんだろう。

 

「さてマスター、君の名前は何と言うんだい?」

「私は…………ルイ。二階堂ルイ」

 

犯罪歴で汚れてしまった、私の名前。ちょっと話そうとして詰まってしまうけど、隠しはしない。

彼は芸能人である私を知らないようだけど、どうせ調べればすぐわかる。

それより今気になっていることを早く聞きたい。

 

「ところで……私の身体、いつの間にか……白い毛皮に覆われてるような……?」

「……それを説明しなきゃね。

 ……落ち着いて聞いて欲しい」

 

「君は『獣人』になった。

 動物の要素を持った、人間に近い別の生物に」

 

 

 

「――――――――え?

 何それ……?どういうこと?」

「そっちの方に洗面所がある。戸惑うだろうけど、きちんと自分の目で見て確認して欲しい」

 

洋装の部屋の扉を開け、教会の別室に向かわせてくれるアーチャー。

私は寝かされていたソファから降りて、一目散に駆けていく。

獣人って……なんだろう。獣のような人?

向かう足取りは軽いというか、なんか力強く早くなった気がする。不思議だ。

そして、駆け込んで早速自分の姿を映し出した。

 

 

 

……言葉にならない。

 

鏡に写るのは、完全に白い毛に覆われた顔だった。

 

鼻は突き出て先端は黒くつやつやし、本当に犬と同じよう。

髪型は元々とほぼ変わりないけど、少し違和感がある。

側面をめくり上げてみる。人間らしい耳は存在しない。

一方で髪に混ざって、しっかりしていて奥にピンク色も見える部分があって、これが耳らしい。

 

水で両手を洗ってみたが、何も落ちる気配はなくて毛が水に濡れていくだけだ。

 

私は完全に犬と人間の中間の生物になっていた……。

 

 

あまりに異常なことが次々起きた。

まだ受け止めきれない。どうして、何があったんだろう。

トボトボ歩いて鏡の前から去る。

ふと尻の上辺りを見ると、しっかり生えている丸くふわふわな尻尾。

……項垂れているように見えた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

元の部屋に戻る道の途中で、聖堂らしきところに出た。

アーチャーと、他にもう一人背が高く黒い服を着て十字架を首にかけた男が目に入った。

 

「おかえり、マスター。

 こちらは言峰神父、この聖杯戦争の監督役として、この教会に務めている方だ」

「ようこそ、予選を突破したマスターよ。私は言峰綺礼という」

 

低くよく通る声で私に語りかける神父。

でも、私は無視してアーチャーの方へ向かっていく。

 

「私にいったい何してくれたんだよ……。

 こんな姿にされて、もう外もまともに歩けやしないじゃないの……」

 

素の自分に完全になってる。暗い感情を吐露するしかできない。

 

「ごめんね。瀕死の君を助けるために、僕の用意できる薬のうち一つを使わせてもらったんだ。

 そのおかげで、君は獣人になる代わりに体細胞の活動が活発化して、一命を取り留めているんだ」

「え……?死にかけてたの、私?」

「仕方なかったんだ。シャドウが僕をすり抜けて君に一撃を与えてしまったからね。

 僕も召喚された途端だったから、少し戸惑っていたんだ。本当に申し訳ない……。

 シャドウはそれ以上何もしないうちに、すぐ始末しておいた」

 

そうだ、気絶する直前の後頭部への衝撃。

背中に剣を投げつけられたのと合わせて、そんなに大怪我だったということか。

意識してしまってより強く感じられる、まだ消えない頭と背中の痛み。少し聖堂の椅子に腰掛ける。

何度か深く息をし身体を落ち着け、それから二人の方に視線を向ける。

すると、神父の方が話し始めた。

 

「私は、予選からこの教会に転送されるまでのマスターの案内を担当している。

 サーヴァント、つまりアーチャークラスの彼がシャドウを倒した時には君は気を失っていたな。

 普通、マスターは聖堂にて説明をした後で街へ出てもらうことになっている。

 しかしマスターの君が気を失った状態で、アーチャーはすぐに処置が必要というから私の私室を貸したのだよ」

「そう、部屋を貸してもらって僕が君に処置をした。

 それから君が目覚めるまで、1日くらいは経っているかな」

 

長く説明っぽい話だけど、心を落ち着かせたおかげでよく頭に入る。1日も寝てる間に何があったんだ。

 

「その間君達以外にも何組かの主従が来ていたが、君たちを邪魔しないように、

 また君達が他の主従の情報を壁越しに得ると公平性に欠けるのでな、簡単に音避けの魔術を聖堂と部屋の間に掛けておいた。

 マスターが目覚めるまで部屋から勝手に出ないことと条件をつけたが、アーチャーはそれを守ってくれたな」

「マスターを守るための行動だから、約束を破りはしない。部屋を貸してくれたこと、とても感謝しています。

 僕は君の経過を見守ると同時に、時々彼と話して聖杯戦争のルールやこの世界の成り立ちについて聞かせてもらってたよ」

 

二人の話をまとめると、二人が私を助けて、アーチャーは聖杯戦争について私が説明を受けなきゃならないことを先に聴いてくれたらしい。

でも、すぐに心を許しはしない。

二人が会話を続けているのを見ると、いかにも悪巧みをしてそうだなと思ったりもする。

 

「護ってくれた上に治療までしてもらったことは、お礼を言っておくね。

 でも、こんなあり得ない生物の姿で過ごすなんて、よっぽど窮屈にしないといけないじゃない……」

 

すると、少し思案し始めるアーチャー。私の言葉の何かが引っかかったのか。

心配してアーチャーの顔を見つめ続けてると、やがて何か思い当たったのか口を開いた。

 

「そうか。もしかして、君は獣人が存在しない世界の者なんだね。

 大丈夫、この街ではその姿で困ることなんてほとんど存在しないのさ」

「は……?意味がわからないんだけど。コスプレ愛好家の祭りでも開かれてるの?」

「そうだねえ、実際に街に出てみたほうが早いかな。

 言峰神父、呼んでおいて申し訳ないですが、説明することは僕から話しても問題ないでしょうか?」

「問題ない。君の方に聖杯の概要はよく説明しておいたからな。

 マスターは必要があれば彼に聞くといい。もちろん、ここに後で戻って聞き直してもいいが」

 

神父の言葉を聞くと、アーチャーは私を外へ連れ出そうとする。

アーチャーが私を抱えようと体を動かしたけど、流石にそれは断り自分の脚で歩く。

 

「君達が今後どうなるか、楽しみにしておこう」

 

神父は私達を見送っている。

先を進み扉を開け、私が追いつくのを待っているアーチャー。

私は流石に心配で、帽子を深く被りマスクで口元と鼻を覆いたかった。

でもアーチャーが自信満々に私が外に出るのを促すものだから、渋々とした足取りで後を追う。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「さあ、ここが聖杯戦争の舞台、パラディウムシティだ!」

 

私は、絶句した。

明らかに人間と骨格が違うような生物も、人間と一緒に歩いたり話したりしている。

まさに今の自分と似たような、動物と人間の中間のような者たちも存在していた。

 

「驚いたかい?この街には様々な異世界の知的生物が住民として過ごしているんだよ。

 構成する技術も、様々な世界のものが活用されている」

 

そう、私の想像もつかないような存在が大量に溢れている。人間だけでなく、建物や乗り物も。

景色だけでなく街の音や臭いも全て、獣人化して鋭くなった私の感覚を揺るがしてくる。

私はいま完全に実感した。この世界が夢ではないのだと。

 

「ここは聖杯戦争のために用意された世界だ。

 君は別世界からこの世界に、聖杯戦争の参加者に選ばれて召喚されたわけだね」

「すごい……。こんな光景が、現実として存在しているんだ。獣人、と呼んでいいみたいな人々もいるね」

「そうだね。今の君、すなわち僕の世界の獣人的な、全身毛に覆われた動物と人型の要素を持った獣人も多いね。

 でも、耳や尾だけが動物っぽい種族というのは、僕の世界にはほぼいないに等しかった存在だ。

 獣人というのも世界によって定義が少しずつ違ったりするらしい。興味深いよ」

 

アーチャーも街ゆく人々を興味深く眺めている。

そして私はここが現実だと実感して、ようやくまともな思考が走り始めた。

 

願いを叶える万能の願望器、聖杯。

それを奪い合う聖杯戦争。

聖杯を手に入れれば何でも願いが叶うと言うのなら、私は――――――――

 

「君は聖杯戦争のマスターとして、この世界で過ごしていくことになる。

 この街で過ごす上で容姿は問題ないと、わかってもらえたかな」

「……アーチャー、聖杯を手に入れればなんでも願いが叶うというのも、本当なんだね?」

「ああ。聖杯はあらゆる願いを叶える。聖杯を得たマスターの世界をも改変してしまう力を持っている」

 

私は……

私は、負けを受け入れて楽に生きれたらいいな、という思いを抱いてた。そういう生き方の彼が羨ましかった。

でもこうして、チャンスが再び巡ってきたなら、見過ごすことなんてできないと思ってしまった。

そんな生き方は、結局私には似合わないんだ。私は私自身らしい生き方しかできない。

この数奇な運命にもそう言われているような、気がした。

 

「願いが叶うというなら……私は、後ろ暗い過去を全て清算したい。無かったことにしたい。

 過去をやり直して前向きにまたアイドルとして活躍し、生きていけるようにしたい。誰にも負けない人気を手に入れたい」

「そうか……君は、アイドルだったのか。アイドルとしての地位を失ったから、取り戻したいんだね」

 

そんな軽いものではないのだけど……。まあ深く話すととても長くなるから、仕方ない。

しかし、アーチャーがそれに続けて話す。

 

「似ているよ、僕の願いも。元の世界で財閥の御曹司、企業のCEOとしての地位を取り戻したいと僕は願う」

 

驚いた。アーチャーは私と似た願いを持っていた。

……少しアーチャーを近く感じたような、気がする。

 

「さて、ずっとこのまま街をうろつくわけにもいかない。

 マスターのロール、つまりこの世界において与えられた立場を調べてみなよ。

 端末を調べると色々載っているはずさ」

 

端末を確認する。通知がまず目に入る。

打ち合わせや練習のスケジュールがちらほら見える。

 

「そんな……まさか、私」

 

詳しく調べると、まさにこの世界でのロールや住居を確認できる画面も見つかった。

私は……デビューを控えるアイドル。一度失ったアイドルとしての立場が、この世界でのロールとして用意されていた。

ただし……人間の。

 

「私……これからこの世界で、アイドルになるはずだったんだ」

「どういうことだい?もう少し説明してよ」

「私のロールは、もうすぐデビューを控えたアイドル。

 でも、人間の姿でのアイドルだから、今の獣人の姿でそのまま続けるなんて、きっと出来ない……」

 

私は大きく落胆した。夢を少し見せられた後で、落とされたんだから。

 

「まあ、住居は問題なくそのまま使用できるんじゃないかな。

 それに端末には基本的に元の姿の顔が表示されるから、うまく使えば人間の姿と同一人物だと証明できると思うよ」

「でも、私が人間の姿のままだったら……」

「……説明が遅れたけど、獣人は獣人態と人間態の姿を持っていて、どちらの姿でいるか制御できる。

 君の今の姿が獣人態で、元の姿が人間態ということになる」

 

……え?元の人間の姿に戻ることができるの?

なら今も私が獣人態でいる意味は何だろう。怪我の治療のため?

 

「なんだ、人間の姿でいられるなんて……。結構大事なことじゃない。それ」

「ただ、獣人になったばかりだし人間態になる力を手に入れるには少し時間がかかると思う。

 何か精神的なきっかけでもあれば習得できるんだけど」

「……それなら、すぐにでも人間態になれるように、色々試すし努力もする」

「でも、獣人は精神の昂ぶり等で人間態から獣人態に制御せずとも変化してしまう。

 変化に慣れてない子供なら、それこそクシャミとかちょっとの衝撃でもね。

 獣人としてやってく方がきっと楽だと思うよ」

 

……………………まあ、仕方がないか。

この世界は聖杯戦争のための世界で、私はいずれ願いを叶え元の世界へ戻るんだ。

ここでアイドルにこだわっても、どうしようもない。

私が落ち込むように見えたのか、ライダーは私に目線を合わせて話す。

 

「待ってくれ、君が獣人ならではの提案がある」

「……何?」

「この街は人間のアイドルは沢山いても、獣人のアイドルなんてのはそうそういないし質もまだまだだ。

 今まで培った能力を活かして、君がこの世界の新たな市場を開拓していけばいい。

 君は、獣人のアイドルとしてデビューするべきだ」

 

そんな、そんな発想があったなんて。でも、容易に行くとはまるで思えない。

 

「実はというと、僕はアイドルのプロデュースをしていたことがあるんだ。

 獣人としても君の容姿は大衆に受け入れられるタイプだと思うから、それが武器になる」

「ダメ。私が元と同じ人間とのグループとしてデビュー予定だったら、私だけ浮いちゃう。

 そもそも人間で今まで進めてきたのに、事務所は納得もしないと思う。難しいと思うけど」

「それくらい何とかして見せる。僕がプロデュースしたアイドルも、元人間の獣人。そしてグループじゃなくて一人だったんだ。

 もしもユニットを組めそうな子がいるなら引き立て役をしてもらうのもいいけど、一人の獣人のアイドルとして売れることもできるはずだ。

 事務所は最終的に儲かりさえすればいいはずだ。僕が根気よく説得する」

 

経験のあるアーチャーが本気で協力してくれるなら、上手くいくかもしれない。

でもなぜそんなことをするんだろう。それに、私も彼もいずれこの世界を去るというのに。

 

「でも、ここは聖杯戦争のための世界なんでしょ。

 聖杯戦争が終わった後もこの路線でアイドルを続けられる?そんなことないんじゃない?」

「その通り。この世界は聖杯戦争が終了し、勝者の願いが叶えられると消滅する」

「それなら、この世界でアイドルになる意味なんて無いじゃない……。

 ならその……もっと……好き勝手やったり策謀を巡らせたりして、聖杯を狙いに行くほうが、いいんじゃない……?

 それに貴方だって、私の為にただ協力したいと思ってるだけとは思えないんだけど……」

 

覚悟してる。奪い合いの中でどれだけの他者を蹴落とさなければならないか。

だからこそ、不思議に思った。

 

「いや、意味はあるさ。有名人になれば行動は制限されるけど、逆にできることもたくさん増える。

 沢山の市民を扇動することも出来るし、上流層の人々へ伝手ができれば情報収集も有利になるじゃないか。

 全ては聖杯戦争に勝つために繋がるんだ。

 世界は消滅するけど、逆に言えばどうせ消滅するんだから何しようと罪悪感を抱く必要ないよね」

 

アーチャーは堂々として私を疑わせる点について答えてくれた。

筋はちゃんと通っている。しばらく考えて受け入れ、私は応えた。

 

「うん、確かにそれはあるね。でも、リスクリターンはつり合いそうなの?

 アイドルとして上手くいくかもまだわからないでしょ」

「アイドルとして売り出すのは国全体とかじゃなくて、この街一つ分だけだ。

 情報技術も進んでいる世界でターゲットも明瞭だから、準備期間中にヒットできる可能性は高いと思うよ。

 僕のサーヴァントとしてのスキルで資金力も確保できるから、それを宣伝活動に回したっていい」

 

アーチャーはしっかり理由をもって応えた。ただ私を励ましたりされるより、ずっといい。

 

「そして逆に、好き勝手やることにもリスクがある。

 まず、聖杯戦争本戦開始前には、魔力を補給する魂喰い目的での市民の殺害は禁じられている。

 そして開始後でもあまり街に被害を出すと、監督役が討伐令というものを出してくることがある。

 サーヴァントとマスターを対象にした指名手配のようなものかな。報酬も付けられることがあって、多くの敵に狙われることになるんだ」

「それに、僕は自分がサーヴァントだと隠蔽できるスキルを持っている。

 君が有名人になろうと、マスターとして狙われるリスクもそう高くはならないだろう。

 僕自身だってサーヴァントとして普通の獣人程度に負けない力は持ってるし、自分や君の身を守ることは容易いさ」

 

説明することは終わったみたいだ。アーチャーは私の方を見やって問いかける。

 

「これを聞いて、君はこの世界でアイドルをやりたいと思うかな?」

「……いいよ。私は元の世界では罪を犯した上にやってない重罪まで着せられて、もうまともな人生は送れない身。

 それをひっくり返すためなら、私は何でもする。

 構わない。この街でアイドルという仕事を……目的のための手段にしてしまったって」

 

私は決意した。勝つためならなんだってする。

この覚悟はアーチャーを納得させられるだろうか。

 

「提案を受けてくれて、ありがたいよ。

 さて、ロールによって用意されてる事務所か、それか用意された住居へ向かおうか?

 まだ痛むだろうから、無理せず行こう」

 

アーチャーは私を抱えようとする。今度はそれに普通に身を預けた。

もう一応は、信頼してるから。

もちろん全部信頼したわけじゃない。

アーチャーは感情らしい感情をほとんど見せない。

そしてアーチャーはクラス名だという。すなわち彼の真の名前ですら私はまだ知らない。

でも、この人となら一緒に戦っていける。そう思ってはいる。

 

「助けてもらって貴方にはとても感謝してる。獣人の身体も、きっとこの町では役に立つ。

 でも、私は貴方のためでなく……自分のために、この聖杯戦争を勝ち抜いてみせる。

 それじゃ、協力者として、これからよろしく。アーチャー」

 

アーチャーは私をしっかり支えることでそれに答えてくれた、気がした。

不思議とアーチャーの身体からは全く匂いがしない。私も獣人になって嗅覚も強化されてると思うけど。

アーチャーには謎がまだまだ沢山ある。

 

「君が聖杯を得ると決心してくれて、僕はすこし安堵してるよ。

 実は準備期間の間なら、マスターには棄権して元の世界へ戻ることが認められているんだ」

「へぇ。私はもう願いを叶えるまで、帰るつもりなんてないけど」

「……実はというと、これは隠しておくつもりだった。

 アーチャーだからマスターがいなくてもしばらく行動できるスキルがあるとはいっても、代わりのマスターが見つからなければいずれ脱落だ。

 君に何の能力も願いを叶える決意もなければ、僕は代わりのマスターを見つけるまで君を帰さず殺さず利用するだけして、

 その後とっとと元の世界へ送り返していただろう」

 

なるほど。私にアイドルとしての能力があるからこそ、アーチャーは私と共に聖杯を取ろうと考えてくれてる。

目的のために手段を選ばないような所も、私と似てる。

そして私たちグループのマネージャーだった山本も手段を選ばないような面があったから、それに近いほうがむしろやりやすくて良い。

 

「アーチャーって、そういう考え方をするんだね。

 でも、いいよ。そういう方がやりやすいとも、私は思ってる。

 どんどん周りを利用しよう。私のことも、最後に私の願いが叶うならいくらでも利用して構わないから」

「なるほど、これは考え方もなかなか心強いマスターだ。その強かさを持ち続けて、どんどん強めていって欲しいな」

 

そうだ。私だってこの世界でのアイドルという立場を利用してやる。

 

 

さて、これから毎日また必死な努力の日々が始まる。

アイドルとしてのスキルは、充分身につけてきた自信はある。

獣人の外見やアーチャーの働きがプラスになるなら、自分以外の要素の点もバッチリ足りてるはず。

必要なのは、この獣人の身体に慣れること。

そしてこの街の文化や、消費者たちの嗜好の理解。

 

 

あとは……聖杯戦争を戦っていく意気と覚悟。

 

そうだ私、あの子を殺してもセンターになりたいと願った、あのときの気持ちを再び持て。

 

そして私、この世界の皆も自分と同じ人間だって、哀れんだりしちゃだめなんだ。

 

恐れるな私、ここで罪を犯そうと、元の世界で罪が暴かれる恐怖に怯えることはないんだから。

 

頑張れ私……………………

 

成功という結果だけのために。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

僕は昔、アニマシティの設立にも関わったシルヴァスタ製薬のCEOとして手腕を発揮し、

そしてシルヴァスタ財閥の一員として日本の首相とも関わりを持って世界を裏から操っていた。

しかしそんな純血の獣人アラン・シルヴァスタは、全ての地位を失ってしまったんだ。

今はこの聖杯戦争にアーチャーのサーヴァントとして召喚されてる。

 

僕は純血の獣人が世界を裏から支配する体制をより固めるためにアニマシティで暗躍したけど、雑種の獣人の未来を掛けた者達に敗れてしまった。

1000人の純血のオオカミ獣人の血をこの身に集め、不老不死と完全獣化能力を手に入れたのに、雑種の銀狼と、元人間の少女影森みちるに負かされたんだ。

 

陰謀は暴かれシルヴァスタ財閥に残ることもできずすべての地位を失い、純血種としてのプライドもだいぶ削り落とされてしまった。

その後は特にやることもないし、資金は一応あるからハワイに一人で滞在してサーフィンなんかして。

なにもない日々を続けるうち、いつの間にか僕は霊基を登録されてサーヴァントとなっていた。

 

サーヴァントとして願いを叶えられる機会がやってくるなんて、全く思ってもいなかった。

こうなった以上は、是非にでも聖杯の使用権を得たいと思っているよ。

 

さて、僕がシャドウを倒してマスターを助けたのは本当だけど、マスターがシャドウの攻撃で瀕死になっていたというのは真実じゃない。

確かに獣人は人間より生命力があるけど、獣因子を与えれば瀕死の人間の怪我を直ぐに治すなんて出来はしない。

真相はこうだ。

純血の獣人としての身体能力を活かし、シャドウを倒すとほぼ同時にマスターの後頭部に衝撃を与えて気絶させた。

 

それで何故、獣因子を投与したのかって?

人間が獣人に急に変化したら、少なくとも元に戻りたいことがこの世界に留まる理由になるだろうからだね。

更には人間よりも全面的に強化されるのだから、マスターの自衛手段としても申し分ないね。

獣因子入りの血液は即効性はないけど、獣因子消失薬で実用化した即効性を合わせ、麻酔薬で気絶時間を調整すれば気絶してる間に全身に獣因子を廻せるわけだ。

そして僕のマスターは獣人であることを受け入れ、戦う覚悟を決めてくれたから最高な展開だよ。

 

まあ、あの元の世界の二人のように身体変化能力を得られるかは、わからない。

可能性としては、狸と狐という種族の特性上変形能力が使えたということもありえない訳ではないと思うしね。

日本では狸も狐も?化能力を持つ動物として有名だから、一般の狸、狐獣人は?化できずとも、特殊な彼女らには影響があった可能性はゼロとは言えないし。

 

しかしあの神父、というか教会は怪しい点があった。

一つはオオカミ獣人として臭いに敏感で、更に自分の臭いを完全に消して犬やオオカミの獣人にもわからないように動いてきた、僕だからこそ感じた違和感。

臭いから多くの者が聖堂で戦闘したという痕跡を何回分か感じることができたのに、その中で動いた者たちの臭いの一部が完全に不明なんだ。

そして、最後に僕らがどうなるか楽しみだと……?

もしや僕がマスターを騙していることに気がついている可能性もあるか?底が知れない。

獣人としての力をフルに発揮してシャドウの攻撃と見せかけマスターに与えた一瞬の一撃は、普通の人間には認知できないはずだ。

何も言わないのは、監督役だからあくまで討伐例でも出ない限り干渉するつもりもないということなのか。

教会は今後も警戒しておこう。中での戦闘などは避けようと思う。

 

ところで一つ、予期せぬ切り札が僕の手に生まれた。

アイドルの女の子がマスターなのは、きっと僕とマスターの縁だ。

獣人教団の教祖にしてアイドルへとプロデュースし利用させてもらった元人間の少女、日渡なずなを思い出す。

その新しい利用法を、僕は思いついている。

 

雑種だろうと大量の獣人の血を取り込めば、不死の力と完全獣化能力を得られるであろうことは、あの銀狼から教えてもらった。

そしてこの街には、獣人やそれに類するであろう種族が沢山存在している。

 

さて、マスターは準備期間中に獣人のアイドルとしてどれだけの獣人を虜にするだろう。

ライブにはどれだけ集まるだろうか。

できる限り大規模なライブを開き、集まった者たちをすべて殺戮し、その血をマスターの下へ集結させる。

1000人以上の獣人の血を得れば、不老不死と完全獣化能力は獲得できるはずだ。

なずなの身体変化能力によるイミテーションのようなものでなくて、真の完全獣化。

サーヴァントの僕も不老不死の再生能力を持ってるし、更にマスターも不死性を手に入れれば、もはや負けはほぼ存在しない。

 

もしも、元の世界で僕となずなが率いた銀狼教団の信者数に匹敵する5000人規模のライブになれば、最強の再生能力と完全獣化能力を得た化け物が生まれるだろう。

気をつけなければならないのは、血と同時に死者の想いも取り込む可能性がある点かな。

討伐令を出されることを避けるためにも、僕が首謀者だと一部の観客にでも決して漏れないようにしないとまずそうだ。

 

さて、この計画はマスターに話すべきかな。もちろん話して情報共有出来ていた方が楽だけど。

一般的な感性の持ち主ならそれだけの数の殺戮、間違いなく嫌悪感を示すだろうね。

彼女の聖杯戦争を勝ちたい気持ちは本物だけど、時々見せた言葉の詰まり方、目線の動かし方からどこか悪になりきれない市民的な面もありそうだ。

準備期間の間にどこまでの決意を示してくれるかに懸かってるから、僕はそれを後押ししていこう。

 

 

それにしても、この世界には本当にあらゆる種類の生物が存在している。

この中で純血という物の優位性なんて、強い意味なんて無いのではないかと思ってしまいそうな……。

 

いや。僕だって純血の獣人1000人の想いと血を受け継いでいるんだ。

だから、雑種や元人間なんかに負かされても、絶対に僕らが彼らと等価な存在だなんて思うことはしなかった。

そうさ、この世界やマスターがどうなろうと、こちらのためには仕方ない。

順調に行けばマスターも願いを叶えることはできるし、それで清算してもらえばいいのさ。

 

さて、これからマスターのサポート以外にも、薬剤開発のために元の世界での真垣のような研究員は欲しいし、

自律兵器の備蓄は増やしたいし、やらなきゃならないことはいっぱいあるな……。

 

 

【サーヴァント】

【CLASS】

アーチャー

【真名】

アラン・シルヴァスタ

【出典】

BNA ビー・エヌ・エー

【ステータス】

筋力B 耐久EX(B) 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具A+

【属性】

秩序・悪

 

【クラス別能力】

対魔力:B

 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。

 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

 

単独行動:C

 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。

 ランクCならば、マスターを失っても一日間現界可能。

 

【保有スキル】

オオカミ獣人(純血):A

 人間態と獣人態の2つの体の状態を持つ、人間から派生した種族が獣人。

 その獣人態の姿は、金色の毛皮を持つオオカミ。

 純血種とは、他の動物の獣性を持つ獣人達と交わらず、同一の獣性を持つ獣人だけの交配により維持されてきた一族。

 獣人の姿を隠し人間に溶け込むことに長け、臭いも人間同様にでき、人間態でも獣人態の力を発揮し並の獣人の獣人態に全く劣らない膂力を持っている。

 

正体隠蔽:A

 自ら正体を明かすまで、周りの人々は怪しむ者こそいれど誰もが彼のことを人間だと思っていた。

 特殊な消臭剤を体に使用して臭いを発さず行動できるため、動物や獣人には特に有効。

 自らの陰謀を隠蔽して動くことにも長けている。

 更には、聖杯戦争においてはサーヴァントとしてのステータスやスキルを偽装することも可能。

 

アニマシティの協力者:B-

 財閥の一員、製薬会社CEOとしての所業がスキルになっており、カリスマ、黄金律の効果を内包している。

 ただしアーチャーは本来の目的を隠し他者を駒としてしか見ていないため、

 陰謀が露見してしまった場合は効果が低下、もしくは消滅する。

 

医術:D+

 主に獣人に関する分野で、薬学、疫学、病理学などを習得している。専門の研究者ほどの能力はない。

 また、元の世界で扱った獣因子入りの血液、獣因子消滅薬、麻酔薬といった製剤をある程度ストックしている。

 

 

 

【宝具】

『獣人都市を終わらせる医療兵器(ドローネン・ウント・エンゲルマシーネ)』

ランク:E+++ 種別:対人宝具 レンジ:2〜99 最大捕捉:300000人

 アーチャーがアニマシティを裏から支配するために使用していた自律兵器。3種類存在する。

 羽ばたき型の小型ドローンに警護や仕事のサポートをするため麻酔銃とプロジェクター機能を搭載したタイプ、

 同じく羽ばたき型ドローンだが4枚羽を持ち大型で兵器のような目的に使われるタイプ、

 エンゲルマシーネと呼ばれる箱型で走行し必要に応じて頭部、脚部、ミニガン搭載の腕、背の対空用機銃を展開、そして背の固定用アームで獣人を捕獲運搬できるタイプ。

 これらは通常の銃弾も、薬品を入れた注射筒も使用することができる。リモコンを用いた操作も、プログラミングされた動作をさせることも可能。

 最大捕捉はアニマシティの人口に値する30万人だが、

 そこまでの量を行使するには充分な準備期間と資金投入が必要。

 初期状態では、正体隠蔽時の護身用に使用していた数十台のみしか行使できない。

 

『千の純血の血・シルヴァスタの下に(ブルット・フォン・シルヴァスタ)』

ランク:A 種別:対獣人宝具(自身) レンジ:- 最大捕捉:1人

 シルヴァスタの選ばれしものだけが受けられる「不死の儀式」により、千人の純血の狼獣人の血を体に流し込んだことによる力。

 どれだけ傷を負っても素早く自然治癒し、切断されようとすぐに癒合する、不死身の能力。

 一応戦闘で追い詰められた際には助けを乞うていたため、限界は存在する可能性がある。

 

『完全獣化・三つ首の金狼(ドライカプフィシ・ゴールデナー・ウォルフ)』

ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:2-50 最大捕捉:300人

 千人の獣人の血を得たことに付随する、巨大な動物の姿に変化する完全獣化能力。

 その姿は3つの頭を持ち、翼のような部位も持つ金色の狼。体表を刃のように突出させ敵を切り裂くこともできる。

 飛び道具として金色に輝く光束を口から発す。それは高周波の音波とも破壊力そのものとも捉えられ、彼はこの力を「神の遠吠え」と呼んでいる。

 

【weapon】

 麻酔薬の入った注射筒を発射するピストルを携帯する。

 

【サーヴァントとしての願い】

 完全に失脚してしまった自分の復権。また、純血の獣人が世界を裏から支配する体制をより強固に、更に表に出ないようにする。

 まあ僕の陰謀を阻止した上に僕まで助けてくれた彼ら彼女らに免じて、雑種の獣人も人間も共生できる世界を目指すのは阻止しないでおいてあげるかな。

 

【人物背景】

 ヨーロッパに古くからある名門の家シルヴァスタ家が率いるシルヴァスタ財閥の御曹司で、

 ゆくゆくは中心的人物になると目される。財閥のグループ企業であるシルヴァスタ製薬のCEOを務めている。

 その財力と権力で人間でありながらもアニマシティの設立を支援、そして病院と研究所を兼ねるオフィスや工場をアニマシティ内に置くことで財政も支援してきた。

 ところが、アニマシティの設立に協力したのは裏の理由があった。そして本人の正体も人間などではない。

 アニマシティで渦巻く陰謀を辿ると、全て彼に行き着いていたのだ。

 

 自分の正体を隠蔽し、他者を信用させて利用していく。

 真実は見えないところに存在すると言いながらも、当人は真実に嘘を混ぜロジックを組み立てた話をし他者を欺く。

 話の内容に疑うべき点が見つからずとも、話し方が軽いので厳格な人から見るとどこか信用ならない感じもする。

 自分の一族以外は全て見下していて、誇りを踏みにじることにも全く躊躇がない。

 

【方針】

 優勝狙い。正面から戦うより、策謀を練って裏で動きたい。

 

【把握資料】

 アニメ全12話。主な活躍は後半から。

 小説BNA ZEROにはアランは出てきませんが、世界観をより知ることができます。

 

 

 

【マスター】

二階堂ルイ

【出典】

オッドタクシー

【性別】

女性

【能力・技能】

 魅力的な容姿を持ちながらも、人気を得るために愛嬌、話術、機転、駆け引き、涙などを意識して全て身につけ活用してきた。

 アイドルとして採用が決まった後も努力してレッスンに取り組み、ダンスも歌も十分な能力を身に着けた。

 

 サーヴァントにより投与された獣因子入りの血液により、BNA世界準拠で獣人化している。

 なので外見は、原作最終話までに描かれた姿とほぼ同様の獣人の姿になっている。爪とかがより少し獣寄り。

 BNA世界における獣人は獣人態と人間態の姿を持ち、獣人態では人間よりも力も運動能力も高く、その動物特有の能力も使える。

 獣人態のルイは犬の特性により嗅覚が発達、またトイプードルなので毛が厚く弾力性もあるが手入れが大変だと思われる。

 

【人物背景】

 アイドルグループ「ミステリーキッス」のセンターを務めるアイドル。

 負けず嫌いな性格で、容姿を活かし人気者として生きてくる中でアイドルを目指そうと思い、事務所に採用され必死に努力してきた。

 プロ意識も強く、アイドルの仕事中とプライベートでの表裏もはっきりしている。

 しかし、メジャーデビュー直前にて担当となったプロデューサーの意見によりすべてが否定されそうになり、そこから歯車が狂いだしてしまう。

 

【マスターとしての願い】

 元の世界に戻り、過去をやり直し正しくアイドルとして成功したい。

 もう誰にも負けたくない。

 

【方針】

 優勝狙い。その過程で手段としてこの街で上位のアイドルを目指す。

 体に傷をつけたくはないので、獣人の身体能力は戦うよりは逃げるのに活かしたい。

 

【ロール】

 デビュー直前の"人間の"アイドル。

 

【令呪の形】

 ミステリーキッスのロゴのUFOの線、その上にそれを踏みつけ牙を剥いた犬の図案、そして下に座り込む馬の図案。

 背中にあるが普段は白い毛の下になってるので、使用時に光る以外ではほぼ確認不能。

 

【把握媒体】

 アニメ13話、他に参考資料としてはオーディオドラマ。

 アニメと内容は同じだけどセリフが文章で読めるので、ビジュアルコミックも片手に置いて書くのには良さそう。

 漫画版や小説版は基本アニメ準拠だけど少し内容が違っているので注意。

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